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萩原文博はぎはらふみひろ

「トヨタルーミーvsスズキソリオ比較試乗!」人気急上昇のハイトワゴン系コンパクトカーはどちらが買いか?(萩原文博レポート)

「トヨタルーミーvsスズキソリオ比較試乗!」人気急上昇のハイトワゴン系コンパクトカーはどちらが買いか?(萩原文博レポート)
「トヨタルーミーvsスズキソリオ比較試乗!」人気急上昇のハイトワゴン系コンパクトカーはどちらが買いか?(萩原文博レポート)

2020年2月にフルモデルチェンジしたスズキソリオの販売が好調です。3月にはランキング12位、4月には10位まで順位を上げ、販売力が強いとは言えないスズキ車としては驚きの快進撃を続けています。一方、トヨタルーミーも昨年秋のマイナーチェンジで兄弟車のタンクを統合したこともあって、ここ最近はランキングTOP5の常連となりました。この2台は軽自動車で人気のスーパーハイトワゴンと同様に、背が高くリアスライドドアを持つのでハイトワゴン系コンパクトカーに分類されますが、今やホンダフィットや日産ノートなどのハッチバック系を押し除けてコンパクトカーの売れ筋となった印象があります。人気上昇中のこの2台、果たしてどちらを選ぶのが正解なのでしょうか。萩原文博さんの試乗レポートをお届けしましょう。

今やコンパクトカーの主流もハイトワゴン系

今やコンパクトカーの主流もハイトワゴン系1

2010年に登場した2代目ソリオ

現在、軽自動車で主力モデルとなっているのが、スーパーハイトワゴンと呼ばれるカテゴリーです。かつては“ママワゴン”と呼ばれ、ボディサイズに制約のある軽自動車枠いっぱいのサイズの中に広くて利便性の高い室内空間を確保。さらに両側スライドドアを採用し、誰でも乗り降りしやすいユーザーフレンドリーさが特徴です。ホンダN-BOXをはじめ、スズキスペーシア、ダイハツタント、日産ルークスなどが該当します。

今やコンパクトカーの主流もハイトワゴン系2

2015年に登場した3代目ソリオ(写真はバンディット)

しかし、軽スーパーハイトワゴンは人気ですが、小型車のハイトワゴン市場は目立つものではありませんでした。そのマーケットに風穴を開けたのが、スズキソリオです。初代モデルは軽自動車ワゴンRの派生モデルでしたが、2010年に登場した2代目モデルは専用のプラットフォームを採用し、リアに両側スライドドアを搭載。さらに多彩なシートアレンジができる広い室内空間を実現しています。

4月はルーミーが2位、ソリオが10位にランクイン

このソリオの登場によりコンパクトハイトワゴン市場が活性化しました。ソリオがほぼ独占していたコンパクトハイトワゴン市場に、2016年11月に導入されたのが、トヨタルーミー&タンクです。ニッチと思われていたコンパクトハイトワゴン市場はルーミー&タンクの導入で大きく拡大。最新の2021年4月の新車販売台数は、ルーミーが1万2161台で第2位、ソリオが4966台で第10位となっています。そこで、今回はコンパクトハイトワゴン市場で人気を二分するトヨタルーミーとスズキソリオを比較してみましょう。

「1LD-CAR」がコンセプトのルーミー

「1LD-CAR」がコンセプトのルーミー1

2021年4月の新車販売台数が1万2161台とヤリスに次ぐ第2位と好調なトヨタルーミーは、2016年11月に兄弟車のタンクと一緒に登場しました(後述のようにタンクは2020年9月にルーミーに統合されモデル消滅しています)。ベースはダイハツのトールでスバルジャスティも兄弟車に当たります。広々とした空間“Living”と余裕の走り“Driving”を掛け合わせた「1LD-CAR(ワン・エル・ディー・カー)」がコンセプト。子育てファミリーをはじめ、幅広いユーザーの日常にジャストフィットするコンパクトハイトワゴンです。

「1LD-CAR」がコンセプトのルーミー2

乗り降りしやすいパワースライドドアやゆったりくつろげる室内の広さ、多彩なシートアレンジなど、3列目シートこそないもののミニバンの持つ魅力をコンパクトカーに凝縮しています。登場時のモデル体系はルーミー、タンクそれぞれに標準車とカスタムの2種類合計4タイプを設定していました。

