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「トヨタ C-HR」現時点最強コンパクトSUVが激戦マーケットでも売れているその理由

「トヨタ C-HR」現時点最強コンパクトSUVが激戦マーケットでも売れているその理由
「トヨタ C-HR」現時点最強コンパクトSUVが激戦マーケットでも売れているその理由

人気のコンパクトSUVジャンルで圧倒的な存在感を示しているのがトヨタのC-HR。プリウス譲りのハイブリッドと欧州マーケットを意識した1.2Lダウンサイジングターボという2つの異なるパワーユニットで幅広いニーズに応える世界戦略車だが、なによりショーカーのように斬新で奇抜で目新しいスタイルが多くの人の心を掴んでいるようだ。

激戦区コンパクトSUV市場の覇者

現在、新車販売で好調なのがSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)と呼ばれるクルマです。2017年7月の新車販売台数ベスト30にトヨタC-HRをはじめ、スバルインプレッサ(XV含)、トヨタハリアー、ホンダヴェゼル、日産エスクトレイル、マツダCX-5、マツダCX-3の7台がランクインしています。SUVの中でも、最も熾烈な販売競争が起こっているのがコンパクトSUVと呼ばれる少し小さめのSUV。そのクラスで大本命の人気モデルがC-HRです。ここでライバル車と比較してC-HRが人気な理由に迫ってみましょう。

初代RAV-4の夢よ、もう一度!?

SUVのルーツを辿ると80年代のクロスカントリー4WDに行き着きます。クロカン4WDはトラックをベースとしていましたが、SUVは乗用車をベースとしたボディを使用し、オフロードの悪路走破性よりも舗装路での乗り心地の良さやセダンなどに匹敵する走行安定性を実現させたモデルを指します。そんなSUVの始祖の一台が1994年にトヨタが発売したRAV4でした。まるで月面探検車のような斬新なスタイルだったRAV4は世界中で大ヒットとなりましたが、その後は少々地味なスタイルでのモデルチェンジを重ねたためか、いつの間にか埋もれた存在になってしまいました。

今回のC-HRはトヨタが投入したコンパクトSUVの本命モデルです。コンパクトSUV花盛りの全世界で販売するだけに、相当力の入ったモデルです。それが一番わかりやすく現れているのは、誰しもが(2017年の今は)振り返る、個性的かつ斬新なスタイルでしょう。RAV4の歴史を知るトヨタ、その本気を感じます。

初代RAV-4の夢よ、もう一度!?①

初代RAV-4の夢よ、もう一度!?②

スタイリッシュな見た目ながらプリウスベース。なので色々お得!

2016年12月に登場したC-HRは、約1年前に登場した4代目プリウスをベースにしています。ボディの骨格にあたるシャーシは豊田章男社長が提唱する「もっといいクルマづくり」に向けた構造改革を反映した「TNGA」を採用。「TNGA」ってなにそれ、美味しいの?という方も多いと思いますので、わかりやすく言うとトヨタの屋台骨を支えるプリウスの「お金のかかった」シャーシをベースにしているので、優れた安全性や燃費性能に加えて、従来のトヨタ車の弱点と言われてきた走りのしっかり感を獲得することにも成功していますよ!ということです。さらにC-HRは世界中の様々な道やサーキットで走行テストを行い、運動性能にSUVならではの味付けを行っています。

前述のように外観はトヨタ独自のキーンルックやアンダープライオリティと呼ばれる最新デザインを採用し、軽快さと力強さが融合した個性的かつ斬新なデザインが最大の特徴です。まるでモーターショーの展示車両のようです。

スタイリッシュな見た目ながらプリウスベース。なので色々お得!

リアのドアハンドルはボディに一体化し、存在感を極力抑えることで、2ドアクーペのような印象を与えています。さらにSUVながら全高を多くの立体駐車場に対応した1550mm(FF車)に抑えることで、都心部のユーザーの利便性を確保するなどデザイン優先に見えて真面目な(?)一面もあります。

見た目だけではなくインテリアデザインも人気の理由

見た目だけではなくインテリアデザインも人気の理由①

見た目だけではなくインテリアデザインも人気の理由②

見た目だけではなくインテリアデザインも人気の理由③

インテリアは質感・形状・色など細部にこだわる大人の感性にフィットしたデザインを採用し、老若男女問わず満足させる仕上がりです。見た目のカッコ良さを裏切らない上質なインテリアが、C-HRが売れている隠れた理由の一つと言えるでしょう。

見た目だけではなくインテリアデザインも人気の理由④

見た目だけではなくインテリアデザインも人気の理由⑤

またコンパクトSUVの中では少し大きな車体サイズですので、ちょっとした旅行なら大人4人が快適に移動できる室内空間とラゲッジスペースを持っていることも魅力です。

街乗り派にうれしいハイブリッド、アウトドア派にはダウンサイジングターボ

街乗り派にうれしいハイブリッド、アウトドア派にはダウンサイジングターボ①

搭載するパワートレインを駆動方式によって異なる2種類を用意しているのもC-HRの特徴です。FF車のG、Sグレードには1.8Lガソリンエンジンとモーターを組み合わせたTHS-IIと呼ばれるハイブリッドシステムを採用しています。プリウス同様、最新のハイブリッドです。システム最高出力は90kW(122ps)を発生し、JC08モード燃費は30.2km/Lです。これはクラスナンバーワンの好燃費、さすがプリウスベースです。街乗りでお洒落に乗りこなしたい人はハイブリッドの一択でしょう。

