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「日産 ノートe-POWER」走行性能から使い勝手までプロが解説

「日産 ノートe-POWER」走行性能から使い勝手までプロが解説
「日産 ノートe-POWER」走行性能から使い勝手までプロが解説

ハイブリッド専用車のトヨタ・アクア、そしてハイブリッド車をラインナップするホンダ・フィットの2強が君臨していたコンパクトカーマーケットで、突如浮上した日産のノート。日産車として約30年振りに単月の新車販売台数No.1に輝いた。そのノート躍進の秘密はe-POWERという新しいパワーユニットがもたらす未来感抜群の走りに加えて、日本向けに設計された広い室内空間など高い基本性能にある。

日産車として30年ぶりの販売台数No.1に

国産車のコンパクトカーでは、ハイブリッド専用車のトヨタ・アクア、そしてハイブリッド車をラインナップするホンダ・フィットの人気が高く売れ筋モデルとなっていました。その2強と呼べるアクアとフィットを抑えて日産車として約30年振りに2016年11月の新車販売台数No.1に輝いたのが日産・ノートです。ノートはその後2017年1月、3月そして7月も新車登録台数No.1に輝くなど安定した人気を誇り、国産コンパクトカーの勢力図を塗り替えています。どうして、ノートが突然これだけの人気モデルとなったのかを紹介しましょう。

フィットを打倒すべく投入された初代ノート

フィットを打倒すべく投入された初代ノート

日産ノートは2004年に初代モデルが登場します。日産はすでにマーチ、キューブというコンパクトカーをラインナップしていましたが、2001年に登場しベストセラーとなったフィットに対抗すべく登場したモデルがノートでした。フィット同様に全長4mで取り回しのよい全幅1690mmの5ナンバーサイズ。そして背の高いハイトワゴンスタイルを採用することで広い室内を実現し、フィットより少し安い価格設定によって販売台数は伸ばすことに成功しました。しかしフィットの牙城を崩すまでには至りませんでした。

2代目ノートの泣きどころは燃費。e-POWER投入で一気に挽回!

2代目ノートの泣きどころは燃費。e-POWER投入で一気に挽回!①

2代目ノートの泣きどころは燃費。e-POWER投入で一気に挽回!②

ノートは2012年にフルモデルチェンジを行い、2代目である現行型にスイッチします。搭載するエンジンは従来の主力だった1.5Lから1.2Lへと排気量を小さくするとともに、過給器のスーパーチャージャーを採用し、高い燃費性能と高出力を両立させたのが特徴です。しかしエンジンのダウンサイジングによって従来型と比べて改善されたものの、燃費性能はハイブリッド車のアクアやフィットには一歩リードを許したままでした。そして2016年11月にノートは2度目のマイナーチェンジを行います。そのマイナーチェンジでは外装のデザイン変更とともに、e-POWER(イーパワー)と呼ばれる新しいパワーユニットが搭載されたのがトピックスでした。

2代目ノートの泣きどころは燃費。e-POWER投入で一気に挽回!③

2代目ノートの泣きどころは燃費。e-POWER投入で一気に挽回!④

電気自動車とエンジン車のいいとこ取り?

ノートに新搭載されたe-POWERは電気自動車のリーフで使用しているモーターとリチウムイオンバッテリーを採用し(出力や容量は少ない)、モーター駆動で走行します。搭載されている1.2Lエンジンは走行用ではなく発電用として使用され、バッテリーの残量が少なくなるとエンジンを始動させて発電するという「シリーズ方式」のハイブリッドシステムとなっています。

モーターで走行するので、アクセルペダルのみで発進や減速さらに停止まで行えるモーター駆動自動車特有のワンペダルドライブが可能となりました。このワンペダルドライブが従来のガソリン車とは異なる、まるで電気自動車と同じような未来的な走行フィーリングを生み出したことと、電気自動車と違って充電場所や充電時間を気にせず、今まで通りガソリンスタンドで給油すれば良いという手軽さ、が人気の秘密の一つでしょう。

電気自動車とエンジン車のいいとこ取り?

