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【最新版】乗り心地の良い車ランキング2022!車の専門家が徹底解説

【最新版】乗り心地の良い車ランキング2022!車の専門家が徹底解説
【最新版】乗り心地の良い車ランキング2022!車の専門家が徹底解説

あこがれの車がマイカーに!詳しくは資料で

乗り心地の良い車というと、皆さんはどのような車を思い浮かべますか?多くの人はロールスロイスやメルセデス・ベンツのSクラスといった、ボディサイズの大きなセダンを思い浮かべるでしょう。そういった車は後席にVIPを乗せることが多い「ショーファードリブンカー」と呼ばれており、確かに後席に座った人が極上の乗り心地を味わうことができるよう設計されています。

そもそも乗り心地の良さというのはどういうものなのかというと、無駄に車が揺れないこと。路面からの衝撃が乗員に伝わらないこと。この2点が重要なポイントといえます。ここではショーファードリブンカーのようなとはいいませんが、2022年に筆者が試乗する機会のあった約160台の車の中から、“これは乗り心地が良い!”と印象に残った国産車と輸入車それぞれトップ10を紹介しましょう。

  • 乗り心地の良い車とは前後左右に無駄な動きがない車、路面からの衝撃をしっかりと吸収し乗員に伝えない車のこと。それはシャシー性能とタイヤで決まる
  • 構造が複雑で高価なサスペンション形式、例えばマルチリンクを採用すれば良いというわけではない。シンプルで安価なトーションビームでも優れたテスト部隊のあるメーカーは乗り心地の良い車を送り出している
  • 高級車の多い輸入車には乗り心地の良い車が当然多いが、国産車でも日産エクストレイル、トヨタハリアーの乗り心地は非常に良い。ミニバンのトヨタノア/ヴォクシー、ホンダステップワゴンも悪くない

良い乗り心地とは?車の乗り心地は何で決まる?

良い乗り心地とは?車の乗り心地は何で決まる?

乗り心地の良さという基準は人それぞれによって異なりますが、筆者が考えている乗り心地の良さというのは、無駄に車が前後左右に揺れないこと、そして路面からの衝撃がしっかりと吸収され乗員に伝わらないことに尽きます。つまりどんな状況でもフラットな乗り味を実現してくれることが乗り心地の良い車だと考えています。そして乗り心地の良い車というのはフロントシートそしてリアシート問わず、すべての乗員が安心して乗れる車だと考えています。それでは、そのような誰もが安心して移動できることができるフラットな乗り味というのはどのように作られるのでしょうか。

良い乗り心地はシャシー性能と装着されるタイヤによってもたらされる

良い乗り心地はシャシー性能と装着されるタイヤによってもたらされる

高性能なGRカローラのシャシーに追加された補強部品(カラー部分)

良い乗り心地を実現するためには、車の骨格にあたるプラットフォームの剛性とサスペンションのシャシー性能、そして装着されるタイヤの性能で決まるといっても良いでしょう。例えば、極上の乗り心地の車といって多くの人が思い浮かべるロールスロイスやメルセデス・ベンツは、シャシーが非常に頑丈です。その反面、サスペンションのセッティングは柔らかめで、静粛性と弾力性そしてグリップ力も備えたタイヤを装着しています。

強固なボディは当然のことながらコストが高くなります。そこで現在はボディ全体を頑丈にするのではなく、強固にするところや逆に柔らかくして衝撃を和らげるところを、路面からの入力情報と合わせコンピューターで解析しているのです。その結果、コストを抑えつつ、ボディ剛性を向上させ、良い乗り心地を実現できるようになりました。

そして、乗り心地の良さで大きなウェイトを占めるのがタイヤです。タイヤは4本のタイヤでそれぞれハガキ1枚分の大きさで路面と唯一接触しているパーツです。したがって、タイヤの性能や特徴によって車の乗り心地やハンドリング性能は大きく変わります。速く走るためであれば、タイヤ幅を広くしてサイド剛性を上げ、タイヤの素材であるコンパウンドに柔らかいモノを使えばグリップ力は上がります。しかし、柔らかいコンパウンドは寿命が短く、幅広でサイド剛性の高いタイヤ(≒エアボリュームの少ないタイヤ)は路面からの衝撃はダイレクトになります。一方、乗り心地を良くして、グリップ力も十分という高級車に求められるタイヤは開発するのが難しいといわれており、高価になります。しかし、そのようなタイヤを装着している車は良い乗り心地にこだわっているという証明になるといえるでしょう。

