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モーター・エヴァンジェリスト
宇野 智うのさとる

中古車のスバル「WRX」モデル別相場と正しい買い方徹底解剖

中古車のスバル「WRX」モデル別相場と正しい買い方徹底解剖
貯金ゼロでも

スバルのスポーツセダン「WRX」。「STI」と「S4」の2モデルがラインナップされています。モータースポーツで輝かしい成績を収めた「STI」の中古車相場価格はどうなっているのか、選び方の注意点などをまとめてお伝えします。

【この記事のポイント】
✔ 一番推したい中古車のスバル「WRX」は「EJ20 ファイナルエディション」
✔ 普段の足として乗りやすいのは「S4」
✔ 中古車のWRXなら定額カルモくんがお得

中古車WRX、おすすめモデルはズバリこれ。「EJ20 ファイナルエディション」

中古車WRX、おすすめモデルはズバリこれ。「EJ20 ファイナルエディション」

WRX STI EJ20 ファイナルエディション プロトタイプ

スバル「WRX」は、2013年11月に世界初公開、翌年8月から日本国内販売が開始された、スポーツセダン。WRXの前身は、WRC(世界ラリー選手権)で華々しい成績を収めた「インプレッサ WRX」。

WRXは、スバルのモータースポーツ統括会社「SUBARU TECNICA INTERNATIONAL(通称は、この頭文字を取った“STI”)」がチューニングを施した「STI」と「S4」の2モデルがラインナップされています。

「WRX STI」は、名機と呼ばれた「EJ20」水平対向エンジンを搭載。最高出力は308〜329PS(モデルにより違いあり)を発生するスポーツエンジン。一部の台数限定特別仕様車には、バランスドエンジン(回転系パーツの重量差や回転バランスを最小限にしたもの)が搭載されました。しかし、EJ20は最初の製造が1988年ということから、年々厳しくなる排ガス規制に対応することが難しくなり、2019年末でもって生産が終了してしまいました。30年以上にわたって生産が続けられたエンジンは非常にまれ。元々性能の高いエンジンで、改良に改良を重ねて進化を続け、スバリスト(スバルのファンの愛称)をはじめ、世界中から高い評価を受けてきました。

WRX STIは、名機EJ20の運命に沿って2019年12月23日の最終注文受付をもって販売終了となりました。この発表がされた、東京モーターショー2019の開催期間中には、最後の特別仕様車「EJ20 ファイナルエディション」が555台限定で発売(この555は、WRCで輝かしい成果を収めたインプレッサWRXの車両番号)されることも伝えられ、プロトタイプの展示も行われました。この特別仕様車には商談希望者を抽選となりました。

また、WRX STI は「S207」「S208」などの台数限定のハイパフォーマンスな特別仕様車が発売されましたが、すぐに完売。中古車市場ではプレミア価格で販売(そもそも手放す人が少なく、流通すらしていないことも多い)されています。

そんなWRXで、筆者がイチオシするモデルは、「EJ20 ファイナルエディション」です。手に入れられたら奇跡のモデルであったことから、中古車市場ではプレミア価格となっていますが、この記事の企画上、どうしても1台はイチオシモデルを推さないといけないため、ファイナルエディションを挙げさせていただきました(ファイナルエディション以外のモデルをイチオシするのが心苦しいのが正直なところ)。

