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宇野 智うのさとる

【画像43枚&動画&開発裏話】日産 GT-R 2022年モデル発表!2つの「T-spec」はもはや芸術品!

【画像43枚&動画&開発裏話】日産 GT-R 2022年モデル発表!2つの「T-spec」はもはや芸術品!
【画像43枚&動画&開発裏話】日産 GT-R 2022年モデル発表!2つの「T-spec」はもはや芸術品!

日産 GT-R 2022年モデル発表会のフォトセッション。
登壇者は左から日産自動車株式会社 チーフ・プロダクト・スペシャリスト 田村 宏志氏(商品企画責任者)、同チーフ・ビークル・エンジニア 川口 隆志氏(カラーデザイン責任者)、同グローバルデザイン本部アドバンスドデザイン部 担当部長 山口 勉氏(開発責任者)。
※画像は日産自動車広報

2021年9月14日、日産自動車は「GT-R」2022年モデルを発表しました。2022年モデルは2種類の特別仕様車「T-spec」を台数限定で発売するとのことです。

この発表後、2種類の「T-spec」を横浜『NISSAN GALLERY』、銀座「NISSAN CROSSING」で展示、一般にも公開されました。

今回、日産広報から特別な許可を得て、たっぷりと撮影取材しましたので、みなさまに共有します!

「T-spec」とは?

「T-spec」とは?

発表会の司会者が田村氏へ「『T-spec』の『T』は田村氏の頭文字か?」と水を向けたところ、「そう答えようかと思った」と一旦冗談を返していましたが、その意味はR35 GT-Rの開発コード「TM」からとったものといい、その意味はGT-Rに「トレンド メーカー(時代を導くという哲学)」と「トラクション マスター(四輪で大地をつかむトラクション=駆動力)」の思いをこめたものと回答しました。

「GT-R」の意味

「GT-R」の意味

GT-Rのコンセプトは『究極のドライビングプレジャー(車の運転の楽しさ)の追求』。

『GT』はイタリア語の『Gran Turismo(グラン ツーリスモ)』の頭文字を取ったもので、長距離を走行する旅行などに適した車のことをいいます。ちなみに、英語では『Gran Tourer(グラン ツアラー)』となります。

また、『R』は『Racing=レーシング』のこと。日産『GT-R』は、「GT」と「R」の中間をいくスポーツカーです。

「T-spec」の特徴

GT-R 2022年モデルは次の2つの特別仕様車をラインナップしています。

「Premium edition T-spec」

「Premium edition T-spec」

「Track edition engineered by NISMO T-spec」

「Track edition engineered by NISMO T-spec」

この2モデルの最も大きな違いは、サスペンションのセッティング。「プレミアム エディション」は、『GT』の部分が強調される“いなしが利いた”セッティングに、「トラック エディション」はそのトラック=競争の文字通り『R』の部分が強調された、スポーツ走行を重視したセッティングに仕上げています。

「T-spec」2モデル共通の特別仕様

ボディカラー

ミレニアムジェイド

ミレニアムジェイド

ミッドナイトパープル

ミッドナイトパープル

「T-spec」2モデル限定色「ミレニアムジェイド」と「ミッドナイトパープル」は、GT-Rファンならご存知のカラー。ミレニアムジェイドはR34 GT-R、ミッドナイトパープルはR33 GT-Rに採用されたものです。

ボディカラー

左:R33、右:R34(画像は日産自動車広報)

ボディーカラー開発裏話「夜の評価」

ボディーカラーの開発にかかわった山口氏は、GT-Rだけに行う「夜の評価」があると発表会で語っていました。

通常、ボディーカラーの開発は、紫外線の多い晴天の午前中に評価を行い、ついで北米向けの車なら北米に持っていって評価、中国向けなら中国で評価するといった流れだそうです。しかし、GT-Rは特別に、夜に水銀灯など小さい光源の下や対向車のヘッドライトにあてるなどして色の評価を行うといいます。水銀灯はサービスエリアや道路によく使われているものです。

