すべてのロードスター乗りと、未来の女性ドライバーに贈る小説〜KODORA〜第二話(中)

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「自由への翼」 (中)

熟考して出た言葉ではなかった、もう一人の自分の募る想いの言葉
一瞬の沈黙
飛んだ意識が遠くのクラクションで引き戻される

「イイよ」

答えたのは彼女であった

「オイオイ、イイのかよ、お前はこれから…」
「何言ってるの、教えるのはアンタョ」

意外な展開

「勝手に決めるな」
「ご迷惑ですか?」
「いや、そんな事は〜」
「じゃあ決まりね」

彼女が彼の肩をたたく

「こいつは、クルマの運転教えるのだけは上手いから」
「だけ、かよ」
「ありがとうございます」

彼にではなく彼女に向かっていう

「自分もクルマ女子の仲間が増えるの嬉しいから」
「頑張ってね!」

彼女の優しい言葉が、イヤミに聞こえないのが、かえってこたえる

「ユ〜キィ〜! 行くよ〜」

静流が駆け寄ってくる
だいぶ元気になったようだ

「あれ、お知り合い?」
「まあ、ちょと」

静流にはなんと説明すべきか

「スミマセン割り込んじゃって、そろそろ出るみたいなんで」
「こっちも、そろそろかな」

彼も腰をあげる

「今日はお友達のクルマ?」

彼女にも同じ事を聞かれる

「テニスサークルの帰りなんで、仲間のクルマです」

静流は状況をつかめていないのにサラっと答える
指指した先には、乗ってきたブルーのワゴン

「あれ、STIじゃない」

彼女が即座に反応する
彼女に引っ張られるように4人はブルーのワゴンのところに連れて行かれる

「自由への翼」 (中)

彼女はシゲシゲとクルマを眺めながら

「これ運転させてもらっても良い?」

金髪美女からの申し出を断れる先輩ではなかった

何か良く分からない展開で、リョウの彼女がサークルの先輩のクルマを運転し
私は彼のクルマの助手席に乗る事になる

「じゃあ道志街道の最後のコンビニまでな、俺は後ろ走るから、飛ばすなよ」

青いSTIと白いクルマが連なって、道の駅を出る
道の駅の信号を右折したところで、STIが加速する
一気に引き離される

「さすがに加速は速いな、にしても飛ばすなって言ったのに」

このまま、ずっと先に行っちゃわないかな、なんて思いが浮かぶ

「このクルマはなんていうんですか?」
「ん、これ? デミオ…、ロードスターと同じマツダの」

にしても目の前には色々計器がついていて普通ではない

「ちょっとペース上げるから、しっかりつかまって」

つかまるもなにも、そもそもシートにはまり込んで身動きが出来ない
クルマのスピードがかなり上がっているのは景色からもわかる
コーナーにはいると強烈な左右のGが次々と襲いかかる、と思いきや
Gの変化がおだやかなので思った程ではない
だた目の前の景色がすごい勢いで流れていく
次第に先行するSTIに近づく

スピードを上げたのはこの時だけ
直線に入るとSTIは明らかにスピードを緩めていた
2台が並んだところでコーナーに入る
先ほどよりスピードは落ちているものの2台は付かず離れず
綺麗に同じラインをトレースする

「前のクルマの動きを見てな、クルマってどんな動きをするのかを」
「あ、ハイ」

さっきの先輩の運転の時とはまるで違うのは外から見てもわかる
まるで動物のように躍動的なのに、動きがスムーズ
そしてまったく怖くない、たしかにスピードは速くない
彼がハンドルをきるスピードもゆっくりで常に流れているようである
こんなゆっくりな操作でも、クルマは曲がっていく
上手な運転とは、こういったものなのだろう

「こんな感じで走れるようになるのが当面の目標かな」
「こんなの、ムリです」

思わずそんな言葉がでてしまった
父でもこのレベルには程遠い

「大丈夫!! あいつもまだ運転しはじめて半年だから」
「意のままに楽しく、そして安全に操るためのテクニックを教えるよ」

そう、この2台の走りは楽しそうだった
まるでペアでスローダンスを踊るように息があっている
さすが恋人同士というところなのだろうか?
ちょっとした感動と共に彼への憧れや、彼女への嫉妬心がわいてくる
同じ趣味を持つ理想のカップルなんだろうな

でも、こんな風に自在に走れるようになったら何かが変わる気がする
新しい自分の何かを発見できるような、

「リョウさんにとってクルマって何ですか?」
「エ?」

一瞬、真顔で考えている

「自由への翼」

少しキザなセリフに苦笑してしまう

「じゃあ、私にもその飛び方を教えてください」

彼も笑っている

「ああ、教えるよ、どこまでも高く、どこまでも遠く飛べる、飛び方をね!」

(つづく)

イラスト:らびえぬ

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