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島崎七生人しまざきなおと

島崎七生人が選ぶ!豊作だった2021年総集編、国産ニューモデルのベスト5

島崎七生人が選ぶ!豊作だった2021年総集編、国産ニューモデルのベスト5
島崎七生人が選ぶ!豊作だった2021年総集編、国産ニューモデルのベスト5

コロナ禍や半導体不足に揺れた2021年の自動車業界。しかし専門家の間では今年発売された国産ニューモデルはどれも実力派揃いで、近年稀に見る「豊作」だったと言われています。日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)には日産ノートシリーズが輝きましたが、他にも見どころのあるニューモデルがたくさん生まれた2021年、COTY選考委員でもあるカルモマガジンのレギュラー執筆陣にそれぞれのベスト5をチョイスしてもらいました。この記事では島崎七生人さんのベスト5をお届けします。

他人に薦めるのではなく、もし自分で選ぶとしたら、この5台!

他人に薦めるのではなく、もし自分で選ぶとしたら、この5台!

結局2021年もコロナ禍に翻弄された1年となった。そうした中、ご存じのとおり自動車業界もさまざまな困難に直面。けれどその都度、乗り越えてきた関係者の尽力には、現場の話を聞いたり様子を見たりするにつけ本当に頭が下がる。開発、生産、発表のスケジュールに影響を受けながらも多くの新型車が登場してきたことに勇気がもらえたほど……そう言っても過言ではなかった。

とはいえそうした中で登場した新型車は、振り返ってみれば、いつもどおりの力作揃い。どのクルマもそれぞれのアプローチで、存在感を示している。そこで2021年に登場した国産モデルの中から、コレは!という5台を選ぶ……というのが本稿のテーマ。ちなみにCOTY(日本カー・オブ・ザ・イヤー)の選考委員の任にもあたっているが、あちらは輸入車も含まれ“ユーザーにとっていいクルマとは?”を主軸に選考している。それに対しここでは、よりプライベート寄りのチョイスとし、“もし自分で選ぶとしたら”をテーマとして挙げてみた。

第5位「スズキアルト」温和でフレンドリーなクルマ

第5位「スズキアルト」温和でフレンドリーなクルマ

12月10日に発表・発売されたばかりの新型アルト。初代から実に42年/9代目という、軽自動車の中でも息の長いモデルでもある。この新型だが、何といってもいいのは温和でフレンドリーなクルマに生まれ変わった点。

先代の攻めたデザインも個人的には決してキライではなかったが、さすがに常に肩のチカラを入れながら乗っているような気分だった。その点で新型は、インパネのディテールが若干だけ武骨だが、高すぎない着座位置は先代のそれをキープしたのだそう。その代わり天地方向にスペースと視界を広げて、ゆったりとした面持ちで乗っていられるようにした。後席も広く、ドアが大きく開くところもエライ。

実はご近所使いをメインと考え、ACC(前車追従型オートクルーズ)はあえて割り切ったというが、デュアルカメラブレーキサポート、車線逸脱警報機能などはシッカリ備える。“アルトがあると”、さりげなく便利で快適な日常のクルマ生活が送れそう。

第4位「日産ノートシリーズ」小さな高級車といえるほど相当に上質になった

第4位「日産ノートシリーズ」小さな高級車といえるほど相当に上質になった

ノート、ノート・オーラ、ノートオーラNISMO、ノート・オーテック・クロスオーバーと、ルノーと共通のプラットフォームをベースに一気の4モデルの誕生だった。実際に乗ってみると、確かに安心感、安定感のある足回りによる爽快な走りが実感できる。とくに4WDの鮮やかな走りっぷりが印象的だ。

スタイリングは基本デザインが先進的で洗練されており、そのためにドアガラスと窓枠の段差、リアガーニッシュ中央の分断線(ライト点灯時、光がそこで途切れる)がかえって目立つほど。ボディカラーはノートで13色、ノート・オーラで14色と選択肢が幅広い。ただし街中でノートとノート・オーラの違いが一瞬では判別しきれないのがやや残念。

一方でインテリアは、それがノートと考えたら、クラス、価格に照らして従来型から格段の進化で、小さな高級車といえるほど相当に上質になった。燃費性能も高く、買って間違いのないクルマではある。

