馬弓 良輔
寄稿記事(上級者向け)
カルモマガジン編集長
馬弓 良輔まゆみよしすけ

人気の軽自動車ハイトワゴンおすすめランキング 2019年秋

決定版!人気の軽自動車ハイトワゴンおすすめランキング 2019年秋

各ボディタイプの人気車種を、内外装デザイン、使い勝手、燃費、走り、安全装備などの気になるポイントごとにプロが徹底評価をする企画。

今回はN-WGNや日産デイズ、三菱eKシリーズなど魅力的な新型車が投入され、ヒートアップする軽自動車ハイトワゴン編です。

スーパーハイトワゴンに押され気味だったが、いよいよ反撃開始

N-WGN

2019年7月に登場した2代目ホンダN-WGN

馬弓(以下馬):1993年9月に登場した初代スズキワゴンRがパイオニアとしてマーケットを開拓したのが、軽ハイトワゴンです。その後、ライバルのダイハツムーヴなども登場し、長い間、このボディタイプが軽自動車の主流でした。

萩原(以下萩):しかし最近の新車販売台数を見ると、さらに広大な室内空間を持ち、リアスライドドアやミニバン並みのシートアレンジをもつ軽スーパーハイトワゴンが急速に勢力を拡大しています。No.1はここ数年ホンダN-BOXが独占、絶対王者のようになっています。

デイズとハイウェイスター

こちらも2019年3月に登場したばかりの2代目日産デイズ(写真は右がエアログレードのハイウェイスター)

馬:まあ、そんな中ですが今年は3月に日産デイズ、三菱ekワゴン、eKクロス、7月にホンダN-WGN、ホンダN-WGNカスタムが登場し、軽ハイトワゴンに再び注目が集まっています。ということで新しい風が吹き込んできた軽ハイトワゴンのおすすめランキングです。

eKワゴン

デイズの兄弟車、三菱eKワゴンも2019年3月に新型が登場

軽ハイトワゴンには、このカテゴリーを開拓したスズキワゴンR、長らくライバル車として激しい販売合戦を繰り広げたダイハツムーヴ、日産と三菱が共同開発した日産デイズ/三菱ekワゴン、eKクロス、そしてホンダN-WGNの5車種があります。

ワゴンR

長らく王者に君臨したスズキワゴンRだが最近は少々影が薄い

ちなみにマツダフレアはワゴンRのOEM供給車(バッジが違うだけで中身は同じ)、スバルステラはダイハツムーヴのOEM供給車なので今回は除外ということで。

萩:ワゴンRは2017年2月登場なのでよいとしても、2014年登場のムーヴはモデル末期、来年には新型が登場するといわれています。このタイミングではおすすめしにくいので、ムーヴを除いた4車種でランキングを付けたほうがいいでしょう。

馬:なるほど。ではワゴンR、デイズ、ekワゴン/ekクロス、N-WGNの4モデルでランキングをつけていきましょう。各項目1人5点満点、合計10点満点で競います。

【外観】洗練されたN-WGN、個性的なeKクロス

1位:ホンダN-WGN  10点
2位:三菱eKワゴン/eKクロス 8.5点
3位:日産デイズ 7.5点
4位:スズキワゴンR 6.5点

外観萩原馬弓合計
スズキワゴンR3.536.5
ホンダN-WGN5510
日産デイズ43.57.5
三菱eKワゴン/eKクロス4.548.5
N-WGN外観

シンプルなデザインとなったN-WGN

馬:まずは外観のデザインから。好みが分かれる部分ですが、新しいホンダN-WGNはずいぶん良くなったと思います。シンプルな箱型ボディですが角が少し丸められていてレトロモダンですね。品の良さ、というスーパーハイトワゴンにない価値を感じます。なので出し惜しみせずいきなりの5点満点。このカテゴリーでいま最も洗練されています。