これについて、田村氏は「絶対(評価のとき)水銀灯の下に持っていく。水銀灯の下でチェックしない色はGT-Rに塗れない」と力強く補足していました。

この話、走り好きな方にはピンときますよね。

過去モデルのボディカラーの再現は一筋縄ではいかない

過去のモデルに採用されていたボディカラーの塗料と同じものをもう一度つくって、最新型に塗ればいい、というわけではありません。

田村氏は、R34の「ベイサイドブルー」は、R35 GT-Rの2019年モデルの「ワンガンブルー」として復活しましたが、ベイサイドブルーに使用されていた溶剤は、再開発時には使えなくなってしまったため、新しく山口氏に開発してもらったと語りました。過去のボディーカラーを現在に復活させるのは、一筋縄ではいかないようです。

過去モデルのボディカラーの再現は一筋縄ではいかない

左:R34「ベイサイドブルー」、右:R35「ワンガンブルー」。R34は映画「ワイルドスピード」でブライアンが乗っていたことでも有名(画像は日産自動車広報)

また、川口氏は「以前のモデルとまったく同じ色を再現するほうが、開発に苦労した」といいます。その理由のひとつに、車の開発時の環境対策から、当時使えた揮発性の高い溶剤が今は使えず、水系の塗料に変わるなどR34の開発当時とはまったく状況が違っていると語りました。

NISMOの10Jホイールとカーボンブレーキを採用

NISMOの10Jホイールとカーボンブレーキを採用1

「Premium edition T-spec」はブロンズの専用レイズ製アルミ鍛造ホイールを採用。

「T-spec」は、GT-R NISMOに装着されるカーボンブレーキとアルミホイールが採用され、バネ下重量を約14kgの軽量化を達成しています。

また、基準車のホイールリム幅は9.5Jですが、NISMOは10Jと0.5J幅広になっています。

この点について川口氏は「タイヤの剛性が大幅に上がり、コーナリング時の修正操舵を約50%減らすことができた。また、接地性も向上した。例えば200km/hで走行中、路面の凹凸などで0.1秒間タイヤが浮いた場合、その間にGT-Rの全長4.7mより長い5.5mもの距離を進んでしまう。この間はハンドル・アクセル・ブレーキが効かなくなる、非常に危険な状態。T-specは“トラクション マスター”として、いつでもトラクションがかけられる走りとした」と語りました。

NISMOの10Jホイールとカーボンブレーキを採用2

GT-R NISMO Special edition 2022年モデル。こちらも日産グローバル本社ギャラリーで展示中(予約注文台数が予定販売台数に達したためオーダー停止中)

数々の「T-spec」専用装備

ゴールドで「トータルコーディネート」

ゴールドで「トータルコーディネート」1

ゴールドの「T-spec」バッヂ(フロント・リア)

ゴールドで「トータルコーディネート」2

ゴールドのキッキングプレート

ゴールドで「トータルコーディネート」

センターコンソールにゴールドの「T-spec」のバッジ

ゴールドで「トータルコーディネート」4

エンジンカバーもゴールド

トータルコーディネートの裏話

高温にさらされるエンジンカバーは、塗料の開発に苦労したとのこと。それも台数限定の特別仕様車でのみで使う塗料の開発とは、とてもぜいたくなことですね。

発表会でのトークセッションで山口氏は、田村氏からニコニコしながらカラーコーディネートについて「トータルでやってよ」と言ってきたので、ついその笑顔に負けて受けてしまった。しかし、開発陣は「すごく難しいことを受けたぞ」と、その後にあわてた、と回想していました。

また、山口氏は冗談めかしながら「商品企画(田村氏)のわがままで、わざわざ大変な開発をおこなった」とこぼしたところ、田村氏が「私のわがままではなくて、お客さまの声を忠実に開発に伝えた」と弁明、壇上で笑い合う一幕もありました。

