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初代のもっていた素晴らしさがようやく戻ってきた「ホンダステップワゴン」(岡崎五朗レポート)

初代のもっていた素晴らしさがようやく戻ってきた「ホンダステップワゴン」(岡崎五朗レポート)
初代のもっていた素晴らしさがようやく戻ってきた「ホンダステップワゴン」(岡崎五朗レポート)

ミニバンの元祖ともいえるホンダステップワゴンが6代目へとフルモデルチェンジを行いました。乗用車としてのミニバンの地位を確立したステップワゴンも、最近はトヨタノア/ヴォクシーや日産セレナとの差別化に苦しんできました。しかし新型はシンプルな上質感を打ち出し、その存在感は非常に高くなったようです。岡崎五朗さんの試乗レポートをお届けしましょう。

初代ステップワゴンこそ、ミニバンが乗用車として歩み始めた第一歩

初代ステップワゴンこそ、ミニバンが乗用車として歩み始めた第一歩

こちらは最上級となるスパーダプレミアムライン

6代目となる新型ステップワゴンを見た瞬間、先祖返りだなと感じた。と同時に、初代のもっていた素晴らしさがようやく戻ってきてくれたなと嬉しい気持ちになった。

まずは時計を巻き戻し、初代ステップワゴンを思い出してみたい。初代ステップワゴンが登場したのは96年。もう四半世紀も前のことだが、ステップワゴンが提示した「FFレイアウトの低床フラットフロアをもつ3列シートミニバン」という形式はその後トヨタや日産も追随し、すっかり定番になった。

初代ステップワゴンこそ、ミニバンが乗用車として歩み始めた第一歩 -2

1996年に登場した初代ステップワゴンがミニバンブームを巻き起こした

ステップワゴン以前のミニバン(当時はワンボックスカーと呼ばれていた)は商用車から派生したキャブオーバー型が主流で、フロアは高く、走行性能は低く、なによりエンジンの出っ張りが車内にあったためウォークスルーができなかった。唯一初代エスティマがエンジンを寝かせて搭載するというウルトラCを使ってウォークスルーを実現していたものの、ホンダはすでに乗用車で普及していたシンプルなFFレイアウトを利用することでウォークスルーを実現させた。まさにコロンブスの卵的発想である。それは同時に、ミニバンが商用車派生から抜け出し、乗用車として歩み始めた第一歩でもあった。

創造は得意でも継承が苦手なホンダ

創造は得意でも継承が苦手なホンダ

僕自身、当時二人目の子供が生まれたこともあり初代ステップワゴンを購入。近所への買い物から週末のお出かけまで大活躍してくれた。広い室内、スライドドア、ウォークスルーの3点セットは子育て世代との相性抜群だ。しかし、創造は得意でも継承が苦手なホンダは、3代目で何を血迷ったかダウンサイジングを実施。ボディサイドに稲妻のようなラインを入れたスポーティー路線へと舵を切る。いやいやミニバンにそんなの求めてないから、ということでライバルたちにシェアを奪われ、4代目はオーソドックス路線に、5代目ではわくわくゲートという新提案をしてきたものの、ライバルとの差別性という点で少々弱かった。

レンジローバーを参考にした上質な道具感

レンジローバーを参考にした上質な道具感

左がAIR、右がスパーダ

その点、新型ステップワゴンはまずデザイン面で強くアピールしてくる。シンプルなAIRと、スポーティーなSPADAの2タイプを用意するが、僕が気に入ったのは断然AIRのほう。最近のミニバンはオラオラ顔が流行だが、AIRはとても端正な顔つきをしている。初代の魅力だった上質な道具感が戻ってきたといった印象だ。

レンジローバーを参考にした上質な道具感-2

とはいえ、シンプルなだけで終わっていないのが素晴らしいところ。写真ではなかなか伝わりづらいと思うが、プロポーションや面の張りといった「造形」のレベルが驚くほど高いため、単なる箱で終わっていない。デザイン要素の少ない箱形ボディなのに、実車を前にすると、プレミアムとまでは言わないが、得も言われぬ上質感が伝わってくるのだ。開発者によると、高級車と並んでも負けない質感を狙ったとのこと。そして、レンジローバーを参考にしたとこっそり教えてくれた。たしかに、極限までデザイン要素を排除しつつ上質感を演出するあたりはレンジローバーと共通している。

AIRにも同等の装備を与えて欲しい

AIRにも同等の装備を与えて欲しい

AIRにも同等の装備を与えて欲しい-2

AIRにも同等の装備を与えて欲しい-3

AIRにも同等の装備を与えて欲しい-4

AIRにも同等の装備を与えて欲しい-5

ただし、現状の販売比率は85%がSPADAで、AIRは15%にとどまっているという。ミニバンユーザーにはちょっと強めの顔を好む人が多いのだろうが、加えて、パワーバックドアや2列目シートのオットマン、シートヒーターといった装備がAIRでは選べないのも販売に響いていると思う。せっかく二つの個性を用意したのだから、同等の装備を与えて欲しいと切に思う。

感心する静粛性の高さ、乗り心地とハンドリングも確実に進化

感心する静粛性の高さ、乗り心地とハンドリングも確実に進化

試乗したのはハイブリッド。必要にして十分な動力性能に加え、感心したのが静粛性の高さだ。モーターのみで走っているときだけでなく、エンジンがかかったときのノイズも明らかに小さくなっている。車体側の遮音性能向上に加え、エンジン自体にも改良を施した成果がはっきりと現れている。

感心する静粛性の高さ、乗り心地とハンドリングも確実に進化-2

プラットフォームは先代をベースに改良を加えたもので、荒れた路面での突き上げ遮断などは新プラットフォームを採用してきたノア/ヴォクシーにわずかに及ばないが、先代オーナーが試乗したら乗り心地とハンドリングが確実に進化していることに気付くだろう。

パッケージングは最高!

パッケージングは最高!

パッケージングは最高!だ。新型は全長を4,800㎜(SPADAは4,830㎜)、全幅を1,750㎜まで拡大し3ナンバー専用になったが、そのゆとりを効果的に利用するべくセカンドシートにはロングスライド機構を採用。また、ワンタッチで床下に収納できるサードシートの出来映えも秀逸だ。

パッケージングは最高!-2

オラオラ顔で人気を集めているノア/ヴォクシーへのアンチテーゼとして、シンプルな上質感を打ち出してきた新型ステップワゴンの存在感は高い(それだけにAIRの装備レベルが残念なのだが)。来年早々に登場すると噂の次期セレナとともに、このジャンルはますます面白く、そしてますます競争が激化していきそうだ。

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※記事の内容は2022年9月時点の情報で制作しています。

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