N-WGNのカスタム

N-WGNのカスタム。こちらもフロントデザインは控えめ

萩:私もN-WGNは5点満点です。全高1675mm〜1725mmと高いのですが、ボンネットに厚みを持たせることで他のモデルと比べると重心が低く見えます。四隅に配置したタイヤが踏ん張っているようにも見えて、非常にスポーティです。標準車のフロントマスクはちょっとレトロな感じがしますが、ホンダの狙った「親しみやすい顔」は上手に表現されていると思います。

eKクロス外観

eKクロスのデザインはSUVの楽しさが伝わる

馬:遊び心のあるeKクロスもいいね。本家デリカD:5は後付け感バリバリだったけれど、eKクロスはカラーリングも含めて、新しく楽しい感じがします。こちらも5点。カラーリングという点ではデイズのハイウェイスターも新しさを感じるので4点。ただしeKワゴンとデイズ標準車は意外と凡庸なので、どちらもシリーズとしてみるとeKが4点、デイズは3.5点かな。

萩: eKクロスは私も5点とはいきませんが4.5点をつけたいですね。たたずまいにミニデリカD:5といえるほど存在感があります。ハイトワゴンでありながら、クロスオーバーSUV的な要素を取り入れて、スズキハスラーのライバルにもなります。抜群の存在感、個性的です。

デイズハイウェイスター

2トーンカラーで差別化を図るデイズハイウェイスター

eKワゴン、ハイウェイスター含めたデイズは両方4点ですね。シリーズとしてeKは4.5点にしておいてください。デイズとekワゴンは今流行の薄目のヘッドライトを採用し、高い空力性能を表現しています。ただ、ちょっと重心が高く見えるのが惜しいところです。

ワゴンRFZ

ワゴンRスティングレー

標準車に加えてFZ(写真上)とエアログレードのスティングレー(写真下)の3種類のフロンマスクを持つワゴンR

ワゴンRは3種類のフロントマスクをもち、多彩なニーズに応えているということで4.5点を付けましたが、現状の販売状況を見るとその多彩なフロントマスクがアダとなっているようにも感じますので、−1の3.5点としました。

馬:ワゴンRは3種類あること自体に迷いを感じるので3点。いずれにしても最初のワゴンRが持っていた無印良品的な良さが消えてしまったかな。むしろいまやN-WGNの方がそれっぽい。

【内装・使い勝手】デザインと使いやすさを両立させたN-WGN

N-WGN内装

N-BOXと似た印象のN-WGNのインテリア

1位:ホンダN-WGN  9.5点
2位:三菱eKワゴン/eKクロス 8.5点
3位:日産デイズ 8点
3位:スズキワゴンR 8点

内装萩原馬弓合計
スズキワゴンR448
ホンダN-WGN54.59.5
日産デイズ4.53.58
三菱eKワゴン/eKクロス4.548.5

馬:続いて内装を室内空間の広さや質感、収納スペース、カップホルダーの位置などの使い勝手、USB電源の数などで評価してみましょう。

萩:N-BOXのデザインを流用していますが、N-WGNが5点満点です。低くそして水平基調のインパネは室内空間を広く見せるだけでなく、ドライバーに良好な視界を提供してくれます。USBはインパネに3個用意されており、みんなでシェアできます。唯一惜しいのはナビゲーションの画面が8インチであること。現在は9インチも多くなっているので、ここは気になります。

馬:N-BOXもそうだけど、N-WGNもドア部分の内装の厚みなどが軽自動車よりコンパクトカーに近い印象を与えています。空調などの操作系やUSB電源の多さもいい。ただ、運転席側ダッシュボード最下部が低すぎて、僕は足を動かすたびに脛をぶつけました。無理に収納スペース作ったのがアダとなっています。そのぶん減点で4.5点かな。

デイズ内装

軽自動車らしくないボリューム感のあるデイズ

萩:デイズとeKシリーズの内装は基本的に同じなのでどちらも4.5点。インパネが縦方向に高く運転席と助手席をセンターパネルで分けているのが特徴です。フロントシートに設置されたカップホルダーは左右のエアコンの吹き出し口の前にあるのもイイですし、助手席前の引き出しのような収納スペースも○です。そして、ナビ画面は9インチと大きく、非常に視認性、操作性ともに良好です。

eKクロス内装

こちらはeKクロス。配色の違いでずいぶん印象が異なる

馬:デイズとeKシリーズのダッシュボードは、特に助手席側が軽自動車っぽさを消すためのデザインにしか見えず、逆に貧乏くささを感じます。あくまで個人の感想ですが。ナビ画面の9インチは評価しますが、見た目重視の空調パネルも使いにくい。ただトランク側からリアシートのスライドが片手でできるのは美点です。シート柄などの内装トリムはeKクロスのオプション内装はセンスいいです。質感も軽自動車ではなくコンパクトカーに近い点は評価するのでeKシリーズは4点、デイズは3.5点です。

