萩原文博
寄稿記事(上級者向け)
モータージャーナリスト
萩原文博はぎわらふみひろ

「ダイハツタント」元祖・軽スーパーハイトワゴンの巻き返し

ダイハツタント

軽自動車の人気カテゴリー「スーパーハイトワゴン」の元祖・ダイハツタントがフルモデルチェンジを受けました。王者に君臨するN-BOX、個性的なスタイルで好調のスペーシアに対してタントの巻き返しはなるのか、その試乗レポートをお届けしましょう。

いまや主力マーケットとなったスーパーハイトワゴン

現在、軽自動車の主力モデルとなっているのが軽自動車のボディ枠いっぱいのサイズによる広い室内、ミニバンに匹敵するシートアレンジ、そして利便性の高いリアスライドドアを採用したスーパーハイトワゴンと呼ばれる車です。

2019年7月の軽自動車の新車販売台数を見てもトップのホンダN-BOXをはじめ、2位のデイズ、3位のタント、4位のスペーシアまですべて軽スーパーハイトワゴンを含む車種となっています(N-BOXはN-BOXスラッシュ、デイズはデイズルークスとデイズの合算)。

ダイハツタントバナー

絶対王者・N-BOXが4連覇中

その主力モデルの軽スーパーハイトワゴンの中で“絶対王者”と呼べる存在がホンダN-BOXです。2015年度〜2018年度(軽自動車は4月から3月までの台数で算出)の新車販売台数において、N-BOXは4連覇を達成。2代目となる現行モデルが登場したのが、2017年8月なので、先代のモデル末期から現行型までずっと販売台数No.1を続けているまさに“絶対王者”なのです。

2003年に登場したタントが元祖なのは間違いない

2003年に登場したタントが元祖なのは間違いない

そんな“絶対王者”のN-BOXに挑戦状を叩きつけたモデルがあります。それが2019年7月9日にフルモデルチェンジを行ったダイハツタントです。初代タントは2003年に登場し、いち早く軽スーパーハイトワゴン市場に参入したパイオニアです。初代モデルはリアにヒンジ式のドアを採用していましたが、2007年に登場した2代目タントでは現行モデルでも採用されているピラーをドアの中に内蔵したミラクルオープンドアを採用し、フロント、リア各シートへのアプローチを大幅に変更。低床のフロアとの相乗効果により小さなお子さんからお年寄りまで誰にでも優しい乗降性を実現し、軽スーパーハイトワゴンだけでなく、軽自動車のベストセラーカーへと登り詰めました。

タントの成功を受けて、各メーカーは軽スーパーハイトワゴンの開発に注力

タントの成功を受けて、各メーカーは軽スーパーハイトワゴンの開発に注力し、各メーカーそれぞれの個性が光るモデルが登場し、しのぎを削っています。

新シャシーを採用、標準車とカスタムの2本立ては変わらず

新シャシーを採用、標準車とカスタムの2本立ては変わらず

新シャシーを採用、標準車とカスタムの2本立ては変わらず2

こちらは強い押し出しが特徴のカスタム

4代目となる現行型タントは標準車のタントと押し出し感を強めたタントカスタムというモデルラインナップは変わりませんが、車は基礎の部分から一新しているのが特徴です。ダイハツの新世代の車作りとなる「DNGA(ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」を採用した第1弾がタントとなり、まさに今後のダイハツの軽自動車のマイルストーンとなるモデルなのです。

エンジンもNAとターボの2本立て、CVTには新機構

エンジンもNAとターボの2本立て、CVTには新機構

NAエンジンは最高出力52ps

 

エンジンもNAとターボの2本立て、CVTには新機構2

ターボエンジンは最高出力64psを発生する

タントはDNGAに基づいて、サスペンションや骨格の部品配置を最適化した新開発のプラットフォームを採用しています。搭載するエンジンは燃焼効率を向上させる機構を採用した自然吸気エンジンとターボエンジンの2種類を用意。組み合わされるトランスミッションはCVTですが、スプリットギアを組み込むことで、従来のベルト駆動に加えてより伝達効率の良いベルト+ギア駆動が可能となりました。この結果、低速域でのスムーズな加速と高速域での低燃費で静粛性の高い走りを実現しました。

次世代に進化したスマアシは多機能化

次世代に進化したスマアシは多機能化

さらに、運転支援システムも「次世代スマートアシスト」を搭載。軽スーパーハイトワゴンではN-BOXしか搭載されていなかった全車速追従機能付きACC(アダプティブ・クルーズコントロール)やレーンキープコントロールそして軽自動車初となる駐車支援システム「スマートパノラマパーキングアシスト」を採用し、スーパーハイトワゴントップレベルの運転支援機能の充実を実現しています。

