馬弓 良輔
寄稿記事(上級者向け)
カルモマガジン編集長
馬弓 良輔まゆみよしすけ

売れているクルマはいいクルマ?SUV・ミニバン編

売れているクルマはいいクルマ? SUV・ミニバン編

2017年のヒットチャートを邁進するトヨタC-HR、ヴォクシー/ノア。果たして売れているクルマは本当にいいクルマなのか?カルモマガジン執筆陣による本音トーク満載の座談会の後半はSUV、ミニバン編だ。

馬弓(以下M):今回は「売れているクルマはいいクルマ?」と題して座談会を開催していますが、予想以上に盛り上がり2回に分けてお届けすることになりました。

前半の「軽自動車・コンパクト・プリウス」編は以下のURLからご覧ください。

https://car-mo.jp/mag/2017/10/2917/

なお念のためお伝えするとギャラは1回分です。では第二部は話題のコンパクトSUVから始めましょう。C-HRはどうですか?バカ売れしています。

目立ち度抜群のC-HRだが・・・

目立ち度抜群のC-HRだが・・・

プリウスベースの安心感も加わってスマッシュヒットとなったトヨタC-HR。他の何とも似ていない斬新なスタイルが武器だ

萩原(以下H):本来プリウスを購入するユーザーが流れているそうです。

高山(以下T):プリウスよりちょっと燃費は悪いけど流行のコンパクトSUVだし、ハイブリッドだから人気は集まりますよね。

H:ただ、C-HRはリアシートが狭いことには注意が必要です。それにターボはエコカー減税外だからハイブリッド車の一択です。

後席の居住性はやや厳しい

好評のC-HRだが立体駐車場にも入れられる低い全高と引き換えに後席の居住性はやや厳しい

M:同じTNGAを採用したプリウスは4WDがあるのに、C-HRにハイブリッドの4WD車はないのはなぜなのでしょう?

T:プリウスの4WDは低速時のみ作動する電気式だし、C-HRにはスペース的な制約もあります。それと海外ではダウンサイジングターボの評価が高い。だからコンパクトSUVの世界戦略車として仕立てたC-HRはターボ車が4WDになったのです。でもこの1.2Lターボではパワーが厳しいです。

H:現在、コンパクトSUVが人気ですから。ここに商品がないというのはトヨタとしてはありえません。ホンダヴェゼルやマツダCX-3、ちょっと古いですけど日産ジュークの独走はさせないということです。

M:C-HRはスタイルの力ですよね、好きか嫌いかはっきり分かれるけど。プリウスベースの安心感ということを差し引いても、スタイルだけであんなに売れるとは驚きました。ところで対抗馬のヴェゼルはどうですか?C-HRを買う人はコンサバな格好のヴェゼルと迷わない気もしますが。

ヴェゼルは隙のないオールラウンダーのSUV

ヴェゼルは隙のないオールラウンダーのSUV

登場からだいぶ時間は経ったものの実力は衰えないヴェゼル。コンパクトな外観からは想像もつかない広い室内空間が魅力だ

T:誰が買っても文句が出ないオールラウンドプレイヤー。後席やラゲッジルームが広い。ハイブリッド車でも4WDがある。そしてホンダセンシングを搭載して、EPB(電動パーキングブレーキ)も採用している。加えて誰からも嫌われないデザイン。隙がないです。

H:ハイブリッド車に4WDがあるから北海道をはじめとした降雪地で人気です。個人的には立体駐車場に入らない以外はコンパクトSUVの中で最もバランスが良いクルマだと思います。

T:ヴェゼルは登場してから、ずいぶん時間が経っているモデル。見慣れてしまったからスタイル面でフレッシュなC-HRと比べるのは少々ムリがある。

M:なるほど、お二人ともヴェゼル絶賛ですね。ちょっとモッサリしていませんかね、極端なC-HRはともかくマツダCX-3の流麗なスタイルと比べると。まあ、あくまでも個人の感想ですが。

