【ベストグレード】「トヨタ ハリアー」ターボかハイブリッドか。プロはどちらを選ぶ?

日本専用モデルとして生まれ変わったハリアーは、高級SUVとして不動の地位を築いている。2017年6月に初の大きなマイナーチェンジを受け、ハイブリッドとガソリン車の間を埋めるターボモデルが設定された。さらにこの9月にはトヨタのスポーツカーシリーズ「GR」ブランドのハリアーも追加され、選択肢が広がったハリアーのベストバイを探る。

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日本人の好みを反映した国内専用モデル

日本だけでなく世界にクロスオーバーSUVというジャンルを根付かせたのがハリアーです。初代、2代目は海外でもレクサスRXという名前で販売され大ヒットとなりました。そして日本へのレクサスブランド展開に伴って3代目はレクサスRXとして登場。同時に2代目ハリアーの販売は縮小され、いずれ終了となる予定でした。しかしRX導入後もハリアーの人気が衰えなかったことから、トヨタは新たに国内専用車種として現行型ハリアーを2013年11月に投入、またもやヒットとなったのです。RXよりやや小さく日本で使いやすいサイズながら高級路線は変えなかったことが、その人気の秘密でしょう。今回のマイナーチェンジではフロントマスクがより薄くシャープになりましたが、好評の外観に大きな変更はありません。

先進安全装備を全グレード標準化

今回の大幅改良の目玉は前述の通りガソリンターボ車の追加ですが、見逃せないもう一つの大きなニュースは自動ブレーキなどの「先進安全装備」の改善です。昨今、政府がこれらの装備類の普及啓発を目指し「サポカー」という新しい取り組みを始めていますが、今回ハリアーはトヨタの先進安全装備の最新版「トヨタ・セーフティ・センスP」を全グレードで標準装備としました。この段階で「サポカー」に該当しますが、さらにメーカーオプションの「インテリジェントクリアランスソナー」を装着すると最も高機能な「サポカーS(ワイド)」になります。ちなみに「トヨタ・セーフティ・センスP」のプリクラッシュセーフティシステムは車両だけでなく、歩行者も検知し自動ブレーキを作動させるので同じ「サポカー」の中でも高機能なのです。

高級感あふれる内装もさらに進化

見た目だけではなく、乗り込んだ時の室内の高級感もハリアー人気の理由です。こちらも好評のため今回のマイナーチェンジでは大きな変更はないものの、プレミアムナッパ本革を採用したシート表皮を採用するなど、「本物感」から「本物」を追求したインテリアを実現したとしています。

ガソリン車ならターボを選んで正解

そんなハリアーですが購入検討者にとって気になるのは、やはり新たに追加された2Lガソリンターボ車でしょう。このエンジンはレクサスNXやIS、トヨタ・クラウンアスリートにも搭載されている最新の省燃費型ダウンサイジングターボです。これまでのハリアーは2.5L直4ハイブリッドと2L直4ガソリンの2種類のパワートレーンを持っていました。その価格差は現行モデルで比較しても80万円以上です。一方、ターボ車は2L直4ガソリンに比べて27万円前後の価格アップにとどまっており、ハイブリッド車よりはお手軽価格に設定されています。

ターボ車はパワーアップしたことに加え、トランスミッションがCVTではなく電子制御の6速オートマチックになったこともあり、これまでの2L直4ガソリン車はもちろん、ハイブリッドと比べてもはるかにスポーティでシャープな走りを楽しめます。もしガソリン車を選ぶのであれば間違いなくターボ車がオススメです。おそらく手放す時のリセールバリューもターボ車の方が良いでしょう。

ターボとハイブリッド、それぞれ光る個性

では、ハイブリッドとターボではどうでしょう。まず知っておきたいのは使用ガソリンがターボ車はハイオク仕様、ハイブリッド車はレギュラー仕様ということです。まずここで10%ほどハイブリッドの方がランニングコスト面で有利になります。さらにJC08モードで約8km/L、実際でも約4km/Lほどハイブリッドが燃費で勝りますので、ランニングコストは間違いなくハイブリッド車のほうが優れています。ただし、それでも価格差を埋めるのにはかなりの距離を走らないといけません。

