寄稿記事
フリーエディター・ライター
高橋満たかはしみつる

大流行中のキャンピングカー。初心者におすすめなのはどのタイプ?

大流行中のキャンピングカー。初心者におすすめなのはどのタイプ?

いつでも好きな場所に出掛け、テントを設営しなくてもアウトドアライフを楽しめるキャンピングカー。アウトドアブームの高まりとともに販売台数が伸びていて、コロナ禍では密を避けて旅を楽しみたい人からの注目が集まり、さらに人気が高まっています。

ただ、一口にキャンピングカーといってもサイズ、ベース車両の違い、用途など、さまざまなタイプがあるため、初心者だとどのタイプを選んでいいか分かりづらいのも事実。

ここではキャンピングカーの種類とそれぞれがどんな人に向いているか、そしてビギナーにおすすめのタイプを紹介します。

キャンピングカーはどんな感じで盛り上がっている?

キャンピングカー市場は伸び盛り! 多くの人が快適なアウトドアライフを楽しんでいる

一般社団法人日本RV協会が毎年発行しているキャンピングカー白書の最新版『キャンピングカー白書2021』によると、国内のキャンピングカー保有台数は毎年増え続けていて、2020年は対前年比106.7%の約12万7400台となりました。

キャンピングカー市場は伸び盛り! 多くの人が快適なアウトドアライフを楽しんでいる1

▲『キャンピングカー白書2021』(一般社団法人日本RV協会)より

RV協会ではキャンピングカーオーナーにコロナ禍でどのような変化があったかもヒアリング。コロナ禍では公共交通機関はもちろん、宿泊施設も利用しづらい状態になりましたが、キャンピングカーがあることで、「旅行を計画しやすくなった」という人が多くなっています。3密を避けなければならない環境下でもキャンピングカーなら旅を楽しめる。それを多くのユーザーが感じているようです。

キャンピングカー市場は伸び盛り! 多くの人が快適なアウトドアライフを楽しんでいる2

▲『キャンピングカー白書2021』(一般社団法人日本RV協会)より

キャンピングカーはペットとの旅を楽しむ人からも人気。ペットと一緒に泊まれる宿はまだまだ少なく、ペットOKの宿でも種類に制限があったり、設備がいまいちだったりすることもあります。自分のキャンピングカーならペット連れでも他人を気にせず旅を楽しめます。

また、「自給自足」が可能なキャンピングカーは災害が発生した時のシェルターとしての需要も高まっています。

キャンピングカーはどこでも泊まってOK?

いつでも好きな場所に移動できて、車内で寝ることができるキャンピングカー。そんなキャンピングカーはどこでも自由に停めてキャンプを楽しむことができるのでしょうか。

その答えは「NO」。例えば道の駅や高速道路のSAなどで勝手にキャンプをするのはマナー違反であり、問題にもなっています。それ以外の場所でも例えば景色がいいからと勝手に止めてキャンプをするのはご法度。キャンプ場でもキャンピングカーがOKな場所とNGな場所があります。

キャンピングカーで出掛ける際は事前にキャンピングカーOKの場所を探しておきたいところ。日本RV協会ではキャンピングカーなどが安心して車中泊を楽しめる場所として、全国の道の駅や日帰り温泉施設、オートキャンプ場などと提携して『RVパーク』を広げています。

キャンピングカーにはどんなタイプがある?

一口にキャンピングカーといってもタイプがあり、それぞれメリットと不得意とする部分があります。ここではキャンピングカーの代表的なタイプを見ていきましょう。

キャブコンバージョン(キャブコン)〜長期滞在向きの快適キャンピングカー

キャブコンバージョン(キャブコン)〜長期滞在向きの快適キャンピングカー

トラックをベースに、荷台部分を居住スペースとして架装。居住スペースは広さだけでなく高さもあるので、背中をまるめずに快適に過ごすことができます。中の家具などは停車時に組み立てるのではなく常設することが可能。そのため、ベッドはフカフカのマットをつけることができます。

トラックがベースで、居住スペース部分の高さもあるので走行時に横風の影響を受けやすくなります。そのため、いろいろな場所を移動するよりも一ヵ所に長期滞在するのに向いていると言われています。

バンコンバージョン(バンコン)〜居住性と走りをバランスさせた万能モデル

バンコンバージョン(バンコン)〜居住性と走りをバランスさせた万能モデル

ハイエースをはじめとする大型のワンボックスカーをベースに、運転席の後ろを居住スペースにしたモデル。目的地に着いた後にシートを畳んでベッドを作るタイプや、ベッドが常設されたタイプなど、さまざまなタイプが発売されています。停車時にルーフを開けてベッドが出現するポップアップルーフを備えたものもあります。

背中を伸ばして車内を移動するのは難しいですが、トラックベースのキャブコン比べると快適に走ることができるので、あちこち移動しながら旅するのに向いていると言われています。