広々としたリアシート、使えるラゲッジルーム

広々としたリアシート、使えるラゲッジルーム1

広々としたリアシート、使えるラゲッジルーム2

全長3700mm×全幅1670mm×全高1735mm、最小回転半径4.6mという取り回しの良いコンパクトなボディサイズながら、前後乗員間距離は最大1105mmを確保し、広々としたリアシートの居住性を確保しています。広々としたリアシート、使えるラゲッジルーム3

広々としたリアシート、使えるラゲッジルーム4

また、リアシートは240mmのスライドが可能で、最前方までスライドさせると5人乗車しても、ラゲッジルームには機内持ち込み用スーツケースが4個積載できます。さらにリアシートには前に倒すと荷室の床がフラットになるダイブイン機構を採用。1500mm超の荷室長で長尺物も積載可能です。デッキボードを反転し、防汚シートを広げれば、自転車の積み込みもできるのです。

エンジンは3気筒ながら、ターボモデルを用意している点はアピールポイント

エンジンは3気筒ながら、ターボモデルを用意している点はアピールポイント

ルーミーに搭載されているエンジンは、最高出力98ps、最大トルク140Nmと1.5L自然吸気エンジンに匹敵するトルクを発生する1L直列3気筒ターボ。そして最高出力69ps、最大トルク92Nmを発生する1L直列3気筒自然吸気の2種類。組み合わされるミッションは全車CVT。駆動方式は2WD(FF)を中心に自然吸気エンジン車にのみ4WDを用意していて、燃費性能はWLTCモードで16.8~18.4km/Lを実現しています。

マイナーチェンジで先進安全装備は大幅にアップデート

マイナーチェンジで先進安全装備は大幅にアップデート1

運転支援システムは、デビュー当初は衝突回避支援システム「スマートアシストII」でしたが、2018年11月の一部改良で、歩行者も検知対象とする衝突回避支援ブレーキ機能や、夜間での歩行者の早期発見に貢献するオートハイビームなど、先進の衝突回避支援システム スマートアシストⅢを標準装備しました。

マイナーチェンジで先進安全装備は大幅にアップデート2

さらに、2020年9月にマイナーチェンジを行い、タンクを廃止して、ルーミーに統合。内外装の変更に加えて、衝突回避支援ブレーキ機能、衝突警報機能の検知対象に、同じ方向を走っているバイク・自転車などの二輪車と、夜間の歩行者も追加。さらに、全車速追従機能付アダプティブクルーズコントロールなどを搭載した、進化した予防安全機能「スマートアシスト」を全車標準装備しています。

昨年11月に4代目に進化したソリオ

昨年11月に4代目に進化したソリオ1

一方のコンパクトハイトワゴンのパイオニア、スズキソリオの現行モデルは2020年11月に登場しました。

昨年11月に4代目に進化したソリオ2

モデル体系は先代と同じ標準車のソリオと押し出し感のある外観デザインを採用したソリオバンディットの2種類です。ソリオも三菱自動車にデリカD:2としてOEM提供されています。

全長を延長し、ラゲッジルームを拡大した新型ソリオ

全長を延長し、ラゲッジルームを拡大した新型ソリオ1

全長を延長し、ラゲッジルームを拡大した新型ソリオ2

新開発のプラットフォーム「ハーテクト」を採用したボディサイズは全長3790mm×全幅1645mm×全高1745mmです。先代モデルと比べて、全長を80mm(ソリオ バンディットは70mm)延長し、荷室床面長を100mm 拡大したことで、大きな荷室と広く使える室内空間の両立を実現しています。

全長を延長し、ラゲッジルームを拡大した新型ソリオ3

全長を延長し、ラゲッジルームを拡大した新型ソリオ4

さらに、内装部品の形状見直しにより、後席左右乗員の肩回りスペースを広げたことで、後席3 人乗車時の快適性を向上させています。全長を拡大しながらも最小回転半径は先代モデルと同じ4.8mとし、優れた小回り性能をキープしています。