カーボン製リアスポイラー

カーボン製リアスポイラー

「Premium edition T-spec」専用インテリア加飾

「Premium edition T-spec」専用インテリア加飾1

「Premium edition T-spec」専用インテリア加飾2

シート、インパネ、ルーフ内張りなどにボディカラーに合わせたステッチが施される

「Track edition engineered by NISMO T-spec」専用装備

「Track edition engineered by NISMO T-spec」専用装備

「Track edition engineered by NISMO T-spec」には、専用カーボン製ルーフ、カーボン製トランクリッド(トリムレス、本革プルストラップレス仕様)を特別装備し、軽量化が図られています。

【画像】GT-R Premium edition T-spec

「GT-R Premium edition T-spec」は2021年9月15日から、横浜みなとみらいにある日産グローバル本社の1F「NISSAN GALLERY」で、NISMO 2022年モデルと並んで展示され、一般公開されています。
【画像】GT-R Premium edition T-spec1

【画像】GT-R Premium edition T-spec2

【画像】GT-R Premium edition T-spec3

【画像】GT-R Premium edition T-spec4

【画像】GT-R Premium edition T-spec5

【画像】GT-R Premium edition T-spec6

【画像】GT-R Premium edition T-spec7

【画像】GT-R Premium edition T-spec8

【画像】GT-R Premium edition T-spec9

【画像】GT-R Premium edition T-spec10

GT-Rのコックピットはタイトではない。アイポイントも高く運転しやすい。

【画像】GT-R Premium edition T-spec11

「Premium edition T-spec」専用インテリア加飾1

【画像】GT-R Premium edition T-spec12

【画像】GT-R Premium edition T-spec13

【画像】GT-R Premium edition T-spec14

T-specのインパネはアルカンターラ張り。これにより、フロントウィンドウ内側の映りこみが大幅に軽減される。

【画像】GT-R Premium edition T-spec15

【画像】GT-R Premium edition T-spec16

GT-Rは4人乗り。後席はエマージェンシー用。後席座面と前席との間隔はとてもタイト

【画像】GT-R Premium edition T-spec16

【画像】GT-R Premium edition T-spec17

【画像】GT-R Premium edition T-spec18

【画像】GT-R Premium edition T-spec19

2ドアクーペのピュアスポーツカーにしては大容量のラゲッジスペース。これは「GT(長距離移動を目的とした車)」であることを感じる部分

「GT-R Track edition engineered by NISMO T-spec」

「GT-R Track edition engineered by NISMO T-spec」1

「GT-R Track edition engineered by NISMO T-spec」2

「GT-R Track edition engineered by NISMO T-spec」は、銀座四丁目交差点にある「NISSAN CROSSING」で2021年9月15日から展示されています。

もはや芸術品の「T-spec」は限定100台!

GT-R 2022年モデル「Premium edition T-spec」と「Track edition engineered by NISMO T-spec」は、10月下旬より販売が開始されますが、その販売台数は100台の限定とのことです。

発表会の終盤で川口氏は「1台でも多く販売したい」と語っていましたが、筆者が撮影時に立ち会っていただいた広報担当の話では、実際は厳しいかもしれないとのことでした。生産台数が限定される理由は、部品の供給をはじめとするさまざまな条件によるものと推測されます。

先に発表された、GT-R NISMO 2022年モデルはすで予約受注の段階で生産予定台数に達し、オーダー停止中となっています。「T-spec」も早い段階で限定台数に到達してしまうでしょう。
しかし、基準車(標準タイプ)の「Pure edition」「Black edition」「Premium edition」の各グレードの2022年モデルは台数限定なく販売されます。
稀少な台数ということに限らず、熟成を重ねた上に懐かしの専用カラーをまとった「T-spec」はもはや芸術品の領域に入ってしまったと思った撮影取材でした。

2つの「T-spec」を動画でもご紹介!

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