【徹底レビュー】「マツダ デミオ」美しきコンパクトカー。そのスタイルからクラス唯一のディーゼルまで

ホンダフィットの登場以来、コンパクトカーはスペース重視のクルマが主流となった。しかしマツダのデミオだけは美しさを重視したスタイルと、ドライバー中心の設計によって、他のコンパクトカーとは一線を画した存在だ。クラス唯一のディーゼルエンジンや上級車と同等の安全装備など、見るべき点が多いコンパクトカーなのである。

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スペース重視路線からの決別

ホンダフィットの登場で、コンパクトカーは優れた燃費性能に加えて、広い室内空間も重要視されるようになりました。マツダのコンパクトカー、デミオもかつてはフィットに対抗して、スペース重視のクルマ作りがなされた時期もありました。しかし、ドライバーの意のままに走れる高い走行性能こそがマツダ車の特徴である。と公言するようになると、スペース重視ではなくマツダ車の特徴である「魂動デザイン」を採用した美しいコンパクトカーへと生まれ変わったのです。

2014年7月に登場した4代目となる現行型のデミオは、曲線を多用した外観デザインだけでなく、クラス唯一のディーゼルエンジンや、他の車種では少なくなったマニュアルトランスミッションを数多くのグレードで設定するなど、他のコンパクトカーとは異なる魅力を持っています。

美しいデザインをコンパクトカーにも

印象的な外観のデザインは生き生きとした体の動き、その凛とした緊張感とスピード感という力強くも美しい動きのエネルギーをクルマに再現したとする「魂動デザイン」を採用しています。最近のマツダ車に共通したデザインテイストが最も小さいデミオにも盛り込まれているのです。実用一点張りでもなく、かわいい路線でもなく、レトロフューチャーでもなく、自動車のデザインを美しさで前に進めようという姿勢を感じることができます。

実はこの外観デザインには上部を流れる気流とフロア下を通る気流を最適にバランスさせ、理想的な空気の流れを生み出す狙いもあります。それが高速走行時の走行安定性、静粛性、そして優れた燃費性能に貢献しているのです。

走りにこだわった「ドライバー中心」の設計

また、マツダのこだわり、ドライバーが意のままにクルマを操ることができる「人馬一体」を実現させるために、今回のデミオはエンジンとフロントタイヤの位置を前方に移動しています。その結果、運転席の足元スペースに生まれた余裕も、マツダは「意のままに車を操る」ために使っています。ドライバーがシートに座って、自然に足を伸ばしたところに踏み応えのあるオルガン式のアクセルペダルを配置する、これらは室内空間重視のコンパクトカーではなかなか実現できなかった「ドライバー中心」の設計です。

そしてフロントシートに上級車と同じゆったりと座れるサイズのシートを採用。背もたれと座面に新開発の素材である振動吸収ウレタンを採用することで、体に沿ってシートがしなやかにたわみ、体格を問わずシート全体で体を包み込んでくれるような心地良いフィット感を生み出します。

コックピットには多くの情報を扱いながらも安全に運転に集中できる「ヘッズアップコクピット」を採用。このヘッズアップコクピットによってドライビングポジションや視界などの基本性能を向上させると同時に、運転中に扱う情報を「走行情報」と「快適・利便情報」に明確にわけることで、操作の迷いを少なくしています。車速や警告などの走行情報は視線移動の少ない正面のゾーンに表示。ナビゲーションやインフォテイメント機能などの快適・利便情報はダッシュボード上のセンターディスプレイに集約しています。

決して広くはないが必要十分な室内スペース

このようにドライバーになにかと手厚いデミオですが、その代償としてライバル車に比べるとデミオの後席や荷物スペースは決して広いとは言えませんが、必要十分なスペースは確保しているとマツダは主張しています。

このあたりは一人や二人で使うことが多いのか、人や荷物を載せることが多いのか、自分の使い方と照らし合わせてみてはどうでしょうか。一人や二人で乗ることが多いなら、ドライバー中心主義のデミオは悪くない選択だと思います。

クラス唯一のディーゼルエンジンは遠出に最適

デミオに搭載されているエンジンは、最高出力68kW(92ps)を発生する1.3L直列4気筒DOHCガソリンエンジンと最高出力77kW(105ps)を発生する1.5L直列4気筒ディーゼルターボの2種類が主力です。15MBには最高出力85kW(116ps)を発生するハイオク仕様の1.5L直列4気筒DOHCエンジンを搭載していますが、これは競技のベース車という限られたニーズのためのエンジンです。

