島崎七生人
寄稿記事(上級者向け)
モータージャーナリスト
島崎七生人しまざきなおと

いま売れている車はコレ! 新車販売台数速報(2020年10月)

いま売れている車はコレ! 新車販売台数速報(2020年10月)

2020年10月の乗用車全体(軽自動車を含む)の販売台数は約34万台、前年比は130.8%でした。昨年10月は消費税アップで前年比74.9%とマイナスだったことを差し引いても「好調」と呼べる結果となりました。軽自動車を除く新車販売ランキングはトヨタヤリスが4ヶ月連続の1位となり独走体制を固めています。TOP6台までをトヨタ車が占め、特に5位アルファード、6位ハリアーなどの高額車もランクインするなどトヨタ強しを印象付けます。そんな中でホンダフィットが7位、フリードが8位と健闘しています。

一方、軽自動車(乗用車)は王者ホンダN-BOXが引き続き首位をキープ、2位は久しぶりにダイハツタント、3位はスズキスペーシア、4位にダイハツミラが入り、5位にもダイハツタフトがスズキハスラーを抜いてジャンプアップするなど、ダイハツの好調が光ります。今回も自動車評論家の島崎七生人さんに詳しく解説をしてもらいましょう。

国産乗用車販売台数 2020年10月(軽自動車を除く)

順位車名ブランド名台数前年比
1ヤリストヨタ18,59220年2月発売
2ライズトヨタ13,25619年11月発売
3ルーミートヨタ11,487165
4カローラトヨタ10,27591.8
5アルファードトヨタ10,093196.7
6ハリアートヨタ9,674536.3
7フィットホンダ9,001287
8フリードホンダ7,849179.7
9ヴォクシートヨタ6,258142.4
10シエンタトヨタ6,07765.3
11プリウストヨタ5,81884.3
12RAV4トヨタ5,001127.6
13ノアトヨタ4,696180.8
14セレナ日産4,30999.9
15アクアトヨタ4,06481.8
16ノート日産3,96575.3
17キックス日産3,54220年6月発売
18パッソトヨタ3,361129.9
19インプレッサSUBARU3,153195.2
20ステップワゴンホンダ3,133100.2
21ヴェゼルホンダ2,985106
22C-HRトヨタ2,690105.3
23ランドクルーザーWトヨタ2,620157.4
24ロッキーダイハツ2,61019年11月発売
25ソリオスズキ2,55197.1
26スイフトスズキ2,225133.3
27トールダイハツ2,206106.5
28MAZDA2マツダ2,160103.8
29クラウントヨタ2,129123.6
30CX-5マツダ1,834162.9
31フォレスターSUBARU1,833107.3
32CX-30マツダ1,81271.8
33エスクァイアトヨタ1,64365.1
34エクストレイル日産1,639109.8
35ジムニーワゴンスズキ1,555222.8
36MAZDA3マツダ1,38073
37シャトルホンダ1,28451.7
38ヴェルファイアトヨタ1,26156.8
39CX-8マツダ1,097209
40カムリトヨタ1,086118.2
41クロスビースズキ1,02371.5
42シビックホンダ949327.2
43デリカD5三菱898103.5
44ハイエースワゴントヨタ784144.6
45CX-3マツダ776186.1
46UX250Hレクサス73276.7
47リーフ日産66681.2
48NX300Hレクサス576107.3
49RX300レクサス503131
50マーチ日産472110.5

※ 上記の台数は車名別の合算値となり、一部教習車などを含みます。
※ 例:ブランド通称名 カローラはカローラシリーズ全車種と教習車を含んでいます。

昨年の消費税影響の反動もあり、前年比は大幅に回復

今年7〜9月のGDPの年率換算伸び率が21.4%となり、1989年10-12月を上回り過去最高となった。項目別に見ると、特に個人消費は+4.7%と改善幅が大きく、この中には〝クルマの購入〟も含まれている。

そうした情勢を受けての10月の登録台数は33万9923台。前年比では130.8%だが、これは昨年10月は消費税増税前の駆け込み需要直後の落ち込みがあったため。いきおい国産8社はいずれも前年比を上回っており、特にトヨタ(143.7%)、ダイハツ(143.5%)は抜きん出ている。ただし10月の販売台数自体は全体で33万9923台と、これは9 月の39万847台に対し、およそ5万台ほど落とした数字に留まった。3月と9月はメーカーや販社の決算の都合などもあって例年販売台数が他の月よりも多いこともあるだろう。

上位10台のうち8台がトヨタ車

上位10台のうち8台がトヨタ車1

ランキングを見ていくと、いやおうなしに目に止まるのがトヨタ車の強さだ。上位10車のうち実に8車がトヨタ車で、9月の7車からまた1車種増やした。ちなみに50位圏内に入っているトヨタ車を見てみると20車だから、集中砲火というべきか、着実に売れ行きのいい車種を揃えている……そんな感じだ。10位圏内のトヨタ車をさらに見ていくと、9月に対して順位と台数をどちらも上げたのはライズ、9月にマイナーチェンジを実施したルーミー、そしてシエンタの3車種。