4気筒エンジン、マイルドハイブリッドがソリオの売り

4気筒エンジン、マイルドハイブリッドがソリオの売り

搭載しているパワートレインは、最高出力91ps、最大トルク118Nmを発生する1.2L直列4気筒エンジンにISGと呼ばれるモーター機能付発電機と専用リチウムイオンバッテリーを組み合わせたマイルドハイブリッドシステムと、1.2L直列4気筒エンジンの2種類。組み合わされるミッションは全車CVTで、駆動方式は全グレードに2WD(FF)と4WDを設定しています。燃費性能は、WLTCモードで17.8~19.6km/Lを実現しています。

最新モデルらしく先進安全装備は充実

最新モデルらしく先進安全装備は充実1

運転支援システムは、夜間の歩行者も検知するステレオカメラ方式の衝突被害軽減ブレーキ「デュアルカメラブレーキサポート」をはじめ、誤発進抑制機能などがパッケージ化された「スズキセーフティサポート」を搭載。

最新モデルらしく先進安全装備は充実2

また、走行中にステレオカメラが認識した道路標識を表示するカラーヘッドアップディスプレイや、長距離移動などの際にドライバーの運転操作の負担を軽減するアダプティブクルーズコントロールを一部グレードに標準装備するなど新しいモデルらしく充実しています。

ルーミーの2位もすごいが、むしろソリオが10位に入ったことが驚き

ルーミーの2位もすごいが、むしろソリオが10位に入ったことが驚き1

ルーミーとソリオそれぞれの車種を簡単に紹介してきましたが、一方の販売台数が他方の2倍にもなるほどの実力差はありません。台数の差はトヨタとスズキの販売ネットワークの差による部分が大きいでしょう。スズキ車が軽自動車を除いた登録車販売ランキングTOP10に入ること自体が驚きであり、新型ソリオが多くのユーザーから支持されていることがわかります。

ルーミーの2位もすごいが、むしろソリオが10位に入ったことが驚き2

ちなみに同じようにルーミーの兄弟車で軽自動車中心のダイハツから販売されているトールの4月販売台数は1060台ですので、逆説的ですがトヨタがいかに強力な販売力を持っているのかもわかります。

後席2人利用ならソリオ、3人乗ることが多いならルーミー

後席2人利用ならソリオ、3人乗ることが多いならルーミー1

後席2人利用ならソリオ、3人乗ることが多いならルーミー2

ルーミーも昨年秋にマイナーチェンジを受けましたが、走行性能や燃費性能ではフルモデルチェンジを行ったばかりのソリオに軍配が上がります。ソリオは新開発のプラットフォームに加えて、構造用接着剤を採用し、さらにリアサスペンションの最適化などによってリアシートの乗り心地が向上しています。

後席2人利用ならソリオ、3人乗ることが多いならルーミー3

センターアームレストを備えるがヘッドレストは2名分のソリオ

後席2人利用ならソリオ、3人乗ることが多いならルーミー4

センターアームレストはないが3人掛けを意識したルーミー

ちなみにリアシートは両車の考え方が大きく異なるポイントです。2人利用を強めに想定したソリオはセンターアームレストの設定がありますが、センター用のヘッドレストは用意されていません。一方のルーミーは3人利用をメインに想定しているのかセンターアームレストの設定はありません。その代わりセンター部分の座面はフラットでヘッドレストも3つあります。後席の利用が2名であればソリオの方が快適ですが、後席に3人乗せることが多いのであればルーミーの方が良いでしょう。

走りに関しては燃費も静粛性も操縦性もソリオが優れている

走りに関しては燃費も静粛性も操縦性もソリオが優れている

刷新された新型ソリオはボディ剛性が高くなっているので、背の高いクルマにもかかわらず、カーブでのクルマの傾きが小さい上、操縦性も高くなっているのが特徴です。さらにソリオは4気筒エンジンを搭載しているので、静かで振動も少ないのも魅力。燃費に関してもマイルドハイブリッドモデルを擁するソリオの方が優れています。

見た目のデザインなどの好みはわかれると思いますが、コンパクトハイトワゴンのベストセラーモデルであるルーミーとソリオに販売台数ほど実力差はありません。むしろ内容的にはソリオの方が上回っている点が多いと感じます。ぜひ、購入する際は2台をしっかりとチェックしてから考えることをオススメします。

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※記事の内容は2021年6月時点の情報で制作しています。

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