寄稿記事
モータージャーナリスト
萩原文博はぎはらふみひろ

今が狙い目の中古車はコレ 2021年初冬の相場情報(スポーツカー編/萩原文博レポート)

今が狙い目の中古車はコレ 2021年初冬の相場情報(スポーツカー編/萩原文博レポート)

人気車種のモデルチェンジや季節的な要因などによって中古車の相場は日々動いています。そんな中古車市場でいま狙い目のお得なモデルはどれなのか。中古車相場にも詳しい自動車評論家の萩原文博さんに聞いてみました。2021年初冬の中古車情報として取り上げるのは「スポーツカー編」。スバルBRZやトヨタGR86、日産フェアレディZなどのモデルチェンジが話題を集める一方で、ホンダS660とNSXの生産終了というニュースもありました。そんな激動のスポーツカー市場、中古車としては一体どの車種が狙い目なのでしょうか。

明暗が分かれた2021年のスポーツカーマーケット

明暗が分かれた2021年のスポーツカーマーケット

2021年は国産スポーツカーにとって、明暗がハッキリと分かれた年となりました。トヨタGR86/スバルBRZというニューモデルが登場する一方で、ホンダNSX、S660の生産終了がアナウンスされました。ちなみにS660の中古車相場は生産終了の発表後、100万円以上も上昇しています。このところ動きの激しい国産スポーツカーの中古車相場の現状を紹介します。

流通台数は豊富で増加傾向、しかし相場も高めに推移「トヨタ86/スバルBRZ(旧型)」

流通台数は豊富で増加傾向、しかし相場も高めに推移「トヨタ86/スバルBRZ(旧型)」1

まずはフルモデルチェンジを行ったばかりの86/BRZです。初代のトヨタ86とスバルBRZは、2012年2月に発表され4月(BRZは3月)から販売開始されました。クルマの骨格にあたるプラットフォームやエンジンなどのパワートレインなどは共通ですが、サスペンションのセッティングなどが異なり、それぞれメーカーの哲学に基づいた乗り味となっています。

搭載するエンジンは最高出力200psを発生する2L水平対向4気筒自然吸気で、トランスミッションは6速MTと6速ATが組み合わされています。86/BRZは毎年のように、改良が加えられ、走行性能が向上していきますが、2016年7月にマイナーチェンジを実施。この時は内外装の変更に加えて、リアピラーのスポット打点増し打ちによるボディ剛性強化やサスペンションなどの足回りの改良を行い、SACHSアブソーバーのオプション設定も追加しました。さらに6速MT車に搭載するエンジンは最高出力7ps、最大トルク7Nmを向上させています。2017年には、Brembo社製ブレーキを標準装備したグレードを設定したり、BRZはSTIスポーツというオリジナルグレードを設定したりして差別化を図っています。

初代86の中古車は現在約1,200台も流通していて、平均価格は約214万円。3ヵ月前の2021年8月当時の流通台数は約1,050台。平均価格は206万円だったので、流通台数の増加に伴い、平均価格は上昇しています。中古車の価格帯は約80万円~745万円で、100万円以下の中古車はAT車となっています。

流通台数は豊富で増加傾向、しかし相場も高めに推移「トヨタ86/スバルBRZ(旧型)」2

一方、BRZの中古車の流通台数は約450台と86の半分以下となっています。平均価格は214万円と86と変わらない水準です。3ヵ月前の時点では流通台数が約340台、平均価格が約203万円だったので、86同様に値上がり傾向となっています。中古車の価格帯は約86万円~432万円で、BRZも100万円以下の中古車はAT車が中心です。

この3ヵ月で流通台数が大幅に増加したRFに注目!「マツダロードスター(現行型)」

この3ヵ月で流通台数が大幅に増加したRFに注目!「マツダロードスター(現行型)」

続いては、1989年からスポーツカーの灯を消すことなく進化しているのがマツダロードスターです。4代目となる現行モデルは2015年に登場。先代モデルはRX-8と共通のプラットフォームを採用し、グランツーリスモ的なクルマに仕立てられていました。対照的に現行モデルはライトウェイトスポーツへと原点回帰したことが話題に。スカイアクティブテクノロージーを採用したボディはアルミなどの素材を使用し、高剛性と軽量化を実現。搭載するエンジンは1.5L直列4気筒自然吸気と先代からダウンサイジングされています。組み合わされるトランスミッションは6速MTと6速ATで、車両前後の重量配分が50:50に設定され、初代ロードスターを彷彿とさせる軽快な走りが魅力です。

