燃料費は、車の維持費の中でも大きな割合を占める存在です。同じようなサイズの車であってもメーカーや車種の違いによって燃費性能に大きく差がつくこともあるので、車選びの際にはカタログ燃費や実燃費はもちろん、候補になっているライバル車とも燃費を比較してみることが大切といえるでしょう。
ここでは、ホンダ「オデッセイ」の燃費性能について紹介します。
【この記事のポイント】
✔駆動方式別カタログ燃費・実燃費はこちら
駆動方式 | カタログ燃費(km/L) | 実燃費(km/L) |
---|---|---|
2WD | 12.4~19.8 | 10.5~16.5 |
4WD | 11.6~12.2 | 10.3 |
✔トヨタ「アルファード」や日産「エルグランド」の燃費を上回る
✔超低床プラットフォームの採用により低重心化し、セダンのような走行安定性を実現
オデッセイの燃費の特徴
オデッセイはホンダの上級ミニバンとしてデビューし、現行モデルは2013年に登場した5代目モデルです。当初はガソリンエンジンのみのラインナップでしたが、2016年にハイブリッドモデルがラインナップに加わりました。
ホンダ独自の2モーター式のハイブリッドシステム「e:HEV」は、モ-ター走行を中心に走行シーンに合わせてエンジンモード、ハウブリッドモード、EVモードの3種類のモードを使い分けることで、高効率な走りを実現しています。
また、全車にアイドリングストップシステムや走りを低燃費モードへ自動制御してエコ運転を支援する「エコアシスト」などの機能を標準装備し、ハイブリッド車のみならずガソリン車においても低燃費や高い環境性能を実現しているのがオデッセイの特徴といえるでしょう。
オデッセイのカタログ燃費
オデッセイでは、2.4L直列4気筒ガソリンエンジンと、2.0L直列4気筒ガソリンエンジン+2モーターのハイブリッドシステム「e:HEV」の2種類のパワートレインがあります。
なお、駆動方式はガソリン車では2WD、4WDの両方が設定されていますが、「e:HEV」は2WDのみです。
オデッセイのWLTCモードカタログ燃費は、以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | 燃費(km/L) |
---|---|---|
ABSOLUTE | 2WD | 12.8 |
4WD | 12.2 | |
ABSOLUTE・EX | 2WD | 12.4 |
4WD | 11.6 | |
e:HEV ABSOLUTE | 2WD | 20.0~20.2 |
e:HEV ABSOLUTE・EX | 2WD | 19.8 |
オデッセイの実燃費
オデッセイに乗っているオーナーの実燃費データを収集しているサイト「e 燃費」によると、オデッセイの実燃費(2021年5月25日時点)は以下のとおりです。
グレード 駆動方式 燃費(km/L)
グレード | 駆動方式 | 燃費(km/L) |
---|---|---|
ABSOLUTE/ ABSOLUTE・EX | 2WD | 10.5 |
4WD | 10.3 | |
e:HEV ABSOLUTE/ e:HEV ABSOLUTE・EX | 2WD | 16.5 |
WLTCモードは、信号や渋滞などの影響を受ける市街地モード、信号や渋滞などの影響を受けにくい郊外モード、高速道路での走行を想定した高速道路モードの3つのモードでの計測値を平均的使用時間配分で構成したもので、日本だけでなく国際的に使用されている燃費の計測方法です。カタログスペックとしてはJC08モード燃費よりも低くなる傾向があります。
WLTCモード燃費は実際の車の使用環境により近い方法で計測されていますが、実燃費とまったく差がないというわけではなく、運転の仕方や走行環境にもよって1~1.5割程度の差が出ることが多いようです。
その点を考慮すると、オデッセイのカタログ燃費と実燃費の差は平均程度から、グレードによっては平均値よりも大きい、というところでしょう。
オデッセイとライバル車のカタログ燃費を比較
燃費性能を調べる際にはライバル車と比較して、どのようなメリットがあるのかも調べてみましょう。オデッセイの直接的なライバル車はここ数年で軒並み販売終了となっており、競合する車種がない状態ではありますが、ここでは日産「エルグランド」と、トヨタ「アルファード」と比較してみます。
日産「エルグランド」
日産のフラッグシップミニバンの「エルグランド」。現行の3代目モデルは2010年に登場しているためモデルライフはかなり長くなっていますが、2020年10月に2度目となるマイナーチェンジを行いよりスタイリッシュなエクステリアにアップデートしました。
