寄稿記事(上級者向け)
モータージャーナリスト
島崎七生人しまざきなおと

開発者インタビュー インテリアを、ここまでやっているクルマはない「日産ノート オーラ」デザイン編

開発者インタビュー インテリアを、ここまでやっているクルマはない「日産ノート オーラ」デザイン編
5万円キャンペーン_目次上

その細やかな観察眼では業界一、二を争うモータージャーナリストの島崎七生人さんが、話題のニューモデルの気になるポイントについて、深く、細かくインタビューする連載企画。第19回は日産のプレミアムコンパクトカー「ノート オーラ」のデザインについて、その背景に迫ります。お話を伺ったのは日産自動車株式会社グローバルデザイン本部 第二プロダクトデザイン部 チーフデザイナーの村林 和展(むらばやし・かずのり)さん、グローバルデザイン本部 デザイン・マネージャーの松田 昌弘(まつだ・まさひろ)さん、そしてグローバルデザイン本部 カラーデザイン担当の廣澤 慎二(ひろさわ・しんじ)さんの3名の方々です。

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ノートありきではなく最初から同時進行だった

島崎:村林さんはノートも、ノート オーラもご担当なさったのですか?

村林さん:基本的には両方みていました。

島崎:両車の棲み分けは難しくなかったですか?

村林さん:仰る意味はよくわかります。ただ我々は、先にノートがあり、その高いバージョンでオーラを作るというモチベーションではなく、最初から同時進行で2台やりました。あまりないやり方ですが、「それぞれのキャラでちゃんとクルマを作っていこう」とデザイナーの中には意識があったので、実はあまり苦労することはなかったです。

島崎:最初、ノートに対して40mmの拡幅版と訊いて、今どき随分と昭和な手法だなぁ……とも思ったのですが。

村林さん:オーラはそもそも3ナンバーでやれると決まっていました。それと5ナンバーのコンパクトカーとでは、やはり心構えが違うというか。数字にこだわるというよりもキャラクターを分けて始めたのですが、担当者が同じだったので、かえってスムーズに棲み分けができたと思います。

エクステリアデザインの根底には「アリア」があった

エクステリアデザインの根底には「アリア」があった

左がEVのアリア、右がノート オーラ。並べてみるとアリアと共通のデザイン言語で構成されていることがよくわかる

島崎:棲み分け、ですか?

村林さん:はい。たとえばエクステリアですと、ノートはコンパクトカーのセオリーどおりに若々しく、フレッシュで、快活。スリークで軽やかに走る……そんな印象。一方でオーラはプレミアムということを翻訳して、重厚感だったり、落ち着きをスタイリングに表したというのがあります。

島崎:今のところ、チラッと拝見した程度では、僕はそこまで違いのわかる男になりきれていないのですが。

村林さん:確かにインテリアは乗った瞬間に「あ、違うぞ」と思っていただけるはずですが、エクステリアは皆さん「違わないよね」と仰る。しかし我々のアプローチは、違う板金、違うバンパーが使えるとしても最大限に違いを見せてはいないということなんです。

島崎:ほほう。

村林さん:どうしてかというと、その根底に“アリア”があるからです。実際にスタジオではアリアのとなりでこの2台を作っていましたが、ノートもノート オーラも、心構えとしてはe-POWERではなくEVのつもりでデザインしていました。アリアはまったく新しい日産のEVのアイコンとして、エクステリアもインテリアもスマートにノイズのないデザインに仕上がっていた。そこでノートもオーラも、アリアのイメージを受け継がなければならないと考えたんですね。そうした時に、あまり余計なことはしてはいけない。このあたりは論議するというより、我々としても自然な流れでした。

島崎:その意味でいうと、ノートよりもノート オーラのほうが、よりピュアでアリアに近いと?

村林さん:そうですね。フロントマスクは、薄いヘッドランプと新しいライティングVモーションで構成していますが、まさにアリアとは瓜二つの構成になっています。

共通のアイコンがまずあって、表現で違いがある

共通のアイコンがまずあって、表現で違いがある1

若々しく軽やかに走る印象を表現したノート

共通のアイコンがまずあって、表現で違いがある2

薄いヘッドライトや張り出したフェンダーなどに重厚さや落ち着きを感じさせるノート オーラ

島崎:いっぽうでアリアの流れを汲んでいるという考え方でいうと、ノートとノート オーラの変化の度合いは小さい、変えたくはなかったということだったのですか?

村林さん:「違いがない!」というお言葉をいっぱいいただいているのですが、見ていただきたいのは共通のアイコンがまずあって、表現で違いがあるということ。とくに走っている姿を見ると、ノートはいかにもハンドリングがよさそうなアジャイル(機敏)なコンパクトカーに見えますし、一方でノート オーラはタイヤが17インチということもあって上のカテゴリーのクルマに見えます。

島崎:40mmの全幅の差は、実際にどこがどう違っているのですか?

村林さん:フロントフェンダーとリヤフェンダーの1番外側に出ているところを片側20mmずつ広げています。フロントはフェンダーアーチのリップ状の部分を大きくしてあり、リヤフェンダーはブリスター状に全体を大きく張り出させています。

島崎:ということはリヤドアもノートとは違うのですね?