驚くほど静か、明らかに新しい運転感覚

ノートe-POWERを実際運転してみると、まず静粛性の高さに気づきます。ボディの前方と後方の遮音対策を入念に行っており、車外で発生するノイズを車内への侵入を抑制しているからです。アクセルペダルを踏むとモーターの特徴である低回転から大きなパワーが発生し、スムーズな加速を味わうことができます。

驚くほど静か、明らかに新しい運転感覚

モーターを駆動させるためのバッテリーが減ってくるとエンジンが始動し発電を開始しますが、インパネ内に設置されたパワーインジケーターを見ていないと、エンジンが始動していることはほとんどわかりません。それくらい振動と騒音が抑えられているのです。

アクセルを弱めると従来のガソリン車以上に減速し、同時に電車のように回生ブレーキによって発電した電力をバッテリーに充電します。最初はこの減速の大きさに戸惑うかもしれませんが、すぐに慣れてワンペダルドライブの魅力に惹かれることでしょう。

アクセルペダルだけで、加減速が可能なe-POWER Driveはモードの切り替えが可能で、ノーマルモードに対して加減速を強くするSモードと、加速を緩く減速を強くするECOモードを備えているので、走行しているシチュエーションによって選ぶことが可能です。

驚くほど静か、明らかに新しい運転感覚②

ついにアクアとフィットに並んだ燃費性能

気になるJC08モード燃費ではアクアが38.0km/L、ノートe-POWERが37.2km/L、フィットが37.2km/Lと互角の燃費性能を誇っています。一般的なハイブリッド車はカタログ燃費と実燃費の乖離が大きくなる傾向がありますが、ノートe-POWERの実燃費は25km/L以上となっています。

比べればわかる日本向けの少し大きなボディ

e-POWERに注目が集まりがちなノートですが室内長は2065mmを実現し、リアシートの足元は余裕の空間を実現しているのが特徴です。実はフィットとノートは日本マーケット向けに設計されていて、輸出を意識したヴィッツ、マーチ、デミオ、スイフトなど他のコンパクトカーより一回り大きなボディを持っているのです。

比べればわかる日本向けの少し大きなボディ①

比べればわかる日本向けの少し大きなボディ②

比べればわかる日本向けの少し大きなボディ③

家族4人で1〜2泊程度の旅行なら荷物も十分収納し、乗っている人も快適に過ごせる室内空間は大きな魅力です。

比べればわかる日本向けの少し大きなボディ④

安全装備は前方の人とクルマを認識してブレーキを作動させるエマージェンシーブレーキ、そしてクリアな後方視界を確保するスマート・ルームミラーを採用しています。

比べればわかる日本向けの少し大きなボディ⑤

同じグレード名でも装備に差があるので単純な比較はしづらいが、ノーマルに比べてだいたい25~35万円ほど高くなるe-POWER。しかしその価値は十分にある。ちなみにe-POWER で一番安いSはリアウインドウが手動などころか、エアコンがオプションでも用意されていない驚きの仕様(燃費試験用のグレードと思われる)であり実際はXかメダリストの選択になる

ライバルのアクアとフィットも進化して対抗

ライバルのアクアとフィットも進化して対抗

ノートにコンパクトカーNo.1を奪取されたアクアそしてフィットは2017年6月に立て続けにマイナーチェンジを行いノートに対抗しています。アクアは外装のデザインを大幅変更するとともにクロスオーバースタイルをより進化させた新グレードのクロスオーバーを設定しました。

ライバルのアクアとフィットも進化して対抗②

一方のフィットは内外装の変更を行うともに先進の安全運転支援システムであるホンダセンシングを設定。さらにボディの補強やサスペンションの最適化などにより上質な乗り味を実現したのが特徴です。アクアは今回クロスオーバーという新グレードを設定し、流行のSUVテイストを盛り込んできました。フィットはミニバンに匹敵する多彩なシートアレンジと優れた積載性能に加えて、ホンダセンシングという安全装備を充実させています。

ライバルのアクアとフィットも進化して対抗③

しばらく続くか、e-POWERの快進撃

この半年間のノートe-POWERの快進撃は、新しいパワーユニットであるe-POWERの搭載によって電気自動車のような未来的な走行感覚と、ライバル並みの燃費性能を手に入れ、これまで見逃されていた室内空間の広さなどのノートの基本性能の高さが多くの人に知られたことが理由です。特にライバルたちとは違った未来的な走行感覚はノートe-POWERだけのもの。しばらく快進撃は続きそうです。

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※記事の内容は2017年8月時点の情報で執筆しています。

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