上位10台のうち8台がトヨタ車2

この3車種の中で実は10位に食い込んだシエンタは9月は18位だったが、販売台数を9月の3614台から10月は6077台へと大きく伸ばし、ここにきて大躍進を果たした。

SUVとスポーツタイプも加わったヤリスの天下はしばらく続くか

SUVとスポーツタイプも加わったヤリスの天下はしばらく続くか

反対に9月に対して順位と台数を落としているのは4位のカローラと5位のアルファード。6位のハリアーは順位を9月からひとつ落としてはいるが、販売台数はおよそ700台ほど上乗せした。そしてヤリスは10月も1位の座を確保したものの、台数は9月の2万2066台から10月は1万8529台へと落としている。とはいえヤリスは今年2月に発売後、何といっても人気のど真ん中であるSUVタイプのヤリスクロスを登場させており、〝モータースポーツ用の車両を市販化する〟の発想で開発されたというGRヤリスもバリエーションに加わった。
こと台数では、再び2万台超となるであろうことは自然の成り行きといったところだろう。

相変わらず強いノア/ヴォクシー、絶好調のハリアー

相変わらず強いノア/ヴォクシー、絶好調のハリアー

もう少しトヨタ車を見ておくと、9月とは9位変わらずのヴォクシー、9月の15位から13位に順位を上げたノアは、相変わらずの強さといえる。どちらも10月1日に特別仕様車が投入されている。同じミニバンの上級車アルファードに至っては10月も5位につけ、1万台を僅かだが超える台数を記録、前年比も196.7%と強含み。ただし兄弟車のヴェルファイアは38位/1261台/前年比56.8%と今ひとつ。11位のプリウス、15位のアクアは、ともに優良銘柄ながら、ジリジリと台数を落とし始めた。反対にRAV4は、供給体制が整ってきたのか台数を戻してきた。ハリアーは販売台数は9674台ながら前年比はとてつもなく536.3%(!)と絶好調のように見える。

気掛かりな日産、伸びて欲しいマツダ

気掛かりな日産、伸びて欲しいマツダ1

一方で10位圏内に入ったトヨタ車以外の車種は、フィット、フリードのホンダ車2車種だった。フィットは7位で9001台だが、もうひとがんばりしてほしくもある。反対にフリードは、マイナーチェンジを経て健闘している。

気掛かりな日産、伸びて欲しいマツダ2

ほかには、気掛かりなのが日産車。ノートが9月の10位から16位に順位を落とし販売台数も6493台から3965台に。セレナも順位、台数ともに落としているほか、キックスも3542台と意外と伸びていない。エクストレイルや47位/666台に甘んじているリーフ、マーチなど、いずれも精彩を欠いた印象。黄色いスポーツカーもいいが〝11-23〟(いい日産)と希望ナンバーを付けて誇らしげに乗れるクルマをユーザーは待ち望んでいると思う。

気掛かりな日産、伸びて欲しいマツダ3

マツダ車もSUV系のCX-5、CX-30、CX-8、CX-3とマツダ2、マツダ3が50位圏内にいるものの、いずれも台数を落としている。との車種もクルマの出来の良さに照らして本来はもっと伸びて欲しいところだが……。

軽乗用車販売台数 2020年10月

順位車名ブランド名台数前年比
1N-BOXホンダ16,052101.7
2タントダイハツ13,099118.3
3スペーシアスズキ12,24598.5
4ムーヴダイハツ10,472137.4
5タフトダイハツ7,47120年6月発売
6ルークス日産7,06920年3月発売
7ハスラースズキ6,536140.8
8ミラダイハツ6,161114.8
9N-WGNホンダ5,9433229.9
10アルトスズキ5,32582.7
11ワゴンRスズキ4,90286.0
12デイズ日産4,54348.7
13ジムニースズキ4,406202.9
14eK三菱2,498126.5
15ピクシストヨタ1,863125.1

※ 通称名についてはメーカーごとに同一車名のものを合算して集計しています(アルト、ミラ、ムーヴ、タント、eK、プレオ、N-BOX、デイズ、ピクシスなど)
例)デイズルークスはデイズとして、2020年3月発売のルークスについてはルークスとして集計

激しい争いを繰り広げるN-BOX、タント、スペーシアの3強

激しい争いを繰り広げるN-BOX、タント、スペーシアの3強1

軽自動車は1位のホンダN-BOXは変わらず、しかし販売台数は9月の1万8630台から1万5782台に落としている。2位に上がったダイハツタントは9月より台数を増やし、反対に3位のスズキスペーシアは台数を落とした。以上の3車種は相変わらず熾烈な争いでしのぎを削っている状態。

激しい争いを繰り広げるN-BOX、タント、スペーシアの3強2

4位以下で9月よりも台数を増やしたのはダイハツタフトとダイハツムーブで、タフトは台数増は小幅ながら順位は9月の11位から10月は5位に大きく浮上。ムーブはタフトより順位がひとつ上に位置し、台数もここにきて1万472台と、9月の8999台から1万台超えを記録した。そのほか15位までにランクインした車種は、いずれも9月に対して販売台数の数字を落としている……と見られたが、15位にランクインしたピクシスは、9月の1780台から10月は1863台と83台、台数を増やしていた。さすがトヨタである。

※記事の内容は2020年11月時点の情報で制作しています。

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