中古車のトヨタ「エスティマハイブリッド」モデル別相場と正しい買い方徹底解剖

独特のワンモーションフォルムを採用し、スペースユーティリティに優れたエスティマにハイブリッドシステムを搭載したトヨタ「エスティマハイブリッド」。ロングセラー車種だけに中古車の流通量も多く、自分にあった1台を選ぶのはなかなか大変です。この記事では中古車のエスティマハイブリッドなら、どのモデル、グレード、年式のものを買えば一番お得なのか、間違いがないのかという正しい買い方に加えて、気になる最新の中古車相場の状況などを専門家の目線で徹底解説します。ぜひ参考にしてください。

中古車のエスティマハイブリッド、おすすめモデルはズバリこれ。自分なら「2012年式アエラス 4WD」を160万円で買う！

中古車市場にあるエスティマハイブリッドは、2019年10月まで生産された2代目となる最終型と、その1つ前の初代になります。中古車相場は2代目が30万〜470万円、初代が30万〜80万円となっています。ただ、初代はほとんど流通していないため、現実的な選択は2代目になります。

その中から筆者が選ぶとすれば、2012年式のアエラス4WDを160万円になります。

アエラスはエスティマシリーズのエアログレードです。2006年6月に登場した2代目エスティマハイブリッドは当初アエラスが設定されていませんでした。アエラスは2012年5月のマイナーチェンジで登場。やはりエスティマシリーズはエアロがついた迫力ある雰囲気が似合います。

このマイナーチェンジではフロントマスクに大きく手が加えられ、未来的で精悍なイメージに。そのデザインとアエラスの雰囲気もマッチしています。

その後2016年6月にもマイナーチェンジを行い、近年のトヨタ顔にイメージチェンジしました。これはデザインの話なので好みの問題ですが、私は派手すぎない2012年5月〜2016年5月までのモデルを選びます。

エスティマハイブリッドは人気があるため全体的に相場は高めで推移しています。2016年6月以降のモデルだとまだ車両本体価格260万円以上、中心価格帯は350万円前後になるため、中古車としての旨味はもう少し時間が経ってからになるでしょう。

ひとつ気をつけたいのは、エスティマシリーズはボディカラーによる価格差が結構あること。私が設定した予算だと人気の黒、パール系で走行距離10万km以下を探すのはやや難しくなります。色にこだわる人は200万円くらいまで予算を増やしたほうがいいでしょう。

ほかにもこんなに！お買い得で魅力的な中古車のエスティマハイブリッド

イチオシモデルとして紹介した2代目のアエラス以外にも、エスティマハイブリッドはさまざまな視点から魅力的な中古車を探すことができます。狙い目を決める大きなポイントはデザイン。中でも最終型は13年の歴史の中でマイナーチェンジを計3回行い、そのたびにイメージが大きく変わりました。先進安全装備にこだわるならToyota Safety Sense Cが標準装備となった2016年6月以降のモデルを選んでください。

エスティマハイブリッドのモデルチェンジ、マイナーチェンジ一覧

初代エスティマハイブリッドは、2代目エスティマの派生モデルとして2001年6月にデビュー。トヨタのハイブリッドモデルとしては、プリウスに次ぐモデルでした。

デザインは2代目エスティマの雰囲気を踏襲。ヘッドライトはプロジェクター式になり、テールライトをクリアタイプにしてガソリンモデルとの差別化が図られました。

ハイブリッドシステムは2.4L直4エンジンにモーターを組み合わせたもの。さらに後輪もモーターで駆動させる電気式4WD“E-Four”を世界初搭載しました。

プリウス同様に減速エネルギーを使って発電する回生ブレーキと油圧式のブレーキを併用。その比率は速度やブレーキ踏力などにより自動制御されます。

乗車人数は2列目がキャプテンシートの7人乗りと、２列目がベンチシートになる8 人乗りが用意されました。

エスティマハイブリッド最大の特徴は、駆動用の大容量バッテリーを備えるメリットを活かし、最大1500W分使えるAC100Vコンセントを備えたこと。これまではシガーソケットから電源を取るのが一般的だったのに対し、家庭と同じコンセントを備えたのは画期的で、出先で電気を使うのはもちろん、災害時の電源車としても活用できるようになったのです。

2003年7月のマイナーチェンジではハイブリッドシステムが改良されて加速性能が高まりました。

2006年6月、ガソリン車のエスティマよりおよそ半年遅れて2代目エスティマハイブリッドへとフルモデルチェンジ。

ハイブリッドシステムは2.4Lガソリンとリダクション機構を採用した高性能フロントモーターを組み合わせたリダクション機構付きのTHS IIに。システム全体の最高出力は140kW（190ps）になります。初代に続き全グレードで後輪もモーターで駆動させるE-Fourが搭載されました。

