島崎七生人
寄稿記事(上級者向け)
モータージャーナリスト
島崎七生人しまざきなおと

いま売れている車はコレ! 新車販売台数速報(2020年6月)

いま売れている車はコレ! 新車販売台数速報(2020年6月)

2020年6月の新車販売台数(軽自動車を除く)はトヨタライズが約1万2800台を販売し2月以来の首位に返り咲きました。乗用車全体では前年比77.4%と前月の53.3%からは回復。トヨタヤリスが2位、トヨタカローラが3位、ホンダフィットが4位、トヨタアルファードが5位と、順位に入れ替わりはあるもののTOP5は前月と同じ顔ぶれでした。受注好調が伝えられる新型トヨタハリアーは13位にランクアップ、そして発売されたばかりの日産キックスも27位にさっそくランクインしています。一方、軽自動車はホンダN-BOXが引き続き1位となるものの、スズキスペーシア、日産ルークスが激しく追い上げ、スーパーハイトワゴンの勢力図に変化が出てきました。スズキハスラーの好調ぶりも目立ちますが、新登場のライバル・ダイハツタフトも9位にランクイン。今回も自動車評論家の島崎七生人さんに詳しく解説をしてもらいましょう。

国産乗用車販売台数 2020年6月(軽自動車を除く)

順位車名ブランド名台数前年比
1ライズトヨタ12,82319年11月発売
2ヤリストヨタ10,96720年2月発売
3カローラトヨタ9,311110.4
4フィットホンダ9,016104
5アルファードトヨタ6,835134.3
6ノート日産6,01049.8
7フリードホンダ5,59571.1
8セレナ日産5,28863.2
9ルーミートヨタ5,23062.7
10ヴォクシートヨタ4,81263.9
11プリウストヨタ4,56837.8
12RAV4トヨタ4,33155.4
13ハリアートヨタ4,239134.4
14シエンタトヨタ3,31541.5
15ステップワゴンホンダ3,29871.9
16アクアトヨタ3,03434.8
17ノアトヨタ3,01266.6
18インプレッサSUBARU2,90762.8
19タンクトヨタ2,74339.3
20ヴェゼルホンダ2,63542.9
21ソリオスズキ2,61477.4
22スイフトスズキ2,35791.4
23パッソトヨタ2,16962.4
24ロッキーダイハツ2,16019年11月発売
25ジムニーワゴンスズキ2,028329.8
26MAZDA2マツダ1,92019年9月発売
27キックス日産1,83620年6月発売
28C-HRトヨタ1,83342.2
29クラウントヨタ1,78365.1
30ランドクルーザーWトヨタ1,72872.8
31シャトルホンダ1,55147.1
32フォレスターSUBARU1,54761
33エスクァイアトヨタ1,52348.8
34CX-30マツダ1,38919年10月発売
35エクストレイル日産1,38450.9
36ヴェルファイアトヨタ1,19240.4
37MAZDA3マツダ1,18874.7
38CX-3マツダ1,145150.7
39レヴォーグSUBARU1,14487.5
40トールダイハツ96057.8
41CX-5マツダ95042.1
42オデッセイホンダ94584.1
43クロスビースズキ79739.4
44カムリトヨタ77038.4
45ハイエースワゴントヨタ68872.2
46CX-8マツダ62941.7
47UX250Hレクサス58862.7
48リーフ日産57941.7
49デリカD5三菱54741.3
50ES300Hレクサス54363
※ 上記の台数は車名別の合算値となり、一部教習車などを含みます。
※ 例:カローラはカローラシリーズ全車種と教習車を含んでいます。

5月に比べ販売台数は各車とも回復傾向に!

軽自動車、輸入車を含めた2020年6月の新車販売台数は全体で28万3892台、前年比77.4%だった。昨年同月の36万6975台には届いていないものの、先月5月の前年比は53.3%、4月が69.6%だった推移を見ても、5月を底に復調方向に向かい始めたことの現れと捉えてよさそうだ。

車名ごとの台数も、ほとんどの銘柄が5月よりも上向きの数字を達成できている。その中、50位以内で5月よりも台数を落としたのはシエンタ(4344→3315台、6→14位)、アクア(3453→3034台、11→16位)、ヴェルファイア(1378→1192台、23→36位)、UX250H(751→588台、36→47位)の4銘柄。いずれもトヨタ系だが、数字以上に順位の下げ幅が大きいのは、相対的に他銘柄がより台数を伸ばしたということだろう。ちなみにアクアは、実は4月は4551台だったから、この4月、5月、6月は1000台単位で台数を落としてきたことになるが、この様子は視界も天候も良好な中で飛行計画どおりに着陸態勢に入った旅客機のようにも見えなくもない。

トヨタライズとトヨタヤリス、それぞれの強さの理由

トヨタライズとトヨタヤリス、それぞれの強さの理由

一方で上位5車の顔ぶれは5月と変わらない。5車中4車がトヨタ車、唯一のホンダ車のフィットが先月の3位から4位に順位を落としたことで、6月は1、2、3位がトヨタ車独占といった状態だ。ところがその3銘柄の競り合いは結構熾烈なもので、6月はライズが1位を奪還し、2ヶ月連続1位だったヤリスを2位に引きずり下ろした形。ライズの1位は今年に入って1、2月以来のことだが、台数を見てみると、4月の5545台、5月の7916台からの6月1万2823台ということでなかなかの伸長ぶり。トレンドのSUVであること、コストパフォーマンスが高いことなど、商品性の高さが強みを発揮している。

