【徹底レビュー】「ホンダ N-BOX」迫力のスタイルから充実の室内空間までプロが解説

軽自動車マーケットでのホンダの不振を一気に吹き飛ばす大ヒット車となったN-BOX。2017年8月31日に新型に切り替わることが発表されたにもかかわらず、7月の販売台数は依然ナンバーワンに輝いている。「軽のミニバン」マーケットで君臨を続けるN-BOXの人気の秘密に迫る。

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2011年12月の発売から軽自動車市場を席巻したベストセラー

ホンダが、「日本にベストな新しいのりものを創造したい」という想いを込めて、開発したのが新世代軽乗用車のNシリーズです。その新世代軽自動車の第一弾となるホンダ・N-BOXは2011年12月より販売開始し、2012年7月にN-BOX+、2014年12月にはN-BOXスラッシュという派生モデルが登場しました。2011年の登場以降N-BOXシリーズは大ヒットモデルとなり2012年度(2012年4月〜2013年3月)から2014年度を除く2016年度までの4回も軽自動車販売台数No.1に輝きました。2017年8月31日に初のフルモデルチェンジが予定されていますが、2017年7月の販売台数もNo.1になるなどN-BOXの人気は衰える気配がありません。どうして、初代N-BOXがこれほどの人気を集めたのかその理由に迫ってみましょう。

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「軽のミニバン」ダイハツ・タントへのホンダの回答

2011年12月に登場したN-BOXは当時軽自動車の主流であったスズキ・ワゴンRやダイハツ・ムーヴといったハイトワゴンではなく、軽自動車で最大級の室内空間を実現したスーパーハイトワゴンのニューモデルとして登場しました。ダイハツ・タントが先駆となったスーパーハイトワゴンは、高い車高にリアスライドドアを組み合わせたことで利便性を実現し、「軽のミニバン」として子育てのママに人気の車種となっていました。

ホンダ独自の低床フロアで実現した、広大な室内空間と多彩なシートアレンジ

N-BOXはクルマの骨格にあたるシャーシから全面的に見直し、コンパクトカーの人気モデルであるフィットに採用されているホンダ独自のパッケージテクノロジー、センタータンクレイアウトを採用。その結果、同じクラスの車種で最も低いフロアを実現し、広い室内を確保するだけでなく、ミニバンに匹敵する多彩なシートアレンジを可能したのが特徴です。

ウルトラシートと名づけられたN-BOXのシートは左右分割で座面を跳ね上げられるリアシートを採用。後席を前に倒してフラットな空間となるユーティリティモードをはじめ、シートの座面を跳ね上げて背の高いモノを積めるトールモードなど4つのモードのシートアレンジが可能となっています。リアシートは、2015年2月のマイナーチェンジでリアシートにスライド機構が付き、さらに利便性が高くなりました。

フィットもそうですが、ホンダ独自のセンタータンクレイアウトはライバル車と比べて広い室内空間を実現しています。そしてそれに加わった多彩なシートアレンジがN-BOXの人気の理由の大きな部分と言えます。

さらに強く立派に見えるN-BOXカスタム

N-BOXは標準車のN-BOXとメッキパーツを多用し押し出し感を強めたN-BOXカスタムという2つのモデルを用意しています。特にN-BOXカスタムはメッキパーツで存在感を強めた大きなフロントグリルを採用し、女性っぽい印象の強かったスーパーハイトワゴンマーケットに男性を呼び寄せることに成功しました。

新開発されたエンジンも良好な燃費を実現

搭載されるエンジンは、シャーシ同様に新開発されたS07型と呼ばれる660cc直列3気筒で、ホンダの軽自動車搭載エンジンとしてはじめてDOHC4バルブ方式を採用しています。アイドリングストップ機構を搭載した直3DOHCエンジンは最高出力58psを発生する自然吸気エンジンと最高出力64psを発生するターボエンジンの2種類を設定。組み合わされるミッションは駆動方式に関わらず高い動力効率を達成した新開発のCVT。駆動方式はFFと4WDを用意し、JC08モード燃費は20.8〜25.6km/Lを実現しています。

改良を加えて、燃費性能を向上させるとともに、空気清浄機機能付きエアコンや、紫外線や赤外線をカットするガラスを窓に採用するなど車内の快適装備の充実も注目です。ただ、衝突回避軽減ブレーキが低速域でしか作動しないなど先進安全運転支援装備面で、今となってはやや古さを感じます。これはフルモデルチェンジによってホンダセンシングが全車標準設定されるので、新型では解消されるでしょう。

おすすめはターボ付きの特別仕様車

N-BOX価格表

N-BOXカスタムの価格表

グレード構成はN-BOXがGターボLパッケージをはじめ、GLパッケージ、G、Cの4タイプ。GターボLパッケージとGLパッケージには2トーンカラースタイルが用意され新車価格は119万8000円〜165万9400円です。一方のN-BOXカスタムはカスタムGターボLパッケージをはじめ、カスタムGLパッケージ、カスタムGの3タイプ。GターボLパッケージとGLパッケージには2トーンカラースタイルが用意され新車価格は148万円〜185万9400円となっています。

N-BOXとN-BOXカスタムは装着されるホイールが一部のグレードで14インチと15インチの違いがありますが、サスペンションの設定は同じです。サスペンションの味付けは車高が高いこともあり、かなり柔らかめです。カーブを曲がるときなどの傾きは大きいですが、不安になるような横揺れなどは非常によく抑えられています。自然吸気エンジンでも不満はありませんが、車両重量が重いこともありターボエンジン搭載車のほうがストレスなく走れるのは間違いありません。先進安心運転支援装備がオプションとなっているのが不満点ですが、特別仕様車のターボSSパッケージならば標準装備となっているので、このグレードがオススメです。しかも利便性を高めてくれる両側パワースライドドア、そしてチップアップ&ダイブダウン機構付リアシートも標準装備となっているので、購入後の満足度もかなり高くなります。

写真は8月31日発売の2代目N-BOX

新型にも引き継がれる初代N-BOXの魅力

いよいよモデルチェンジが目前に迫ってきたN-BOX、新型は燃費に寄与する軽量化に加え、事故回避を支援するシステム「ホンダセンシング」の全車標準装備、大きくスライドする助手席など、時代に合わせた進化を遂げています。しかしパッと見の印象は初代N-BOXと非常に似ています。広い室内空間と工夫されたシートアレンジ、そして立派に見える外観で人気を集めた初代N-BOX。そのコンセプトがいかに優れていたかは新型を見るとより明らかになるでしょう。

 

萩原 文博

この記事の執筆者

萩原文博(はぎはらふみひろ)

中古車雑誌編集部を経てフリーランスとして独立。現在は日本で最も多くの広報車両を借り出している男として業界で有名だ。もともと走り屋だけに走行性能の評価は得意。それだけでなく長年の中古車相場の研究で培った、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

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