【試乗記】「ホンダNSX」初めてのマイナーチェンジで「マシーン」から「サラブレッド」に

日本を代表する2代目ホンダNSXが初めてのマイナーチェンジを受けた。まるでマシーンのような操縦性能に違和感があったNSXだが、開発拠点が北米から日本に移されたことで、その走りは大きく変貌を遂げていた。萩原さんの試乗レポートをお届けしよう。

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日本車最高価格、つまりライバルはフェラーリやポルシェ!

ポルシェ911ターボ、メルセデス・AMG GT S、フェラーリポルトフィーノ、ランボルギーニウラカン。ここに挙げたモデルは新車価格2000万円台で購入できる輸入ハイパフォーマンススポーツカー、つまり今回紹介するホンダNSXのライバルと呼ばれるクルマたちです。

2代目となる現行型NSXは2016年8月に発表され、2017年2月に発売された2シーターのスポーツカー。その新車価格2370万円は日本車メーカーの市販車の中で最高価格となり、上述した強力なライバルひしめくマーケットに投入されました。

初代モデル同様にNSXはパワートレインを運転席後方の搭載したミッドシップレイアウトを採用。搭載するパワートレインは最高出力507psを発生する3.5LV型6気筒ツインターボエンジンと3個のモーターを組み合わせた「SPORT HYBRID SH-AWD」と呼ばれるハイブリッドシステム、それに組み合わされるトランスミッションは9速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)。

この最新のハイブリッドシステムとトランスミッションにより、現行型NSXはエンジンだけでは達成することが難しい高いレベルのレスポンスとハンドリング性能を実現し、“新時代のスーパースポーツ”を具現化したモデルとなりました。

シャープな印象を増した外観デザイン

NSXは2018年10月25日に早くもマイナーチェンジを行い、2019年モデルへと進化しました。外観デザインが従来モデルよりワイド&ローナスタイリングをより際立たせるため、フロントグリルをシルバーからボディと同色に変更。

さらにフロントとリアのメッシュパーツやオプション設定の各種カーボンパーツを従来のマット仕上げからクロス仕上げに変更することで、質感を高めるのと同時にシャープな印象を強めています。

またボディカラーはスーパースポーツカーの存在感を際立たせる色として、サーマルオレンジ・パーツを追加しています。

内装色に新色追加

インテリアは上質感漂う新色としてインディゴを追加したほか、オプションで設定されているセミアニリンレザーパワーシートで鮮やかなレッドを選択可能になりました。

さらにこれまでオプションで設定されていた「カーボンファイバーインテリアスポーツパッケージ」の一部だったアルミ製スポーツペダル&フットレストを標準装備するなど快適性を向上させています。

人間の感覚を超えた「マシーン」から血の通った「サラブレッド」に

これまで内外装の変更点を紹介しましたが、今回のマイナーチェンジのポイントはこれから紹介する走行性能なのです。マイナーチェンジ前のNSXはある意味ハイテクマシーンのようで、ドライバーの操作フィーリングを超えた車両の動きをすることがありました。

例えば、車線変更でもハンドルを切ると同時にクルマがスパッと動きます。良く言えば、シャープな動きとも言えますが、ドライバーすなわち人間の感覚とズレた挙動をしていたのです。これでは、例え速く走るクルマであっても、ドライバーは操っている感覚がなく単なるマシーンとなってしまうので、楽しさがありません。

しかし、今回マイナーチェンジした後期型のNSXは金属のマシーンから血の通ったサラブレッドに変わったくらいクルマが変わっていました。簡単にいうと後期型のNSXは「人馬一体」と言われるようにドライバーとクルマとの対話が楽しめるクルマへと変貌していたのです。

これは開発拠点が北米から日本へと変わり、開発責任者に日本人が就いたことが大きな要因と言えるでしょう。

これならポルシェと迷える!

とにかく今回のNSXはドライバーの意のままに操ることができます。接地感の増したリアタイヤからの情報がハンドルを通じてドライバーにダイレクトに伝わるようになりましたし、ハンドル操作に対してもリニアに反応するようになっています。こうした乗り味に仕立てるために、様々な変更を加えています。

まず市街地やサーキットなどのあらゆるシーンでのコントロール性を高めるために、新開発の専用タイヤの採用をはじめ、前後サスペンション各部の見直しそして剛性のアップ。加えて、NSXの魅力の一つである走行シーンに応じて最適な車両特性を選べる「インテグレーテッド・ダイナミック・システム」の各モードの最適化。

そしてSPORT HYBRID SH-AWDの駆動配分制御を熟成させることにより、ドライバーとクルマの一体感が生み出す、操る喜びを実現したのです。

登場当初に試乗したときには同じ価格帯のポルシェ911ターボやメルセデス・AMG GTなどに比べると正直魅力を感じませんでしたが、マイナーチェンジ後のNSXはライバル車とは違うNSX特有の走りを実現すると同時に、ドライバーが操る楽しさを味わえるスーパースポーツカーへと進化していました。

たしかに2370万円は安いとはいえませんが、一般道ではラグジュアリーに乗れて、サーキットでは圧倒的なパフォーマンスを発揮するという、どんなシーンでも高いパフォーマンスを発揮するスーパースポーツカーと考えると決して高くはないと言えるでしょう。

このマイナーチェンジはまだ第1弾に過ぎません。今後NSXがどのように進化していくのか楽しみで仕方ありません。

萩原 文博

この記事の執筆者

萩原文博(はぎはらふみひろ)

中古車雑誌編集部を経てフリーランスとして独立。現在は日本で最も多くの広報車両を借り出している男として業界で有名だ。もともと走り屋だけに走行性能の評価は得意。それだけでなく長年の中古車相場の研究で培った、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

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