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島崎七生人しまざきなおと

【ホンダヴェゼルMCモデル】水平基調に対して“クセ強な感じ”を変えた(デザイナーに聞く編)〜開発者インタビュー

【ホンダヴェゼルMCモデル】水平基調に対して“クセ強な感じ”を変えた(デザイナーに聞く編)〜開発者インタビュー
【ホンダヴェゼルMCモデル】水平基調に対して“クセ強な感じ”を変えた(デザイナーに聞く編)〜開発者インタビュー

その細やかな観察眼では業界一、二を争うモータージャーナリストの島崎七生人さんが、話題のニューモデルの気になるポイントについて、深く、細かくインタビューする連載企画。第78回も前回に続いて2024年4月25日に発売されたホンダ「ヴェゼル」(2,648,800〜3,776,300円)のマイナーチェンジモデルです。クリーンな内外装が好評だった2代目ヴェゼルのデザイン面でのマイナーチェンジ改良ポイントについて、本田技術研究所 デザインセンター e-モビリティデザイン開発室 テクニカルデザインスタジオに所属し、新型ヴェゼルのCMF(カラー・マテリアル・フィニッシュ)を担当された岩崎 麻里子(いわさき・まりこ)さんにお話を伺いました。

「点点点」なテールランプと少しシャープなグリル

「点点点」なテールランプと少しシャープなグリル

CMF(カラー・マテリアル・フィニッシュ)担当の岩崎さん

島崎:早速なのですが、今回のマイナーチェンジで、デザインの話でいうと、ここをこうして欲しい!と思っていたところがリファインされたと思いました。

岩崎さん:わぁ、それは嬉しいです!

島崎:とりわけテールランプ。今まで街中で犬の散歩中に信号待ち中に目の前をヴェゼルが通り過ぎた後ろ姿を見て、「なぜ、あのデザインなのだろう?」と気になっていたところでしたが……。

岩崎さん:点、点、点、ですね。

島崎:そう、あの点線というか、夜間の道路工事のランプというか……。

「点点点」なテールランプと少しシャープなグリル2

岩崎さん:全体の中で仲間はずれ感があったかもしれませんね。今回デザインで大事にしたのは、元のモデルが持っていたよさを全体で引き立ててあげようということでした。とくにサイドビューを中心とした360度水平基調の美しさが強みなので、そこを、どの角度から見ても水平のラインが通っているところを、よりしっかりと伝えられるようにしたいなと思ったんです。

島崎:ほう。

「点点点」なテールランプと少しシャープなグリル3

岩崎さん:そうした時に、どこにちょっと違和感があるのだろう?と考え、特徴的でしたがリアの灯体のあの点点点……のグラフィックだったり、フロント顔立ちでいうとグリルが少しシャープに入っていたりとか、水平基調に対して“クセ強な感じ”だったので、そこを変えました。

島崎:反動から、クセ強の表情も抑えて? テールランプは今度は一直線でストイック過ぎたりしませんか?

岩崎さん:そこは2段の水平というところに託していて、粒々に代わるヴェゼルのキャラクターに対してまったく個性がなくなっているとは思っていません。

「点点点」なテールランプと少しシャープなグリル4

MC前のテールランプは下部灯体の「点点点」がクセ強だった(写真:ホンダ)

「点点点」なテールランプと少しシャープなグリル5

今回の新型は2段の水平ランプとなりスッキリとした印象に

島崎:灯体の光り方で「あ、あのクルマだ」と認識する手段になると思うので、これからは2段はヴェゼルと認識すればいいということですね。

岩崎さん:シンプルということは、質素になる、個性がなくなるということに繋がるとも思うので、今までより個性が薄まっちゃったよねと思う方がいるかもしれない。けれどすごく大事にしているのは、お客様にどう乗っていただけるか、暮らしの中でそのクルマがどう寄り添っているか。なので1台分を全体で見て、ああ素敵になったね、と言っていただけたらいいなぁ……というのが思いなんです。

島崎:僕も個人的には新しいデザインはいいなぁと思います。

岩崎さん:ありがとうございます。

SUVらしい力強さをもう少し出してあげたい

SUVらしい力強さをもう少し出してあげたい

島崎:フロントグリルのスクエアな形状は、先に登場したWR-Vなどとの共通性を持たせてのことですか?

岩崎さん:そういう意図はなくて、全体の水平基調によりマッチする顔立ちということがまずありました。あとはもうひとつには、SUVらしい力強さをもう少し出してあげたいというのがあり、その結果として長方形に近い形の表現になりました。

島崎:洒落っ気よりも力強さメインで?

岩崎さん:ヴェゼルは都市型SUVのポジション、キャラクターを売りとしていましたが、そうは言っても、みんなが思うSUVの力強さがあってもいいよねと感覚的に思うところを入れてあげたいなぁという思いが今回はありました。

SUVらしい力強さをもう少し出してあげたい2

MC前のフロントマスク(写真:ホンダ)

SUVらしい力強さをもう少し出してあげたい3

MC後はグリルに加えてバンパー下部の形状も変更が加えられている

島崎:そのサジ加減は難しかったのでは?ヴェゼルは適度なスカし加減も特徴だと思うので。

岩崎さん:適度にスカしてはいて欲しかった(笑)。そこでe:HEV Zが素の状態なのですが、今回はバリエーションとしてPLaY、HuNTという個性のある子もいるので、そういうバリエーションでもキレイに見えることも大事にしたかった。素の状態で個性が強過ぎると、色とかで表情を変えてあげるのがハマりにくくなる。そういったバランスも見ながらやりました。

色は時代を採り入れる鏡

色は時代を採り入れる鏡

新たに採用されたシーベッドブルー・パール(写真はHuNT)

島崎:今回ボディカラーであの濃いベージュは……?