村林さん:ええ、リヤドアも全部変えてあります。リヤフェンダーもプレミアムらしくショルダーにピシッとキャラクターラインを通し、全体に重心も低く見せている。似ているようですが、実は全然違うんです。

島崎:なるほどオーラは、リヤコンビランプのアウターレンズ面とフェンダーに段差があってフェンダーの膨らみとドッシリ感が表現されていますね。トレッドは前後とも20mmずつ広いのですね?

村林さん:ハブは一緒ですが、専用のホイール自体のサイズの差で、結果的に20mm広がっています。このクラスで17インチというのは相当大きいと思います。

これだけ立派なコンソールをつけている競合車は存在しない

これだけ立派なコンソールをつけている競合車は存在しない1

島崎:村林さんのお話にもありましたが、インテリアはノートとは随分違う印象ですね。レザーシートのパターンも違えてありますね。

松田さん:はい。実はシートの中のウレタン層の構造がまったく違っていまして、3層としてより身体を包み込むようにし、キルティングの断面もウレタンの厚みが増したことで、よりリッチな雰囲気になっています。

これだけ立派なコンソールをつけている競合車は存在しない2

島崎:インパネやセンターコンソールもファブリック貼りで、随分とリッチですね。

松田さん:ツイードとレザーのコンビネーションのラッピングと、オープンポア(=表面の凹凸を活かした仕上げのこと)の木目フィニッシャーの組み合わせをオーラの特徴にしています。

島崎:木目のフィニッシャーは落ち着いた風合いですが、特別な製法のものですか?

廣澤さん:リアルではなくフェイクではありますが、表面のフィルムの層を増やして、より本木目に近い手触りを付け加えました。

島崎:それは新しい日産車で取り入れていく手法ですか?

廣澤さん:まったく同じではありませんが、名木といわれる旧きよき高級車の調度品というより、アリアなどと一貫した、ホームインテリアに近い高級感を出す考え方です。

これだけ立派なコンソールをつけている競合車は存在しない3

松田さん:今回、インテリアデザインをするにあたり、今までと考え方を変えて、新しいプレミアムの表現にチャレンジしました。ラウンジのような設えのいいコンフォートな空間、そこにハイテクな2枚の大型ディスプレイが置いてある。先進感と快適なプレミアム感にフォーカスした作り方になっています。

廣澤さん:これだけ立派なコンソールをつけている競合車は存在していませんので、そこもポイントです。

村林さん:とくにインテリアは、同クラスの輸入車を見てもここまでやっているクルマはないですよね。

日本人の持っている美意識はヨーロッパとも中国とも違う

日本人の持っている美意識はヨーロッパとも中国とも違う

島崎:アリアがあり、このノート オーラがあり、新しいフェアレディZもありますが、改めて、今後の日産車のデザインは、こういう方向性であるという理解でよろしいのでしょうか?

村林さん:いいと思います。我々は今、“タイムレス・ジャパニーズ・フューチャリズム”と言っていまして、日本人の持っている美意識は、昔の建築などを見ても、ヨーロッパとも中国とも違って、感性の部分やミニマルなところがすごくいいんです。そういう気分でクルマ造りもしたい。極力無駄な線を省く、パーティングラインも意味のあるところにだけにし無駄に入れない。たとえば障子のように木と紙を使ってパーツごとの要素は独立しているけれどパッと見るとすごくシンプルだったり。

島崎:そういった日本の美意識は、日本人の感性と血をもっていると、かえって気がつかなかったりもしますよね。外国人に客観的に言われて「そうか」と気づくような。

村林さん:仰るとおりで、いま日産のデザインのトップが西洋人になって、彼らは外の世界も知っている。なので対比で日産のことを上手に捉えて、我々に促してくれています。

島崎:失礼な物言いかもしれませんが、今だったら同じプラットフォームのルノー車と日産車がもっと似たようなデザインになっても不思議ではありませんが、決してそういうことはないですものね。

村林さん:ルノーの塊の作り方は無茶苦茶欧州的で、やはり石と彫刻の世界。片や日産車のデザインは、別にコントロールが入って棲み分けを意識した訳ではないのですが、結果として、自分たちのポリシーを形にしてアリアが生まれた……これは素晴らしいことだなぁと思っています。

島崎:苦悩に満ちた、というより自然な流れの中で新しいデザインが生まれた、今はその瞬間ということですね。

村林さん:基本的に、ここそうだよね、と共通言語で共有できるような。あとはどのメーカーさんもミニマルな方向に向かうはずなので、そこでどう差別化していくか。その時にどこがオリジナルか?があるとないとで違う。最新のメルセデス・ベンツSクラスとアリアを見較べても、パーティングラインの入れ方ひとつとっても、あ、我々とは違うなと思います。

「あの世代」は我々も意識している

インテリアのシンプルモダンな方向でという話もそうだし、エクステリアの新しいプレーンなデザインの方向性の話を聞きながら、筆者は2003年の初代ティアナや2004年のティーダの“作風”を思い出した。スリークなエクステリアだとか、モダン、シンプルで質感にこだわったインテリアだとか。そのことを村林さんに伝えると「あの世代は我々も意識している」とも。新しい日産と新しい日産車のこれからを楽しみにしていたい。

(写真:島崎七生人)

※記事の内容は2021年8月時点の情報で制作しています。

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