萩原文博
寄稿記事(上級者向け)
モータージャーナリスト
萩原文博はぎはらふみひろ

「日産セレナvsホンダステップワゴンvsトヨタヴォクシー・ノア」 2Lクラスミニバンのハイブリッドはどれが買いか?

「日産セレナvsホンダステップワゴンvsトヨタヴォクシー・ノア」2Lクラスミニバンのハイブリッドはどれが買いか?

トヨタヴォクシー・ノアが独占していた2Lクラスミニバンのハイブリッド車。しかしライバルのホンダステップワゴンと日産セレナにも本格的なハイブリッド車が追加され、その争いは激化の一方だ。それぞれ異なる方式のハイブリッドを持つこの3車種のベストバイはどれなのだろうか。

販売台数絶好調の2Lクラスミニバン

3列シートをもち6人以上の多人数乗車ができるミニバンは、現代のファミリーカーとして定着し安定した人気を誇っています。その人気のミニバンの中で特にユーザーから高い支持を得ているのが2Lクラスミニバンと呼ばれるカテゴリー。代表的な車種としてトヨタヴォクシー・ノア、日産セレナ、ホンダステップワゴンが挙げられます。

販売台数絶好調の2Lクラスミニバン

3台の中ではもっとも新しい日産セレナ。e-POWER追加効果もあり販売台数上位の常連だ

その人気の高さは新車の販売台数を見れば一目瞭然。2018年1月〜6月の新車登録台数を見ると3モデルともにベスト20にランクイン。セレナが5万6095台で堂々の第3位。ヴォクシーが4万7702台で第6位。ステップワゴンが3万1436台で第15位。そしてヴォクシーの兄弟車ノアが2万9772台で17位となっています。しかもステップワゴンの144.5%を筆頭に全車対前年比プラスという好結果。

ステップワゴンとセレナにもハイブリッドが加わって競争激化!

ステップワゴンとセレナにもハイブリッドが加わって競争激化!

ダウンサイジングターボの燃費では物足りないユーザーのためにホンダステップワゴンもスパーダにハイブリッドを追加した

どうして、このクラスのミニバンがいま好調なのでしょうか。その理由は昨年ステップワゴン、そして今年セレナにハイブリッド車が登場したことにあります。

ヴォクシー

もっとも早くハイブリッド車を設定したトヨタヴォクシー。兄弟車のノアを含めると3台の中で販売台数は堂々のナンバーワンだ

また昨年は元々ハイブリッド車をラインナップしていたヴォクシー・ノアの内外装変更という大きなマイナーチェンジもありました。人気3車種のハイブリッド車が出揃った2Lクラスミニバン、果たして一体どのモデルが買いなのかを検証しましょう。

一番古いのはヴォクシー・ノアもマイナーチェンジで戦力アップ

一番古いのはヴォクシー・ノアもマイナーチェンジで戦力アップ

昨年のマイナーチェンジで内外装とも大きく印象を変えたトヨタヴォクシー

まずは各モデルの登場年です。3車種の中で最初に登場したはヴォクシー・ノア。現行型のヴォクシー・ノアは2014年1月にまずガソリン車が登場し、翌2月にハイブリッド車が追加されました。当初ハイブリッド車にはエアロ系グレードの設定がありませんでしたが、2016年1月の一部改良時に設定。そして2017年7月に内外装を変更するマイナーチェンジを行っています。

ステップワゴンスパーダ

ホンダステップワゴンのハイブリッドはエアログレードのスパーダのみの設定となる

続いて2015年4月にステップワゴンが登場。標準車のステップワゴンと、エアロパーツを装着し押し出し感を強めたステップワゴンスパーダという2つのモデルが用意されました。2017年9月にマイナーチェンジを行い、従来の1.5Lターボエンジンに加えて、スパーダのみにハイブリッド車を追加しています。

セレナ

2018年3月に待望のe-POWERが追加された日産セレナ。燃費への不満を一気に解消した

そして3車種の中で一番フレッシュなのが2016年8月に登場したセレナです。セレナは2Lガソリンエンジンに出力が小さいモーターを組み合わせた「シンプルハイブリッド」を設定していました。しかし、ヴォクシー・ノアのようにモーターのみでの走行ができず、燃費性能面でも一歩譲っていました。

