寄稿記事(上級者向け)
モータージャーナリスト
萩原文博はぎはらふみひろ

「トヨタクラウン」さらに進化していた最新モデル。高級セダン日本代表はこれが最後なのか?(萩原文博レポート)

「トヨタクラウン」さらに進化していた最新モデル。高級セダン日本代表はこれが最後なのか?(萩原文博レポート)
クラウン

次期型を巡って様々な噂の絶えないトヨタクラウン。メーカーからの正式発表はありませんが、FRの高級セダンとしてのクラウンはもしかしたら現行型が最後になる可能性も否定しきれません。そんな折、昨年11月に一部変更を受けたばかりの最新モデルに萩原文博さんが試乗しました。登場から3年、最新版クラウンの出来栄えやいかに!

昨年11月の一部改良で内外装の質感がアップ

昨年11月の一部改良で内外装の質感がアップ

かつては、「いつかはクラウン」と言われ多くの人が憧れる存在だったのが、高級セダンのトヨタクラウンです。セダン人気が凋落し、最近は次期型クラウンがSUVになるのでは?!という噂が立つほどです。現行型クラウンは2018年6月に登場。そして2020年11月に一部改良を行い、内外装の質感を高めています。今回、そのクラウンの最新モデルに試乗することができましたので、インプレッションを紹介しましょう。

2020年11月に行った一部改良の内容は、まず内外装の質感向上が挙げられます。RSアドバンス、RSアドバンスFour、G、G Fourグレードへの本革シートの採用拡大をはじめ、RSアドバンス、RSアドバンスFourは専用のスパッタリング塗装の18インチアルミホイールなどの装備を充実、プレシャスホワイトパール、プレシャスメタリック、そしてエモーショナルレッドIIという3色のボディカラーを追加しています。インテリアでも12.3インチTFTタッチワイドパネルを採用したTコネクト SDナビゲーションシステムを搭載しています。

10012_クラウン

先進安全装備も最新版にアップデート、高齢者に嬉しい機能も追加

先進安全装備も最新版にアップデート、高齢者に嬉しい機能も追加1

「安全・安心」機能も2年半分以上の進化をしています。予防安全パッケージの「トヨタセーフティセンス」は先進機能を付与し機能がさらに向上。体調急変などドライバーの無操作状態が継続している場合、徐々に車両を減速させ自車線内に停車することで早期救命救急をサポートする「ドライバー異常時対応システム」をトヨタブランドとして初めて採用しました。「レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)」にはAI技術により前方カーブの大きさを推定しステアリングの切り始めで速度抑制を開始する“カーブ速度抑制機能”を追加。

先進安全装備も最新版にアップデート、高齢者に嬉しい機能も追加2

また、歩行者(昼夜)および自転車運転者(昼)に対応し、衝突回避または被害軽減に寄与する「プリクラッシュセーフティ」は、交差点右折時の対向直進車、ならびに右左折時の対向方向から横断してきた歩行者も検知可能な最新タイプとなりました。さらに低速時、自車直前の歩行者や自転車運転者、車両を検知し加速を抑制する“低速時加速抑制機能”と、緊急時のドライバー回避操舵をきっかけに操舵をアシストする“緊急時操舵回避支援機能”も追加されています。

先進安全装備も最新版にアップデート、高齢者に嬉しい機能も追加3

また、販売店装着オプションとして、障害物の有無にかかわらず、アクセルの踏み間違いを検知すると加速を抑制する「プラスサポート」を設定しました。この機能は特定のキーでドアを解錠し、エンジンをスタートさせると作動するシステムで、特に高齢者に向けた装備と言えます。

安く手に入れる

見た目の変更点は少ない

見た目の変更点は少ない

今回試乗したのは、2.5Lハイブリッドシステムを搭載したRSアドバンスの2WD車で車両本体価格は597万9000円となっています。

一部改良したクラウンRSアドバンスの外観はスパッタリング塗装の18インチアルミホイールが装着され、新設定された5万5000円の有償色プレシャスホワイトパールのボディカラーをまといますが、一部改良前のモデルとの違いはそれほど多くはありません。