フルコンバージョン(フルコン)〜ホテル並みの装備がついたラグジュアリーモデル

フルコンバージョン(フルコン)〜ホテル並みの装備がついたラグジュアリーモデル

キャンピングカーのために専用設計された車体、エンジンなどを使ったモデルで、キャンピングカー大国であるアメリカやヨーロッパで発展したタイプです。

車体が大きいのでベッド、シャワールーム、トイレ、キッチンなど全ての装備がラグジュアリー仕様に。目的地でボディサイドを横に引き出し、居住スペースを広げられるようになっているものもあります。

ボディが大きいので狭い道が多い日本では不向きなカテゴリーとなりますが、超快適なキャンピングカーライフを堪能できるフルコンに憧れる人も多くいます。

軽キャンピングカー(軽キャンパー)〜限られたスペースでなんでもできる“お茶の間”キャンパー

軽キャンピングカー(軽キャンパー)〜限られたスペースでなんでもできる“お茶の間”キャンパ

軽ワンボックスの車内に、ベッドやシンクなどを架装したモデル。日本の古い住宅には1つの部屋で食事をし、就寝し、来客を応接する“お茶の間”がありましたが、軽キャンパーはまさにお茶の間の発想で限られたスペースを快適に使う工夫が盛り込まれています。日本人だからこそ可能にしたさまざまなアイデアは、フルコンバージョンや大型トレーラーの文化が根付いた欧米のキャンピングカービルダーからは絶対に生まれないものでしょう。

元が小さな軽キャンパーは大勢でキャンピングカーライフを楽しむのには不向きです(それでも就寝人数4人というタイプもあります)。逆にリタイアした後に夫婦で旅を楽しむ人、愛犬と一緒に旅を楽しむ人などにはこれくらいのサイズがピッタリかも。ボディが小さく山の中の細い道にも入っていけるので、釣りなどを楽しむ人が4WDの軽キャンパーを選ぶケースもあります。

最近ではワンボックスタイプだけでなく、軽トラックの荷台にキャビンを載せるタイプも増えています。

キャンピングトレーラー〜居住に特化したキャンピングスペースを“運ぶ”という発想

キャンピングトレーラー〜居住に特化したキャンピングスペースを“運ぶ”という発想

これまで紹介してきたキャンピングカーが車の中に居住スペースを架装しているのに対し、キャンピングトレーラーは完全に独立した居住スペースを別の車で牽引するタイプになります。設計段階で運転席のことを考えなくていいので、キャビン設計の自由度が高く、またキャンプ場に着いたらトレーラーを切り離せるので、旅先で自由に移動したい人にも向いています。

キャンピングトレーラーのサイズはさまざま。非常にコンパクトなものから全長が10m近いものまであります。日本ではトレーラーの重量が750kgを超えるものはけん引免許が必要になります。逆に言えば、750kg以下のものはけん引免許がなくてもキャンピングトレーラーライフを楽しむことが可能。

また、トレーラーをけん引するためには独特な運転技術が必要。ただ、最近ではトレーラーにリモコン操作できる機能がついているものもあります。

万が一事故に遭った場合、走行中ならけん引している車の事故という形で対応できます。ただ、引っ張る車から切り離した後に何か事故が起きた場合は、引っ張る車の保険で対応することができません。そのためキャンピングトレーラー導入の際は、事前に保険会社に相談することをお勧めします。また、キャンピングトレーラーにも自動車税がかかり、自賠責保険も必要になります。2年に一度の車検も存在します。

キャンピングカーデビューでおすすめなのは、乗用車ベースの車中泊仕様車

昨今のキャンピングカーブームを見て「自分もキャンピングカーが欲しい」と思った人はどんなタイプを選ぶといいのでしょうか。

まず考えるべきなのは
●普段使いの車も所有できるか
●キャンピングカー専用の保管場所を確保できるか
の2点です。

キャブコンを日常の乗用車として使うのは無理がありますし、キャンピングトレーラーの保管場所を確保するのは都市部に住んでいる人だと大変なもの。そうなると選択肢は必然的にバンコンや軽キャンパーに。

キャンピングカーデビューでおすすめなのは、乗用車ベースの車中泊仕様車1

その中でカルモマガジンがキャンピングカーデビューの方々におすすめしたいのは、一般的なミニバンやバンをベースにした“車中泊仕様車”です。

キャンピングカーは特種用途自動車として構造要件が厳格に決められています。そのため、構造要件を満たす水道設備や炊事設備が備わっていないものは厳密にはキャンピングカーとは呼びません。

ただ、近年は車内で寝ること(車中泊)に特化した車中泊仕様車を製作するビルダーが増えています。

日本では道の駅やサービスエリアはもちろん、コンビニなどトイレが使える場所は全国津々浦々にあります。水道もいたるところにあるので、それなら寝ることだけに特化して街中でも扱いやすいモデルをベース車両にしようという発想です。