なお、「EJ20 ファイナルエディション」の中古車価格帯は580万〜888万円となっていました(2021年6月24日時点)。

いずれにせよ、WRX STIは、超人気モデルで今後も中古車相場価格は高止まり、状態の良いタマはプレミア価格となるでしょう。

WRX_中古車ボタン

★ほかにも!魅力的な中古車WRX

冒頭では、WRX STIについて紹介しましたが、この項では、S4についてお伝えします。

その前に、WRXの誕生から生産終了までの一連の歴史をご覧ください。

WRXの歴史

2013年11月21日 ロサンゼルス オートショー で世界初公開

68馬力を発生する水平対向4気筒エンジンを搭載(欧州仕様)することなどを発表。

2014年8月25日 「WRX STI」「WRX S4」日本国内発表

STIの国内仕様は、最高出力308PS、最大トルク422N・mと発表。車両価格は379万円、Type Sが411万円。S4は、335万〜356万円。

WRXの歴史1

WRX STI

2015年5月18日 WRX STIが、ニュルブルクリンク24時間耐久レースでクラス優勝

2015年6月30日 STIとS4の両方を改良、先進安全装備「アドバンスドセイフティパッケージ」を装備

2015年10月28日 特別仕様車「S207」を400台限定で発売

STIをベースに、エンジンや足回りに専用チューンを施したモデル。

2016年4月11日 一部改良

STIとS4の両方に、インテリアの質感と静粛性を向上させる改良を加えた。

2016年5月30日 STIが、ニュルブルクリンク24時間耐久レースで2年連続のクラス優勝

2016年6月7日 STIが、マン島TTコースで最速記録を樹立

2016年10月4日 特別仕様車「WRX S4 tS」を期間限定発売

S4をベースに、エンジンと足回りに専用チューンを施した限定モデル。

2017年5月24日 STIがマイナーチェンジ

エクステリアデザインの一部変更、インテリアの質感向上、電子制御マルチモードDCCDの採用によるハンドリング性能の向上、新開発のブレンボ製18インチベンチレーテッドディスクブレーキと、新開発の19インチアルミホイールとタイヤも採用され、パフォーマンスを高められた。車両価格は、STIが387万円、STI Type Sが406万円となった。

WRXの歴史2

WRX STI マイナーチェンジモデル

2017年10月15日 特別仕様車「S208」を450台限定で発売

「S207」に続く専用チューンを施した特別仕様車の第2弾。最高出力は329PSとなった。

2018年4月27日 STIとS4を改良

S4のプリクラッシュブレーキ制御の改良、STIにサンルーフを設定するなどの改良を実施した。

2018年7月19日 STIに特別仕様車「TYPE RA-R」を500台限定で発売

STI創立30周年記念モデルとして、最高出力329PSを発生する、バランスドエンジンを搭載、足回りの強化と、低背圧パフォーマンスマフラーの採用などを行ったコンプリートカー。

2018年9月3日 S4に新グレード「STI Sports」を追加

STIと共同開発した新グレード。STIがチューニングしたビルシュタイン製サスペンションの採用など、走行性能を引き上げた最上級グレードとなった。エクステリアでは、専用のフロントグリルやブラック塗装のサイドガーニッシュやトランクリップスポイラー、ドアミラーカバーなどで他グレードと差別化、インテリアも専用となるボルドーの本革とウルトラスエードを組み合わせたレカロ製フロントシートが装備されるなど、質感を大幅に高めた。

2019年5月14日 STIとS4がマイナーチェンジ

エクステリアデザインの一部変更やハイビームアシスト作動速度を30km/hに引き下げるといった改良を実施。車両価格は、S4が337万〜409万円、STIが387万円、STI Type Sが406万円。

2019年6月24日 STIが、ニュルブルクリンク24時間耐久レースで2年連続、6度目のクラス優勝を飾る

WRXの歴史3

WRX STI 2度目のマイナーチェンジモデル

2019年10月23日 STIに特別仕様車「EJ20 ファイナルエディション」555台限定で発売

東京モーターショー2019で特別仕様車「EJ20 ファイナルエディション」の発表と、名機「EJ20」エンジンの生産終了、これに伴いWRX STIが2019年12月23日で注文受付を終了することが発表された。

2020年7月6日 グレード構成変更と特別仕様車「WRX S4 STI Sport♯(シャープ)」を500台で発売

グレード構成を「STI Sport EyeSight」のみの設定へと変更した。「WRX S4 STI Sport♯」は、STI製パーツをはじめとする特別装備が施された特別仕様車。

2021年1月24日 S4の注文受付を終了

WRXの歴史に幕が下りた。

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●普段の足として乗るなら「S4」 中古市場の相場129万〜550万円

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「WRX S4」もSTIと同じ、2.0L水平対向エンジンが搭載されますが、レヴォーグにも搭載される型式が異なる新しい設計のものとなっています。最高出力308PSを発生する高いスペックを誇り、STIと近い数値となっていますが、S4のほうがマイルドなセッティング、トランスミッションもSTIの6速マニュアルに対してS4は、スポーツリニアトロニック(CVT:無段変速機)が組み合わせられています。普段の足として乗るなら、STIよりS4のほうがおすすめです。なお、S4も、2021年1月24日で販売を終了し、WRXの歴史に幕が下ろされました。

