いかに低燃費を実現するかは各自動車メーカーが競い合っている部分でもあり、近年の新型車は少し前の車と比較するとかなりの燃費性能や環境性能を持つようになってきています。それでも車種ごとに燃費性能には差があるのが事実。燃料費は家計に直接影響するだけに、車の燃費性能は車選びの際には必ず確認したい部分だといえるでしょう。
ここでは、ダイハツ「タント」の燃費について紹介します。
よくある質問
Q1:タントのカタログ燃費はどのくらい?
A.タントのWLTCモードカタログ燃費は、2WD車が20.0~21.0km/L、4WD車が18.8~20.0km/Lです。
Q2:タントの燃費をライバル車と比較すると?
A:タントのライバル車としては、ホンダ「N BOX」やスズキ「スペーシア」が挙げられるでしょう。この2車種とタントのカタログ燃費を比較すると、N BOXとタントはほぼ同じ燃費性能いえますが、スペーシアとタントとの比較ではスペーシアの燃費の数値がタントを上回っています。
Q3:タントの実燃費はカタログ燃費とどのくらいの差があるの?
A:タントの実燃費は2WD車が15.7~17.4km/L、4WD車は16.3~16.8km/Lです。WLTCモードは実燃費に近い数値が出る燃費の計測方法ではありますが、それでもカタログ燃費と実燃費のあいだに1~1.5割程度の差が出るのが一般的です。その点を考慮すると、タントのカタログ燃費と実燃費の差はNAエンジンではわずかに平均値よりも大きい程度ですが、ターボ2WD車の差は顕著に出ているといえるでしょう。
Q4:タントの走行性能や乗り心地は?
A:タントでは新プラットフォームの採用によって基本性能を向上し、アンダーボディの高剛性化やサスペンション剛性の向上、スプリングのやわらかさをアップさせることによって優れた操縦安定性と快適な乗り心地を実現しています。
タントの燃費性能の特徴
2019年7月に登場した現行型のタントでは、最新の技術を多数採用し優れた燃費性能を実現しているのが特徴です。
エンジンは先代モデルと同型のエンジンを採用していますが、マルチスパーク(複数回点火)の採用や燃料噴射方法を見直すなど大幅に改良し、燃焼効率を向上させています。さらにスプリットギヤを組み込むことで従来よりも伝達効率の良い「ベルト+ギヤ駆動」を可能にした新CVTを採用することで、低速域での力強くスムーズな加速と、高速域での低燃費を実現しました。
タントにはNAエンジンとターボエンジンがラインナップされていますが、NAエンジン搭載車は軽自動車で初(※2019年7月19日、ダイハツ調べ )となる平成30年排ガス基準75%低減レベルを実現している点も特筆すべきポイントといえるでしょう。
タントのカタログ燃費
タントのWLTCモードカタログ燃費は、以下のとおりです 。
グレード | 駆動方式 | カタログ燃費(km/L) |
---|---|---|
L/L(スマートアシスト非装着車) | 2WD | 21.0 |
4WD | 20.0 | |
X /X“スペシャル” カスタムX/カスタムX“スタイルセレクション” | 2WD | 21.0 |
4WD | 20.0 | |
Xターボ | 2WD | 20.0 |
4WD | 18.8 | |
カスタムRS/カスタムRS“スタイルセレクション”(ターボ) | 2WD | 20.0 |
4WD | 18.8 |
タントの実燃費
タントに乗っているオーナーの実燃費データを収集しているサイト「e燃費」によると、タントの実燃費(2021年10月2日時点)は以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | 実燃費(km/L) |
---|---|---|
L/L(スマートアシスト非装着車) X/X“スペシャル” カスタムX/カスタムX“スタイルセレクション” | 2WD | 17.4 |
4WD | 16.8 | |
Xターボ カスタムRS/カスタムRS“スタイルセレクション”(ターボ) | 2WD | 15.7 |
4WD | 16.3 |
WLTCモードは日本でこれまで使用されてきたJC08モードよりも実燃費に近い数値が出る燃費の計測方法といわれています。実燃費は路面の状態や運転の方法によって左右されますが、WLTCモードカタログ燃費の場合は1~1.5割程度はカタログ燃費よりも実燃費が低くなるのが一般的です。
その点を考慮すると、タントのカタログ燃費と実燃費の差はNAエンジンではわずかに平均値よりも大きい程度ですが、ターボ2WD車の差はかなり顕著です。
タントとライバル車のカタログ燃費を比較
タントのライバル車としては、ホンダ「N BOX」やスズキ「スペーシア」が挙げられます。ここではこの2車種とタントのカタログ燃費を比較してみましょう。
ホンダ「N BOX」
軽自動車人気を牽引する1台といえるのがこのホンダ「N BOX」。室内空間の広さや安全性の高さが幅広い層に高い人気を誇る、軽スーパーハイトワゴンの代表ともいえる存在です。
N BOXのWLTCモードカタログ燃費は、以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | カタログ燃費(km/L) |
---|---|---|
G | 2WD | 21.2 |
4WD | 19.8 | |
L/カスタムL | 2WD | 21.2 |
4WD | 19.8 | |
Lターボ/カスタムLターボ | 2WD | 20.2 |
4WD | 19.0 | |
EX/カスタムEX | 2WD | 21.2 |
4WD | 19.8 | |
EXターボ/カスタムEXターボ | 2WD | 20.2 |
4WD | 19.0 |
タントとN BOXの燃費性能は、ほぼ同等といえるでしょう。
スズキ「スペーシア」
現行型のスズキ「スペーシア」は、マイルドハイブリッドシステムの搭載と新開発の軽量高剛性プラットフォーム「ハーテクト」の採用により基本性能を大幅に向上させ、軽快な走りとクラストップレベルの優れた燃費性能を両立させています。
スペーシアのWLTCモードカタログ燃費は、以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | カタログ燃費(km/L) |
---|---|---|
HYBRID X | 2WD | 21.2 |
4WD | 20.2 | |
HYBRID G | 2WD | 22.2 |
4WD | 20.2 |
タントとスペーシアのカタログ燃費の比較では、タントがスペ―シアに後れを取っていることがわかります。
タントの走行性能・乗り心地
タントの走行性能や、乗り心地に関する部分も確認しておきましょう。
DNGAに基づいた新プラットフォームがもたらす操縦安定性
現行型のタントは、ダイハツの新世代の車づくりの概念DNGA(ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)に基づいた新プラットフォームを採用しています。それによりアンダーボディの高剛性化を実現したことに加え、サスペンション剛性の向上、スプリングをよりやわらかくすることで操縦安定性を高めるとともに揺れの少ない快適な乗り心地を実現しました。
静かな室内空間を確保
車体形状の工夫や段差の低減、ボディ表面の隙間を減らすことで車体周りに抵抗の少ないスムーズな風の流れを実現し、風切り音を低減させました。また、穴を減らすとともに防音材を最適配置することによってロードノイズの車内への侵入をも低減、ドライブを快適に楽しめる静粛性を確保しています。
車選びのポイントとなる燃費性能は実燃費まで確認しよう
燃料費を左右する車の燃費性能は重要な車選びのポイントといえる部分です。カタログ燃費だけではなく実燃費もチェックして、納得のいく燃費性能を備えた車を手に入れましょう。
※記事の内容は2021年10月時点の情報で執筆しています。