2018年3月、1.2Lのガソリンエンジンで発電し、モーターを駆動させて走行する「シリーズハイブリッド」の「e-POWER」を追加。このe-POWERの登場がセレナの販売台数を躍進させました。 3車種それぞれ搭載するハイブリッドシステムが異なっている一方で、共通点は駆動方式がFF(前輪駆動)しかないことです。

燃費はセレナe-POWERが一歩リード

燃費はセレナe-POWERが一歩リード

モーターだけで走る日産セレナe-POWERだがバッテリーが小さいので発電のためにエンジンが掛かっている時間がほとんど

まずは、最も気になる燃費性能を比べてみましょう。JC08モード燃費はヴォクシー・ノアのハイブリッド車が23.8km/L、セレナe-POWERが26.2km/L、そしてステップワゴンスパーダ ハイブリッドが25.0km/Lとエンジンの排気量が最も小さいセレナが一歩リードしています。最後発だけに最もカタログ燃費の数値が良いセレナe-POWERはモーターだけで走るのですが、発電用のエンジンが掛かったときの音がかなり室内に侵入してくるのは気になります。

i-MMDを搭載

モーターが主役だがうまくエンジンも使っているのがホンダステップワゴンのハイブリッドの特徴

燃費の数値では一歩譲るステップワゴンですが、走行時の静粛性は非常に高いのが特徴です。ステップワゴンに搭載されている「i-MMD」と呼ぶハイブリッドシステムは駆動用と発電用の2つのモーターを搭載し、走行状況に応じて、モーターによる走行を優先するシステム。モーターを積極的に使用することで、スムーズな加速そして高い静粛性を実現しています。

先代プリウスのシステムに改良を加えたハイブリッドシステム

先代プリウスのシステムベースだけに今となっては燃費や走りがやや見劣りするトヨタヴォクシー

ヴォクシー・ノアのハイブリッドシステムは先代プリウスに搭載されていたシステムをミニバン用に改良を加えたもの。燃費性能はいまでも十分高いのですが、セレナやステップワゴンと比べるとアクセルを踏んでからの反応など走りの制御系の古さを感じます。

サイズはほぼ同じ、インテリアの使い勝手は結構違いあり

日産セレナのインテリア

日産セレナのインテリア

セレナ室内

セレナ2列目

セレナ3列目

ホンダステップワゴンのインテリア

ホンダステップワゴンのインテリア

ステップワゴン室内

ステップワゴン2列目

ステップワゴン3列目

トヨタヴォクシーのインテリア

トヨタヴォクシーのインテリア

 

ヴォクシー2列目

ヴォクシー3列目

ボディサイズはどうでしょう。3車種ともにほぼ同じサイズですが、最も大きいのがセレナです。続いて、ステップワゴン、ヴォクシー・ノアとなります。室内の広さもボディサイズの大きさの順番と同じです。今回比較したエアロ系ハイブリッド車はヴォクシーとセレナが全幅1700mm以上で3ナンバーとなり、ステップワゴンだけが5ナンバーとなります。全幅は異なりますが、取り回しの良さを示す指標となる最小回転半径は5.4〜5.5mと互角の数字になっています。

インテリアの使い勝手は各車違いがあります、ヴォクシー・ノア、そしてセレナは跳ね上げ式の3列目シートを採用しているに対して、ステップワゴンは回転格納式の3列目シートを採用。

ワクワクゲート

ワクワクゲートによる荷物の積みやすさに加えて3列シートが床下に収納できるステップワゴン

高額な格納式の3列目シートをステップワゴンが採用している理由は、リアハッチに採用した「ワクワクゲート」の採用にあります。このワクワクゲートは縦方向だけでなく、横方向にも開閉が可能で、狭い場所でのモノの出し入れだけでなく、サードシートへのアクセスがラクにできるという優れものです。

セレナ荷室

折りたたみ位置が低いため比較的楽に3列目を収納できる日産セレナ。リアハッチがガラス部分だけでも開閉可能なのも便利

ヴォクシー荷室

やや収納位置が高めで後方視界が気になるヴォクシー。リアハッチは唯一何の工夫もない

ちなみに同じ跳ね上げ式でもセレナは低い位置に収納できるため、視界を妨げない工夫が施されています。インテリアの収納スペースなどは細かい工夫をたくさん盛り込んだステップワゴンとセレナが優れています。