2016年にはリトラクタブルハードトップモデルのRFを追加。こちらには2L直列4気筒エンジンを搭載し、2018年の商品改良で最高出力を26ps向上させた高回転仕様へと変更されています。同時に、先進安全装備「i-ACTIVSENSE」を標準装備し運転支援機能を大幅に向上させています。

現在、ソフトトップを採用した現行型ロードスターの中古車の流通台数は約290台で、平均価格は約243万円。中古車の価格帯は約160~460万円となっています。一方、電動開閉式のメタルトップを採用したロードスターRFは約160台の中古車が流通、平均価格は約297万円と高価格をキープ。中古車の価格帯は約200~600万円となっています。ロードスターRFは直近3ヵ月で中古車の流通台数が倍増しているにも関わらず、平均価格は横這いとなっているので、狙い目と言えるでしょう。

流通台数は減少するも、相場はやや下落傾向で狙いやすくなった「日産GT-R(現行型)」

流通台数は減少するも、相場はやや下落傾向で狙いやすくなった「日産GT-R(現行型)」

国産スポーツカーの王者たる日産GT-Rは2007年に登場して以降、進化をし続けていますが、今年になって集大成といえる特別仕様車のTスペックを発表しました。搭載する3.8LV6ツインターボ+6速ATというパワートレインは変更ないものの、デビュー当初480psだった最高出力は現在ニスモモデルでは600psまで向上しています。

長いモデルライフの中で改良が加えられているGT-Rですが、内外装が大きく変更されたのは2016年3月のマイナーチェンジ。エンジンの出力向上に合わせて、フロントマスクが冷却効率を高めるために大きく変更されています。乗り味もデビュー当初はサーキット向けの味付けでしたが、2016年のマイナーチェンジ以降は公道でも高いパフォーマンスを発揮するようにしなやかな味付けとなっています。

現在、GT-Rの中古車は約150台流通していて、平均価格は約912万円。3ヵ月前の時点では、流通台数は約170台で、平均価格は約970万円だったので、値落ち傾向となっています。中古車の価格帯は約560万円~2,650万円と幅広く、500万円以下の中古車はなかなか流通しないのがGT-Rの特徴です。高いパフォーマンスを維持するためにはランニングコストも相当掛かりますので、購入する際には、購入価格に加えて、維持費も用意しておいたほうが良いでしょう。

もうすぐ新型が登場、相場は値落ち傾向に「日産フェアレディZ(現行型)」

もうすぐ新型が登場、相場は値落ち傾向に「日産フェアレディZ(現行型)」

まもなく、新型が登場予定の日産フェアレディZ。Z34型と呼ばれる6代目モデルは2008年に登場し、13年が経過しています。すでに後継モデルが発表されており、2022年前半にはモデルチェンジの予定です。

現行型フェアレディZはスカイラインクーペをベースにホイールベースを短くすることで、よりスポーティな味付けとなっています。搭載するエンジンは3.7LのV6自然吸気で、ニスモ仕様は最高出力336psを発生します。組み合わされるトランスミッションは6速MTと7速AT。6速MTには電子的に高等テクニックのヒール&トゥを行うシンクロレブコントロールが採用されており、シフトチェンジの際の回転数を調整してくれるのでギクシャクすることが少なくなっています。ロングセラーだけにこれまで何度となく改良を重ねていますが、大幅改良であるマイナーチェンジは2012年7月、ニスモは2014年7月に行われています。

現在、現行型フェアレディZの中古車の流通台数は約280台で、平均価格は約245万円。3ヵ月前の時点では、流通台数が約290台、平均価格が約260万円だったので値落ち傾向となっています。中古車の価格帯は約110~600万円と100万円以下の低価格車はなかなか出現しません。

流通台数は極小、価格も新車と変わらない水準「ホンダNSX(現行型)」

流通台数は極小、価格も新車と変わらない水準「ホンダNSX(現行型)」

残念ながら、生産終了のアナウンスが発表されたホンダNSX。2代目となる現行モデルは2016年8月に発表され、2017年2月から販売開始されました。

初代モデル同様にパワートレインを運転席後方に置くミッドシップレイアウトを採用。搭載するパワートレインは、最高出力507psを発生する3.5L V6ツインターボエンジンに48psを発生するモーターに加えて、前輪それぞれに37psを発生する3つのモーターを搭載したハイブリッドシステムを採用。トランスミッションは9速DCTが組み合わされ、駆動方式は4WDとなります。

