一定の燃費基準を達成している車は、自動車税や軽自動車税、自動車重量税などの車に関する税金の軽減措置が得られる時代です。そのため、燃料費そのものはもちろん、税金にも影響する車の燃費性能は非常に重要な車選びのポイントとなるのです。
ここでは三菱「eKクロス」の燃費について解説します。
【この記事のポイント】
✔駆動方式別WLTCモードカタログ燃費・実燃費はこちら
駆動方式 | カタログ燃費(km/L) | 実燃費(km/L) |
---|---|---|
2WD | 19.2~21.2 | 19.7~20.1 |
4WD | 16.8~18.8 | 14.6 |
✔カタログ燃費と実燃費の差は少ない
✔ライバル車であるホンダ「N-WGN」の燃費には劣る
eKクロスの燃費の特徴
ekクロスは従来よりも低フリクション化・高圧縮比化を実現した小型自動車専用の新開発のエンジンに高効率オイルポンプと低フリクションベルトを採用した新型CVTを組み合わせ、低速域から高速域までストレスを感じさせない加速性能と燃費の向上を実現させました。
パワートレインは660ccの直列3気筒NAエンジンと直列3気筒ターボエンジンの2種類で、いずれのエンジンにもモーターとリチウムイオンバッテリーを使用したハイブリッドシステムが組み合わされています。
eKクロスに搭載されるこのハイブリッドシステムは減速時に発生するエネルギーで発電し、リチウムイオンバッテリーにその電力を効率よく充電して加速時にはバッテリーの電力を利用してモーターが駆動力をアシストします。さらに車速が約13km/h以下になるとエンジンを停止させるコーストストップとアイドリングストップによって燃費向上も実現しています。
eKクロスのカタログ燃費
eKクロスには先にも紹介したとおり660ccの直列3気筒NAエンジンと直列3気筒ターボエンジンの2種類のパワートレインがあります。
いずれもトランスミッションはCVT1種類、駆動方式は2WDと4WDが設定されています。
eKクロスのWLTCモード燃費は以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | 燃費(km/L) |
---|---|---|
M | 2WD | 21.2 |
4WD | 18.8 | |
G | 2WD | 21 |
4WD | 18.8 | |
T | 2WD | 19.2 |
4WD | 16.8 |
eKクロスの実燃費
燃費をチェックする際はカタログ燃費と合わせて実燃費も確認しておきましょう。
eKクロスで採用されているWLTCモード燃費は2017年以降、WLTCモードが算定された自動車から導入されている新しい燃費計測モードで、これまで使用されてきた日本独自のJC08モード燃費よりも実燃費との差は少ないとされています。
JC08モード燃費は平坦な道を一定の条件下で走行し計測されますが、WLTCモード燃費は「市街地」「郊外」「高速道路」と実際の車の使用環境に近い状況ごとに計測されます。そのためJC08モード燃費と実燃費の差は3割程度とされているのに対して、WLTCモード燃費と実燃費の差は1~1.5割程度が一般的だといわれています。
現在、eKクロスに乗っているオーナーの実燃費データを収集しているサイト「e燃費」によると、eKクロスの実燃費は以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | 燃費(km/L) |
---|---|---|
M/G | 2WD | 20.1 |
4WD | データなし | |
T | 2WD | 19.7 |
4WD | 14.6 |
eKクロスのカタログ燃費と実燃費の差は、いずれのパワートレインにおいても平均値の範囲内といえるでしょう。特に2WD車は差が少なく、優秀です。
eKクロスとライバル車のカタログ燃費を比較
eKクロスのライバル車としてよく挙げられる車種にホンダ「N-WGN」や、兄弟車でもある日産「デイズ」があります。ここではこの2車種とeKクロスのカタログ燃費を比較してみましょう。
ホンダ「N-WGN」
現行のN-WGNは2019年6月にフルモデルチェンジを受けた2代目モデルで、ホンダ車で初めて(*2019年7月、ホンダ調べ)となる横断中の自転車に対応する衝突軽減ブレーキ、さらにホンダの軽自動車で初搭載される(*2019年7月、ホンダ調べ)渋滞追従機能付きのアダプティブ・クルーズ・コントロールなど充実した先進安全性能を備えているのが特徴です。
N-WGNのWLTCモードカタログ燃費は、以下のとおりです。ガソリン車のみでハイブリッド車の設定はありません。
