【燃費・走り】ホンダS660の実燃費と乗り心地、走行性能をチェック

いまやフェラーリやポルシェといった高級スポーツカーにもアイドリングストップ機能が搭載される時代。それは、スポーツカーといえども燃費、環境に配慮する時代に突入していることの現れといえるのではないでしょうか。 それでは、軽自動車のカテゴリに分類されるスポーツカーのホンダS660はどうなのでしょうか。S660の実燃費や乗り心地、走行性能を見ていきたいと思います。

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S660の燃費はかなりよい

S660はスポーツカーですが、その搭載エンジンは排気量658ccの直列3気筒DOHCターボエンジンの「S07A型」です。これは同じホンダの軽自動車N-ONEやN-BOXなどに搭載されるものをベースとしています。

ターボエンジンというと出力やトルク重視のエンジンというイメージがありますが、実用車にも搭載されるダウンサイジングターボと呼ばれるエンジンがベースなので、効率重視で燃費性能に優れています。

カタログ燃費達成率約80%

実際、S660のJC08モードの燃費は、カタログスペック上は、オートマ(CVT)仕様で24.2km/L、マニュアル(MT)仕様でも21.2km/Lあります。この20km/L超えのカタログ燃費は、とてもスポーツカーの燃費とは思えません。

筆者が知る限り、ここまで燃費のいいスポーツカーは初めてです。マニュアルのS660に乗っている同業の知り合いに聞いたところ、普段からほとんど燃費に気を付ける運転の仕方をしていないにもかかわらず、街乗りで16km/L~18km/Lの燃費だといいます。これはカタログ燃費達成率約80%に相当します。

さらに注目すべきは、アイドリングストップ機能です。この機能はオートマ車にのみ標準設定され、マニュアルのS660には搭載されていません。それでいて、この「カタログ燃費達成率約80%」は、スポーツカーという括りを外してもかなり優秀といえるのではないでしょうか。

前後独立懸架式サスペンションでスポーツ走行と街乗り、共にいい乗り心地を実現

スポーツカーといえば、アスファルトの舗装路を走ることが想定される車です。ただし、スポーツカーである以上は、路上の起伏を巧みにいなし、常にタイヤを路面に接地させられるサスペンション性能が要求されます。また、スポーツ走行時のコーナリングの際にはなるべく安定した姿勢変化が望ましいとされています。

スポーツカーに対する要求性能を満たすサスペンション

スポーツカーに対する要求性能を満たすサスペンション形式は独立懸架式です。独立懸架式は、四輪が個別に上下させられるサスペンション方式で、対義語としては車軸懸架式があります。車軸懸架式は相対する車輪の動きに連動してしまうサスペンション方式で、ジムニーなどの一部クロカン四駆や商用車などに採用されています。

S660はもちろんスポーツカーらしく前後ともに独立懸架式サスペンションが採用されています。

S660の足回りは?

サスペンションのポテンシャルを生かすも殺すも設計・セッティング次第といわれていますが、4輪独立式サスペンションを持つS660の足回りはどうなのでしょうか?

前出の知り合いに聞いたところ、2年間所有して乗った感じでは、このサスペンションの出来映えにはとても感心しているといいます。私も試乗したのですが、スポーツカーらしい「踏ん張る硬さ」と、街乗りで求められる「柔軟な柔らかさ」の両立がうまくバランスされているように感じました。

かつて自分が所有したスポーツカーでは純正サスペンションは柔らかすぎで、すぐにスポーツサスペンションに交換してしまうことが多かったのですが、S660はバネの硬さも丁度よく、純正サスペンションでなんの不満もなさそうです。

よほど「スポーツ走行志向が強い人」あるいは「街乗り重視にしたい人」以外は、標準サスペンションと添い遂げられると思います。

良くも悪くも「超安全志向」な挙動を示すS660

前項のサスペンション話からも推察できると思いますが、S660の走行性能はかなり優秀です。S660は、エンジンが運転席の後ろにあるミッドシップ後輪駆動(MR)型の車両です。このタイプの車は、旋回時に過敏な反応を見せるため、初心者には扱いにくいといわれてきました。

たしかに1990年代の国産MRスポーツカーにはそういった車種もありました。しかし、S660は、さすが21世紀の近代スポーツカーだけあって、初心者でも扱いやすいように設計されています。

S660の安全性能

S660は、横滑り防止装置(VSA:ビークルスタビリティアシスト)や車輪のロックを防止し、ハンドルの危機を確保する装置(ABS:アンチロック・ブレーキシステム)、アジャイルハンドリグアシストというハンドル操作に合わせて安定感のあるコーナリングを可能とする電子制御の車両姿勢制御システムが標準搭載されています。

これらをすべてオン状態でサーキットを走ると、すべての機能が働き、巻き込むような姿勢になることはほとんどありませんでした。なお、VSAのみ意図的に動作解除することはできますが他はできません。

ここまで「安定志向」だと後輪駆動車らしい、お尻を振りまわして楽しむ乗り方を好む人には欲求不満となるかもしれません。お尻が流れない理由は、前述した「電制姿勢制御機能の働き」以外に、「標準タイヤが超ハイグリップ性能を誇る、ヨコハマタイヤのADVAN NEOVA AD08Rであること」「そもそもエンジン出力が軽自動車の64馬力しかないこと」なども影響していると思います。

「標準状態では安全志向」になっていることは悪いことではないですし、これを前向きに考えれば「MR車、後輪駆動車らしい挙動を楽しむ」ために、自分なりのチューニングが行える余地があるとも捉えることができると思います。

 

MRでありながら以前にはなかった扱いやすい足回りを実現し、さらにスポーツカーでありながら燃費もいい。スポーツ走行はもちろん、街乗りにも快適な新しい時代のスポーツカー「S660」を紹介しました。車選びの際に、ぜひ参考としてください。

この記事の執筆者

西川善司

スポーツクーペ好きで、これまでドアが3枚以上の車を所有したことがないテクニカルジャーナリスト。以前の愛車は10年間乗った最終6型RX-7(GF-FD3S)。最近ではグラフィックスプロセッサやゲームグラフィックス、映像機器などに関連した記事を執筆。

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