そもそも「何万km走らないと元が取れない」という考えは個人的にはあまり意味を持たないと考えています。クルマにはそれぞれのコンセプトや個性があるわけですから、同じハリアーでも燃費を重視したいのであればやはりハイブリッドを選ぶべきですし、これまでハイブリッドでも物足りなかった走りの良さを楽しみたいのであれば当然ターボになります。そういう点では新型ハリアーは個性が明確化されたことにより選びやすくなりました。個人的には走りの良さが光るターボがオススメです。

予算に余裕があれば最上位グレードだが

ハリアーはどのエンジンでも下から“ELEGANCE”“PREMIUM”そして最上位の“PROGRESS”が設定されています。これに特別仕様車の“Metal and Leather Package”が“PREMIUM”と“PROGRESS”に設定されます。

ターボ車(FF)の場合、“ELEGANCE”と“PREMIUM”は13万9320円、“PREMIUM”と“PROGRESS”は53万280円の価格差があります。“PROGRESS”には9.2型の大画面を持つ高機能なT-Connectナビが標準装備されることが価格差の大きな理由です。車両周辺がナビの画面上で確認できる「パノラミックビューモニター」も“PROGRESS”のみの装備ですから、予算に余裕があれば“PROGRESS”を選べば間違いはありません。

“PREMIUM”に市販ナビという選択

しかし、それにしても50万円以上です。ちなみにこのT-Connectナビは“PREMIUM”でもJBLスピーカー付き43万2000円でオプション装着が可能なのですが、カーナビの場合、純正だけでなく市販品という選択肢があります。特にここ数年間のトレンドである“大画面”に関していえば市販も選択肢は多く、工賃込みでも純正より安く仕上げることも可能です。つまりトータルでの支払いを下げたい場合、“PREMIUM”に好みの市販ナビを付けるというのが一番わかりやすいわけです。

また前述した先進安全装備である「インテリジェントクリアランスソナー」は“PREMIUM”の場合、2万8000円のメーカーオプションとなるので、これだけは絶対に装着することをオススメします。

大穴登場!今、旬な新ブランド“GR SPORT”

9月19日にトヨタがこれまでのスポーツコンバージョン車シリーズである「G Sports(G’s)」に代わる新しいスポーツカーブランド「GR」を発表しました。「GR」ブランド車は内外装はもちろん、ボディや足回りの性能を高めています。

ハリアーにもこのブランドから発生した「GR SPORT」が設定されており、2Lのガソリンとターボ車から選ぶことが出来ます。ハイブリッド車狙いの場合は残念ながら候補から外れてしますし、ターボ車の場合は4WD車しか選択肢はありません。またベース車が“ELEGANCE”なので“PREMIUM”より少し装備が足りなかったりする部分はあります。さらに前述したオススメの「インテリジェントクリアランスソナー」の設定もありません。それでも走りを楽しむために専用チューンのサスペンションを採用するなど磨き込んだ仕様とその希少性は、購入後の満足度はもちろん、中古車になった際のリセールバリューも期待できそうです。

ターボのPREMIUMがイチオシ、GR SPORTも悩む価値あり

結論としては今、ハリアーで狙うならばターボ車。グレードは走りと上質さを両立させたいのであればミドルグレードの“PREMIUM”。そして走りをもっと楽しみたい、標準モデルよりリセールバリューを期待したいのであれば「GR SPORT」という選択もありかと思います。

高山 正寛

この記事の執筆者

高山正寛(たかやませいかん)

自動車専門誌で20年以上にわたり新車記事を担当しフリーランスへ。ITS EVANGELIST(カーナビ伝道師)としてカーナビはもちろん、昨今の自動運転領域や先進安全技術、カーセキュリティも含めたカーコメンテーターとして活躍。AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員、2017-2018日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員を務める。

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