お金を掛けたからといって良い乗り心地が実現できるわけではない

お金を掛けたからといって良い乗り心地が実現できるわけではない

乗り心地で高評価のハリアーのリアサスペンションは高価なダブルウィッシュボーン式

例えば、料理を作る場合、高級な素材を使えば必ずおいしい料理になるとは限りません。やはり料理人がその素材の鮮度などを見極めて、どのような料理にしたらおいしく食べることができるのかを考えて料理した結果、絶品の料理が出来上がるのです。

料理と車の乗り心地に何の関係があるのか?と疑問に思う人がいるかもしれませんが、ボディの動きや入力の伝わり方はコンピューター上のシミュレーションで行うことができますが、実際に走行して乗り心地を決めるのは現在でも人間なのです。したがって評価テストする人間の能力によって車の乗り心地の方向性が変わってしまうのです。

サスペンション形式には、ストラット式やトーションビーム式、マルチリンク式、ダブルウィッシュボーン式といったようにさまざまな形式があります。フロントサスペンションは乗用車の場合左右の動きは独立しています。一方のリアサスペンションはマルチリンク式やダブルウィッシュボーン式であれば独立ですが、コンパクトカーやミニバンに多いトーションビーム式は左右が固定されています。独立していると、左右のタイヤの動きが制限されないため、路面の追従性が高くなり乗り心地の面で有利になります。一方トーションビーム式のように左右が固定されてしまうと、タイヤの動きが制限されてしまい路面追従性が悪くなり、乗り心地が一般的には不利になります。しかし、コスト面ではトーションビームの方が安く、マルチリンク式やダブルウィッシュボーン式のほうが高くなります。

お金を掛けたからといって良い乗り心地が実現できるわけではない2

走りの評価が高いマツダ3のリアサスペンションはトーションビーム式。サスペンション形式が必ずしも絶対ではないという好例の一つ。

国産車の軽自動車やコンパクトカーといった車両本体価格が安い車のリアサスペンションの多くはトーションビーム式を採用しています。したがってマルチリンク式やダブルウィッシュボーン式を採用している高額車と比べると軽自動車やコンパクトカーの乗り心地が良くないというのは仕方ないように思われます。

お金を掛けたからといって良い乗り心地が実現できるわけではない3

しかし、先ほども書いたとおり、乗り心地などの最終的なセッティングを行うのは人間です。そのテストを行う人間の評価能力が高ければ、トーションビーム式でも極上の乗り心地が可能となるのです。この良い例がフランスのルノーです。ルノーは現在のフラッグシップモデルであるメガーヌやアルカナなどサスペンション形式はフロントがストラット式、リアはトーションビーム式です。しかし、ハイパフォーマンスモデルのメガーヌR.S.トロフィーはハードな走りをしてもリアタイヤの追従性が抜群で、タイヤからのインフォメーションがドライバーに伝わりますし、乗り心地も良いという抜群のセッティングに仕上げられています。

また、シンプルな構造のトーションビーム式に比べて、マルチリンク式やダブルウィッシュボーン式は設計の自由度が高いがゆえに調整できる範囲が広く、実はベストセッティングを出すのも難しいといわれています。マルチリンク式ながら設計の狙いどおりに足が動かず、乗り心地面で低い評価を受けた車種もそれなりに存在します。

結論としていえるのは、車の良い乗り心地というのはサスペンションの形式ではなく、どのような人がどういう目的で評価テストを行っているのかということになるのです。先ほど料理にたとえたように、素材が良くても料理人の腕次第で料理の味が変わってしまうことに車の乗り心地は似ているのです。