最終で出された500台限定特別仕様車「WRX S4 STI Sport♯(シャープ)」にプレミアが付くのは必至、それ以外はプレミア価格が付かないレベルの高止まりといった相場になっています。

WRXならではのチェックポイント

WRXの中古車を選ぶ上で特に注意したいのは、改造です。前オーナーが改造をしているかどうかは要チェック。車検に通らないパーツを取り付けている可能性もあります。また、改造の内容によっては、車へ高い負荷をかけている危険性もあります。改造の有無は、必ずしも中古車情報サイトに掲載されているとは限りませんので、購入前に中古車販売店へ問い合わせるなど、しっかり確認をしましょう。

また「修復歴」の有無も要チェックです。修復歴とは、安全な走行に支障をきたすおそれのある範囲での修理の履歴のことで、バンパーやフェンダーをぶつけた程度の修復歴は含まれません。修復歴は中古車情報サイトに必ず記載されています。修復歴ありのタマを買ってはいけないということではありません。きちんと確認、理解の上、購入するようにしてください。

もうひとつ、購入時の注意事項というより、スポーツモデルの中古車にありがちなこととなりますが、総じて、保証が薄い傾向にあります。保証がついてはいないか、ついていても範囲が狭いタマが多くあります。仕方のないことですので、これもご理解の上、購入しましょう。

比べて検討!WRXのライバル車種

三菱「ランサー エボリューション」

三菱「ランサー エボリューション」

ランエボ9

WRXよりももっと前に生産終了してしまったランサーエボリューション、通称「ランエボ」。ランエボの歴史が終わってから、WRXのライバルは不在状態です。こちらも状態の良いタマはプレミアがついています。
2021年6月23日時点の中古車価格帯は70万〜630万円、流通台数は300台ほどとなっています。

中古車WRXはここで探せ!

では、中古車WRXをどこでどのように探したらよいでしょうか。カーライフを賢くスムーズに始めるのに、おすすめのサービスや販売店をご紹介します。

月額で支払える「おトクにマイカー 定額カルモくん 中古車」

中古車を探す

毎月定額の利用料を支払うだけで車に乗れる「おトクにマイカー 定額カルモくん 中古車」というサービスがあります。定額カルモくん 中古車の月額料金には、購入時に一括で支払わなければならない税金や自賠責保険料が含まれているので、まとまったお金がなくても、数万円あればすぐWRXに乗ることができます。

さらに、定額カルモくんでは全車に1年の故障保証と車検2年が付いている上、納車時は自宅まで車を届けてもらえるので安心してすぐに乗り始めることができます

なお、定額カルモくんで中古車のWRXを利用した場合の月額料金は、45,300~94,800円となっています(2021年6月23日時点の情報です)。

グーネット

2大中古車検索サイトの1つ、グーネット。1977年に「中古車情報通信」の名称で創刊された中古車検索雑誌から歴史が始まった老舗です。

グーネットは「グー鑑定」と呼ばれる、中古車を探している人に代わって、プロの鑑定士が中古車の車両状態を鑑定するサービスを提供。この鑑定士は第三者機関の「日本自動車鑑定協会(JAAA)」に所属。公正な鑑定が行われています。これで鑑定された中古車は、内外装、エンジンやトランスミッションといった機関、修復歴などの評価をまとめた「グー鑑定証」が与えられ、中古車情報ページの「グー鑑定」のアイコンから、その鑑定証を確認することができます。

また「ID車両」と呼ばれる中古車の品質を公正に証明するサービスも提供しています。「グー鑑定」と似ていますが、こちらはディーラー独自の基準で厳しいチェックを行った中古車の鑑定結果を「車両状態評価書」にまとめたものとなります。これは中古車情報ページの「ID車両」のアイコンから、その評価書を確認することができます。

「グー鑑定」や「ID車両」対象車は、全体の2割程度となっています。なお、非対象車は品質が良くないという意味ではありません。

さらに「グー保証」と呼ばれる、グーネット独自の中古車保証制度も提供しています。保証期間は国産車が最長3年で部品交換や修理から、移動中のキー閉じ込めなどのトラブル対応やレッカー移動などのロードサービスも全国24時間365日対応で付属(ロードサービスは自動車保険にも付いていることが多いですが)。なお、グー保証対象車は全体の1割程度となっていますが、これが付いていなくても、トヨタ保証やディーラー保証、中古車販売店保証が付いている中古車は多くあります。
2021年6月23日時点、グーネットでは、WRX STIの掲載件数は153件、価格帯は238万~953万円、平均価格は約476万円、WRX S4の掲載件数は240件、価格帯は129万~550万円、平均価格は約281万円ではとなっています。