エンジンとモーターにより大型で重量のあるミニバンながら0-100km/h加速は10.8秒と、

同クラスのガソリン車に負けない加速力を誇りました。そして短い距離ではありますがモーターのみの力で走行するEVドライブモードも備えていました。

2008年12月のマイナーチェンジではヘッドライトやリアコンビランプ、グリル周りのデザインを変更。上級グレードであるGに本革シートなどがつけられたレザーパッケージが設定されました。

2012年5月のマイナーチェンジでは、ガソリン車で人気のあるエアログレードのアエラスをエスティマハイブリッドにも設定。またヘッドライトやリアコンビランプの色味が変更されています。

そしてこのタイミングでハイブリッドの全グレードにナノイーを搭載。フロントガラスがスーパーUVカットガラスになったことで快適性が高められています。また、アエラスに両側パワースライドドアとロングスライドコンソールボックスGに、電動バックドアが追加設定されました。

2016年6月には最後のマイナーチェンジを実施。フロントデザインが一新され、プリウスやカムリなどに通じる当時最新のトヨタ顔が与えられました。そしてミニバン初となるツートーンボディカラーを設定。インテリアはサテン調の加飾などでモダンなイメージになりました。

このマイナーチェンジでグレードはアエラス系のみに整理されました。

そしてトヨタの衝突回避支援パッケージであるToyota Safety Sense Cが全グレード標準装備に。2012年5月のマイナーチェンジでフロントガラスに採用されたスーパーUVカットガラスがリアドア、リアクオーターガラス、バックドアにも採用されました。これによりトヨタ初となる360度全方位UVカットガラスになり快適性が高められています。

こちらもおすすめ！タイプ別にエスティマハイブリッドの中古車を選ぶなら

●上級モデルらしい贅沢さを味わえる「2016年式アエラスプレミアムG」　中古市場の相場260万〜470万円

衝突回避支援パッケージであるToyota Safety Sense Cが備わる年式の最上級グレードであるアエラスプレミアムG。電動バックドアが備わり、インテリアは本革巻＋木目調のステアリングとシフトノブが備わります。後席には独立したエアコンが搭載されるので、夏場や真冬の快適性が高くなります。

価格はまだ300万円以上するものが多いので中古車としての割安感は少なめですが、エスティマならではのワンモーションフォルムが好きな人は多めに予算を用意して長く乗り続けるのも賢い選択です。

●シンプルなデザインのエスティマを長く楽しむ「2012年式アエラスプレミアムG」　中古市場の相場120万〜200万円

2012年5月のマイナーチェンジではエアログレードのアエラスが設定されましたが、シンプルなデザインが好きならあえて標準モデルの高級グレードになるGを探してみましょう。

この年式のGにはヘッドライト点灯時にハンドルの切れ角や車速に応じて、3秒後に車両が到達する方向にヘッドライトを向けるインテリジェントAFS、両側電動スライドドア、電動バックドア、リアオートエアコンなどが備わります。

流通量はアエラスに比べると少なめ。でもシンプルなものが好きな人は探してみる価値のあるグレードです。

●現行型でコストパフォーマンスにこだわる「2006年式G」　中古市場の相場30万〜90万円

コストパフォーマンスにこだわるなら現行型の初期モデル。登場から時間が経っていることもあり年式による価格差は少なくなっています。また、ハイブリッド車は自動車税の重課対象ではないことも魅力。

距離はかなり走ったものが多くなりますが、走行10万km未満という条件をつけても車両本体価格50万円から探すことが可能です。

中古車のエスティマハイブリッドならではのチェックポイントはココ

インテリアの状態を要チェック

とくに初代や2代目初期のエスティマハイブリッドを低コストで買おうと思っている人は、インテリアの状態をしっかり確認して納得した上で購入しましょう。2代目エスティマハイブリッドのデビューは2006年。すでにデビューから15年経過しています。

その分、初期モデルだとステアリングやシート、荷室などに使用感が出ているものもあります。それも含めての中古車価格になっているはずですが、どうしても気になる場合は少し予算を増やして新しいものをチェックしてみましょう。

電気関係の装備を一通り動かしてみる

オーディオやライト、パワーウインドウ、エアコン（夏でも暖房、冬でも冷房を作動させることを忘れずに！）など電装品は一通り動かしてみましょう。

その際、ACコンセントも忘れずに使ってみてください。コンセントにはスマホの充電などパワーが低いものではなく、できればワット数が高い電化製品を使ってチェックしたいところ。しっかり給電されるかはもちろん、どのくらいでエンジンが回って発電するかなどもチェックできます。

事前にすべての年式のデザインを見ておく

前述したように2代目エスティマハイブリッドはマイナーチェンジでデザインが大きく変わっています。最初はどちらかというと可愛い顔つきでしたが、最初のマイナーチェンジで精悍なイメージに。２度目のマイナーチェンジではエアロモデルが加わり、３度目のマイナーチェンジでは今風のトヨタ顔になりました。