乗り心地の良い国産車ランキング トップ10

2022年の約1年間でフルモデルチェンジした車種をはじめ、マイナーチェンジ、一部改良したモデルなど国産車は約70台試乗する機会がありました。その約70台の2022年に試乗したモデルの中から乗り心地が良かったと印象に残っているトップ10を選びました。軽自動車をはじめ、ミニバンそして現在人気沸騰中のSUVとさまざまなボディタイプがありますが、世相を反映しているせいかSUVが多くなっているのが特徴です。

第1位 日産「エクストレイル オーテックe-4ORCE アドバンズドパッケージ」

第1位 日産「エクストレイル オーテックe-4ORCE アドバンズドパッケージ」

2022年に試乗した国産車の中で、最も乗り心地が良いと思ったのは、日産「エクストレイル オーテックe-4ORCE アドバンズドパッケージ」です。現行型エクストレイルは、2022年7月から販売開始されたミドルサイズSUVです。峠や一般道、そして高速道路とさまざまなシーンで試乗しましたが、どのシーンでもフラットで素晴らしい乗り心地を実現していました。そのエクストレイルの中でも20インチホイールを装着したオーテックe-4ORCE アドバンズドパッケージの乗り心地の良さは輸入車の同じクラスの車に一歩も引けを取らないレベルに仕上がっています。なんといってもe-4ORCEと呼ばれる電子制御の4WDシステムがこの素晴らしい乗り味には不可欠です。特にカーブを曲がる際には、e-4ORCEが駆動力配分を最適化してくれるので、誰でも運転が上手くなったように、フラットな姿勢のまま曲げてくれます。

第1位 日産「エクストレイル オーテックe-4ORCE アドバンズドパッケージ」2

このオーテックe-4ORCE アドバンズドパッケージは、G e-4ORCEをベースにシグネチャーLEDを採用したフロントグリルやリアプロテクター、メタル調フィニッシュの専用サイドターンランプ、専用20インチアルミホイール+ミシュランパイロットプライマシー4 の225/45R20タイヤ。そしてルーフレールといった専用エクステリアを採用しています。そして、インテリアはAUTECH刺繍が施された専用キルティングのブラックレザーシートをはじめ、ブラックアッパートリム&インストパッド(ブルーステッチ)ダーククロムのインストピンモールなどが採用され、上質感が漂っています。タイヤを1インチサイズアップしただけで、サスペンションは標準車のママということですが、高い静粛性と路面からの衝撃のいなし方は抜群です。

第2位 トヨタ「ハリアー ハイブリッドZ レザーパッケージ」

第2位 トヨタ「ハリアー ハイブリッドZ レザーパッケージ」

国産ミドルサイズSUVの中でも高いブランド力によって抜群の人気を誇るトヨタ「ハリアー」が第2位となりました。4代目となる現行型ハリアーは2020年6月から販売開始されましたが、その人気の高さから販売開始直後から新車の納車までの期間が長期に及んでいます。現行型ハリアーは、見て、乗って、走り出した瞬間に心に響く感性品質を重視し、実用性や数値一辺倒ではない、人の心を満たしてくれる存在を目指して開発されました。現行型ハリアーは新しい価値を提供するために、車の骨格であるプラットフォームにはTNGAプラットフォーム(GA-K)を採用。ボディの高剛性化・低重心化を実現し、ドライバーの感性を重視した乗り心地と走りを両立させました。また、走り出した瞬間や高速走行時の車両の挙動の収束性を向上させるため、新しいショックアブソーバーを採用。接地感あるフラットな乗り心地が特徴です。

第2位 トヨタ「ハリアー ハイブリッドZ レザーパッケージ」2

デビュー時もその乗り心地の良さに驚きましたが、先日一部改良を行ったハイブリッドZ レザーパッケージは1位のエクストレイルと僅差の実力と感じました。ただハリアーは標準のタイヤが今ひとつでした。より質感の高いタイヤに交換すれば、乗り心地がさらに良くなるのは間違いないでしょう。

