ガソリンの値段は常に一定のわけではなく、社会情勢などによって変化します。突然価格が高騰することも少なくないので、できるだけ燃費の良い車を選びたいと思うのは当然のことでしょう。車が生活に欠かせない地域に住んでいるなど、車の使用頻度が高いのであればなおさらです。
そのため、車選びの際にはカタログ燃費や実燃費を確認して、納得できる燃費性能を持つ車を選ぶことが大切です。ここでは、日産「NV200バネットワゴン」の燃費性能について紹介します。
- NV200バネットワゴンのWLTCモードカタログ燃費は12.0km/L、実燃費は9.2km/L
- 駆動方式は2WDのみ
- ライバル車であるトヨタ「シエンタ」やホンダ「フリード」の燃費には劣る
NV200バネットワゴンの燃費性能の特徴
NV200バネットワゴンのエンジンは軽量で静粛性に優れたものを採用し、重たい荷物を積んでいても軽やかな走りを実現することに加え、燃費性能も両立させているのが特徴。さらにパワーの電動効率を高め燃費向上に貢献するフルレンジ電子制御4速ATを組み合わせ、環境性能・燃費性能に配慮しています。
しかし、NV200バネットワゴンは、2009年5月に販売が開始されたモデルで、基本設計が古いため最新モデルに搭載されるような燃費対策はなく、多くのミニバンで設定のあるハイブリッド車もラインナップされていないのが現状です。
NV200バネットワゴンのカタログ燃費
NV200バネットワゴンのパワートレインは、最高出力109PS、最高トルク152N・mを発揮する1.6L直列4気筒ガソリンエンジンの1種類で、組み合わされるトランスミッションは4AT、駆動方式は2WDのみです。
NV200バネットワゴンのベースである、商用モデルのバンに設定のある5MTや4WDの設定はありません。
NV200バネットワゴンのWLTCモードカタログ燃費は、以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | 燃費(km/L) |
---|---|---|
16X-2R | 2WD | 12.0 |
16X-3R | 2WD | 12.0 |
NV200バネットワゴンの実燃費
NV200バネットワゴンに乗っているオーナーの実燃費データを収集しているサイト「e燃費」によると、NV200バネットワゴンの実燃費(2021年6月26日現在)は、グレード共通で9.2km/Lです。
WLTCモード燃費は、信号や渋滞などの影響を受ける市街地モード、信号や渋滞などの影響を受けにくい郊外モード、高速道路での走行を想定した高速道路モードの3つのモードで計測されたもので、日本だけでなく国際的に使用されている燃費の計測方法です。カタログスペックとしては日本で従来使用されてきたJC08モード燃費よりも低くなる傾向があります。
WLTCモード燃費は実際の車の使用環境により近い方法で計測されていますが、実燃費とまったく差がないというわけではなく、運転の仕方や走行環境によって1~1.5割程度の差が出ることが多いようです。その点を考えるとNV200バネットワゴンのカタログ燃費と実燃費の差は平均値よりも大きいことがわかります。
NV200バネットワゴンとライバル車のカタログ燃費を比較
NV200バネットワゴンのライバル車としては、トヨタ「シエンタ」やホンダ「フリード」が挙げられるでしょう。ここではこの2車種とNV200バネットワゴンのカタログ燃費を比較してみます。
トヨタ「シエンタ」
取り回しやすさや使い勝手の良さに加え、トレッキングシューズをイメージした個性的なエクステリアデザインが人気を博しているトヨタ「シエンタ」。
シエンタのWLTCモードカタログ燃費は、以下のとおりです。なお、シエンタには7人乗り3列シート車に加え5人乗り2列シート車の「FUNBASE」がありますが、乗車定員による燃費の差はありません。
グレード | 駆動方式 | 燃費(km/L) |
---|---|---|
X/G/G Cuero(ガソリン) | 2WD | 17.0 |
4WD | 14.0 | |