T:ヴェゼルはファミリカーとして使えるコンパクトSUV。CX-3、C-HRはファミリーカーとしては少々使い勝手に厳しいものがあるといえます。

H:CX-3とC-HRはお子さんのいる家族では厳しいですけど、ヴェゼルは十分ラゲッジスペースやリアの居住性は確保されています。デザインもハッキリと好き嫌いが分かれないですし、オールラウンドプレイヤーだと思いますね。

CX-3

コンパクトのデミオベースとは思えない流麗なスタイルを誇るCX-3。ディーゼル専用だったが最近ガソリンエンジンも追加された

M:CX-3のスタイルはマツダの中でも秀逸なものだと思うし、マツダにしては柔らかめの足回りとディーゼル+6ATの力強い走りは長距離走るならおすすめですけどね。だってSUVは遠出してナンボですよ(このあとひとしきりCX-3擁護の発言が続くが割愛)。はい、はい、わかりました。コンパクトSUVながら使える広さを持ったヴェゼルをこの部門の「いいクルマ」にしておきます。多数決だから仕方ない。

ハリアーはもはやブランド

ハリアーはもはやブランド

マイナーチェンジで走りのターボが追加されたハリアー。その人気は絶大だ

M:では気を取り直してミドルクラスのSUVはいかがですか。ハリアーが安定して10位台に入っています。安いクルマではないのにノアとかヴェゼルと同じくらいの販売台数はすごいですよね。

T:ハリアーはもはや一つのブランドになっています。あの形をしたハリアーを多くの人は欲しいのです。

ハリアー インテリア

ハリアーの魅力は上質なインテリアもそうだろう。プレミアム感はこのクラス随一

M:現行型のハリアーは短いホイールベース(前の車輪と後ろの車輪の間の長さ)と長い前後のオーバーハング(車輪から車体の端までの長さ)のアンバランスが気になって仕方がありません。上の走りの写真はうまい角度で撮っていますね。カメラマン誰でしたっけ。この角度からだとかっこいいけど真横から見たら・・・(この後、SUVのスタイルについての個人的意見が続くが割愛)。まあ好みの問題なのでこれ以上掘り下げません。ただ内装の雰囲気、これはハリアーいいですね。プレミアム感が一番出ています。

H:他のクルマと比べると優れたポイントが多いわけではないです。しかしみんなハリアーブランドがほしいのです。もう性能云々ではありません。それくらいの地位を築いたクルマだと思います。

T:そう。これまでの2L自然吸気エンジンは遅かった。そしてハイブリッドは価格が高かった。だから今回のマイナーチェンジでターボを出したわけです。またこれで人気に拍車がかかります。

M:同じクラスのマツダCX-5とハリアーでは悩まないものですかね?CX-5はよく出来ていますよ、あらゆる意味で隙がないのは出たばかりのCX-5だと思います。あれだけ内容充実したのにお値段もほぼ据え置きだし。

「いいクルマ」なのはCX-5

「いいクルマ」なのはCX-5

今年1月に2代目に切り替わったマツダCX-5。世界的に売れているクルマだけに外観はキープコンセプトながら中身は大幅進化

H:CX-5の出来が良いのは同意見です。「いいクルマ」はどちらか?と聞かれたら、間違いなくCX-5。だけどハリアーは指名買いなので、たぶん買う人は全く悩まないですね。もはや別カテゴリーです。ちなみにセーフティセンスもさすがにこのクラスは「P」です。

エクストレイル

セレナに続いて「プロパイロット」を追加した日産エクストレイル。ハイブリッドもラインナップするなど日産の意気込みが伝わってくる1台

M:そんな状況下で日産エクストレイルは健闘しているのではないでしょうか。

T:これはプロパイロット効果ですね。そして忘れていけないのが、ガソリン車に7人乗りがあること。マツダCX-8で3列シートのあるSUVが話題になっていますが、あと三菱アウトランダーにも7人乗りがあることも忘れてはいけません。スペース的に仕方がないとはいえPHEVに設定がないのは残念無念です。

