【徹底レビュー】「トヨタ ヴィッツ」トヨタのグローバルコンパクトカー、その使い勝手から走りまで

純トヨタ製の最小サイズのクルマがヴィッツだ。2010年の登場からすでにだいぶ時間が経ったが、数度の改良によって走りや安全性能の向上が図られている。日本だけでなく世界中で販売されているヴィッツの実力はいまだに最前列なのか、徹底レビューします。

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世界で活躍する一番小さいトヨタ製トヨタ車

ヴィッツはトヨタにおけるコンパクトカーのベーシックモデル。パッソやルーミー/タンクがダイハツからのOEM供給車なのに対して、ヴィッツはトヨタが設計、製造をしている「ピュアトヨタ」のコンパクトカーです。またヤリスという名前でグローバル展開され、WRC(世界ラリー選手権)に参戦車のベース車両にもなるなど、世界中で活躍をしています。現行型ヴィッツは2010年に登場した3代目、登場からすでに8年近くが経過したロングセラーモデル。当初は3ドアモデルも設定されていましたが、現在は5ドアモデルのみ。長いモデルライフの中で様々な改良が行われているのが特徴です。

ハイブリッドの追加、安全装備のアップデートなど熟成された現行型

2014年の最初のマイナーチェンジで外観にトヨタのアイコンとも言える「キーンルック」のフロントデザインを採用、1.3LのFF車のエンジンも改良されました。2015年6月の一部改良では単眼カメラとレーザーレーダーという2つのデバイスを使用した衝突回避支援パッケージ「トヨタセーフティセンスC」を設定し安全性を向上させています。

そして2017年1月の2度目のマイナーチェンジで外観デザインが大きく変更され、フロントバンパー、ヘッドランプ、グリルが刷新されました。またスポーティグレードのRSが廃止、1.5L+モーターを組み合わせたハイブリッド車が追加されています。このタイミングでボディ剛性強化のためのスポット溶接増しや新構造のショックアブソーバーの採用も行われるなど走行性能のアップデートも図られました。

同年9月19日にはカスタマイズモデルのG’sに変わるスポーティシリーズとして「GR」を導入、さらに2018年5月の一部改良で、衝突回避支援システムのトヨタセーフティを第2世代へとアップデート。夜間の歩行者や昼間の自転車運転者を検知できるようになりました。

ハイブリッドの燃費は依然トップクラス

最新のヴィッツのパワートレインは1.5L+モーターのハイブリッドを筆頭に、1.3L直列4気筒、1L直列4気筒の3種類。駆動方式はFFが中心ですが1.3Lエンジンには4WDが用意されています。JC08モード燃費は18.0〜34.4km/Lと国産コンパクトカーの中ではトップレベルの低燃費性能を実現しています。

意外にもよく走り、よく曲がる

アップデートが重ねられているヴィッツ、その走りは今日の水準まで引き上げられているのでしょうか。今回試乗したのは車両本体価格222万6960円で最上級モデルといえるヴィッツハイブリッドUスポーティパッケージ。16インチアルミホイールをはじめ、フロントエアスパッツ、サイドマッドガード、リアルーフスポイラー装着し、スポーティさを主張しています。搭載するハイブリッドシステムは1.5Lガソリンエンジン+モーターを採用し、システム合計で100psを発生。また燃費性能はJC08モードで34.4km/Lとパワーと低燃費を両立しています。

4mに満たないコンパクトなヴィッツのボディに重いハイブリッドシステムを搭載すると、フロントが重くなりコーナリング性能への悪影響が出そうだなと試乗前は思っていました。しかし、ボディ剛性の向上や新構造のショックアブソーバーの採用が効いているのでしょう、ハンドル操作に対して実に素直なコーナリング性能を発揮します。195/50R16というコンパクトカーとしては大きめで薄めのタイヤを装着していますが、路面からの衝撃を和らげてくれるだけでなく、カーブを曲がる際のクルマの傾きも最小限にとどめてくれます。このあたりは登場から8年という時間が経ったものの、度重なるマイナーチェンジでの進化、熟成を感じることができます。

スポーティパッケージという名前ですが、乗り味は硬すぎることはなく、キビキビと走ってくれるので誰でも軽快な走りを楽しむことができます。また、ハイブリッドシステムのバッテリーがリアシート下に搭載されているので、後輪への荷重のかかりが良くなっているのも特徴です。

安全装備が最新化されたのは大きなニュース

これまで物足りなかった先進運転支援システムも第2世代のトヨタセーフティセンスとなり、コンパクトカーの中で最前線に並び直しました。取り回しの良いボディサイズに加えて、大容量のラゲージルームには積載量に合わせて床の高さを調整できるアジャスタブルデッキボードを設定するなど小さなボディの中には利便性に優れた装備が満載です。とはいえ世界で売られるクルマなので、日本らしい軽自動車に比べるとややおもてなし感が足りませんが、ビギナーからシニアまで誰にでも扱いやすいクルマだと思います。若い人にはベーシックグレードの1.0F、高級車からの乗り替えの方ならハイブリッドのU、女性にはジュエラがオススメです。

■トヨタヴィッツ価格表(2018年6月現在)

グレード駆動方式JC08モード燃費(km/L)車両本体価格
1.0F MパッケージFF21.6118万1520円
1.0F132万5160円
1.3F25148万1760円
1.3F 4WD4WD18158万9760円
1.0F スタートストップパッケージFF24140万5080円
1.0 ジュエラ21.6146万2320円
1.3 ジュエラ25169万2360円
1.3 ジュエラ 4WD4WD18180万360円
1.0 ジュエラ スタートストップパッケージFF24154万2240円
1.3U25178万7400円
1.3U 4WD4WD18189万5400円
1.3U スポーティパッケージFF25194万1840円
1.5 ハイブリッド F34.4181万9800円
1.5 ハイブリッド ジュエラ197万3160円
1.5 ハイブリッド U207万6840円
1.5 ハイブリッド U スポーティパッケージ222万6960円
1.5 GRスポーツMT:17.2/CVT:19.6207万6840円
1.5 ハイブリッド GRスポーツ34.4231万8760円
1.5 GRスポーツ “GR”229万2840円
萩原 文博

この記事の執筆者

萩原文博(はぎはらふみひろ)

中古車雑誌編集部を経てフリーランスとして独立。現在は日本で最も多くの広報車両を借り出している男として業界で有名だ。もともと走り屋だけに走行性能の評価は得意。それだけでなく長年の中古車相場の研究で培った、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

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