車の内装はドライブの快適さや使い勝手の良さなどを左右するので、車選びの重要なポイントといえます。車種ごとに異なるインテリアの質感や収納の使い勝手などは事前にしっかりと確認しておきましょう。
ここではトヨタ「ハイエース ワゴン」の内装について紹介します。
ハイエース ワゴンの室内空間の特徴
ハイエース ワゴンは近年ファミリーカーの主流になりつつある7、8人乗りの大型ミニバンよりもさらに多く、普通免許で運転できる上限人数の乗車定員10人を誇るモデルで、広くゆとりのある室内空間を備えているのが最大の魅力です。
ボディ長がロングでミディアムルーフの「DX」「GL」、ボディ長がスーパーロングでハイルーフの「グランドキャビン」の2つのボディサイズがラインナップされており、室内長はいずれのグレードでも3,715mm、室内高は「DX」「GL」で1,390mm、「グランドキャビン」では子供や小柄な女性がまっすぐ立って移動できる1,565mmとなっています。「グランドキャビン」には4列目シートの後ろに荷室が備わり、10人が乗車しても一定量の荷物が積み込めるようになっています。
インテリアデザインはくせのないシンプルさを極めたものとなっており、そのシンプルさを活かしてカスタマイズを楽しむ方も少なくないようです。そのためハイエース ワゴンには純正のものはもちろん、そうでないものも含めてたくさんのアクセサリーがラインナップされているのも特徴といえるでしょう。
ハイエース ワゴンの内装の特徴
ハイエース ワゴンの内装はシンプルさが持ち味であることは先にも少し述べた通り。そのためか、ハイエース ワゴンではグレードごとのインテリアの差もあまりありません。
インテリアカラーはグレードを共通してダークグレー一色です。シートカラーや天井色、床も同じ色で統一され、無機質といえるほどシンプルで落ち着きのある室内空間です。異なるインテリアカラーやシートカラーなどはオプションでも用意されていません。ハイエース ワゴンはカスタマイズのしやすさが人気の理由のひとつであることを考えると、納得のいくインテリアデザインだといえるでしょう。
加飾類もほとんど使用されておらず、「GL」「グランドキャビン」のインパネアッパー部にシルバーメタリック加飾があしらわれる程度です。そのほかではシート素材は「GL」「グランドキャビン」では濃淡のある柄が施されたトリコットが使用されていますが、ベースグレードである「DX」では濃淡のないジャージ素材が使用されている点がハイエース ワゴンのインテリアにおいてのグレードごとに差のある部分です。
ハイエース ワゴンの座席周りの収納
ドライブの快適さを大きく左右する座席周りの収納はきちんと確認しておきましょう。
カップホルダー(2個)
インパネ中央部下、ハザードスイッチの左側にはプッシュ式のカップホルダーが装備されています。
助手席アンダートレイ
助手席前にはメガネなどの小物が置けるトレーが用意されています。手が届きやすい場所なので、ドライブ中によく使用するものを保管しておくといいでしょう。
グローブボックス
自賠責保険証や車検証、取扱説明書などは、車を運転する際には携帯しておく必要があります。そういった書類入れとして定番のグローブボックスも助手席前に装備されています。
大型センターポケット
インパネ中央部には奥行きのある物入れが標準装備になっています。ガムやミントタブレット、ハンドタオルなどを収納しておくといいでしょう。運転席からも助手席からも手が届きやすい配置になっています。
センターコンソール
センターコンソールには深さのある収納ボックスやスマートフォン、リップなどの小物を保管できる浅めのトレー、長財布や手帳が収納できるポケットが装備されています。さらに後方にはリヤシート用のカップホルダーが2個付属します。ハイエースワゴンの座席周りのメイン収納といえるでしょう。
リヤシートバックポケット
リヤの1列目、2列目シートのシートバックにはシートバックポケットとカップホルダーが標準装備です。「DX」と「グランドキャビン」では5個、「GL」では4個用意されています。
フロントドアボトルホルダー
左右のフロントドアには500mlのペットボトルが保管できるボトルホルダーがあります。
リヤトリムポケット(「GL」「グランドキャビン」に標準装備)
リヤの1列目、3列目のシートサイド部にはポケットが用意されています。
1列目はボトルホルダー2個と地図や雑誌などが保管できるポケットです。
3列目にはボトルホルダーはなく、仕切りの付いたポケットとなっています。
リヤクォーターコンソール(カップホルダー・テーブル付、「GL」に標準装備)
「GL」の左側のリヤクォーターにはペットボトルや大き目のポーチなどが収納できるコンソールが用意されています。蓋を閉じると上部はテーブルとカップホルダー4個が装備されているので、休憩の際の食事などに役立つでしょう。
カップホルダーは取り外し可能です。
ハイエース ワゴンの荷室の収納・シート
ハイエース ワゴンは10人乗りということもあり、一般的なミニバンのような荷室は用意されていません。ボディ長がロングの「DX」と「GL」は最後列の後ろに全く荷物が積めないわけではないものの、ほとんどスペースはないと考えていいでしょう。
しかし、「DX」「グランドキャビン」のシート配列は2:2:3:3ですが「GL」では2:2:2:4となっており、「GL」にのみ最後列スペースアップシートが装備されています。そのため「GL」では後席を跳ね上げて格納することができ、荷物の量や乗車人数に合わせて最後列シートをアレンジすることが可能です。
最後列シートを跳ね上げるとスーツケース4個は余裕をもって積める大容量の荷室が登場します。
また、唯一ボディ長がスーパーロングの「グランドキャビン」は、定員10人が乗ってもかなりの荷物が積める容量の荷室が用意されています。
シート配列や荷室の有無を考えてハイエース ワゴンを選ぼう
ハイエースワゴンは座席周りの収納やインテリアデザインはグレードによる差はそれほど大きくないものの、シート配列や荷室の有無、最後列のスペースアップシートの有無などに差がつけられているので、選ぶ際には荷室の必要性やどのくらいの容量が必要になるのか、また自分にとって使いやすいシート配列なのかどうかを確認しておくことが重要だといえるでしょう。
※記事の内容は2019年12月時点の情報で執筆しています。