【海外試乗記・岡崎五朗】「レクサスES」クラウンとは異なるキャラクターのラグジュアリーセダン

レクサスESは累計販売台数200万台を超えるヒット車種ながら、日本には導入されていなかったFFベースのラグジュアリーセダン。しかし2018年10月24日、新型ESがついに日本でも発売された。輸入車に席巻されている日本のラグジュアリーセダン市場でESは輝きを放てるのだろうか。岡崎五朗さんの海外試乗レポートをお届けしよう。

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鏡のないバックミラーが先走り(?)

量産車世界初となるデジタルアウターミラーを装備することで話題になっているレクサスES。自動ブレーキやコネクティビティなど、クルマのハイテク化は急速に進んでいるが、デジタルアウターミラーはそんな最近のクルマ事情を象徴的に表現するアイテムだ。ESの日本での発売は10月24日だったが、今回は今年5月に米国で開催された試乗会での様子をレポートする。米国ではデジタルアウターミラーが認可されていないため通常のミラーとなっているが、それとハンドル位置以外は基本的に日本仕様に近い。

FFの上級セダン、もしくは帰ってきたウィンダム

ESは累計販売台数200万台を超えるレクサスの屋台骨だが、日本ではほとんど知られていない。それもそのはず、ESとして日本で販売されるのは今回が初めてとなる。とはいえ、以前「ウィンダム」として販売されていたモデルの直系の子孫と言えばピンとくる人も多いだろう。極限までシンプルに言うなら「FFレイアウトの上級セダン」となる。HSがカタログから落ちたいま、LS、GS、ISといったレクサスのセダン群はすべてFR。それに対し、ESはカムリと共通のFFプラットフォームである「GA-K」使いつつ、ホイールベースを約10㎝延長することで、文字通り広大な空間を獲得している。どれぐらい広いかと言えば、身長180㎝級の大人4人が乗り込んでも余裕綽々。全長が約25㎝長いLSよりさらに広いといえば、いかに広大かがイメージできるだろう。

レベルの上がったカムリから、さらに上がった乗り心地

GA-Kの採用により、カムリの走行性能が格段に上がったのはご存じの通りだが、ESは共通のプラットフォームを使いつつ、ボディ剛性の強化やアルミの適用拡大、入念な静粛性対策、専用ダンパーの採用など、ひと手間も二手間もかけて「レクサスクオリティ」を追求している。その効果は明確で、走りだした瞬間から足回りがしなやかに動いている様子が伝わってくる。それでいて、速度を上げて荒れた路面を走ってもボディのピッチングやバウンシングは抑えられ、気持ちのいいフラットライドを味わえる。スポーティーなFスポーツ仕様だと少しコツコツした固さを伝えてくるケースもあるが、タイヤノイズの封じ込めを含め、全体的な乗り味はとても上質だ。

リラックスしつつ楽しめるフットワーク

ハンドリングは「スッキリして奥深い」というレクサスが目指す方向性を真摯に追求している。具体的にはステアリング操作に遅れなく反応しつつ、リアがしっかりと踏ん張って安心感を伝えてくる。スポーツカー的なファントゥドライブとは異なる、リラックス感を伴った楽しさがきちんと表現されているのが印象的だった。

動力性能は「必要にして十分プラスα」

日本仕様のエンジンは新開発の2.5L直4ハイブリッドのみ。抜群の燃費と頼もしい動力性能を併せもつ最新のパワートレーンだ。絶対的な加速性能は「必要にして十分プラスα」程度にとどまるものの、アクセル操作に対するビビッドな反応やモーターアシストによる伸びのいい中間加速はとても気持ちいい。ただしエンジン回転数を上げたときの音が「サウンド」というより「ノイズ」に近いのは少々残念。普段は気にならないが、フル加速時や上り勾配など、クルマ全体のクォリティ感に相応しくないなと感じるケースもあった。米国仕様に設定のある3.5LV6、あるいはクラウンが積む2L直4ターボなど、別のパワートレーンも欲しいところだ。

クラウンと異なるアプローチで高級セダン復権を目指す

最新の安全装備はフル採用。加えて伸びやかなボディデザインや広々した室内、上質なインテリアなど、レクサスESはラグジュアリーセダンとしてのツボをきっちり押さえている。クラウンとはまた違ったキャラクターをもつラグジュアリーセダンとして、大いに注目すべきモデルだ。

(写真:レクサス)

岡崎 五朗

この記事の執筆者

岡崎五朗(おかざきごろう)

大学在学中から自動車雑誌での執筆を開始し、卒業後は一貫してフリーランスのモータージャーナリストとして活動。「生活をともにして気持ちがいいクルマかどうか」という評価軸での評論にはファンが多い。現在はテレビ神奈川「クルマでいこう!」に出演中。AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)理事。日本カーオブザイヤー選考委員・ワールドカーアワード選考委員・ワールドエンジンオブザイヤー選考委員。

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