X/G/G Cuero(ハイブリッド) | 2WD | 22.8 |
シエンタの2WD車とNV200バネットワゴンの燃費を比較すると、シエンタの燃費が有利であることがわかります。
ホンダ「フリード」
コンパクトミニバンの代名詞ともいえるヒットモデル、ホンダ「フリード」は、親しみやすいスタイルの標準モデルとクロスオーバーテイストの「CROSSTAR」、スポーティーな装いの「Modulo X」と、個性豊かなラインナップをそろえているのが魅力です。
フリードのWLTCモードカタログ燃費は、以下のとおりです。フリードにも3列シート車のほかに2列シート車「フリード+」の設定がありますが、シエンタ同様燃費に変わりはありません。
グレード | 駆動方式 | 燃費(km/L) |
---|---|---|
B・Honda SENSING | 2WD | 17.0 |
G・Honda SENSING | 2WD | 17.0 |
4WD | 15.6 | |
CROSSTAR・Honda SENSING | 2WD | 17.0 |
4WD | 15.6 | |
HYBRID G・Honda SENSING | 2WD | 20.8 |
4WD | 19.8 | |
HYBRID CROSSTAR・Honda SENSING | 2WD | 20.8 |
4WD | 19.8 |
NV200バネットワゴンは、燃費性能ではフリードにも後れをとっています。
NV200バネットワゴンの走行性能・乗り心地
NV200バネットワゴンは、たくさんの荷物を運搬することが前提になっている商用バンがベースのため、リアサスペンションには高荷重に耐えられるリーフリジット式のサスペンションを採用しています。
フロントには路面から伝わる不快な振動を抑え、快適性を向上させるリップルコントロールショックアブソーバーを採用。走行安定性と快適な乗り心地を両立させています。
また、最小回転半径は5.2mを維持しているため、小回りが利き狭い路地などでも取り回しやすいのも特徴です。
積載性を重視した商用ベースモデルならではの魅力があるNV200バネットワゴン
NV200バネットワゴンは商用車をベースとしたモデルのため、おもてなし機能や燃費性能はそこそこに積載性を重視している印象を受けます。
燃費性能においてはライバル車に一歩譲りますが、積載性の高さはライバル車を大きく上回るため、アウトドアやキャンプなど、アクティブなカーライフを送りたい方にはぴったりではないでしょうか。
よくある質問
Q1:NV200バネットワゴンのカタログ燃費はどのくらい?
A:NV200バネットワゴンのパワートレインは、1.6L直列4気筒ガソリンエンジンと4速ATの組み合わせ1種類で、駆動方式は2WDのみです。ハイブリッド車の設定はありません。NV200バネットワゴンのWLTCモードカタログ燃費は、12.0km/Lです。
Q2:NV200バネットワゴンのカタログ燃費と実燃費の差は?
A:NV200バネットワゴンの実燃費は9.2km/L。WLTCモードは実際の走行環境に近い3種類のモードで燃費を計測するため、日本で従来使用されてきたJC08モードよりも実燃費に近い数値が出るとされていますが、それでも1~1.5割程度の差があるのが一般的です。その点を考えると、NV200バネットワゴンのカタログ燃費と実燃費の差は平均値よりも大きいといえます。
Q3:NV200バネットワゴンとライバル車のカタログ燃費を比較すると?
A:NV200バネットワゴンのライバル車としてはトヨタ「シエンタ」やホンダ「フリード」が挙げられますが、NV200バネットワゴンのカタログ燃費はこの2車種のどちらにも後れをとっています。
Q4:NV200バネットワゴンの走行性能や乗り心地は?
A:フロントには不快な衝撃を抑えるリップルコントロールショックアブソーバー、リアサスペンションには大きな荷重に耐えられるリーフリジット式を採用し、操縦安定性と快適な乗り心地を両立させています。
※記事の内容は2021年6月時点の情報で執筆しています。