単に予算だけで選ぶのではなく、どれが自分好みかを見極めた上で、予算も加味して選びましょう。

エスティマハイブリッドの中古車と比べたいライバル車種はコレだ！

エスティマより一回り大きなハイブリッドモデル「トヨタヴェルファイアハイブリッド」

2代目アルファード／ヴェルファイアから設定されたハイブリッドモデル。現行型は別車種ではなくハイブリッド仕様がグレードの1つとなっています。

システムは2.4L＋モーターで後輪もモーターで駆動するE-Fourを搭載。システム自体はエスティマハイブリッドと同じですが、アイドリングストップを加えるなど、システムに改良を加えた最新のものが搭載されました。

流通台数は200台弱で、価格帯は120万〜400万円となっています。

歴史あるスポーティミニバンにハイブリッドを設定「ホンダオデッセイ」

オデッセイといえば全高を低く設定し、スポーティな走りを楽しめるようにしたミニバンでした。しかし現行型はホンダのLクラスミニバンだったエリシオンと統合され、スライドドアを採用したLクラスミニバンに生まれ変わっています。

そんなオデッセイには2016年2月からハイブリッドモデルが設定されました。ハイブリッドシステムはスポーツハイブリッドi-MMD（現在はe:HEVに名称変更）。市街地などではほとんどの時間をモーターの力のみで走行してエンジンは発電に専念。そして高速道路では効率の良いエンジンの力を借りて走行するシステムです。

ハイブリッドモデルの中古車も700台以上流通していて、価格帯は140万〜470万円となっています。

エスティマとサイズ感が近いお手頃ミニバン「マツダMPV」

マツダが2016年4月まで生産していたMPVはハイブリッドモデルではありませんが、エスティマとサイズ感が近い、扱いやすいミニバンです。

排気量は2.3L。NA以外にターボも設定するなど、スポーティさも高めたモデルでした。２列目シートは前後以外に左右にもスライドできるようになっています。

中古車は330台ほど流通していて、10万〜170万円と買いやすい価格帯になっています。

中古車のエスティマハイブリッドはここで探せ！

では、中古車エスティマハイブリッドをどこでどのように探したら良いでしょうか。カーライフを賢くスムーズに始めるのに、おすすめのサービスや販売店をご紹介します。

カーセンサーnet

カーセンサーnetは中古車情報誌時代から数えて40年近い歴史と実績を誇る検索サイトで、サイト上には約50万台の情報が掲載されています（※）。車の状態を示す評価について独自の認定システムを導入しているので、こうした評価を目安にすれば、車に詳しくない方でも安心して車選びができるでしょう。

また、「カーセンサーアフター保証」に加入すれば、業界最多水準の350項目の部品について修理が保証されます。保証料金は車に合わせて細かく設定できるので、無駄なく予算に合わせた保証を付けることができます。

カーセンサーnetのエスティマハイブリッドの掲載件数は423件、価格帯は20万～470万円となっています（※）。

※いずれも2021年7月15日時点の情報です。

グーネット中古車

先述のカーセンサーnetと同じような中古車情報サイトで、こちらも約50万台が登録されています（※）。グーネット中古車にも、検査協会などが車の状態を評価する「ID車両」という制度や、最長3年まで走行距離無制限でさまざまな保証が付く「Goo保証」などの制度があります。

グーネット中古車のエスティマハイブリッド掲載台数は448件、価格帯は20万～470万円となっています（※）。

※いずれも2021年7月15日時点の情報です。

最終型の初期モデルはデビューから時間が経っているので状態をしっかり確認！

初代エスティマハイブリッドは中古車がほとんど流通していないので、必然的に狙いは2代目となる最終型に。最終型も2006年デビューで登場から時間が経っているので、低年式車を探す際はとくに内装の状態を確認した上で購入したいところです。

長く乗るつもりなら高年式車を探すのがおすすめ。ただ、エスティマハイブリッドは人気モデルで高年式車だとまだ相場は高め。予算を考えながら、納得できる中古車を探しましょう。

よくある質問

Q1：中古車のエスティマハイブリッド、どれを買うべき？

A：人気のアエラスが追加された最終モデルの2012年式アエラス 4WD

Q2：中古車のエスティマハイブリッドを買うときに気を付けたいポイントは？

A：最終型は長期間生産されたため、マイナーチェンジのたびにデザインが大きく変わっています。そのため、どの型が自分好みか確認してください。

Q3：中古車のエスティマハイブリッドはどこで手に入れればいい？

A：購入するなら全国の販売店の窓口となっているカーセンサーnet、グーネットなどの中古車情報検索サイトを活用するとよいでしょう。頭金や初期費用の一括払いが必要ない方法を探しているなら、定額カルモくんがおすすめです。支払いは毎月定額の利用料金だけなので、すぐにお好みの中古車のエスティマハイブリッドに乗ることができます。

※記事の内容は2021年7月時点の情報で制作しています。