そんな王者奪還を目指す力作・ダイハツタントに試乗できました。まずは標準車のタントXからです。

センターメーターをやめ、ドライバー重視のインパネに

センターメーターをやめ、ドライバー重視のインパネに

センターメーターをやめ、ドライバー重視のインパネに2

現行型タントはセンターメーターではなくなりましたが、高さを抑えたワイド&ローの特徴的なメーターを採用しています。TFTカラーマルチインフォメーションディスプレイを採用し、ドライバーがすぐに理解できる直感的な表示を行ってくれます。

走り出してすぐわかるボディのしっかり感

走り出してすぐわかるボディのしっかり感

エンジンのスターターボタンを押して、発進すると車の進化の度合いがすぐにわかります。従来モデルでは発進時にボディが前後に大きくたわんだのですが、新型のタントはまったくそういった動きはありません。タイヤとボディがピタッとまったくタイムラグなく進んで行きます。

タイヤとボディがピタッとまったくタイムラグなく進んで行きます

カーブでも同様で軽スーパーハイトワゴンは広い室内空間を獲得する反面、重心が高くなり、カーブでの横方向の揺れが大きくなります。しかし、新型タントはそういった横揺れも抑えてくれていて、ボディの頑丈さがよくわかります。

NAエンジンに不満なし

その剛性の高いボディのおかげで、最高出力52psの自然吸気エンジンでもまったく不満はありません。信号などで停車している状態から発進しても非常にスムーズに加速していきます。軽自動車の中ではヘビー級といえる車両重量1120kgのタントのボディを本当にスムーズに、あっという間に法定速度まで加速させます。車両重量の重い軽スーパーハイトワゴンはターボ車じゃないと・・・。というこれまでの経験が簡単に打ち消されてしまいました。

タント独自のミラクルオープンドアはやはり使いやすい

タント独自のミラクルオープンドアはやはり使いやすい

これだけボディがしっかりとしているにも関わらず、タントのセールスポイントであるミラクルオープンドアは健在。しかも運転席が540mmスライドし、助手席やリアシートだけでなく、運転席のアプローチもこのミラクルオープンドアでしてもらおうという新しい提案もなされています。

ミラクルオープンドアでしてもらおうという新しい提案もなされています

この提案は一見、奇抜に感じるかもしれませんが、左側から乗降すれば、もし道路上での乗り降りとなった場合でも安全であることを考えると非常によく考えられていると思いました。

パワフルなターボ車も洗練されている

パワフルなターボ車も洗練されている

続いて試乗したのは、タントカスタムRSです。こちらはパワフルなターボエンジンを搭載した最上級グレードです。最高出力64psを発生するエンジンによって加速のスムーズさはさらに向上しています。また、エンジンの回転数も低く抑えられるので静粛性の高さも魅力です。自然吸気車と同様にしっかりとしたボディによって車は無駄な揺れが非常に少ないのが特徴です。これならば小さいお子さんも安心して寝ることができるでしょう。

多機能化された先進安全装備、ACCは好印象

多機能化された先進安全装備、ACCは好印象

こちらのタントカスタムRSには高速道路などで追従走行が可能なACC(アダプティブ・クルーズコントロール)が装着されていました。今回の試乗ではあまりテストすることはできませんでしたが、前走車の認識や車線を踏んだ際の修正は非常に素直な印象を受けました。もっと高速道路でロングドライブしてその実力を試したいと思うほどでした。

N-BOX危うし!

タントの車両本体価格は122万円〜187万3800円と従来モデルから変わっていないというのはすばらしいことです。N-BOXも非常に良くできた車ですが、その絶対王者の牙城をくずすことができるくらいタントは車のハード面そして価格面でも魅力がいっぱいです。新型タントの登場で軽スーパーハイトワゴンの販売競争はさらに激化しそうです。

※記事の内容は2019年9月時点の情報で執筆しています。

ダイハツ タント の新車カーリース情報

関連するカーリース情報

その他のダイハツ タントの記事

ラストチャンス
ラストチャンス

カーリースお役立ち記事

人気記事ランキング

注目のキーワード

この記事をシェアする

カテゴリから記事を探す

カーニュース

試乗記

車種カタログ

賢く車に乗る

タグから記事を探す