車のインテリアデザインや収納などの内装は、車内での居心地を左右するだけにしっかりとチェックしたい部分です。インテリアのカラーや質感はもちろんのこと、座席周りの収納の使い勝手や荷室の収納力などについても実際の使用シーンを想定しながら確認しておきましょう。
ここでは、マツダのフラッグシップモデルである「マツダ6」の内装にはどのような個性があるのか、また収納についても解説します。
【この記事のポイント】
✔マツダ6のインテリアデザインはただの移動空間にとどまらない快適さや芸術性を追求している
✔グレードによってシート素材やカラーに差がある
✔セダン・ステーションワゴンともに後席には6:4分割可倒式シートを採用
マツダ6の内装の特徴
マツダには、すべての乗用車に共通するデザイン哲学「魂動」があります。車を単なる「モノ」ではなく「命あるもの」だと考え、まるで車が生きているもののような生命感や動き出しそうな緊張感と体温を持ち、呼吸しているかのような温かみを持った、エモーショナルな造形を追い求めるのが「魂動」デザインであり、その哲学に基づいた「心揺さぶる美しさ」を追求しています。
マツダの誇るフラッグシップモデルであるマツダ6のインテリアは、その「魂動」デザインの世界を表現しつつ、日本的な「うつろいや繊細さ」を取り入れ、乗る人に落ち着きや安らぎを与える車内空間を作り出しています。
木そのものの風合いをインテリアに取り入れるために、日本の伝統的な木造建築をイメージさせる本杢の“栓”という素材を採用したり、木の持つ温かみや深みを想起させる“オリエンタルブラウン”というカラーを作り上げたりと、ただの移動空間にとどまらない快適さや芸術性を秘めたインテリアデザインがマツダ6の内装の特徴といえるでしょう。
マツダ6のグレードごとの内装の違い
ここからはマツダ6のグレードごとの内装の特徴について見ていきましょう。
シンプルさと上質さを兼ね備えた「20S」/「20S PROACTIVE」/「XD」/「XD PROACTIVE」
このグレードはドアトリムやインパネ、クロス素材を使用したシートはブラックでまとめられていますが、
天井やピラーにはライトグレーが使用され、シンプルさの中にも柔らかさと明るさを感じさせる車内空間を演出しています。
インパネトリムやドアトリムには合成皮革が使用され、フラッグシップモデルである高級感もプラスされています。
インパネデコレーションパネルやドアトリムデコレーションパネルにはナチュラルヘアラインがあしらわれました。これはマツダのインテリアデザインのテーマのうちのひとつである“緊張感”を表現したもので、均一なものではなく、あえて人の手で削ったような不均一さを採用することで予想外の光の動きが出現し、人が思わず惹きつけられるような緊張感をもたらすように考えられています。
シンプルさの中にもこだわりぬいた造形を感じさせる、マツダ6らしさを醸し出してる部分といえるでしょう。
ナッパレザーのシートが標準装備になる「25S L Package」/「XD L Package」
「L Package」では、通常のレザーよりも柔らかさとしなやかさを向上させ、本革本来の風合いを残す加工をしたナッパレザーを使用したシートが標準装備されます。インテリアカラーはピュアホワイトとオリエンタルブラウンの2色から選択が可能です。
ホワイトはラグジュアリーモデルでは定番のカラーですが、オリエンタルブラウンはマツダのデザインチームがこだわりぬいたカラーで、日本古来の木造建築などからヒントを経て開発されたカラーです。
インパネトリム、ドアトリムやニーレストパッド、フロントアームレストやリアコンソールもシートカラーと同色の合成皮革を使用。天井色・ピラー色はブラックになります。
また、インパネトリムとドアトリムの合成皮革には、量産車としては世界初採用(2018年4月、マツダ調べ)となるウルトラスエード・ヌーが使用されました。この素材は豊かなつやと風合いを併せ持ち、スエードならではの毛足のムラ感と表面加工のムラ感で角度によって異なる光の表情を作り出し、マツダのデザイナーが目指す”うつろいの美“を感じさせる仕上がりになっています。
またインパネデコレーションパネル、ドアトリムデコレーションパネルには本杢(栓)があしらわれ、より上質感や温かさを演出します。
専用のブラックレザーインテリアが設定されたターボモデル「25T S Package」
2.5Lターボエンジンが唯一搭載されるこのグレードでは、クールさを感じさせる専用のブラックレザーインテリアが用意されました。「20S」「20S PROACTIVE」「XD」「XD PROACTIVE」と同じブラックのインテリアでも、このグレードでは天井色やピラー色がライトグレーではなくブラックが採用されているので、より引き締まった精悍な雰囲気を感じさせます。