エルグランドのWLTCモードカタログ燃費は、以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | 燃費(km/L) |
---|---|---|
250Highway STAR S/ 250Highway STAR S Urban CHROME/ 250Highway STAR Premium/ | 2WD | 10.0 |
4WD | 9.7 | |
250Highway STAR Premium Urban CHROME/ 350Highway STAR/ 350Highway STAR Urban CHROME/ 350Highway STAR Premium/ 350Highway STAR Premium Urban CHROME | 2WD | 8.7 |
4WD | 8.4 |
エルグランドとオデッセイの比較では、いずれのパワートレインにおいてもオデッセイがエルグランドの燃費を上回っています。
トヨタ「アルファード」
トヨタの最上級ミニバンとして君臨する「アルファード」は押し出しの強いエクステリアと高級感のあるインテリアが人気のモデルです。
アルファードのWLTCモードカタログ燃費は、ハイブリッド車は4WDのみで全グレード14.8km/Lです。ガソリン車は燃費がグレードによって異なるため、以下の表に記載します。
ガソリン車
グレード | 駆動方式 | 燃費(km/L) |
---|---|---|
S/S“Cパッケージ” | 2WD | 10.6 |
4WD | 10.6 | |
SC | 2WD | 9.9 |
4WD | 9.6 | |
X | 2WD | 10.8 |
4WD | 11.0 | |
GF | 2WD | 10.2 |
4WD | 9.9 | |
Executive Lounge | 2WD | 10.2 |
4WD | 9.9 | |
Executive Lounge S | 2WD | 9.9 |
4WD | 9.6 |
アルファードとの比較でもガソリン車、ハイブリッド車ともにオデッセイの燃費性能が優れていることがわかります。
オデッセイの走行性能・乗り心地
現行型オデッセイでは、超低床プラットフォームを採用し、低重心化することで、全高が高いミニバンであってもセダンのような安定した走りを実現しています。
また、路面の小さい振動は柔軟に吸収し、コーナリング時など大きな動きの際には減衰力を高める振幅感応型ダンパーを採用してロードノイズを低減し、安定感としなやかな走りを両立させているのが特徴といえるでしょう。。
モータージャーナリスト・萩原文博さんの試乗記でオデッセイの走行性能をチェック!
オデッセイは優れた燃費性能と安定した乗り心地を備えた上級ミニバン
オデッセイはライバル車にまさる高い燃費性能と乗員に快適な乗り心地を提供する装備を兼ね備えたモデルです。
ホンダを代表するミニバンとして、これからも存在感を発揮していくことになるでしょう。
よくある質問
Q1:オデッセイのカタログ燃費はどのくらい?
A:オデッセイには2.4Lガソリンエンジンと、2.0Lエンジン+2モーターのハイブリッドシステム「e:HEV」の2種類のパワートレインがあります。オデッセイのWLTCモードカタログ燃費はガソリン2WD車が12.4~12.8km/L、4WD車が 11.6~12.2km/L、「e:HEV」2WD車が19.8~20.2km/Lです。
Q2:オデッセイのカタログ燃費と実燃費の差は?
A:オデッセイの実燃費はガソリン2WD車が10.5km/L、4WD車が10.3km/L、「e:HEV」車が16.5km/Lです。WLTCモードは実燃費に近い数値が出る燃費の計測方法ではありますが、それでもカタログ燃費と実燃費の間には1~1.5割程度の差があるのが一般的であることを考えると、オデッセイのカタログ燃費と実燃費の差は平均程度、グレードによっては平均よりも若干大きいといえるでしょう。
Q3:オデッセイのカタログ燃費をライバル車と比較すると?
A:オデッセイの直接競合となるライバル車はありませんが、同じミニバンのトヨタ「アルファード」や日産「エルグランド」と比較すると、オデッセイの燃費がアルファード・エルグランド両車種を上回っていることがわかります。
Q4:オデッセイの走行性能は?
A:現行型のオデッセイは超低床プラットフォームを採用することで低重心化し、セダンのような安定した走りを実現しています。
※記事の内容は2021年5月時点の情報で執筆しています。