グレード | 駆動方式 | 燃費(km/L) |
---|---|---|
G | 2WD | 23.2 |
4WD | 21.2 | |
L | 2WD | 23.2 |
4WD | 21.2 | |
L・ターボ | 2WD | 22 |
4WD | 20.4 |
N-WGNは、ハイブリッドシステムを搭載するeKクロスの燃費をいずれのパワートレインでも上回っています。
日産「デイズ」
三菱のeKシリーズの共同開発車であるデイズはeKクロスやeKワゴンの兄弟車にあたるモデルです。高速道路においてアクセル、ブレーキ、ステアリング操作を支援することでロングドライブ時のドライバーの運転負荷を軽減する「プロパイロット」、事故や急病などの緊急時にオペレーターへのデータ通信と音声通信が可能な先進事故支援システム「SOSコール(ヘルプネット)」をいずれも軽自動車で初めて搭載(*2019年2月 日産調べ)するなど、優れた先進性を備えた軽自動車として注目を集めています。
デイズのWLTCモードカタログ燃費は、以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | 燃費(km/L) |
---|---|---|
S | 2WD | 21.2 |
4WD | 18.2 | |
X | 2WD | 21.2 |
4WD | 18.2 | |
ハイウェイスターX | 2WD | 21.2 |
4WD | 18.2 | |
ハイウェイスターX プロパイロットエディション | 2WD | 21.2 |
4WD | 18.8 | |
ハイウェイスターGターボ | 2WD | 19.2 |
4WD | 16.8 | |
ハイウェイスターGターボ プロパイロットエディション | 2WD | 19.2 |
4WD | 16.8 |
デイズとeKクロスとは兄弟車ということもあり、ほぼ同じ燃費性能となっています。
eKクロスの乗り心地
eKクロスの乗り心地や快適なドライブをサポートする機能も確認しておきましょう。
静かで快適な室内空間
エンジン音を抑制するためにエンジンを包み込むように吸音・遮音材を配置し、走行中に室内に入り込む騒音を低減して走行中でも会話が楽しめる静かで快適な車内空間を確保しています。
高速道路同一車線運転支援技術「マイパイロット(MI-PILOT)」の採用
eKクロスには、高速道路でアクセル・ブレーキ・ステアリング操作のアシストを行い、急加速や急ブレーキ、急ハンドルの少ない安心・安全で快適なドライブをサポートする高速道路同一車線運転支援技術「マイパイロット(MI-PILOT)」が採用されています。
モータージャーナリスト・萩原文博さんの試乗記でeKクロスの走行性能をチェック!
燃費はさまざまな面からチェックしておこう
満足のいくカーライフのためには燃費事情は無視できません。燃費を確認する際にはカタログ燃費だけではなく、実燃費やライバル車との比較など、さまざまな面から確認するようにしましょう。そうすることによってカタログ燃費だけでは見えてこなかった燃費事情が判明することもあります。
しっかりと燃費を確認して車を選び、充実したカーライフを実現してください。
よくある質問
Q1:eKクロスのカタログ燃費はどのくらい?
A:eKクロスでは小型車専用の新開発のエンジンに新型CVTを組み合わせて燃費を向上させていることに加え、いずれのエンジンにもモーターとリチウムイオンバッテリーを使用したハイブリッドシステムを搭載し、低燃費を実現しています。eKクロスのWLTCモードカタログ燃費は2WD車が19.2~ 21.2km/L、4WD車が16.8~18.8km/Lです。
Q2:eKクロスの実燃費はカタログ燃費とどのくらいの差があるの?
A:eKクロスの実燃費は2WD車が19.7~20.1km/L、4WD車が14.6km/Lとなっています。WLTCモード燃費は日本で従来使用されてきたJC08燃費よりもカタログ燃費と実燃費の差が少ないとされていますが、それでも1~1.5割程度の差が出るのが一般的です。その点を考慮すると、eKクロスのカタログ燃費と実燃費の差は少なく、優秀といえるでしょう。
Q3:eKクロスの乗り心地は?
A:eKクロスでは吸音材や遮音材を最適配置し、車内に入り込む騒音を少なくして静かで快適な室内空間を確保しています。また、高速道路同一車線運転支援技術「マイパイロット(MI-PILOT)」を採用するなど、急ハンドルや急ブレーキのない安全で快適なドライブが楽しめるように工夫されています。
※記事の内容は2021年2月時点の情報で執筆しています。