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岡崎五朗おかざきごろう

若い人にも似合う、それこそが新しい価値「トヨタクラウン・クロスオーバー」(岡崎五朗レポート)

若い人にも似合う、それこそが新しい価値「トヨタクラウン・クロスオーバー」(岡崎五朗レポート)
若い人にも似合う、それこそが新しい価値「トヨタクラウン・クロスオーバー」(岡崎五朗レポート)

トヨタのみならず日本を代表する高級セダンのクラウンが新型に切り替わりました。クロスオーバー、スポーツ、セダン、エステートと4つのバリエーションを持ち、大胆に生まれ変わった新型クラウン。まずはその先兵たるクロスオーバーを岡崎五朗さんが試しました。

新しいモデルとして眺めれば、これはこれであり

新しいモデルとして眺めれば、これはこれであり

これがクラウン?!多くの方はきっとまだピンと来ていないと思う。僕もそうだった。しかし発表会や事前取材会で何度か目にしているうち、少しずつ目が馴染んでいき、今では結構カッコいいねと思うようになった。もちろん、気に入るか気に入らないかは人それぞれだが、少なくとも僕は気に入ったということだ。

新しいモデルとして眺めれば、これはこれであり

セダンスタイルに21インチ大径タイヤとブラックのフェンダーアーチモールを組み合わせることで、適度なSUVテイストを感じさせるあたりはとても新鮮。大胆に傾斜したルーフラインや、リアフェンダー回りの肉感的な形状はとてもスポーティーだ。それでもモヤモヤが消えなければ、正統派セダンの代名詞的存在だった従来のクラウンとの繋がりをいったん脳内で断ち切ってみるといい。

新しいモデルとして眺めれば、これはこれであり

(写真:トヨタ自動車)

新しいモデルとして眺めれば、これはこれであり

(写真:トヨタ自動車)

まったくの新しいモデルとして眺めれば、これはこれでありだよねと思えてくるのではないだろうか。とくに、2トーンではないホワイト色は眼に馴染みやすい。実際、初期受注ではホワイトがいちばん売れているという。

たとえカローラがなくなってもクラウンは絶対に残す

たとえカローラがなくなってもクラウンは絶対に残す

たとえカローラがなくなってもクラウンは絶対に残す

たとえカローラがなくなってもクラウンは絶対に残す

たとえカローラがなくなってもクラウンは絶対に残す

だったらどうしてわざわざクラウンという名前を残したのか?という疑問もあるが、そもそもトヨタのなかでクラウンという名前をなくすというのは議論にもならなかったという。「なるほど、クラウンとカローラはトヨタにとって重要モデルですもんね」と言うと、「いえ、たとえカローラがなくなってもクラウンは絶対に残します」という答えが返ってきた。そのくらい、クラウンは絶対的な存在ということだ。そういう前提のうえで、人気が低迷傾向にあるクラウンをどうしたら復活させることができるのか、その答えがこのクラウン・クロスオーバーであり、また今後登場するスポーツ、セダン、エステートというクラウンシリーズなのだ。

自由な発想で作られたモダンでカジュアルなクラウン

自由な発想で作られたモダンでカジュアルなクラウン

そもそも、僕らが考えるクラウンらしさ=端正なセダンというのは、74年に登場した5代目クラウン以降の話であって、それ以前のクラウンはもっと自由なクルマだった。とくに「くじらクラウン」と呼ばれた4代目はモダンでカジュアルなデザインに身を纏い、当時の若者たちは憧れの対象として見ていたという。品質問題もあり販売成績は振るわなかったが、間違いなく4代目クラウンは意欲作だった。幼心に4代目クラウンを覚えている僕からすると、自由な発想で作られたモダンでカジュアルなクラウンが、半世紀近くたってようやく戻ってきてくれたように感じる。

自由な発想で作られたモダンでカジュアルなクラウン

正直、これまでのクラウンを僕は自分事として感じられなかった。豪華だなとか静かで乗り心地がいいなとは思ったが、似合うのは休日にもジーンズなど絶対にはかない昭和のオジサンであって自分のクルマではないなと思っていた。けれど今度のクラウンは違う。買えば自分も満足できるだろうし、同時に免許をとった息子や娘が乗ってもそれなりに似合いそうだ。これまでの白くて四角くて豪華なクラウンを子供たちが運転していたらそれこそ借り物にしか見えなかったが、クラウン・クロスオーバーは若い人にも似合う。この部分こそがクラウン・クロスオーバーの新しい価値であり、またトヨタがクラウンに与えたかった持続可能性のキーとなる部分なのだ。

クラウンらしさはしっかり残っている

クラウンらしさはしっかり残っている

クラウン・クロスオーバーのハードウェアで特徴的なのは、長年使ってきたFRプラットフォームから、FFプラットフォームへの変更だが、FFモデルは存在せず、全車4輪駆動となる。2.4Lターボと新型ハイブリッドを組み合わせたスポーツモデルもあるが、今回試乗したのは2.5L直4に従来のハイブリッドを組み合わせたモデル。一新したプラットフォームでクラウンらしさをどれだけ出せているかが興味の対象だったが、結論からいうとクラウンらしさはしっかり残っている。走り出しのタイヤのひと転がりから滑らかさを感じるし、静粛性も優秀。そして高速道路では頼もしい直進性を、ワインディングロードでは狙ったラインを素直にトレースする素直なハンドリングを示す。動力性能を含め、クラウンと名乗るのに相応しい出来映えだ。

粗っぽさがあるのは否めないが、しかし…

粗っぽさがあるのは否めないが、しかし…

(写真:トヨタ自動車)

ただし、従来のクラウン、とくに先々代のロイヤル系から乗り換えた人は、段差での突き上げが大きめだなとか、エンジンを回していったときに振動が少し気になるな、と感じるかもしれない。静粛性も乗り心地も、このダイナミックな外観から想像する以上のレベルを確保しているが、操縦安定性は割り切って快適性にだけ全振りしたロイヤル系を基準にすると、粗っぽさがあるのは否めない。

粗っぽさがあるのは否めないが、しかし…

おそらく、大多数の人はクラウン・クロスオーバーの快適性に満足するだろうが、クラウンと名乗る以上は、ロイヤル系ユーザーをも唸らせる乗り心地と静粛性を実現して欲しかったなとも思う。ということを試乗会のときに開発者に伝えたところ、テストコースから出て一般道を走った結果、開発チーム内にも同様の話が出ていて、さっそく改善に取り組みはじめたという。そしてその改善は1号車の納車に間に合うよう急ピッチで進めているとも。

粗っぽさがあるのは否めないが、しかし…

このあたりの即応性が最近のトヨタの強みのひとつだが、それ以上に、看板モデル中の看板モデルであるクラウンをこれほど大胆に変えてこられる思い切りのよさこそが、最近のトヨタの好調を支えているのだと感じた。

(特記以外の写真:馬弓良輔)

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※記事の内容は2022年9月時点の情報で制作しています。

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