2,420万円という国産スポーツカーの中でも高額車である現行型NSXの中古車はわずか4台しか流通しておらず、平均価格は約2,598万円。中古車の価格帯は約2,500~2,700万円と新車価格と変わらない水準となっています。

流通台数は増加するも、平均価格も上昇中「トヨタGRスープラ(現行型)」

流通台数は増加するも、平均価格も上昇中「トヨタGRスープラ(現行型)」

国会議員の高市早苗氏がかつて所有していたクルマとして話題となったトヨタスープラ。その最新モデルとなるのが、2019年5月から販売開始したGRスープラです。

現行モデルのスープラはBMWと共同開発したモデルで、2シーターオープンカーのZ4とプラットフォームやパワートレインが共通となっています。開発者が黄金比と言うワイドトレッドとショートホイールベースのボディは、かなりアグレッシブなデザインです。搭載されているエンジンは、最高出力387psを発生する3L直列6気筒ターボを筆頭に、最高出力258ps、197psという2つの仕様がある2L直列4気筒ターボの3種類。組み合わされるトランスミッションは8速ATのみとなります。

現在、GRスープラの中古車は約97台流通していて、平均価格は約648万円。3ヵ月前の時点での流通台数は約76台、平均価格は約631万円だったので、やや値上がり傾向となっています。

ハイパフォーマンスなRC-Fが500万円以下で狙える「レクサスRC(現行型)」

ハイパフォーマンスなRC-Fが500万円以下で狙える「レクサスRC(現行型)」

トヨタのプレミアムブランドレクサスには2ドアクーペのRCと、クーペとコンバーチブルという2つのモデルを設定するLCがあります。2014年に登場したRCは4ドアセダンのISをベースとした2+2のリアシートをもつ4人乗りの2ドアクーペで、RC Fというハイパフォーマンスモデルを用意しています。

搭載するパワートレインは2L直列4気筒ターボをはじめ、2.5Lエンジンのハイブリッド、3.5L V6自然吸気、そしてRC Fには5L V8自然吸気エンジンを搭載しています。

現在、RCの中古車は約180台流通していて、平均価格は約374万円。3ヵ月前の平均価格が約382万円だったので、値落ち傾向となっています。中古車の価格帯は約200~692万円となかなか100万円台の中古車は出回りません。またハイパフォーマンスモデルのRC Fの中古車は約70台流通していて、平均価格は約571万円。3ヵ月前も約570万円だったので、横這いといえる動きです。中古車の価格帯は約368万~1,290万円と幅広く、5LV8自然吸気エンジンを500万円以下で味わえると考えるとコストパフォーマンスは高いと言えます。

流通台数も価格も横這い、価格帯の幅広さが特徴的「レクサスLC(現行型)」

流通台数も価格も横這い、価格帯の幅広さが特徴的「レクサスLC(現行型)」

フラッグシップセダンLSをベースとしたラグジュアリークーペのLCは2017年に登場。最高出力477psを発生する5L V8と最高出力299psを発生する3.5L V6エンジンのハイブリッドという2つのパワートレインを搭載。そして、2020年7月にはソフトトップを採用したコンバーチブルを追加。こちらは5LのV8エンジンのみとなっています。

現在、LCの中古車の流通台数は約135台で、平均価格は約1,047万円。この数字は3ヵ月前とほとんど変わっておらず横這いで推移しています。中古車の価格帯は約789万円~1,731万円と非常に幅広いのが特徴です。

一方のLCコンバーチブルは、まだ販売開始から1年が経過したばかりなので、中古車の流通台数は約14台とかなり少なめ。平均価格は約1,502万円となっています。3ヵ月前の時点から中古車の流通台数は増加。平均価格は約1,600万円から値落ち傾向となっていますが、中古車の価格帯は約1,450~1,648万円と高値をキープしています。

モデルチェンジ=値落ち、ではないのがスポーツカー

一般的には世代交代となるフルモデルチェンジを行うと、旧型となったモデルは値落ち傾向となるのですが、スポーツカーはそうならないことが多いのです。その理由は各モデルにファンがいることが挙げられるでしょう。

メルマガ登録

※記事の内容は2021年11月時点の情報で制作しています。

関連記事
カーリースお役立ち記事
人気記事ランキング
注目のキーワード