岩崎さん:サンドカーキ。今回なくしました。島崎さんには褒めていただいていた記事を拝見しましたが。

島崎:自分で乗るならこの色だと思っていましたから。

色は時代を採り入れる鏡2

MC前モデルに設定されていたサンドカーキ(写真:島崎七生人)

岩崎さん:色って時代を採り入れる鏡だと思うんです。なので前のタイミングとは違うアップデートをかけたかった。コロナ禍があって自然を意識するような気持ちの変化っていろいろな人の中にあったと思うんです。それを色で表現しようということで、HuNTのイメージカラーのボタニカルグリーン・パールや海底をイメージしたシーベッドブルー・パールは、今回入れたいと思っていた色でした。サンドカーキは前のモデルを象徴する色として、選んでいただいた方には大事に乗っていただきたいですが、あの時代の色としてキッパリと継承せず、今回のマイナーチェンジでアースカラーを感じ取ってもらえるような新色に一新しました。

色は時代を採り入れる鏡3

HuNTのボタニカルグリーン・パール(写真:ホンダ)

色は時代を採り入れる鏡4

PLaYのシーベッドブルー・パール(写真:ホンダ)

島崎:あのサンドカーキも岩崎さんが手がけた色だったんですか?

岩崎さん:色の場合は機種固有というより地域、年代で開発していくので、実際には直接というよりアイデアや色味を作るところで関わっていました。

島崎:サンドカーキはもうないんですね……。

岩崎さん:そういうお声はいろいろなところでいただくのですが、だからこそ今までの「サンドカーキを選んでよかったな」と思ってくださる人もいるだろうし、今回のモデルなら、楽しんでまた自分に合う色を見つけてほしいなぁと思っています。

ベーシックグレードがシンプルだからこそPLaYやHuNTが際立つ

ベーシックグレードがシンプルだからこそPLaYやHuNTが際立つ

今回、追加されたHuNTのインテリア。センターコンソールが左右対称の2段タイプに形状変更された点も注目

島崎:一方でインテリアですが、今回、新設定のHuNTの内装などこだわっていそうですが、反対にベースグレードも黒基調でシンプルだとは思いますが、もうひと味、ニュアンスとか洒落っ気を楽しみたいかなぁとも思うのですが。

岩崎さん:ベースグレードの考え方がすごく難しくて、デザイナーとしてはベースにも遊び心を入れたい気持はすごくあります。だた多くの方に選んでいただけるグレードと考えると、ちょっとここまであると選べないなぁ、と……。

島崎:お仕着せが過ぎても?それとお値段のことも?

岩崎さん:ええ、そこのバランス感には気をつけているんです。とくに色や素材はその人の好き嫌いに直結して第一印象で判断される。最量販グレードのZやXでちょっとクセのあることを色でやってしまうと少しお客様が離れてしまうかな、と。シンプルにベーシックに、しっかり質感、仕立てにはこだわって、今回はアームレストにステッチを追加したり、X、Gもステアリングを本革巻きにしたりしました。見た目のヘンなクセは入れずに、だからこそPLaYやHuNTが際立ち、お互いが引き立て合うようにしたいと考えました。

ベーシックグレードがシンプルだからこそPLaYやHuNTが際立つ2

ベーシックグレードがシンプルだからこそPLaYやHuNTが際立つ3

Zのインテリアは黒基調のシンプルな配色(写真:ホンダ)

ベーシックグレードがシンプルだからこそPLaYやHuNTが際立つ4

ベーシックグレードがシンプルだからこそPLaYやHuNTが際立つ5

好評だった都会派のPLaYはZのパッケージオプションという位置付けに変更(写真:ホンダ)

ベーシックグレードがシンプルだからこそPLaYやHuNTが際立つ6

ベーシックグレードがシンプルだからこそPLaYやHuNTが際立つ7

Xのパッケージとして新設されたHuNTはアウトドアユースを強く意識(写真:ホンダ)

島崎:お上手な説明ですね。

岩崎さん:なのでベーシックは意志をもってやりきっています。

島崎:しつこくて恐縮ですが、たとえばインパネのパッド部分など、何もスヌーピーの絵柄のプリントじゃなくていいのですが、グレンチェックとかヘリンボーンとか、そのくらいの違和感のない、先日登場したフリードのようなファブリック調の風合いを目でも触感でも楽しめてもいいのかな、と。

岩崎さん:マイナーモデルチェンジということもありますが、お話を伺って、先代に対して変化点が少なく見えたりもするのかなあ、と思いました。そういうもうひと工夫、すごく良く見てきださっている方には……。

島崎:ワガママで、細かく見るヤツですみません。

岩崎さん:笑。ここがこんなふうに違っている、変わっているというところが入っていると、さらにワンランク、レベルを上げるためには必要なのかな、と思いました。

島崎:LPLの奥山さんには、ぜひワンランク上のコストを出していただくことにしましょう。

(特記以外の写真:編集部)

ベーシックグレードがシンプルだからこそPLaYやHuNTが際立つ8

※記事の内容は2024年6月時点の情報で制作しています。

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