【試乗記】「日産デイズ」6年ぶりの新型の走りはワゴンRを超えたのか?

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今回は日産主導で開発

2019年3月28日、軽ハイトワゴンの日産デイズがフルモデルチェンジを行い2代目へと進化しました。デイズは日産と三菱が作った合弁会社NMKVがマネージメントする軽自動車で、三菱ではeKワゴン/eKクロスとして販売されています。2012年に登場した初代デイズは三菱がすでに開発している素材で作った印象が強いモデルでしたが、新型は日産が企画、開発。まさにゼロから作り直し、新年号“令和”にふさわしい新世代の軽自動車に仕上がっています。

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スタンダードなデイズとハイウェイスターで大きく異なる価格とターゲット

左がスタンダードなデイズ、右がハイウェイスター

新型日産デイズは従来モデルと同様にスタンダード系のデイズとハイウェイスターの2モデルを設定しています。ベーシックなデイズは127万3320円〜145万6920円で、軽自動車のメインユーザーとなる価格重視層をターゲットとしています。

一方のハイウェイスターの車両本体価格は146万9880円〜177万8760円と諸費用を含めた乗り出し価格は200万円オーバーとなり、こちらは大きなクルマから乗り換えるダウンサイザーをメインターゲットとしています。従来はエアロパーツを装着した押し出し系というイメージでしたが、新型のハイウェイスターでは方向性が変わりました。

「ファーストカー」のハイウェイスターには「プロパイロット」の設定あり

ベーシックなデイズとハイウェイスターでは、まったくターゲット層が異なります。これは装備面にも明確に表れています。新型デイズにはセレナやリーフ、エクストレイルに搭載され高く評価されている、高速道路などでのドライバーの負担を軽減する「プロパイロット」をハイウェイスターのみに設定しています。プロパイロットは追従走行はもちろん、渋滞中は、前方車との車間距離を制御し、停止中も停止状態を保持します。また、車線内を走行するようにステアリングを制御し、運転操作の負担を軽減してくれるのです。

軽自動車のユーザーは街乗り中心という方が多いのですが、ハイウェイスターは、ファーストカーとして高速道路でのロングドライブにも使うことを想定していることが、この装備からもよくわかります。

新しいシャシーのおかげで広くなった室内空間

新型デイズはクルマの骨格にあたる「プラットフォーム」そしてエンジンやトランスミッションといったパワートレインを一新しています。新開発したプラットフォームは2495mmというロングホイールベース(前輪と後輪の間の長さ)により、広いキャビンスペース&ラゲージスペースを両立させました。

前後方向にスライドするリアシート。これは一番前にした状態

こちらは一番後ろにした状態。膝周りは上級セダンのフーガ並みの余裕だ

リアシートの膝のスペースは710mmという長さを確保。これは上級セダンのフーガに匹敵する広さとなっています。

また、ラゲージスペースはリアシートを一番後ろまで下げた状態でも385mmの荷室長を確保し、実用性の高さを誇ります。

マイルドハイブリッドもハイウェイスターのみ

パワートレインも日産が新開発したものです。デイズに搭載されているエンジンは660ccの直列3気筒DOHCと直列3気筒DOHCターボの2種類。スタンダードのデイズは直列3気筒DOHCだけですが、ハイウェイスターは直列3気筒DOHCと直列3気筒DOHCターボエンジンにリチウムイオンバッテリーを搭載した「スマートシンプルハイブリッドシステム」を採用。新開発のCVTを組み合わせることで、より実走行に近い新方式のWLTCモード燃費は16.8〜21.2km/Lを実現。駆動方式は全グレードでFFと4WDを用意しています。

一気に最前線に躍り出た先進安全装備

デイズは安全性能も軽自動車トップレベルです。運転支援システムのプロパイロットをはじめ、衝突回避及び被害軽減を行うインテリジェントブレーキ、走行車線の逸脱を警報で注意喚起そして車線内にとどめようとする「インテリジェントLI&LDW」、そしてアクセルとブレーキの踏み間違いによる前方・後方への急発進を抑制する「踏み間違い衝突防止アシスト」などを装備し、全車「セーフティ・サポートカーSワイド」に該当しています。さらに、デイズには軽自動車初の「SOSコール」を搭載。このシステムは交通事故や急病などの緊急時や事故の危険があるときに、専門のオペレーターへのデータ通信と音声通話を行うことができる機能です。

意外と低く見える

それでは、すべてが新しくなったデイズに試乗してみましょう。試乗したグレードは車両本体価格164万7000円の最上級グレード、デイズハイウェイスターGターボ プロパイロットエディションです。

新型デイズの外観はボディの長さに対して非常にホイールベースが長いため、背の高いハイトワゴンにもかかわらず、重心が低く見えます。最近流行の薄いヘッドランプはもちろんLEDを採用。自動でハイビームとロービームを切り替える機能も付いています。

質感の良いインテリア、シートの出来は特筆モノ

インテリアは多彩な収納スペースを確保しつつ、インストルメントパネルにステッチを施すなど質感にもこだわっています。デイズのインテリアで最もこだわりを感じるのがシート。その理由は座っていても疲れにくい、「ゼログラビティシート」を採用しているからです。これだけ疲れにくく座り心地の良いシートならば、ロングドライブもラクラクこなせるでしょう。

際立つ静かでスムーズな走り

試乗したモデルは最高出力64ps、最大トルク100Nmを発生するターボエンジンと最高出力2psのモーターを組み合わせたスマートシンプルハイブリッドを搭載しています。信号待ちなどの状態からの発進時の加速は軽自動車とは思えない程スムーズで、短時間で法定速度に達します。新開発されたCVTも唸ることがなくスムーズさが際立っています。また静粛性の高さも軽自動車としてはトップレベルです。遮音・吸音材を効果的に配置していることもありますが、モーターアシストと新CVTの効果によってエンジン音が大きくなるシーンがほとんどありませんでした。

運転がうまくなったと錯覚する足回り

乗り心地も非常にフラットで不快な揺れを抑えた乗り味となっています。路面からの衝撃を吸収するショックアブソーバーのサイズアップなどが効いています。スムーズな加速を行うエンジンと乗り心地と安定性が向上したサスペンションによって、自分の運転がうまくなったと錯覚するほどです。新型デイズの走行性能は軽自動車の枠を超えて、コンパクトカーに匹敵する実力といってもいいでしょう。

「軽自動車維新」かもしれない

軽ハイトワゴンといえば、スズキワゴンRやダイハツムーヴが人気となっています。しかしスタンダードのデイズはライバルたちと互角以上、ハイウェイスターは同じカテゴリーのクルマでは歯が立たないほど実力差があると感じました。まさに新型デイズは軽自動車維新を起こす実力を備えています。

萩原 文博

この記事の執筆者

萩原文博(はぎはらふみひろ)

中古車雑誌編集部を経てフリーランスとして独立。現在は日本で最も多くの広報車両を借り出している男として業界で有名だ。もともと走り屋だけに走行性能の評価は得意。それだけでなく長年の中古車相場の研究で培った、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

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