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岡崎五朗おかざきごろう

「ホンダN-ONE」軽自動車はもはや我慢して乗るクルマではない(岡崎五朗レポート)

「ホンダN-ONE」軽自動車はもはや我慢して乗るクルマではない(岡崎五朗レポート)
「ホンダN-ONE」軽自動車はもはや我慢して乗るクルマではない(岡崎五朗レポート)

外観をほとんど変えずにデビューした2代目ホンダN-ONEに岡崎五朗さんがさっそく試乗しました。N360にインスパイアされたタイムレスなデザインの内側はインテリアもエンジンも刷新され、その実力は相当高いようです。

 

外観は先代とほぼ同じ

外観は先代とほぼ同じ

いやはや、こういうフルモデルチェンジもあるものなのかと驚いた。初代のデビューから8年を経て登場した新型N-ONEの外観はほぼ旧型と同じ。それも、キープコンセプトというレベルの話ではなく真の意味で変わっていないのだ。「ほぼ」という言葉を使ったのは、ヘッドライトやリアコンビランプ、樹脂製バンパーといった部分に化粧直しを施しているためだが、前から順にボンネットフード、ルーフパネル、前後左右ドア、リアピラー&フェンダーといった鋼板を使ったパーツは完全に先代と同じものを使っている。これらは鉄板を巨大なプレス機にかけて作る部分だけに、1個に付き数千万円かかる金型製作コストは大幅に削減されたはずだ。

最初は変える気満々だったものの

最初は変える気満々だったものの

しかし、開発者に聞いてみるとケチって変えなかったのではなく、最初は変える気満々で試行錯誤したものの、結局のところ先代を超えるデザインを生みだすことができなかったのだという。本当にそうだとしたら担当デザイナーはかなりの敗北感を味わったんだろうなと思いつつ、けれども8年の歳月を経て今なお価値を保ち続けるデザインを生みだした先代はたいしたものだとも思う。

ミニやビートルのような長寿モデルを目指してほしい

ミニやビートルのような長寿モデルを目指してほしい

この話を聞いていて、何度も変える試みをしつつ結局は50年以上同じものを使い続けている「SONY」のロゴマークを思い出した。クルマの世界でいえば、1959年から2000年まで基本スタイルを変えずに生産され続けたクラシックミニや、1938年から2003年まで半世紀以上生産されたフォルクスワーゲン・ビートルのような例もある。実際、N-ONEのエクステリアデザインは依然としてとても魅力的だ。表情豊かな顔つきもいいし、なによりボディ上半身と下半身のバランスや各ピラーの位置や角度、太さが絶妙だ。これならあと8年現役を続けられるだろうなと感じるし、なんならミニやビートルに負けないぐらいの長寿モデルを目指してほしいとも思う。

新型であることをアピールする上質なインテリア

新型であることをアピールする上質なインテリア

一方、ボディ内部の隠れている部分は完全刷新されている。クルマの基本骨格であるプラットフォームは現行N-BOXに使われている最新タイプ。エンジンも刷新された。となれば走りの進化が大いに期待できるわけだが、実は走りはじめる前から新型であることを強くアピールしてくるのがインテリアだ。軽自動車と小型車の一番の違いである横方向の拡がり感の差を、ダッシュボード中段に横長のカラーパネルを配置することで視覚的にカバー。その他の部分はシンプルかつ緻密な仕上げとすることで、これが軽?と思わずにはいられない上質感を与えている。

新型であることをアピールする上質なインテリア2

新型であることをアピールする上質なインテリア3

新型であることをアピールする上質なインテリア4

新型であることをアピールする上質なインテリア5

さすがに絶対的な広さはN-BOXやN-WGNに及ばないものの、ホンダのお家芸であるセンタータンクレイアウトをはじめとする徹底的な作り込みによって、フラットで広々した足元空間と大人4人が快適に座れる広さ、抜群の使い勝手を実現した。タワーパーキングに納まる1545㎜(4WD車は1570㎜)という全高を歓迎する人も少なくないはずだ。

乗り味は軽自動車離れ、オススメはターボ、MTなら街中でスポーツできる

乗り味は軽自動車離れ、オススメはターボ、MTなら街中でスポーツできる

エンジンは自然吸気とターボの2種類。自然吸気でも街中ではそれなりに軽快な走りを見せてくれるが、10万円ちょっとの価格差ならオススメはターボだ。高速道路での快適性も上がるが、低回転域から沸き上がる豊かなトルクはゴー&ストップの多い街中でも乗りやすさを大きく引き上げてくれるし、なによりN-ONEのもっている全体的な上質感にふさわしい。さらに、ガッチリしたボディとしなやかに動く足が加わることで、N-ONEの乗り味は軽自動車離れしたレベルに達した。

乗り味は軽自動車離れ、オススメはターボ、MTなら街中でスポーツできる2

スポーツグレードのRSの6速MTバージョンも最高に楽しかった。適度なパワーとコクコクと気持ちよく決まるMT、適度に引き締まったフットワークは、わざわざワインディングロードに行かなくても街中でスポーツできる。

軽自動車として眺めると決して安価ではないけれど、中身の充実ぶりを考えればむしろお買い得感すら感じてしまう。軽自動車はもはや我慢して乗るクルマではない。

乗り味は軽自動車離れ、オススメはターボ、MTなら街中でスポーツできる3

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※記事の内容は2021年2月の情報で制作しています。

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