組み合わされるミッションは1.3Lガソリンには5速MTと6速AT。1.5Lディーゼルターボには6速MTと6速AT。15MBは競技用らしく6速MTのみとなっています。駆動方式は15MBを除く全グレードでFFに加えて4WDを設定。4WDシステムは、ドライバーが感じとれないほどわずかなタイヤのスリップをリアルタイムにモニターすることで刻々と変化する路面状況を予測し、自動制御で前後輪の駆動力を適切に配分する「アクティブトルクコントロールカップリング4WD」を搭載。従来の4WDに比べて走行性能と燃費の向上を果たしています。JC08モード燃費は15MBの19.2km/LからXDの6MT車の30.0km/Lまで、非常に優れた燃費性能を実現しています。

なかでもディーゼル車は燃料がガソリンより安い軽油であり、またその特性上、高速での燃費も良好なことから、遠出をすることが多い人には特におすすめです。

上級車と差のない安全装備

マツダはコンパクトカーのデミオにも安全運転サポート車「サポカーS・ワイド」に該当する技術を標準装備しています。マツダの安全技術である「アイアクティブセンス」を搭載し、衝突回避軽減ブレーキの「アドバンスドスマートブレーキサポート」をはじめ、AT誤発進抑制制御、ハイビームとロービームを自動的に切り替えるハイビームコントロールシステム、車線を逸脱思想なふらつきを警告する車線逸脱警報システムなど9つの機能が採用されています(MT車には搭載されていない機能もあります)。さらに、オプションで駐車する時などに便利なクルマを真上から見たような画像をディスプレイに映し出す360°ビューモニターを用意。こうした先進の運転支援システムに加えて、G-ベクタリングコントロールなど様々な電子デバイスによって快適に走行できるようにサポートをしてくれています。

デミオの車両本体価格は13Cの139万3200からXDツーリングLパッケージの226万2600円まで、かなり価格差があることからわかるようにクルマのキャラクターもグレードによって異なります。100万円台が中心の1.3Lガソリン車は軽快な走りが特徴です。一方200万円台とコンパクトカーでは高価格帯となる1.5Lディーゼル車はどっしりと落ち着いたグランドツーリング車に仕立てられていて、長距離ドライブでもコンパクトカーとは思えないほど疲れにくいのが特徴です。オススメのグレードはガソリン車がLEDヘッドライトを標準装備している13Sツーリング。ディーゼル車はホワイトとブラックの2色からシートカラーが選べる最上級グレードのXDツーリングLパッケージです。

■デミオ価格表(2018年2月現在)

グレード駆動方式JC08モード燃費(km/L)車両本体価格(東京)
13CFF(6AT)24.6139万3200円
4WD(6AT)20.6159万8400円
13SFF(5MT)21.8149万400円
FF(6AT)24.6
4WD(6AT)20.6169万5600円
13S ツーリングFF(5MT)21.8171万7200円
FF(6AT)24.6
4WD(6AT)20.6192万2400円
13S ツーリングLパッケージFF(5MT)21.8177万6600円
FF(6AT)24.6
4WD(6AT)20.6198万1800円
15MBFF(6MT)19.2156万600円
XDFF(6MT)30181万4400円
FF(6AT)26.4
4WD(6AT)22.8201万9600円
XD ツーリングFF(6MT)30199万8000円
FF(6AT)26.4
4WD(6AT)22.8220万3200円
XD ツーリングLパッケージFF(6MT)30205万7400円
FF(6AT)26.4
4WD(6AT)22.8226万2600円

使い道によっては唯一無二な国産コンパクトカーに

デミオは他の国産コンパクトカーとは異なり、ドライバー中心に設計されたマツダらしいコンパクトカーです。近所のお買い物だけではなく夫婦2人で遠出の旅行を楽しむ方などには、ディーゼルエンジンの力強い走りと低燃費は魅力的に映るはずです。万人にオススメするクルマではありませんが、自分の使い方やライフスタイルにピッタリという方も意外といるのではないでしょうか。

萩原 文博

この記事の執筆者

萩原文博(はぎはらふみひろ)

中古車雑誌編集部を経てフリーランスとして独立。現在は日本で最も多くの広報車両を借り出している男として業界で有名だ。もともと走り屋だけに走行性能の評価は得意。それだけでなく長年の中古車相場の研究で培った、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

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