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島崎七生人しまざきなおと

【公道試乗】ホンダ「WR-V」昔のドイツ車を思わせるような味わい、安さだけの車ではない(島崎七生人レポート)

【公道試乗】ホンダ「WR-V」昔のドイツ車を思わせるような味わい、安さだけの車ではない(島崎七生人レポート)
【公道試乗】ホンダ「WR-V」昔のドイツ車を思わせるような味わい、安さだけの車ではない(島崎七生人レポート)

2024年3月22日に正式発売となったコンパクトSUVの新顔・ホンダ「WR-V」。昨年12月11日からの先行受注台数はおよそ1万台と、好調な滑り出しをみせています。209万8800円〜248万9300円という戦略的な価格もさることながら、その走りも驚くほど高いレベルでまとまっているようです。島崎七生人さんの公道試乗記をお届けしましょう。

ずっと前から乗り慣れた自分の家のクルマのようだ

ずっと前から乗り慣れた自分の家のクルマのようだ

ホンダの本社ビルがある青山一丁目の交差点を起点に、外苑東通りからそのまま環状3号に進み、かつて“青デニ”があった場所やWESTの前あたりで左寄りの車線へ。そのまま六本木トンネルに進入し、六本木ヒルズ・テレ朝横の右カーブを通過後、鳥居坂下信号、麻布十番を抜け新一ノ橋の交差点を横切り、赤羽橋の交差点に向かい東京タワーを横目に越えれば、その先で日比谷通りと交わる“芝公園グランド前”の信号に到達する。ここまで青山一丁目の交差点から距離にして3.7km足らず。だが大部分は昼夜問わず日常的に、路肩の駐車車両でしばしば通行が妨げられたり、思いのままの動線をとるタクシー、営業車、高級車などをかわしたり……と、普段から走るにはなかなか気が抜けない通りのひとつだ。

ずっと前から乗り慣れた自分の家のクルマのようだ

……と、ここまで一体何の話が始まったのか??と思われたかも知れないが、一例として、そんな経験的にもいつも混んでいるに決まっている都内の道でも、WR-Vは、こともなげにごくスムースに走らせることができたのである。しかもずっと前から乗り慣れた自分の家のクルマのように。一般公道の初試乗でこれだけストレスなく走らせられるクルマはなかなかない。

車両感覚の掴みやすさとスッキリとした視界の良さ

車両感覚の掴みやすさとスッキリとした視界の良さ

WR-Vに乗って何をおいてもまず実感するのは、車両感覚の掴みやすさとスッキリとした視界の良さだ。もともと全長は4325mm、全幅は1800mmを切る1790mmとコンパクトだが、大き過ぎず小さ過ぎないボディサイズは、まさに手の内にあるといったところ。その上で眼前に見えるエンジンフードの左右がかつてのレンジローバーと同じ要領で前方まで水平に伸ばされ、無意識のうちにコーナーマーカー代わりに認識できる点は車両感覚の掴みやすさに実は大きく貢献している。また最近のホンダ車の美点でAピラーがいたずらに寝かされ過ぎず、かつAピラーの付け根が手前に寄せられていることから、フロントガラス越しの視界も開けている。さらにはベルトラインが水平のサイドウインドゥ越しの視界のよさと相まって、WR-Vの視界のよさは、さり気なくレベルが高い。

車両感覚の掴みやすさとスッキリとした視界の良さ

16インチタイヤ+スチールホイールの「X」

車両感覚の掴みやすさとスッキリとした視界の良さ

17インチタイヤ+アルミホイールの「Z+」

もちろん穏やかな乗り味、ステアリングフィールの自然さは、文字どおりクルマとの“親密感”を実現している要素。とくに乗り味は、下半身の重量を活かしたタオッ!と心地いいタッチである点に好感が持てた。今回は16インチタイヤ(スチールホイール)のXと17インチタイヤ(アルミホイール)のZ+の2グレードの試乗が叶ったが、以前の取材で開発責任者の金子LPLが「(タイヤサイズの違いで)そんなに大きな違いはない」と話していたとおり、乗り較べても、タイヤ自体の銘柄違い(16インチはグッドイヤー、17インチはブリヂストンだった)によるロードノイズの立ち方、アタリのしなやかさに多少の差は認められたものの(17インチのほうが全体のバランスが好印象)、どちらかが極端に劣って感じたりしない。