シート素材はナッパレザーとスムースレザーが組み合わされ、質感の高さを演出。またインパネデコレーションパネルやドアトリムデコレーションパネルにはブラックのヘアラインが施され、抑制された美しさを表現しています。
特別仕様車「Black Tone Edition」
2020年12月に追加された「Black Tone Edition」は、マツダならではの個性が際立つスポーティーな世界観を表現した特別仕様車です。
この特別仕様車は、シートカラーがスポーティーさを表現するレッドなのが大きな特徴。レッドといっても単純なレッドではなく、マツダならではの深みのある色合いなので、上品さやラグジュアリーさも感じさせる魅力的なカラーリングです。
シート素材にはスムースレザーを使用し、質感にもこだわっていることがうかがえます。
マツダ6の座席周りの収納
収納の充実度や使い勝手も忘れずに確認しておきましょう。ここではマツダ6の座席周りの収納について紹介します。
アジャスター機能付きカップホルダー
コマンダーコントロールの後方に縦並びのカップホルダーが2個装備されています。シャッター式リッドがついているので、ドリンクホルダーとして使用しない際にはリッドを閉じて小物を置くトレーとしても使用できます。
アームレスト付き大型コンソールボックス
フロントシートのアームレストの下部には深さのある大型のコンソールボックスがあります。内部には12V電源ソケットとUSB端子が2つあり、USB端子はマツダコネクトに連動しているのでUSBに接続したスマートフォンの音楽などを読み込むことが可能です。
オーバーヘッドサングラスホルダー
運転中に必要になるメガネやサングラスの収納に最適なホルダーが運転席上部に装備されています。
リアシート センターアームレスト
リアシートのセンターアームレストにはカップホルダーが2個と充電用USB端子が付属します。後部座席でもスマートフォンが充電できるのは評価できるポイントといえるでしょう。
シートバックポケット
運転席・助手席の両方に雑誌やタブレットなどが収納できるシートバックポケットが装備されています。
ボトルホルダー付きドアポケット(フロントドア)/ボトルホルダー(リアドア)
フロントドアにはペットボトルホルダーと小物が置ける広めのドアポケットがあります。リアドアにはボトルホルダーは装備されますが、ドアポケットはありません。
マツダ6の荷室について
マツダ6のセダンの荷室は474Lの容量に加えてワイドな開口部を持ち、大きな荷物も楽に出し入れできるように設計されています。
ステーションワゴンでは定員乗車時で506L、リアシートをすべて倒せば最大1,648Lの大容量の荷室が出現します。また6:4分割可倒式シートバックを採用(ステーションワゴン、セダン共通)しているので荷物の量や大きさに合わせて座席アレンジが可能です。
フラッグシップモデルらしいこだわりのインテリアが魅力
マツダ6のインテリアは細部にわたって工夫が凝らされ、マツダの名を背負うフラッグシップの名に恥じない質の高さが魅力です。
ドライブの快適さや居心地に関わる内装は重要な車選びのポイントです。車を選ぶ際にはエクステリアや燃費性能だけではなく、内装もしっかりと確認するようにしましょう。
よくある質問
Q1:マツダ6の内装の特徴は?
A:マツダ6は、マツダの乗用車に共通するデザイン哲学「魂動」の世界を表現しつつ、日本的な「うつろいや繊細さ」を取り入れ、乗る人に落ち着きや安らぎを与える車内空間を作り出しています。車の室内をただの移動空間ではなく、快適さはもちろん芸術性をも感じさせる空間に仕立てていることがマツダ6の内装の特徴といえるでしょう。
Q2:マツダ6の内装のグレードごとの違いは?
A:マツダ6は、グレードによってシートカラーや素材が異なります。「20S」「XD」と「PROACTIVE」以上のグレードにはレザーシートが標準装備されるのもフラッグシップモデルならではといえるでしょう。また、「L Package」ではピュアホワイト、オリエンタルブラウンの2色からシートカラーが選択可能。ガソリン車のみ設定のある最上級グレード「25T S Package」には、専用のブラックレザーインテリアが用意されました。
Q3:マツダ6の荷室は十分に荷物が積める?
A:マツダ6のセダンは474L、ステーションワゴンは506Lの荷室容量を確保しています。ステーションワゴンはリアシートをすべて倒せば最大1,648Lの広大なスペースが出現。なお、セダン・ステーションワゴン共通してリアシートは6:4分割可倒式を採用しているため、座席アレンジも可能です。
※記事の内容は2021年4月時点の情報で執筆しています。