一般的な車選びのポイントとして、自身のセンスに合ったデザインであることや居住性の良さ、そして燃費性能の高さなどが挙げられます。特に燃料費を左右する燃費性能を重視する、という声もよく耳にしますが、スズキ「ジムニー」は一般的な軽自動車とは異なり、卓越した走破性を持つ本格オフローダーのため、その点を重視する方が選ぶ傾向があり低燃費であることはあまり重視されないかもしれません。
しかし燃費性能は維持費に大きく関わるため、どのような車であっても確認しておくことをおすすめします。ここでは、ジムニーの燃費性能について詳しくご紹介します。
【この記事のポイント】
✔ジムニーのWLTCモードカタログ燃費・実燃費はこちら
トランスミッション | カタログ燃費(km/L) | 実燃費(km/L) |
---|---|---|
5MT | 16.2 | 14.6 |
4AT | 14.3 | 12.0 |
✔ジムニーのカタログ燃費はスズキ「ハスラー」やダイハツ「タフト」に後れを取っている
✔ねじり剛性を向上させた新開発のラダーフレーム、FRレイアウトなど、ジムニーの伝統を継承しつつ進化させ高い走破性を確保
ジムニーの特徴
ジムニーは軽自動車で唯一ラダーフレームを採用する本格的なオフローダーで、軽自動車でありながら世界的な知名度も高いモデルです。卓越した悪路走破性を誇り、山岳地域や積雪地域に居住する方や、アウトドアレジャーを楽しむ方に重宝されています。
今では無骨さを感じさせる独特のデザインが幅広い層から人気を集めており、都市部で街乗りメインで使用する方も多く見られます。
ジムニーのカタログ燃費
現行型のジムニーでは、インテーク側VVT(可変バルブタイミング機構)を採用し、さらに圧縮比を高めてロングストローク化した専用チューニング直列3気筒ターボエンジンを搭載、過酷なオフロード環境での優れた走行性能を確保しています。
また、2021年9月の一部仕様変更では、4AT車に信号待ちなどの停車時にエンジンを自動で停止させることで余分な燃料消費を抑制するアイドリングストップシステムが新たに搭載されました。
なお、ジムニーは全グレードにおいて駆動方式は4WDのみで、2WDの設定はありません。WLTCモードカタログ燃費は、以下のとおりです。
グレード | トランスミッション | カタログ燃費(km/L) |
---|---|---|
XG | 5MT | 16.2 |
4AT | 14.3 | |
XL | 5MT | 16.2 |
4AT | 14.3 | |
XC | 5MT | 16.2 |
4AT | 14.3 |
ジムニーの実燃費
ジムニーに乗っているオーナーの実燃費データを収集しているサイト「e燃費」によると、ジムニーの実燃費(2022年5月25日時点)は、以下のとおりです。
トランスミッション | 実燃費(km/L) |
---|---|
5MT | 14.6 |
4AT | 12.0 |
実燃費は気温や運転の仕方、荷物の重量などさまざまな要因に左右されるため、カタログ燃費よりも悪化するのが一般的です。ジムニーでもカタログ燃費と差が生じていますが、それほど大きな差ではないため許容範囲内といえるでしょう。
ジムニーとライバル車のカタログ燃費を比較
ジムニーのような軽自動車の本格的なオフローダーはほかにはなく、明確なライバルは存在しません。そのため、ここでは一般的な軽自動車の中でジムニーとともに検討されることの多いスズキ「ハスラー」、そしてダイハツ「タフト」と比較してみましょう。
スズキ「ハスラー」
ユニークなデザインが幅広い層の人気を集めているスズキ「ハスラー」。ルックスからは想像できない走破性を確保しており、4WD車にはスノーモードやグリップコントロールが標準装備です。
ハスラーのWLTCモードカタログ燃費は、以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | カタログ燃費(km/L) |
---|---|---|
HYBRID G/HYBRID X | 2WD | 25.0 |
4WD | 23.4 | |
HYBRID Gターボ/HYBRID Xターボ | 2WD | 22.6 |
4WD | 20.8 |
ハスラーは全車にマイルドハイブリッドシステムを搭載しており、ジムニーよりもかなりの低燃費を実現しています。
ダイハツ「タフト」
ダイハツ「タフト」は、街乗りからレジャーまで、幅広いシーンで活躍する軽クロスオーバーSUVで、ガラスルーフ「スカイフィールトップ」を全車に標準装備し、別格の開放感が味わえる1台です。
タフトのWLTCモードカタログ燃費は、以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | カタログ燃費(km/L) |
---|---|---|
X/G/ G“クロムベンチャー” | 2WD | 20.5 |
4WD | 19.7 | |
Xターボ/Gターボ/ Gターボ“クロムベンチャー” | 2WD | 20.2 |
4WD | 19.6 |
いずれのパワートレインにおいても、タフトがジムニーよりも低燃費であることがわかります。
ジムニーの走行性能
現行のジムニーはねじり剛性を従来型比で約1.5倍向上させた新設計のラダーフレームの採用やエンジンを縦置きにしたFRレイアウト、路面状況によって2WDと4WDを切り替えられる機械式副変速機付きパートタイム4WD、リンクリジッドアクスル式サスペンションなどの伝統を継承しつつさらに進化させ、ジムニーならではの高い走破性を実現しています。
モータージャーナリスト・岡崎五朗さんの試乗記でジムニーの走行性能について詳しくチェック!
唯一無二の存在であるジムニー
ジムニーは燃費性能を追求するタイプの車ではないため、ほかの軽自動車と比較すると低燃費であるとはいえませんが、ほかの車にはない卓越した走破性を持つ孤高のモデルといえます。
燃費性能で後れを取っているとしても、それを補ってなお余りある魅力を持つモデルといえるのではないでしょうか。
よくある質問
Q1:ジムニーのカタログ燃費はどのくらい?
A:ジムニーは4WDのみの設定であり、2WDはありません。また、トランスミッションは全グレードで5MTと4ATから選択が可能です。ジムニーのWLTCモードカタログ燃費は、5MT車が16.2km/L、4AT車が14.3km/Lです。
Q2:ジムニーのカタログ燃費をライバル車と比較すると?
A:ジムニーのような本格的な軽オフローダーはほかになく、明確なライバル車は存在しませんが、軽クロスオーバーSUVのスズキ「ハスラー」やダイハツ「タフト」のカタログ燃費と比較すると、ジムニーの燃費はこの2車種に後れを取っています。
Q3:ジムニーの走行性能は?
A:ジムニーはねじり剛性を従来型比で約1.5倍向上させた新開発のラダーフレームやFRレイアウト、機械式副変速機付きパートタイム4WD、リンクリジッドアクスル式サスペンションなどジムニーの伝統を継承しつつ進化させ、ジムニーならではの走破性の高さを実現しています。
※この記事は2022年5月時点の情報で制作しています