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「マツダCX-30」ちょうどいいサイズのSUVは軽快な身のこなしが最大の魅力

「マツダCX-30」ちょうどいいサイズのSUVは軽快な身のこなしが最大の魅力
「マツダCX-30」ちょうどいいサイズのSUVは軽快な身のこなしが最大の魅力

ファストバック/セダンという2つのボディを用意して2019年7月に登場したマツダ3(スリー)。このマツダ3は新世代車両構造技術、スカイアクティブビークルアーキテクチャを採用した「マツダ第7世代」と呼ばれる新世代商品群の第1弾です。そして、そのマツダ3をベースに新感覚クロスオーバーSUVに仕立てられたのが、2019年9月にデビューしたマツダCX-30。スタイリッシュなSUVとして注目のCX-30を評論家の萩原さんが公道へと連れ出しました。その試乗レポートをお届けしましょう。

 

ちょうどいい大きさのSUV

ちょうどいい大きさのSUV1

CX-30のボディサイズは全長4395mm×全幅1795mm×全高1540mm。マツダのSUVラインナップの中ではマツダ2(旧車名デミオ)ベースのCX-3よりも大きくCX-5よりは小さい、まさに都市部に多く存在する立体駐車場にベストマッチなサイズ。さらにSUVらしく175mmという最低地上高を確保しながらも地面から着座位置までの高さを最適化し、前後の席で自然な乗降性を確保する優れたパッケージングを誇ります。

ちょうどいい大きさのSUV2

外観デザインはマツダ車共通の「魂動デザイン」の哲学に基づいています。ボディ上部にスリムで伸びやかなプロポーションと下部の幅広クラッディングパネルによるSUVらしい力強さと安心感は特徴的。書道の筆遣いの動きにヒントを得たという、フロントフェンダーからリアタイヤへとスピード感ある弧を描いたショルダー部など凝った造形にもマツダらしいデザイン哲学を感じます。

3種類のエンジンをもつCX-30、今回はディーゼルの実力をチェック

3種類のエンジンをもつCX-30、今回はディーゼルの実力をチェック

CX-30に搭載されているエンジンは3種類、最高出力156ps、最大トルク199Nmを発生するスカイアクティブGと呼ばれる2L直列4気筒DOHC、最高出力116ps、最大トルク270Nmを発生するスカイアクティブDと呼ばれる2L直列4気筒ディーゼルターボ、そして最高出力180ps、最大トルク224Nmを発生するスカイアクティブX と名付けられた2L直列4気筒DOHCガソリンエンジンです。

今回試乗したのは、WLTCモードで18.4〜19.2km/Lを実現するスカイアクティブD を搭載したXDプロアクティブツーリングセレクション4WD車。マツダご自慢のクリーンディーゼルの実力を試しましょう。

広くてモダンなインテリア、視界の良さも印象的

広くてモダンなインテリア、視界の良さも印象的1

試乗車はネイビーブルー内装に黒のファブリックシートという仕様というSUVとしては珍しいカラーコーディネート、モダンで知的な世界を醸し出しています。CX-30のコクピットはドライバー中心に表示機器、操作スイッチなどを左右対称に配置されています。それらをドライバーに正対させることで、ドライバーとクルマとの一体感を強めているせいか、心地良い「包まれ感」があります。

広くてモダンなインテリア、視界の良さも印象的2

また、運転席と助手席の間隔をCX-5と同等に確保しているのも高ポイント。さらに幅広のセンターアームレスト、ドアアームレストを採用することで、快適な着座姿勢を提供しています。

広くてモダンなインテリア、視界の良さも印象的3

運転席に座って驚くのは視界の良さ。特に感心したのは、リアフェンダーに施された黒い幅広クラッディングパネルです。運転席からドアミラーで後方を確認する時にこのクラッディングパネルが折り目となっていてリアタイヤの位置が非常に確認しやすくなっています。自宅の立体駐車場に入れる際にも、非常に役立ちました。SUVらしさを強調するだけでなく、実はボディの確認のしやすさという利便性も考慮されていたのです。

ラゲッジルームの広さも十分

ラゲッジルームの広さも十分1

個人的に少し気になっていたラゲージルームの容量もチェックします。弟分であるCX-3は美しいスタイルと引き換えにラゲージ容量が350L(Bose未装着車・サブトランク含む)とベースのデミオ(現マツダ2)より容量が小さく、使い勝手が悪いということで購入に至らないケースが多かったと聞きます。

ラゲッジルームの広さも十分2

その点を反省したのか同じくスタイリッシュなCX-30ですが5人乗車時のラゲージ容量は430L(サブトランクを含む)と十分確保されていました。さらにリアシートを倒すと荷室長は最大1730Lまで拡大します。立体駐車場に対応した優れたパッケージングながら、ライバルのホンダヴェゼルの393Lを超えるラゲージ容量を確保しているのは立派です。

街中では文句なしのエンジンだが、高速では6ATが…

街中では文句なしのエンジンだが、高速では6ATが…

搭載されている1.8L直4ディーゼルターボ+6速ATはCX-3やマツダ3に搭載されているパワートレインと同じです。街中では低回転域からディーゼルらしい粘りのあるトルクのおかげで、非常にスムーズに加速します。いっぽう高速道路ではトランスミッションが6速しかないことが少々足を引っ張ります。100km/hで走行するとエンジンが2000回転近くまで回ってしまい、エンジン音も燃費も少々気になってきます。このあたりは8速ATを採用した三菱エクリプスクロスのディーゼルのようにCX-30にも8速ATが欲しいところです。

軽快な身のこなしはSUV離れしている

軽快な身のこなしはSUV離れしている

エンジン音は気になる部分はありますが、CX-30の走りはSUVとは思えないほどスムーズかつスポーティです。ドライバーのアイポイントは高いのですが、クルマ自体の重心は低いので、横方向、前後方向の無駄な揺れが非常に抑えられています。カーブを曲がる際にクルマの傾きも少なく、アクセルペダルを早めに踏むことできます。

CX-30の特筆すべき点は速度域が低くても非常に軽快で気持ちの走りを味わえることでしょう。自分の思ったとおりにクルマが動く。これはまさにマツダが唱える「人馬一体」を具現化しています。

安全装備の充実度は文句なしだがACCの制御には改良の余地あり

安全装備の充実度は文句なしだがACCの制御には改良の余地あり

安全装備の充実度はクラストップレベルですが、マツダレーダークルーズと呼ばれるACC(アダプティブクルーズコントロール)の追従走行の出来はいまひとつ。先行車に追いついて減速、そこから再加速する際にひと呼吸遅れるのは少々モヤモヤ感が残りました。このあたりは改良の早いマツダに期待しましょう。

コスパを考えると普通の2Lガソリン車がベストバイかもしれない

CX-30には今回試乗したディーゼル車のほかに、スタンダードなガソリン車とスカイアクティブXという新技術満載のガソリン車があります。スカイアクティブXには試乗していませんが、価格差を考えるとCX-30はスタンダードなガソリン車が、もしかしたらベストバイかもしれません。今回試乗したディーゼルも燃料代は安く抑えられますが、スカイアクティブX同様に車両価格がけっこう高いのが気になります。そのあたりは自分の年間走行距離や使い道を考慮してチョイスするべきでしょう。

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※記事の内容は2020年3月時点の情報で制作しています。

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