H:このSUVクラスはまさに人気車=いいクルマとは当てはまらない典型ですね。「いいクルマ」はCX-5ですよ。しかしプレミアムSUVというカテゴリーを築いて、いまだに高い人気を誇っているハリアーの実力はスゴイと思います。燃費も安全装備も良いし、他にはないプレミアム感もある。ハリアーも「いいクルマ」認定せざるを得ません。

マイナーチェンジでも隠しきれないヴォクシー/ノアの古さ

マイナーチェンジでも隠しきれないヴォクシー/ノアの古さ

ヴォクシーとノア、そして上級版のエスクァイアを加えると堂々の販売台数1位。クラス唯一だったハイブリッドの存在、さらにマイナーチェンジによって外観もシャープになったが・・・

M:では最後にミニバンを見てみましょう。6位にトヨタヴォクシーが入っています。さらにノア・エスクァイアの3兄弟足すと実は堂々のトップです。

T:これは販売力そして化粧直しの巧さですね。すばらしい。旧型は少し残念だったけど現行型はよく頑張って作っていると思います。

H:マイナーチェンジ後のモデルに乗りましたけど買うならガソリン車ですね。ハイブリッドは価格が高すぎます。販売台数は多いですけど走りはステップワゴン、セレナのほうが好みです。極めつけは安全装備。これも装着されているのは「トヨタセーフティセンスC」。ライバル車に大きく水を空けられています。

ハイブリッドが追加されたステップワゴンに死角なし

ステップワゴン

つい先日のマイナーチェンジで待望のハイブリッドが追加となったステップワゴン。もともとクルマの出来は良いだけに、巻き返しなるか

M:最近このクラスに全て乗りましたがヴォクシー/ノアがおもてなしの心が一番足りなく感じました。やっぱりセレナとステップワゴンは収納やセカンドシートが使いやすい。走りもセレナが劇的に改善されたのは驚きでした。柔のセレナ、剛のステップワゴン、どちらも実力派です。ヴォクシー/ノアはマイナーチェンジされたとはいえセレナ&ステップワゴンに比べると開発者の本気が足りない気がします。

T:ヴォクシー/ノアはクラスで最も床は低い。これは評価している。でもシートアレンジにやや工夫が少ない。セレナは床に段差があって高齢者にはツライ。しかしシートアレンジは良くできている。そうなると両方持っているステップワゴンがいい。セレナは先進運転支援システムの「プロパイロット」をミニバンに装着した点は素晴らしい。ただ燃費の問題があるセレナは「e-Power」待ちですね。しかしその前にステップワゴンにハイブリッドが登場しました。あれは良いですよ、モーターで走る領域が広くて。驚きのレベルでした。

M:ステップワゴンのワクワクドアはいいですか?あれを強調するためにスタイルをぶち壊していませんかね。どうも最近のホンダはスタイルで損している気がしてなりません。あくまでも個人の感想ですが。

H:3列目に人を乗せるときや荷物を積む時にやはり便利という声はよく聞きます。

T:荷物を入れるだけならセレナも良いけど、5~6人乗りでサードシートの片側をしまうと非常に便利だね。

日産セレナは「e-Power」が出れば間違いなく「いいクルマ」

日産セレナは「e-Power」が出れば間違いなく「いいクルマ」

日産の屋台骨の1台であるセレナ、先進安全運転支援システムである「プロパイロット」で話題を集めるが、そもそもの実力も高い。e-Powerが加われば鬼に金棒状態!