カーセンサー

2大中古車検索サイトのもう1つ、カーセンサー。1984年に中古車情報雑誌「カーセンサー」が創刊、今はグーネットと肩を並べる老舗中古車検索サイトとなっています。中古車掲載台数は、時期によって変動しますが約50万台。この台数はグーネットとほぼ同じで、掲載される中古車物件もほぼ同じとなります。これはほとんどの中古車販売店が、カーセンサーとグーネットの両方に掲載登録している背景があるためです。

カーセンサーは「カーセンサー認定」と呼ばれる中古車の品質鑑定情報を提供しています。鑑定は、第三者機関の「AIS」が行い、内外装の状態から目立たない小さなキズまで厳しくチェックし10段階評価しています。鑑定結果は、中古車情報ページから「車両品質評価書」で確認することができます。カーセンサー認定中古車は、全体の1割程度となりますが、この認定中古車でなくても、一般財団法人日本自動車査定協会の「V-CON」や、トヨタ、ディーラーの品質評価制度に基づく検査結果が掲載された中古車が無数にあります。

また「カーセンサーアフター保証」と呼ばれるカーセンサー独自の有償保証制度を提供。これは、エンジン、トランスミッションといった機関から細かい電装装備品まで全350項目を保証、走行距離無制限で最長3年まで加入できる手厚いものとなっています。カーセンサーもグーネット同様に、カーセンサー保証対象車でなくても、トヨタ保証、ディーラー保証、中古車販売店保証が付いている中古車は無数にあります。

カーセンサーのスマホアプリでは、写真からアリオンが検索できる機能を備えています。街で見かけて気になった車を撮影して、アプリからアップロードするとアリオンを特定、そのまま中古車情報を調べることができる便利な機能。中古車探しのライフハックツールとしてもおすすめです。

2021年6月23日時点、カーセンサーでは、WRXの掲載件数は348件、価格帯は129万~953万円、平均価格は約349万円となっています(カーセンサーはグーネットとは異なり「STI」と「S4」が区別されずに掲載)。

運転に自信があり走りにこだわり抜くなら「STI」、普段の足として乗るなら「S4」

「STI」は名機「EJ20」を積んだ最後のモデルということもあり、中古車相場価格は高止まりで、状態の良いモデルや特別仕様車は、プレミアが付いているほどです。また、6速マニュアルしか設定されず、本気の走り仕様となっていますので、運転に自信のない方はお控えいただいたほうが無難です。

「S4」は、AT限定免許で運転できる、「スポーツリニアトロニック」と呼ばれるCVT(無段変速機)となり、最高出力308PSとハイスペックながら、マイルドな出力特性で、普段の足として乗っても苦労はありません。

よくある質問

Q1:中古車のWRX、どれを買うべき?

A:「どれを買うべきか?」とお悩みなら、S4をおすすめします。STIはガチなスポーツモデル、6速マニュアルのみの設定で、足回りも固められています。サーキット走行を楽しみたいならおすすめですが。また、STIはプレミア価格がつけられていることも多い、スバリスト向けのモデルです。

Q2:中古車WRXを買うときに気を付けたいポイントは?

A:WRXは、スポーツセダンのため、前オーナーが改造をしている可能性が高くなります。改造の度合いによりますが、車へ高い負荷をかけている可能性もあります。また、修復歴の有無は要チェックです。詳しくは前項の「WRXならではのチェックポイント」の項をご覧ください。

Q3:中古車WRXはどこで手に入れればいい?

A:購入するなら全国の販売店の窓口となっているカーセンサー、グーネットなどの中古車情報検索サイトを活用するとよいでしょう。頭金や初期費用の一括払いが必要ない方法を探しているなら、定額カルモくんがおすすめです。支払いは毎月定額の利用料金だけなので、すぐにお好みの中古車WRXに乗ることができます。

※当記事記載の中古車価格等の情報は、2021年6月23日時点のものです。

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