対してヤリスは、台数自体は6月も1万967台と、ここ3ヶ月連続して1万台を超える台数を記録。この状況下で堅調な販売台数をキープしている。ここ最近になり街中で大手コンビニチェーン店の営業車(車検証を確認したところ“6月”だった)や複数の有名企業の名が入ったクルマ、そしてレンタカー(たまたま見かけたのはトヨタレンタリースだった)を目にしたが、こうしたニーズもヤリスの強みだ。

恐るべし、トヨタアルファードのポテンシャルの高さ

恐るべし、トヨタアルファードのポテンシャルの高さ

安定しているといえば、50位内のランキングを見渡して「強いなぁ」と思わせられるもう1台のトヨタ車がミニバンのアルファードだ。順位だけ見ても6月、5月は5位につけ、4月も6位。台数も4月5739台、5月5750台、そして6月は6835台の結果を残している。多分、クルマに少しでも関心をお持ちの方なら肌感覚でアルファードの人気ぶりはご承知のはず。しかし何か理由が潜んでいるに違いない……とメーカーに尋ねてみたところ、「公用車、社用車、ホテルの送迎といったニーズが増えている。安全装備、カメラの充実で運転や扱いも楽といったことなどがご支持いただいているおもな要因」(トヨタ)とのこと。

なるほどなぁ、である。ちなみにヴェルファイアがアルファードに差をつけられているのが現状だが、元々ノア/ヴォクシーの上級移行車として用意されたものの、ターゲットのヤングファミリーが「さすがにこのアグレッシブな顔つきは……」とアルファードに流れているらしい。そうしたシャイなユーザーをも取り込んでいるアルファードのポテンシャルの高さ、恐るべしといったところだ。

早くもランクインした日産キックス、お得仕様を設定したマツダCX-3

早くもランクインした日産キックス、お得仕様を設定したマツダCX-3

ほかに新型車の日産キックスが27位に早くもランクイン。マツダCX-3もしばらく50位圏外だったが、6月は1145台で38位にランクインした。CX-3は6月4日に200万円を切る価格設定の1.5ℓガソリン車の追加設定、装備の充実などが行われ、引き合いが増えたのだろう。

軽乗用車販売台数 2020年6月

順位車名ブランド名台数前年比
1N-BOXホンダ15,55765.9
2スペーシアスズキ12,07294.4
3ルークス日産9,43120年3月発売
4ハスラースズキ7,875205.9
5タントダイハツ7,26358.6
6デイズ日産6,59845.6
7ワゴンRスズキ6,09693.0
8ミラダイハツ5,65268.6
9タフトダイハツ5,07920年6月発売
10ムーヴダイハツ4,74344.2
11N-WGNホンダ3,586425.4
12ジムニースズキ3,551155.3
13アルトスズキ3,09964.6
14eK三菱3,06681.8
15キャストダイハツ1,58047.4
※ 車名についてはブランドごとに同一車名のものを合算して集計しています(アルト、ミラ、ムーヴ、タント、eK、プレオ、N-BOX、デイズ、ピクシスなど)
例)デイズルークスはデイズとして、2020年3月発売のルークスについてはルークスとして集計

日産ルークスの3位上昇でスーパーハイトワゴンは混戦模様

日産ルークスの3位上昇でスーパーハイトワゴンは混戦模様

軽自動車では6月はほぼ全車が台数を伸ばしている。その中で“やはり”というべきか日産ルークスが9431台で3位につけ、1位のホンダN-BOX、2位のスズキスペースアとともにスーパーハイト系ワゴン三つ巴の様相に。ダイハツタントもTV-CMで買い得仕様車を主軸にアピールに熱心で、好調スズキハスラーに割り込まれたものの6月は辛くも5位につけた。

ひときわ回復が目覚ましいスズキに何があったのか

ひときわ回復が目覚ましいスズキに何があったのか

それと、6月の軽自動車の販売台数を見ていると、スズキ車が際立って台数を伸ばしているのが目にとまる。5月と較べると(以下、カッコ内は5月の販売台数)スペーシアの1万2072台(4392台)を筆頭に、ハスラー7875台(3529台)、ワゴンR 6096台(3322台)、ジムニー3551台(2046台)、アルト3099台(1621台)。実は登録車も同様で、ソリオ2614台(1142台)、スイフト2357台(680台)、ジムニーワゴン2028台(827台)、クロスビー797台(611台)となっている。

この件に関して何事か起こったのか?とメーカーに確認すると「コロナ禍の影響で一部の海外部品の納入に影響が出たために生産が減少、販売も減少した。その後に回復し、お待ちいただいていたお客様への納車ができるようになったため、6月度の登録、届け出台数が増加した」(スズキ)とのこと。ハスラーは月販目標6000台だからかなり勢いづいたものになっている。この原稿執筆時点で、トヨタが8月の国内工場の生産台数を当初計画比の約97%とし、稼働停止は“なし”、同じくマツダも国内4工場の8月の操業休止日は“なし”との見通しが発表されるなどした。ともかくは、各社の復調を願うばかりだ。

※記事の内容は2020年7月時点の情報で制作しています。

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