ワゴンR内装

ワゴンRらしい使い勝手の良いインテリア

萩:ワゴンRはセンターメーターを採用しているのが特徴です。エアコンの吹き出し口を一列に並べた水平基調のインパネが特徴です。インパネを低く抑えているので、開放感があり、視界も良好です。ただし、純正ナビの画面は7インチと現在においては物足りないので4点としました。

馬:ワゴンRの内装は、外観と違っていかにもワゴンRらしいシンプルさがいいですね。センターメーターは個人的には見にくいと思いますが、アンブレラフォルダーなど実用的な収納スペースに歴史の積み重ねを感じるので4点です。

【燃費】依然、一歩抜きんでているのはワゴンR

ワゴンR燃費

1位:スズキワゴンR 10点
2位:ホンダN-WGN 8点
2位:日産デイズ 8点
2位:三菱eKワゴン/eKクロス 8点

燃費萩原馬弓合計
スズキワゴンR5510
ホンダN-WGN448
日産デイズ448
三菱eKワゴン/eKクロス448

馬:燃費ランキングですが、データは燃費の良いグレードの数値(JC08モード)をピックアップしています。自然吸気エンジンはワゴンRが33.4km/L(4WD車30.4km/L)とハイトワゴン唯一の30km/L超えです。続いてはデイズ/eKシリーズで29.8km/L(4WD車25.4km/L)、N-WGNは29.0km/L(4WD車25.4km/L)となっています。ワゴンRとデイズ/eKシリーズが上位ですね。

萩:これらの車種はモーターによるアシスト機能が付いているので、実際優れた燃費性能を発揮します。エンジンが小さい軽自動車には特に有効なデバイスです。

馬:続いてターボ車の燃費です。ターボ車もワゴンRが28.4km/L(4WD車27.0km/L)でトップ。続いてN-WGNが25.8km/L(4WD車24.2km/L)そしてデイズ/eKシリーズの25.2km/L(4WD22.8km/L)です。

萩:これで点数をつけるとワゴンRが5点満点、N-WGN、デイズ/eKシリーズが4点ですね。

馬:同感です。やはりスズキは燃費に一日の長があります。数値だけでなく実際走らせても他メーカーと明らかに差が出ます。

【走り】他を引き離すN-WGNの走りの良さ

N-WGN走り

1位:ホンダN-WGN 10点
2位:日産デイズ 8.5点
2位:三菱eKワゴン/eKクロス 8.5点
4位:スズキワゴンR 8点

走り萩原馬弓合計
スズキワゴンR4.53.58
ホンダN-WGN5510
日産デイズ4.548.5
三菱eKワゴン/eKクロス4.548.5

馬:燃費との両立が難しい走りの評価だとどうでしょう。

萩:ホンダはモーターアシストがない代わりに、コストの掛かる「i-VTEC」という技術を投入し、走行性能を高める工夫がされています。NA車の走りの良さはN-WGNが5点満点ですね。

馬:こちらも同感です。エンジンとCVTの制御がホンダはN-BOX以降、すごく良いです。デイズ/eKシリーズ、ワゴンRと比べると低い回転からリニアに反応します。足回りも軽自動車の乗り心地ではないです。コンパクトカーかと思いました。5点満点で良いと思います。

萩:ターボ車はすべてカスタム系と呼ばれるモデルで評価すると、もう軽自動車の域は超えていてすべて5点満点。一方の自然吸気車は差があって、安定感の高い走りを実現しているN-WGNが満点。やや、重心の高さを感じるデイズ/eKシリーズ、ワゴンRは4点とします。ターボとNAを総合するとN-WGNが満点、デイズ/eKシリーズ、ワゴンRは4.5点です。

馬:僕は総合するとデイズ/eKシリーズは4点、静粛性や振動で少し古くなったワゴンRは3.5点にとどまります。それだけN-WGNとの差、特に乗り心地の差は大きいと感じます。