第3位「トヨタカローラクロス」実にソツのない出来栄え

第3位「トヨタカローラクロス」実にソツのない出来栄え

このカローラクロスの登場で、今の日本市場のメインはSUVなのだ、と決定的に認識させられた気がする。別に「ちょっと意見!」と水を差すつもりはなく、「このクラスにはスペシャルティのC-HRしかなかったから投入した」とチーフエンジニアに説明されれば「確かにそうですね」と納得せざるを得なかった。

実車は実にソツのない出来栄えのクルマで、たとえばRAV4ほどゴツついていないスタイリングはなじみやすい。グローバル展開が基本のクルマらしく、ラゲッジスペースなどチマチマと小技を効かすのではなく、ドーンと容量を確保したシンプルな造りになっている。

走らせると快適、上質な味わいで、「選んでよかった」と満足度も高いはず。ひとつ下のBセグメントのヤリスクロスもなかなかの実力派だが、乗り較べると、ひとクラス上の余裕が実感できる。数少ない短所としてドアミラーのハウジングが大きめなこと。

第2位「三菱アウトランダー」今選べるSUVの中でも最高レベルの安心感、心強さ

第2位「三菱アウトランダー」今選べるSUVの中でも最高レベルの安心感、心強さ

アライアンスにより今後登場してくるであろう日産エクストレイルも気になるところではあるが、おそらく走りの味付けはそれぞれのメーカーの独自性が打ち出されるはず。アウトランダーPHEVは、とにかく今選べるSUVの中でも最高レベルの安心感、心強さが手に入れられるクルマにほかならない。

走りということでは三菱独自の最新の四駆システム、S-AWCは洗練されたチューニングで、走る場所、天候を問わず、安定した走りを実現している。乗り味自体の上質感も、もはやレンジローバーを凌駕したのでは!?とふと思わせられるほどだ。PHEVシステムもEV走行の領域が広く実用的だし、万一の際の給電機能も今どきは心強い。

室内のデザイン、仕上げも、こういってははなはだ失礼ながら、これが三菱のSUVか!?と思わせられるほどの上質さで、“いいクルマ感”もひとしお。安心、安全、快適なドライブが楽しめるクルマ。

第1位「ホンダヴェゼル」常にリラックスした気持ちで乗っていられる

第1位「ホンダヴェゼル」常にリラックスした気持ちで乗っていられる

2021年に登場したクルマの中で、ごく個人的な立場で推したい……というより自分で買ってもいいと思ったほどだったのがホンダヴェゼルだ。とにかく普段使いから遠出まで、気負わず、神経を逆撫でされず、常にリラックスした気持ちで乗っていられるからだ。

とくにいいのが、手ごろなボディサイズと手前に引かれたAピラー+水平基調のデザインにより扱いやすさを実現したスタイル。SUVは着座位置が高めで見晴らしがいい代わりに車両感覚が掴みにくくなることが多いが、ヴェゼルにはそれがない。乗り味もサラッとしていて、過剰過ぎない身の丈にあった動力性能にも好感がもてる。

それと近年のホンダ車の、とてもノートの端に絵が描けなさそうな“複雑だったメッキの加飾顔”から決別、スッキリとしたデザインに改められた、プレーンでシンプルなフェイス、スタイリングもいい佇まい。

選んだのはオールマイティな1台

年齢、ライフステージの変化といった要因でクルマ選びも変わってくることを、最近つくづく実感している。誤解を恐れずに書けば、アルファロメオかクーペかG・ジウジアーロにしか興味がなかったような島崎が、ここでのトップ3にSUVを選んでいるほどだから、だ。もともとSUVもキライな訳ではなく、何台か持ちのウチの何台目かに、安心なクルマとして持ちたいとは思っていた。が、今やそんな戯言(たわごと)のようなことを言っている時代ではなく、だとしたら、オールマイティな1台として何かを持っていよう……そんな素の気持ちが、今回の5車の選択(のとくにトップ3)に大きく作用したのだと思う。

(写真:島崎七生人)

参考:2021年日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)の結果

COTY10ベスト合計得票
トヨタ/SUBARU GR86/SUBARU BRZ264
トヨタ MIRAI104
トヨタ ランドクルーザー45
日産ノート/ノート オーラ/ノート オーラ NISMO/ノート AUTECH CROSSOVER335
ホンダ ヴェゼル227
三菱 アウトランダー206
BMW 4シリーズ(クーペ/カブリオレ/グラン クーペ/M4クーペ)19
シボレー コルベット81
メルセデス・ベンツCクラス51
フォルクスワーゲン ゴルフ/ゴルフ ヴァリアント168

 

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※記事の内容は2021年12月時点の情報で制作しています。

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