第3位 レクサス「IS500 Fスポーツパフォーマンス」

第3位 レクサス「IS500 Fスポーツパフォーマンス」

2022年乗り心地の良い車の第3位となったのは、レクサス「IS 500“F SPORT Performance”」です。IS 500“F SPORT Performance”は2022年8月25日に導入されたISのフラッグシップモデルといえるモデルです。ISは、初代モデル以降、コンパクトFRスポーツセダンとして「車を操る楽しさ」を追求してきました。今回導入された、IS 500“F SPORT Performance”は最高出力481ps、最大トルク535Nmを発生する5LV型8気筒自然吸気エンジンを搭載しています。パワフルなエンジンパワーに合わせてサスペンションにはフロントに加えて、リアにもパフォーマンスダンパーを追加し、さまざまなドライビングシーンに応じた優れた乗り心地と操縦安定性を実現しています。

第3位 レクサス「IS500 Fスポーツパフォーマンス」2

先代のISには同じ5LV8エンジンを搭載したIS Fが設定されていました。IS Fはサーキット走行まで視野に入れて、チューニングされていた結果、パフォーマンスは高いものの、一般道を走行した際、引き締められたサスペンションによって、硬さを感じることがありました。しかし、今回導入されたIS 500“F SPORT Performance”は街乗りメインとしたチューニングが施されており、路面が荒れた場所を走行しても路面からの衝撃を和らげてくれます。加えてタイヤの接地感などはハンドル通して、ドライバーに伝わってくるので、一体感も味わえます。

第4位 レクサス「UX200 Fスポーツ」

第4位 レクサス「UX200 Fスポーツ」

写真はUX250hの特別仕様車“F SPORT Emotional Explorer”

2022年乗り心地の良い車第4位となったのは、2018年11月に登場したレクサスUXです。レクサスUXは基本コンポーネンツをトヨタC-HRと共有したレクサスのコンパクトSUVです。レクサスUXはGA-C プラットフォームの採用に加え、レーザースクリューウェルディングや構造用接着剤の使用部位拡大。そしてドア開口部環状構造の採用により、ボディの高剛性化を実現しています。さらに、ボディパネルにアルミ部材などを採用し、軽量化による低重心化を追求しています。さらにレクサスUXは2022年7月に一部改良を行いました。一部改良のメニューの一つとして、走りの味の深化があります。走りの味を深化させるため、レクサスUXはボディのスポット溶接打点を20点追加し、ボディ剛性を強化。さらにEPSやアブソーバーなどのチューニングを実施し、トヨタ自慢のテストコースToyota Technical Center Shiroyamaを走り込むことにより、走りの上質さ、ダイレクト感、レスポンスの更なる向上を図っています。

第4位 レクサス「UX200 Fスポーツ」2

試乗した200Fスポーツは、専用のチューニングにより、ドライバーの運転操作に忠実で、よりスポーティな走行性能を追求。さらに、きめ細かい減衰力の制御を行うリニアソレノイド式AVSとリアにパフォーマンスダンパーを設定し、優れた操縦安定性と上質な乗り心地を実現したモデルです。これまでのFスポーツはスポーティな反面、段差を乗り越えた時などは硬さを感じましたが、今回試乗したモデルはその硬さも解消されていました。

第5位 トヨタ「ヴォクシーS-Z7人乗り」

第5位 トヨタ「ヴォクシーS-Z7人乗り」

2022年乗り心地の良い車第5位となったのは、ミニバンの大ヒットモデル、4代目となる現行型「ヴォクシー」です。2022年1月に登場したヴォクシーは、車の骨格となるプラットフォームには、トヨタの車構造改革であるTNGAプラットフォーム(GA-C)を採用しボディサイズは全長4,695mm×全幅1,730mm×全高1,895mm(4WD車は1,925mm)と全車3ナンバーサイズとなりました。これによりトレッド幅が拡大し、走行性能が向上しています。搭載するパワートレインは2種類。最高出力170ps、最大トルク202Nmを発生する高い熱効率を実現した2L直列4気筒ダイナミックフォースエンジン+CVT。このCVTはマニュアル感覚のシフトチェンジが楽しめる10速シーケンシャルシフトマチックを設定しています。もう一つが1.8Lエンジン+モーターのハイブリッドシステム。すべての電動モジュールを刷新。モーター・バッテリーの高出力化とシステムの高効率化した新世代のハイブリッドシステムとなっています。駆動方式はガソリン車に加えてハイブリッド車にも待望の4WDを設定。燃費性能は、ガソリン車が14.3~15.1km/L。ハイブリッド車は22.0~23.4km/Lとクラストップレベルです。