街乗り派にうれしいハイブリッド、アウトドア派にはダウンサイジングターボ②

一方4WD車のG-T、S-Tグレードにはダウンサイジングターボエンジンである1.2Lターボを搭載。最高出力は85kW(116ps)、JC08モード燃費は15.4km/Lです。採用されている4WDシステムはダイナミックトルクコントロール4WDと呼ばれるもので、通常時は前輪のみで走行し優れた燃費効率を発揮。発進時や滑りやすい路面を走行する際には最適なトルクを後輪に配分するので、路面状況の変化に関わらず安定した走行性能を発揮してくれます。このモデルは多分に欧州など海外のマーケットを意識したものです。高速や雪道、山道を通ることの多い、アウトドアが趣味の人にはターボ+4WDの設定はうれしいですね。

C-HRには成り立ちの異なるハイブリッドモデルとターボモデルが存在することで、街乗り派、アウトドア派の両方にとって気になるクルマになったのです。

実力派揃いのコンパクトSUV、燃費と個性的なスタイルで選ぶとやはりC-HRか!

実力派揃いのコンパクトSUV、燃費と個性的なスタイルで選ぶとやはりC-HRか!①

C-HRのライバルとして挙げられるのはホンダヴェゼルとマツダCX-3です。ヴェゼルはコンパクトカーのヒットモデルであるフィット譲りの優れたパッケージングが特徴で、小柄ながら室内の広さがポイントです。搭載されているパワートレインは1.5L直4ガソリンエンジンと1.5Lエンジン+モーターのハイブリッドシステムの2種類。ハイブリッド車で4WDを選べるのがヴェゼルならではのポイントです。ただC-HRの個性的なスタイリングに比べると、やや保守的な見た目をどう捉えるかでこのクルマの評価は変わってくるでしょう。

実力派揃いのコンパクトSUV、燃費と個性的なスタイルで選ぶとやはりC-HRか!②

一方のCX-3は全モデルで立体駐車場に入庫できる全高1550mmに抑えたパッケージングが特徴です。搭載されるパワートレインは最高出力105psを発生する1.5Lディーゼルターボに加えて、2017年7月に最高出力148psを発生する2Lガソリンエンジンを追加しました。ガソリン車は6速ATだけですが、ディーゼル車には6速ATに加えて6速MTが用意されているのが特徴です。CX-3の流麗なデザインは、斬新なC-HRと好対照なデザインです。またCX-3の欧州車のようなしっかりとした走り味もクルマ好きには非常に支持されています。

C-HRとライバル車の燃費性能を比較すると、C-HRは30.2km/L(S/G)、ヴェゼルは27.0km/L(ハイブリッドFF車)そしてCX-3は25.0km/L(XD)とさすがプリウスベースのC-HRが一歩リードしています。ただ遠出が多い方はディーゼルエンジンのCX-3の高速道路での実燃費が良好な点は考慮する余地があります。4WDのC-HRはガソリンエンジンなのでそこまで燃費がよくありません。実力以上に販売台数の差が付いていますが、特にアウトドア派の方にはCX-3もチェックの価値ありのクルマです。

車両本体価格はC-HRは251万6400円〜290万5200円。ヴェゼルは192万円〜288万6000円、そしてCX-3は210万6000円〜303万4000円となります。ヴェゼルはハイブリッドでもなくヨンクでもないモデルが存在しますので安く見えますが、3車種とも装備などを揃えていくとほぼ同じ価格帯に収まります。

捨てがたいハイブリッドの好燃費、装備充実の上級グレードがおすすめ

トヨタC-HR価格表

ライバルに比べて超個性的なスタイルで目立つことに加えて、さすがプリウスベースの好燃費で人気のC-HR。エンジン・駆動方式以外にスタンダードと上級の2つのグレードの違いがあります。

捨てがたいハイブリッドの好燃費、装備充実の上級グレードがおすすめ

ベーシックグレードは16インチが標準(写真左)、上級グレードの17インチホイールは凝ったデザインだ(写真右)

ハイブリッド車がSと上級グレードのG。ターボ車はS-Tと上級グレードのG-Tの4種類。グレードのよる装備差は装着されるホイールがS/S-Tは17インチ。一方の上級のG/G-Tは18インチとなります。シート表皮はG/G-Tはファブリックと本革のコンビシート。S/S-Tはファブリックで、G/G-Tのみオプションで本革シートを選ぶことが可能です。加えて、G/G-Tのシートは電動ランバーサポートやフロントシートに快温温熱シートが標準装備となっています。エアコンは全車フルオートエアコンが標準装備となりますが、G/G-Tには空気清浄作用のあるナノイー機能が装備されています。

安全装備では先進安全運転支援システムの「トヨタセーフティセンスP」が全車標準装備となっていますが、側後方の死角にいるクルマの存在を教えてくれるブラインドスポットモニターやクリアランスソナー&バックソナーは上級のG/G-Tのみに装備されています。また、LEDヘッドライトもG/G-Tのみのオプション設定となっています。

オススメのグレードはハイブリッド車の上級グレードGです。降雪地域ならば4WDのターボ車がベストですが、カタログ燃費で約2倍という数値は無視できません。さらにベーシックグレードのSと比べると17インチホイールや温熱機構付きのコンビシートなど装備が充実。ブラインドスポットモニターといった安全装備のことも考えるとGがベストバイと言えるでしょう。

見た目だけじゃないトヨタの力作

見た目だけじゃないトヨタの力作

トヨタの世界戦略車らしく、見た目も中身も充実したC-HR。特にそのスタイリッシュな外観と素晴らしい燃費性能は、ライバルたちに大きな差をつけています。しばらくC-HRの人気は続くのではないでしょうか。

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※記事の内容は2017年8月時点の情報で執筆しています。

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