ステップワゴンの走りの良さが光る

ステップワゴンの走りの良さが光る

走りにも違いがあるのでしょうか。ステップワゴンはリアに重量の重いワクワクゲートを装着するためにリアの開口部の剛性を高めています。それが走行性能にも良い効果を生んでおり、安定感の高さが特徴です。

セレナ

セレナはモーターの特徴を活かしたスムーズな加速が特徴です。その一方で、コーナリング時の左右の揺れが大きいことと、先に書いたようにエンジン音が気になります。

ヴォクシー

ヴォクシー・ノアは可もなく不可もなしという平均点的な走りですが、アクセルの反応の悪さと走行中の路面から伝わってくる微振動が個人的には気になりました。

一見、お安く見えるのは安全装備の差

車両本体価格はヴォクシー/ノアが301万4280円〜326万9160円、セレナe-POWER(カスタムモデルを除く)は296万8920円〜340万4160円、そしてステップワゴンスパーダが330万480円〜355万9680円。最も高いのはステップワゴンです。しかし、この価格差は安全装備の違いです。

ステップワゴンは、渋滞時追従機能付きACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)をはじめ、衝突軽減ブレーキなど8つの機能がパッケージとなった「ホンダセンシング」を標準装備しています。ヴォクシー・ノアは「トヨタセーフティセンス」がハイブリッド車には標準装備されていますが、ホンダセンシングと比べると機能は物足りません。一方のセレナは「プロパイロット」という先進運転支援技術を設定していますが、XV、ハイウェイスターVにオプション設定という状況。

このオプションを装着するとステップワゴンと変わらないレベルにまで高くなるので、これはかなりのマイナスポイントです。

2Lクラスハイブリッドミニバン価格表(2018年8月現在)

グレード駆動方式JC08モード燃費(km/L)車両本体価格
■トヨタヴォクシー
ハイブリッドXFF23.8301万4280円
ハイブリッドV314万2800円
ハイブリッドZS326万9160円
■日産セレナ
e-POWER X FF26.2296万8920円
e-POWER XV312万8760円
e-POWER ハイウェイスター 317万8440円
e-POWER ハイウェイスター V340万4160円
e-POWER オーテック382万1040円
■ホンダステップワゴン
スパーダ ハイブリッドB ホンダセンシングFF25330万480円 
スパーダ ハイブリッドG ホンダセンシング335万160円
スパーダ ハイブリッドG・EX ホンダセンシング355万9680円

 

一本化用セレナ

一本化用ステップワゴン

走りよし、安全装備よしのステップワゴンに軍配!

結論として、2Lクラスハイブリッドミニバンでオススメは一見、価格は高いものの、走行性能そして安全性能の高さが魅力のホンダステップワゴンスパーダです。続いてはハイブリッドシステムの古さや安全装備に物足りなさはありますが、価格と装備のバランスの良いヴォクシー・ノア。そしてプロパイロットを前面に出していて先進性をアピールしているにも関わらず、それはオプションというマイナスが響いたセレナです。しかしプロパイロットが標準装備され、価格の上昇が抑えられれば、ステップワゴンと際どい戦いとなるでしょう。

2Lクラスハイブリッドミニバン主要諸元一覧(2018年8月現在)

車名トヨタ ヴォクシーハイブリッド ZS日産 セレナe-POWER ハイウェイスターVホンダ ステップワゴンスパーダハイブリッドG・EX
車両本体価格326万9160円340万4160円355万9680円
JC08モード燃費(km/L)23.826.225
乗車定員(名)777
全長×全幅×全高(mm)4710×1735×18254770×1740×18654760×1695×1840
ホイールベース(mm)285028602890
車両重量(kg)162017601820
エンジン種類直列4気筒DOHC直列3気筒DOHC直列4気筒DOHC
総排気量(cc)179711981993
エンジン最高出力(kW/rpm)73/520062/6000107/6200
エンジン最大トルク(Nm/rpm)142/4000103/3200〜5200175/4000
使用燃料/タンク容量(L)レギュラー/50レギュラー/55レギュラー/52
駆動方式FFFFFF
最小回転半径(m)5.55.55.4
サスペンション形式(前/後)ストラット式/トーションビーム式ストラット式/トーションビーム式ストラット式/車軸式
ブレーキ(前/後)ベンチレーテッドディスク/ディスクベンチレーテッドディスク/ディスクベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤサイズ205/55R16(BBS社製)195/65R15205/60R16

 

※記事の内容は2018年8月時点の情報で執筆しています。

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