【安全装備】ホンダセンシングの標準装備が光るN-WGN

N-WGN安全装備

ACCが全車速追従型になったN-WGN

1位:ホンダN-WGN 10点
2位:日産デイズ 9点
2位:三菱eKワゴン/eKクロス 9点
4位:スズキワゴンR 8.5点

安全装備萩原馬弓合計
スズキワゴンR4.548.5
ホンダN-WGN5510
日産デイズ4.54.59
三菱eKワゴン/eKクロス4.54.59

馬:最近、注目されている安全装備で点数をつけるとしたらどうでしょう。

萩:個人的には多くの人が乗るクルマだからこそ、安全装備が充実してもらいたいと思っています。N-WGNは「ホンダセンシング」、デイズ/eKシリーズは「プロパイロット(MIパイロット)」といった、高速道路での追従走行が可能な運転支援システム・ACC(アダプティブクルーズコントロール)が装備されています。残念ながらワゴンRはこの機能が付いていません。軽自動車で高速道路をどれだけ走行するのかという声もありますが、個人的に車両価格の高い、低いで安全装備の機能に差があるのは良いことではないと思っています。

そういう考えから、5点満点はN-WGNです。レスオプション車があるのは不満ですが、一応、運転支援システムのホンダセンシングが全車標準装備となっていることを評価しました。デイズ/eKシリーズは4.5点。これは先進の運転支援システムがグレードによって設定がマチマチということで減点としました。ワゴンRはACCの機能は装備されていませんが、ヘッドアップディスプレイを装備しているので、4.5点としました。

プロパイロット

日産ご自慢のプロパイロットはオプション

馬:N-WGNのホンダセンシングはACCが全車速追従になったし満点で良いと思います。ダイハツが新しいタントで投入した「次世代スマートアシスト」に比べると、特に運転支援系の多機能さという点では見劣りしますが、基本的な安全機能は十分です。ワゴンRはACCもそうですが最新アップデート版を積んだ同社のラパンと比べると後方対応など機能が少し弱いので4点、デイズ/eKシリーズはプロパイロットがオプションなので4.5点ですね。

【総合】ハイトワゴンの新しい魅力を感じるN-WGNとeKクロス

N-WGN

1位:ホンダN-WGN 9.5点
2位:三菱eKワゴン/eKクロス 8.5点
3位:日産デイズ 8.2点
3位:スズキワゴンR 8.2点

総合萩原馬弓合計
スズキワゴンR4.33.98.2
ホンダN-WGN4.84.79.5
日産デイズ4.33.98.2
三菱eKワゴン/eKクロス4.44.18.5

*各項目の合計を平均

馬:それでは最後にまとめてみましょう。各項目の得点を平均するとホンダN-WGNがダントツ1位でした。続いてeKクロスの内外装の評価の高さが光った三菱eKワゴン/eKクロスが2位、僅差でスズキワゴンRと日産デイズが3位に並ぶという結果です。

萩:このまえ、スズキの方が「現行型のワゴンRが登場してから、わずか2年なのに安全装備のスタンダードが変わってしまいました」と話してくれました。運転支援システムを含めた安全装備の進化は目覚ましく、やはりフレッシュなモデルが有利です。今回高く評価したN-WGNは新しいだけでなく、すべてのグレードに運転支援システムのホンダセンシングを標準装備していること、走行性能も重心が低く、無駄な揺れが少ないというのも高評価につながりました。

デイズ/ekシリーズのターボ車は非常に好印象なのですが、自然吸気のマイルドハイブリッド車の加速フィーリングや乗り味はもう少し熟成が必要かなと感じました。運転支援システムでやや遅れのあるワゴンRもそろそろマイナーチェンジを行うタイミングですし、ムーヴも来年にはタントで採用したDNGAを搭載したニューモデルが登場します。主役はスーパーハイトワゴンになっていますが、パーソナルそしてビジネスシーンで活躍するハイトワゴンも注目だと思います。

eKクロス

馬:N-BOXもそうでしたがN-WGNは軽自動車とは思えない走り、特に制御の良いCVTとコンパクトカー並みの乗り心地はすばらしいです。スタイルもシックで新しい価値観を示しました。スタイルといえば三菱eKクロスの存在感もなかなかのもの。このところ元気のなかったハイトワゴンですが、スーパーハイトワゴンとは違う魅力を打ち出したモデルが増えてきましたね。

※記事の内容は2019年10月時点の情報で執筆しています。

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