クラウンリース

肝いりだったダブルディスプレイを廃止した理由

肝いりだったダブルディスプレイを廃止した理由1

肝いりだったダブルディスプレイを廃止した理由2

肝いりだったダブルディスプレイを廃止した理由3

しかし、内装は大きく変わりました。登場当初、クラウンのインストルメントパネルは運転中でも見やすい遠方配置の8インチディスプレイと、操作性を考慮し手前側に配置した7インチディスプレイの2つを連携させた新開発のダブルディスプレイを採用。2画面化を活かして、インストルメントパネル上面を低く抑えることで、圧迫感のない開放的な空間創出をしたことを強くアピールしていました。

肝いりだったダブルディスプレイを廃止した理由4

センターのダブルディスプレイが特徴の登場当初のインパネ

肝いりだったダブルディスプレイを廃止した理由4

ナビ画面やエアコン操作部に大手術が施された最新モデルのインパネ

しかしこの肝いりだったダブルディスプレイは今回の一部改良でなんと廃止され、センターパネルはエアコンの操作パネルが独立、ナビ画面は12.3インチのタッチワイドディスプレイへと変更されました。クラウンの購入年齢層にとって頻繁に使用するエアコンの操作が一部改良前のタッチパネル式では操作しにくいということだったのでしょう。

肝いりだったダブルディスプレイを廃止した理由6

インストルメントパネルのデザインを大幅に変更するというのは、見た目以上にお金がかかります。マイナーチェンジではない一部改良のタイミングで早急に対応しなければならないほどユーザーの声が多かったのだと思われます。

試乗したRSは走りを磨いた仕様

試乗したRSは走りを磨いた仕様

現行型クラウンの外観デザインは6ライトウィンドウと呼ばれるファストバックスタイルの流麗なサイドシルエットを採用するなど、大きく様変わりしました。そして走りの面でもトヨタのクルマ構造改革である“TNGA”を採用。クルマを基礎から作り直しています。走らせてみると、これまでのクラウンのイメージが一掃されます。

さらに試乗したRS仕様は専用フロントスタビライザーによりロール剛性を向上させていることに加えて、リニアソレノイド式AVSを採用することで、大きな入力が入っても適切な減衰力を瞬時に発生させ、余分な動きを抑えています。またリアスポイラーの装着によりダウンフォースを確保し、高速安定性を向上させるなど専用のパフォーマンスアップアイテムを装着したスポーティな仕様です。

RSはまるでBMWのようだ

RSはまるでBMWのようだ

クラウンというと、柔らかな乗り味が特徴でした。しかし今回試乗した2.5ハイブリッドRSアドバンスは、ドイツ車のプレミアムブランドであるBMWを強く意識した乗り味となっています。ハンドル操作に対してタイムラグのない動きやクルマの無駄な動きをできるだけ排除した高い走行安定性が印象的です。路面からの入力に対して、素早い収束を実現するなど、これまでのクラウンの乗り味とは大きく異なっています。様々な意見があるとは思いますが、個人的にはRSアドバンスのこの芯のある乗り味は歓迎です。この乗り味はちょっとという方は、標準系のSやG、ラグジュアリーモデルのG-エグゼクティブをチョイスすると良いでしょう。

高級車が多様化した時代だからこそ、クラウンには日本代表セダンでいてほしい

高級車が多様化した時代だからこそ、クラウンには日本代表セダンでいてほしい

低重心を活かした素晴らしいハンドリングと走行安定性はセダンならではの乗り味です。しかし、高級車というカテゴリーにおいては今やアルファードのような選択肢もあるでしょう。世界的にはSUVの存在感も高まるばかりです。ユーザーのニーズが多様化した現在、クラウンがセダンにこだわる理由は薄れつつあるのかもしれません。とは言っても、やはりクラウンは日本の高級セダンの代名詞。個人的には次期クラウンもセダンで登場してもらいたいと思っています。

※記事の内容は2021年6月時点の情報で制作しています。

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