ステアリング操作に対してクルマの挙動がごく素直

ステアリング操作に対してクルマの挙動がごく素直

日本仕様では「寒冷地も走るために、EPSのソフトウェアを若干だけ低速域を重めにセッティングしている」(パワートレーン・車体研究開発責任者・平村 亘さん)のだそうで、ステアリングフィールも同様で、どうやらWR-Vとしてのひとつの設計値に合わせ込む作り方になっているようだ。足回りそのものは「日本仕様は一部に錆付き対応の塗装などはしているが、基本的に(グローバルで)まったく同じ」(平村さん)なのだそうだ。

ステアリング操作に対してクルマの挙動がごく素直

パワートレーン・車体研究開発責任者の平村 亘さん

ちなみにステアリングについては「ヴェゼルがバリアブルレシオのVGRを入れているのに対して、WR-VはコンベンショナルなCGRとし、ステアリングを切った分だけ素直に曲がるようにした」(平村さん)という。なるほど、普通に走らせていてステアリング操作に対してクルマの挙動がごく素直な昔のドイツ車を思わせるような味わいはそういうことか、と納得した次第。

キレ味のいい動力性能、雑味のないエンジン音

キレ味のいい動力性能、雑味のないエンジン音

キレ味のいい動力性能、雑味のないエンジン音

 

一方でパワートレーンは、VTEC機構付きの1.5Lに専用設計のCVTの組み合わせ。スペックは118ps/14.5kg-mとした上で、CVTに関してはアクセル操作に対する加速度の立ち上がりがリニアで、必要に応じてアクセルを全開にした際には、まるでギヤシフトをしているかのようなステップアップシフト制御も実行される。こうしたことで、CVTらしさをほとんど感じることなく、キレ味のいい動力性能を味わえるところが魅力。雑味のないエンジン音もいい。

人はゆったり、荷物もタップリの実用性の高さ

人はゆったり、荷物もタップリの実用性の高さ

人はゆったり、荷物もタップリの実用性の高さ

人はゆったり、荷物もタップリの実用性の高さ

そしてWR-Vの魅力として外せないのが、実用性の高さだ。“CM上の演出です”と断わり書きを入れながらも巨大なヌイグルミやピザの箱を載せてスーパーから意気揚々と走り出すシーンがTV-CMでは描かれているが、人もゆったりと乗れ、荷物もタップリと積み込める見かけ以上の包容力はWR-Vならではだ。

人はゆったり、荷物もタップリの実用性の高さ

なかでも後席は、言い訳なしの広いドア開口をもち、乗降性のよさは上級クラスを凌ぐほど。「車体部品はフロントまわりにアジア市場向けのシティ、リアは同じくアジア市場向けの3列シートのBR-Vのそれを使い合体させたもの。その後ろに荷物もたっぷり載せられるようにした。日本は核家族がほとんどだが、たとえばインドでは家族の人数が多く、広い国土を片道6時間、7時間とかけての移動も普通」(平村さん)といい、実用車として、グローバル市場を見据えた良き素性が活かされてこその出来栄えだといっていいだろう。

人はゆったり、荷物もタップリの実用性の高さ

それともうひとつ、スタイルの良さも見逃せない。「フロントからリアにかけて“軸が通った”デザイン」とはWR-Vの担当デザイナーの説明だが、水平基調で厚みのあるノーズと、いかにも堅牢そうなキャビンが一体化したWR-Vの外観スタイルは、見るからに安心感、信頼感が感じられ、実に心強い。その上で余分に飾り立てない実直さも長く愛用できそう……と思わせられる。

他車と迷っている場合ではないのかも

車と迷っている場合ではないのかも

今年3月22日にいよいよ正式発売となったWR-V。昨年12月11日からの先行受注台数はおよそ1万台と、すでに好調な滑り出しをみせているようだ。「本質を追求した」とはWR-Vの開発をとりまとめた金子LPLの言葉だが、悔しいが(別に悔しがる必要はないが)そのとおりに出来たクルマだと、思った。しかも209万8800円〜248万9300円と手の届きやすいプライスで提供されるのだから、これはもう他車と迷っている場合ではないのかもしれない。

 

(写真:島崎七生人)

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※記事の内容は2024年4月時点の情報で制作しています。

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