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岡崎五朗おかざきごろう

「日産スカイライン」伝統への回帰、先端への挑戦(岡崎五朗レポート)

「日産スカイライン」伝統への回帰、先端への挑戦(岡崎五朗レポート)
「日産スカイライン」伝統への回帰、先端への挑戦(岡崎五朗レポート)

この記事は、 4 分で読めます。

スカイラインの日産バッジが意味すること

スカイラインに3年ぶりに日産バッジが戻ってきた。と書くと「?」と思う人も多いだろう。当然だ。われわれ日本人にとってスカイラインが日産車であることなど当たり前である。けれど、2016年に現行モデルがデビューしたとき、実はそのボディに日産バッジは付いていなかった。別の自動車メーカーからヘッドハントされてきた外国人役員の鶴の一声で用意されていた日産バッジは棚に戻され、代わりにインフィニティのバッジが付けられたからだ。

元々現行スカイラインは海外ではインフィニティQ50として販売されることになっていた

元々現行スカイラインは海外ではインフィニティQ50として販売されることになっていた。しかしその役員は「日本を訪れた外国人が格下の日産バッジを付けたスカイラインを見たらQ50の価値が下がるじゃないか!」という暴論を振りかざし、半ば強引にバッジの付け替えを決めてしまった。この一件だけでも日産が置かれていた異常な状況が理解できるだろう。

ゴーン氏がやってきて傾いていた経営を立て直したまではよかった

ゴーン氏がやってきて傾いていた経営を立て直したまではよかった。けれど、カネ勘定には長けているが日産愛もスカイライン愛もない人たちが長きにわたって支配してきた結果、スカイラインは妙なポジションに追いやられ、他の車種も投資抑制のためモデルチェンジが行われず、販売する車種も極端に絞られ、日本だけでなく世界販売も急速に落ち込むことになった。

そういう意味で、ゴーン氏が去ったタイミングでスカイラインに再び日産バッジが戻ってきたのは象徴的な出来事といえる。が、バッジが戻ってきただけでは意味がない。

 

ハンズオフ運転の制御はお見事!

ハンズオフ運転の制御はお見事!

新型スカイライン最大のセールスポイントは、ハンズオフ=手放しを可能としたプロパイロット2.0だ。BMWも3シリーズなどにハンズオフを採用しているが、あちらは60km/h以下での作動に限定されているため、渋滞時にしか使えない。その点、プロパイロット2.0は制限速度プラス10km/hまで設定できるため、「中央分離帯のある自動車専用道路」かつ「ナビゲーションで設定したルート上を走行中」という条件を満たせばハンズオフ運転を常用できる。これは大きなアドバンテージだ。

実際に試してみたが、カメラやセンサーに加え3Dデジタル詳細マップも使った制御はお見事!のひと言

実際に試してみたが、カメラやセンサーに加え3Dデジタル詳細マップも使った制御はお見事!のひと言。車線の中央をブレることなく完璧にトレースしてみせる。最初は疑心暗鬼だったが、あまりの運転の上手さに15分後ぐらいには鼻歌交じりで手放し運転を楽しんでいた。まあ、楽しむといっても、ラクをさせてもらっているという感覚のほうが強いが。

 

手は放しても目は離せない

手は放しても目は離せない

注意したいのは、手放しはOKでも目を離すのはNGということ。安楽さにつられてスマホをいじったりよそ見をしたり居眠りをしたりしないよう、ダッシュボード上にはドライバーを観察するモニターが付いていて、目を離すと警告を出すしくみになっている。きちんと前を見て、不測の事態が起こったら直ちにブレーキを踏むなりステアリングを切るなりして危険を回避するのはドライバーの役目。ハンズオフだからといってクルマ任せでいいということではなく、事故が起きた際の責任は依然として100%ドライバー側にある。

意外とターボモデルが売れている

意外とターボモデルが売れている

プロパイロット2.0が搭載されるのは3.5LV6ハイブリッドモデルのみ。ハイブリッドといってもかなりスポーティーに走ってくれるが、生粋のスポーツセダンを手に入れたい人には3LV6ターボも用意されている。また、3LV6ターボには最高出力を405psまで高めた400Rというグレードも用意されていて、かなりの人気を博しているという。

高い実力、割安な価格、そしてスカイラインの神通力

高い実力、割安な価格、そしてスカイラインの神通力

残念ながら400R には試乗できていないのだが、304psの3LV6ターボでも、ハイブリッドより100kg以上軽いウェイトを活かしてかなりスポーティーに走ってくれる。フットワークに関しては、ライバルのレクサスISに勝るとも劣らない実力の持ち主。加えて435万円という価格の安さも手伝って、20代や30代といった若年層の購入も目立つという。一部の若い人からはオワコンともいわれているセダンだが、なかなかどうして捨てたもんじゃない。やはりスカイラインというブランドにはまだまだ神通力が残っているようだ。

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※2019年11月の情報で制作しています。

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