【試乗記】「トヨタシエンタ」弱点を埋め、長所を伸ばした初のマイナーチェンジ

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コンパクトミニバンとしてホンダフリードと熾烈な販売競争を繰り広げるトヨタシエンタ。2018年9月に初のマイナーチェンジを行い、フリードプラス対抗の2列シート仕様車を追加した。内外観デザインの変更に加えて安全性能の改善なども行われたシエンタの試乗レポートをお届けしよう。

フリードには負けられない

ファミリーカーの定番となっているミニバン。様々なサイズが用意されていますが、最も小さなボディサイズのミニバンの人気モデルがトヨタシエンタです。

全長約4.3mというコンパクトな5ナンバーサイズボディの中に6/7人乗りの3列シートをレイアウト。その優れたパッケージングによって高い人気を獲得し、日本自動車販売協会連合会が発表した2017年の新車登録台数は9万6847台、第7位というヒットモデルとなっています。

シエンタと同じクラスにはホンダフリードがあり、6/7人乗りの3列シートミニバンに加えて、フリードプラスという広いラゲージルームを実現した5人乗りのハイトワゴンも用意されています。フリードはこの2つのモデルを設定することで、2017年の新車販売台数は10万4405台とシエンタを上回り第5位に輝いています。そんなフリードの独走(というほど販売台数は離れていませんが)をトヨタが許すはずはありません!?

2018年9月11日にシエンタはマイナーチェンジを行い、外観の変更とともに従来の3列シート車に加えて、5人乗り2列シート車のFUNBASE(以下ファンベース)を設定したのです。さらに弱点と言われていた安全性能、長所と言われていた燃費性能の向上も図っています。

余談ですがフリードの弱点は地味、いやシエンタに比べるとコンサバなスタイルだとホンダも自覚しているのでしょう。最近の広告には派手なカラーリングのフリードが登場しています。いやはや、このライバル2台の争いはいろいろと見応えがあります。

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追加された2列シート仕様は使える荷室がウリ

新設定されたシエンタ ファンベースはサードシートをなくしたことにより、821L(リアシート使用時)という大容量のラゲージスペースを確保しました。さらに6:4の分割可倒式のセカンドシートを倒すと、荷室長2065mm。そして最大1813Lという広大なラゲージルームが出現します。

このラゲージスペースは26インチのマウンテンバイク2台の積載が可能であり、車中泊などにもうってつけです。これまでのシエンタとは異なる使い方が可能となったのです。

さらにラゲージの両サイドにはユーティリティホールを各9個設置。販売店装着オプションのユーティリティフックやシステムバーと組み合わせることで、その使い方はまさに無限大と言えるでしょう。

さらに今回のマイナーチェンジでシエンタは外観を変更。従来のユニークな世界観を継承しながら、フロントバンパー、フロントグリル、ヘッドランプ、リアランプなどの意匠を変更することで質感を高めています。またボディカラーはツートーン全6色を設定。モノトーンは新規設定色ベージュなど含む全10色と充実させています。

トヨタらしい細やかな気配り機能を追加

内外装の変更に加えて、利便性も向上しています。まずは、パワースライドドア予約ロック機能を新設定。パワースライドドアのクローズ中に施錠操作を行うとクローズ後に施錠を予約できるという何気に便利な機能です。

また、後席への荷物の置き忘れを通知するリアシートリマインダー機能を日本で初採用。後席ドアの開閉でシステムが作動、走行後車両を停車し、イグニッションをオフとするとコクピット内のマルチインフォメーションディスプレイに荷物置き忘れ防止の通知メッセージが表示されるというこちらも何気に便利な機能です。

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追いついた安全装備、差をつけた燃費性能

そして最近話題の安全装備は昼間歩行者検知機能を追加したトヨタセーフティセンスに刷新。さらにアクセルとブレーキを踏み間違えたときなどに障害物を検知して自動でブレーキをかけるインテリジェントクリアランスソナーを新設定しました。

これでようやくフリードのホンダセーフティセンスに見劣りすることがなくなりました。また、ハイブリッド車のJC08モード燃費は従来型の27.2km/Lから28.8km/Lまで向上しているのも見逃せません。

あれ、ずいぶん静かになった!

今回試乗したのは新設定されたハイブリッド車の5人乗り、ファンベースGです。車両重量は3列シート車と同じ1380kgですが、走りは軽快さが増しています。アクセルペダルを踏むと瞬時に加速してくれるので、ドライバーのストレスはかなり軽減されるはずです。

そして従来モデルと大きな違いを感じたのは車内の静粛性です。これまでは、走行中にエンジンが掛かるとエンジン音が車内に侵入してきました。しかし、マイナーチェンジ後のモデルはかなり騒音が抑えられているように感じました。

後席の居心地の良さはシエンタに軍配

そして、カーブを曲がる際に発生するロールと呼ばれるクルマの左右の傾きが非常に抑えられていて、とてもフラットな乗り味です。ザラザラした感触は消しきれていないものの、柔らかめにセッティングされた足回りによって路面からの大きな衝撃も十分にいなしてくれます。リアシートに乗るお子さんも安心して休めるように仕上げている印象です。

ライバルのフリードはもう少しスポーティな味付けの足回りです。言い換えると運転するお父さんにとってはフリードの方が運転する楽しさはあるかもしれません。

サードシートがなくなったラゲージルームはボディサイズから考えられないほど広く、そして優れたユーティリティを発揮します。特にシエンタのメインターゲットである小さなお子さんのいるファミリーならば、ベビーカーをラクラク積むこともできますし、お子さんの乗り物などもたくさん積むことができます。 FUNBASEという名前のとおり、「楽しい基地」のようにユーザーそれぞれの使い方にあわせて、無限のアイデアが広がる空間となっています。

トヨタシエンタ価格表(2018年12月現在)

グレード駆動方式JC08モード燃費(km/L)車両本体価格
1.5 FUN BASE X 5人乗りFF20.2177万6600円
ハイブリッド FUN BASE X 5人乗り28.8218万7000円
1.5 FUN BASE G 5人乗り20.2198万720円
ハイブリッド FUN BASE G 5人乗り28.8234万360円
1.5X 7人乗り20.2181万6560円
1.5X 6人乗り4WD15.4195万8040円
ハイブリッドX 7人乗りFF28.8222万6960円
1.5G 7人乗り20.2202万680円
1.5G 6人乗り4WD15.4216万2160円
ハイブリッドG 7人乗りFF28.8238万320円
1.5G Cuero 7人乗り20.2217万2960円
1.5G Cuero 6人乗り4WD15.4231万4440円
ハイブリッドG Cuero 7人乗りFF28.8253万2600円
萩原 文博

この記事の執筆者

萩原文博(はぎはらふみひろ)

中古車雑誌編集部を経てフリーランスとして独立。現在は日本で最も多くの広報車両を借り出している男として業界で有名だ。もともと走り屋だけに走行性能の評価は得意。それだけでなく長年の中古車相場の研究で培った、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

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