近年の車の低燃費競争は激しいものがあり、今時の新型車はどの車もそれなりの燃費性能を備えています。しかし、車は一般的に長期間使用するので、長い目で見るとわずかな燃費の差であっても大きな燃料費の差をもたらすことになるのです。そのため、車選びの際には燃費性能をよく確認しておくことが大切です。
ここでは、三菱「eKスペース」の燃費性能について紹介します。
【この記事のポイント】
✔駆動方式別カタログ燃費・実燃費はこちら
駆動方式 | カタログ燃費(km/L) | 実燃費(km/L) |
---|---|---|
2WD | 18.8~20.8 | 15.6~18.6 |
4WD | 16.4~18.2 | --- |
✔全車に加速時にモーターがエンジンをアシストするマイルドハイブリッドシステムを搭載
✔ライバル車のホンダ「N-BOX」やスズキ「スペーシア」の燃費には後れを取っている
eKスペースの燃費性能の特徴
2020年3月に販売が開始された2代目モデルとなる現行型のeKスペースは、エンジンにモーターを組み合わせ、加速時にはモーターでエンジンをアシストすることで燃料の消費を抑制するマイルドハイブリッドシステムを全車に採用しています。
さらに、信号などでブレーキペダルを踏んで減速する際、約13km/h以下になると自動でエンジンを停止することで燃費向上に貢献するアイドリングストップシステム「オートストップ&ゴー」を組み合わせることで低燃費を実現しました。
eKスペースのカタログ燃費
eKスペースに採用されているエンジンは最高出力52psを発揮する直列3気筒NAエンジンと、最高出力64psを発揮する直列3気筒ターボエンジンの2種類で、どちらもモーターが組み合わされたマイルドハイブリッドシステムとなります。
eKスペースのWLTCモードカタログ燃費は、以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | 燃費(km/L) |
---|---|---|
M | 2WD | 20.8 |
4WD | 18.2 | |
G | 2WD | 20.8 |
4WD | 18.2 | |
T(ターボエンジン) | 2WD | 18.8 |
4WD | 16.4 |
eKスペースの実燃費
eKスペースに乗っているオーナーの実燃費データを収集しているサイト「e燃費」によると、eKスペースの実燃費(2021年5月7日時点)は、以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | 燃費(km/L) |
---|---|---|
M | 2WD | 18.6 |
4WD | --- | |
G | 2WD | 18.6 |
4WD | --- | |
T(ターボエンジン) | 2WD | 15.6 |
4WD | --- |
WLTCモード燃費は、信号や渋滞などの影響を受ける市街地モード、信号や渋滞などの影響を受けにくい郊外モード、高速道路での走行を想定した高速道路モードの3つのモードでの計測値を平均的使用時間配分で構成したもので、国際的に使用されている燃費の計測方法です。カタログスペックとしては日本でこれまで使用されてきたJC08モード燃費よりも低くなる傾向があります。
WLTCモード燃費は実際の車の使用環境により近い方法で計測されていますが、実燃費とまったく差がないというわけではなく、1~1.5割程度の差が出ることが多いようです。その点を考えると、eKスペース2WD車のカタログ燃費と実燃費の差は平均程度といえるのではないででしょうか。
eKスペースとライバル車のカタログ燃費を比較
eKスペースのライバル車としては、ホンダ「N-BOX」やスズキ「スペーシア」などのスーパーハイトワゴンが挙げられます。ここではこの2車種とeKスペースのカタログ燃費を比較してみましょう。
ホンダ「N-BOX」
ホンダ「N-BOX」は、軽スーパーハイトワゴンを代表する人気車種です。広い室内空間はもちろん、ホンダ自慢の安全運転支援システム「Honda SENSING」を全車標準装備しているのも魅力。
N-BOXのWLTCモードカタログ燃費は、以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | 燃費(km/L) |
---|---|---|
G | 2WD | 21.2 |
4WD | 19.8 | |
L/カスタムL | 2WD | 21.2 |
4WD | 19.8 | |
Lターボ/カスタムLターボ | 2WD | 20.2 |
4WD | 19.0 | |
EX/カスタムEX | 2WD | 21.2 |
4WD | 19.8 | |
EXターボ/カスタムEXターボ | 2WD | 20.2 |
4WD | 19.0 |
eKスペースとN-BOXとの比較では、N-BOXの燃費がeKスペースより優れていることがうかがえるでしょう。特にターボ4WD車では顕著な差が見られます。
スズキ「スペーシア」
スズキ「スペーシア」は、遊び心を感じさせる内外装のデザイン、そしてISGと呼ばれるモーター機能付き発電機を搭載したスズキ独自のマイルドハイブリッドシステムの採用によって実現した燃費の良さで幅広い層から人気を得ているモデルです。
スペーシアのWLTCモードカタログ燃費は、以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | 燃費(km/L) |
---|---|---|
HYBRID X | 2WD | 21.2 |
4WD | 20.2 | |
HYBRID G | 2WD | 22.2 |
4WD | 20.2 |
eKスペースとスペーシアとの比較においても、スペーシアの燃費がeKスペースを上回っていることがわかります。
eKスペースの走行性能
現行型のeKスペースは、先代モデルよりも運転席の着座位置を高く設定したことに加え、左右の視界を広げる設計によって死角の少ない良好な視界を確保しました。ほかの車両や歩行者を認識しやすいだけでなく、車両感覚が把握しやすいのもメリットです。
また、ステアリングの操舵力とショックアブソーバーの減衰力を最適化し、ハンドリング性能も向上させています。
燃料費を節約したいなら、車選びの段階から
燃料費を節約するためにできるだけ遠出を控えたり、車の使用頻度を減らしたりするのではストレスフルなカーライフになってしまう可能性も否定できません。車選びの時点で燃費に注目し、できるだけ燃費性能の良い車を選ぶことがストレスの少ない楽しいカーライフを送るひとつのポイントといえるのではないでしょうか。
よくある質問
Q1:eKスペースのカタログ燃費はどのくらい?
A:eKスペースは最高出力52psを発揮する直列3気筒NAエンジンと、最高出力64psを発揮する直列3気筒ターボエンジンの2種類のエンジンを採用。どちらもモーターが組み合わされるマイルドハイブリッドシステムとなっています。eKスペースのWLTCモードカタログ燃費は、2WD車が18.8~20.8km/L、4WD車が16.4~18.2km/Lです。
Q2:eKスペースのカタログ燃費と実燃費の差はどのくらい?
A:eKスペース2WD車の実燃費は15.6~18.6km/L。WLTCモード燃費は日本で従来使用されてきたJC08モード燃費よりも実燃費に近い数値が出る燃費の計測方法とされていますが、それでもカタログ燃費と実燃費の間には1~1.5割程度の差があるのが一般的です。その点を考慮すると、eKスペースのカタログ燃費と実燃費の差は平均程度といえるでしょう。
Q3:eKスペースの走行性能は?
A:現行型のeKスペースは、先代モデルよりも運転席の着座位置を高くすることと左右の視界を広げることによって、死角が少なく運転しやすい良好な視界を確保しています。また、ステアリングの操舵力やショックアブソーバーの減衰力を最適化させ、ハンドリング性能も向上させました。
※記事の内容は2021年5月時点の情報で執筆しています。