H:セレナは跳ね上げても後方視界がいい。ヴォクシー/ノアは上まで覆うので後方視界を妨げてしまう。重要なポイントは先進安全装備でセレナは「プロパイロット」、ステップワゴンは「ホンダセンシング」があります。ヴォクシー/ノアの「トヨタセーフティセンスC」では歯が立ちません。

M:なるほど、そうなるとセレナはもうすぐ登場する「e-Power」待ち、ハイブリッドが追加されたステップワゴンが「いいクルマ」ですね。

コンパクトミニバンならフリードの一択

コンパクトミニバンならフリードの一択

使いやすいサイズと3列シートミニバンの利便性を兼ね備えたフリード、使い勝手も走りも高評価

M:ヴォクシー/ノアより小さいミニバンのシエンタとフリードはどちらがいいですか?

T:個人的にはフリードですね。デザインはシエンタの方がいいと思います。そしてもう一つシエンタで評価しているのはサードシートをセカンドシート下に収納できることですね。フリードのデザインは普通。しかし6人のキャプテンをキチンと作っていますし、先進運転支援システムの「ホンダセンシング」がある。走りの印象もフリードのほうがキビキビ感はあります。

シエンタ

ロングセラーだった初代とうって変わって斬新なスタイルを手に入れたシエンタ。3列目シートの床下収納は非常に便利

H:シエンタを評価するポイントはやはりサードシートの収納が素晴らしいこと、その一点。安全装備では全く比較になりません。フリードはスタイルがコンサバだし、ボディカラーも地味というのがあえて言えば欠点かもしれませんが、それ以外はフリードの圧勝です。フリードはハイブリッドでも4WD車は選べるなど有利な点が多い。

T:フリードもできるけど、シエンタは福祉車両への転用が考えられているのは素晴らしい。すでに日本出迎えている超高齢者社会にはこういう視点は非常に大切だと思います。

M:C-HRもそうだけどシエンタのデザインも数年たったら飽きられそうな気もしますが、トヨタが積極的にデザインを変えにいっている姿勢はいいですね。好きか嫌いかは別にして。ただ、コンパクトミニバンではフリードの出来が良すぎるということですかね。ではフリードは「いいクルマ」認定で。このジャンルはさすがミニバンの始祖、ホンダ強しですね。

売れてないけど「いいクルマ」は三菱アウトランダーPHEV

売れてないけど「いいクルマ」は三菱アウトランダーPHEV

世界のPHV(プラグイン・ハイブリッド)をリードして来た三菱アウトランダーPHEV。その走行感覚はノートe-Power同様に電気自動車にとても近い

M:最後にランキングは下位でもっと売れても良いクルマがあれば教えてください。ちなみに自分はここ数年変わらず三菱アウトランダーPHEVです。こいつは素晴らしいクルマです。三菱の奇跡です。これは皮肉ではありません。カピバラみたいだった顔もガンダム調に変わって三菱らしくなりました。

T:やはりアウトランダーPHEVですね。電動化と言われていますが、いち早く取り入れているし。電気で走るし、充電もできる。マンション住まいの人も乗れるPHEVというコンセプトが良い。安全装備がもう少しだから、日産傘下に入ったことで、もしプロパイロットが付いたらかなり無敵。そして前回話に出たスイフトは200万円以下で買えるベストバイコンパクトだと思います。

H:そうですね。私もスイフトとアウトランダーはもっと評価されて良いクルマだと思います。

安全装備が結果を左右した2017年

というわけで座談会の後半の部、コンパクトSUV、ミドルクラスSUV、ミニバン、コンパクトミニバンの各クラスで「いいクルマ」をまとめると以下の通りとなりました。

コンパクトSUVクラス:ホンダヴェゼル

ホンダヴェゼル

ミドルSUVクラス:トヨタハリアー、マツダCX-5、三菱アウトランダーPHEV

トヨタハリアー

CX-5

三菱アウトランダーPHEV

コンパクトミニバンクラス:ホンダフリード

ホンダフリード

ミニバンクラス:ホンダステップワゴン

ホンダステップワゴン

今回は安全装備という「足切り」が結果に大いに影響しました。各社とも安全装備の充実に力を入れている昨今、次回はまた結果が変わってきそうです。

 

※記事の内容は2017年10月時点の情報で執筆しています。

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