キャンピングカーデビューでおすすめなのは、乗用車ベースの車中泊仕様車2

現在では車中泊仕様車の盛り上がりをみて、自動車メーカーの関連会社が車中泊仕様車を製作したり、車中泊を楽しめる純声オプションを用意するケースもあります。

車中泊仕様車のベース車に選ばれる代表的なモデルを紹介しましょう。

日産NV200バネット〜5ナンバーサイズで普段使いにも便利なバン

日産NV200バネット〜5ナンバーサイズで普段使いにも便利なバン1

NV200は日産が製造する商用バンで、乗用利用を目的にしたワゴンも用意されるモデル。ボディは全幅が1700mm未満に抑えられた5ナンバーサイズになります。

多くの荷物を積むことを想定した商用バンがベースなので車内は広々!スライドドアだから日常はもちろん旅先での乗り降りも楽にできます。そのため現在、多くのキャンピングカービルダーがNV200に注目してさまざまな車中泊仕様車を製作しています。つり目のエクステリアデザインはミリタリー調のカスタムもさまになります。

日産NV200バネット〜5ナンバーサイズで普段使いにも便利なバン2

この人気に注目した日産は、福祉車両や商用特装車を手掛けるオーテックジャパンからNV200マルチベッドワゴンという車中泊仕様車を発売しています。

三菱デリカD:5〜機動力を備えた車中泊仕様のベース車両

三菱デリカD:5〜機動力を備えた車中泊仕様のベース車両

スライドドアを備えたミニバンでありながら本格SUV顔負けの悪路走破性が与えられたデリカD:5。芝生が広がるキャンプ場では雨が降ると一面ぬかるみ、普通のクルマだとスタックしてしまうこともあります。そんな状況でもデリカD:5はなんなく動くことができる。まさに無敵の存在です。

そんなデリカD:5にポップアップルーフを装備し、車内の後ろにテーブルやベッドを備えた車中泊仕様車を製造するディーラーもあります。もともと利便性が高いデリカですが、アウトドアでさらに快適に!

ホンダN-VAN〜広大なスペースを活かした純正車中泊キットを販売

ホンダN-VAN〜広大なスペースを活かした純正車中泊キットを販売1

ワンボックスタイプであるアクティバンの後継モデルでN-BOXをベースにした商用モデルとなるN-VAN。その特徴は低床低重心パッケージを活かした驚くほど広い室内。そのため、ビジネス利用だけでなく自転車やバイクのトランスポーター、釣りを楽しむための基地、そして車中泊車と、ホンダの純正用品を手掛けるホンダアクセスがさまざまオプション品を販売しています。

ホンダN-VAN〜広大なスペースを活かした純正車中泊キットを販売2

N-VANは後部座席だけでなく助手席背もたれも畳んで長尺物を積載できる設計に。そこにマットを敷くことで快適な車中泊を楽しめるようになっています。室内高が高いから寝ている時の圧迫感がないのも魅力です。

トヨタノア〜ハイブリッドカーでも車中泊を楽しめる!

トヨタノア〜ハイブリッドカーでも車中泊を楽しめる!1

街中での実用性にも長けたトヨタのノア、ヴォクシー、エスクァイアをベースにポップアップルーフを備えた車中泊仕様を作っているビルダーもあります。

トヨタノア〜ハイブリッドカーでも車中泊を楽しめる!2

また、トヨタ車のカスタマイズパーツを手掛けるモデリスタでは、この3車種の3列目席を外して広いラゲッジスペースを有効活用できる“マルチユーティリティ”を発売。2列目席を畳んでマルチユースボードを組むとフラットな空間ができるので、ここにマットを敷いて車中泊を楽しむことができます。

シトロエンベルランゴ〜無加工でベルランゴの車内にベッドを展開できるキットを発売

シトロエンベルランゴ〜無加工でベルランゴの車内にベッドを展開できるキットを発売1

輸入バンは日本車にはないおしゃれな雰囲気を楽しむことができるモデル。その中でも今話題になっているのはシトロエンが日本に導入したベルランゴです。

シトロエンは日本のアフターパーツブランドであるRV Land Conceptとタイアップして、ベルランゴ用“ agre(アグレ)・ベッドキット”を発売しています。

シトロエンベルランゴ〜無加工でベルランゴの車内にベッドを展開できるキットを発売2

車体を加工しなくてもリアシートを倒すとこのベッドキットがぴったり収まるように設計されていて、走行中は収納棚として使うことが可能。ベッド使用時もベッド下に270mmの空間が用意されているので荷物の置き場所にも困りません。

ベッドのカラーはオプションも含め全22色の中から選ぶことができます。価格はカラーによって異なりますが22万9900円から。同じく純正アクセサリーで用意されるカーサイドタープ(9万5000円)と組み合わせれば、気軽に快適な車中泊キャンプを楽しめます。

メルマガ登録
関連記事
カーリースお役立ち記事
人気記事ランキング
注目のキーワード