第5位 トヨタ「ヴォクシーS-Z7人乗り」2

試乗したヴォクシーはプラットフォームから一新したことがあり、走行中の無駄な動きが非常に抑えられています。さらに、進化したハイブリッドシステムも従来と比べると、エンジン始動時の揺れや音もかなり抑えられており、よりスムーズさが際立っています。

第6位 ホンダ「ステップワゴンスパーダe:HEVプレミアムライン」

第6位 ホンダ「ステップワゴンスパーダe:HEVプレミアムライン」

そして第6位となったのは、5位のヴォクシーのライバルであるホンダ「ステップワゴン」です。2022年5月に登場した現行型ステップワゴンは、上級モデルのオデッセイが廃止され、ホンダのミニバンラインアップで最上級モデルとなりました。それに伴い、国内で販売するホンダ車 の中で史上最大の室内空間と、どの席でも快適に過ごせるリビングのような居住性そして質感の高さが追求されています。ステップワゴンのボディサイズも全長4,800mm(一部4,830mm)×全幅1,750mm×全高1,840~1,855mmとヴォクシー同様に全車3ナンバーサイズとなりました。3ナンバーサイズとなったボディは2,890mmのロングホイールベース化に合わせて、前後のトレッド幅を拡大することで、大きな車体でも直進・旋回時の高い安定性を実現。さらに、リアを中心に遮音材や吸音材を追加するとともに、フロアを高剛性化することで、1 列目から 3 列目までの全席において静粛性や乗り心地の良さを高めています。

第6位 ホンダ「ステップワゴンスパーダe:HEVプレミアムライン」

搭載するパワートレインは、最高出力150ps、最大トルク203Nmを発生する1.5L直列4気筒ターボ+CVT。そして2Lエンジンと駆動・発電を行う2つのモーターを組み合わせたe:HEVと呼ばれるハイブリッドシステムの2種類。駆動方式は2WD(FF)を中心に、1.5Lターボ車のみ4WDを設定。燃費性能は、WLTCモードで1.5Lターボ車は13.1~13.9km/L。e:HEVは19.5~20.0km/Lとなっています。ステップワゴンの歴代モデルは走行性能の高さに定評がありましたが、揺れの少ないクリアな走行性能に加えて、静粛性の高さが加わっているのがポイントです。

第7位 スバル「アウトバックX-ブレーク EX」

第7位 スバル「アウトバックX-ブレーク EX」

2022年乗り心地の良い車第7位となったのが、2021年10月に登場したスバル「アウトバック」です。アウトバックのようなステーションワゴンのクロスオーバーモデルは低重心を活かしつつ、最低地上高を高めて悪路走破性を高めています。現行型アウトバックは総合安全性能のレベルを引き上げるとともに、ドライバーの意思に忠実なハンドリングや、不快な振動騒音の低減によって快適な乗り心地を実現させた「スバルグローバルプラットフォーム」、そしてボディ全体の骨格連続性を高める「フルインナーフレーム構造」を採用。アウトバックに搭載するエンジンは排気量をダウンサイジングした1.8L水平対向4 気筒直噴ターボ。低回転域から最大300Nmという力強いトルクを発生させため、スムーズな加速性能を発揮します。組み合わされるトランスミッションは、新型のリニアトロニックと呼ばれるCVTで、変速ショックのない滑らかな加速と、リニアなレスポンスを提供。さらに8速マニュアルモードを採用し、操る愉しさも味わえます。

第7位 スバル「アウトバックX-ブレーク EX」2

大きなボディのアウトバックらしい大らかなでゆったりとした走りは健在。さらに乗り心地はボディ剛性が向上したボディとサスペンションがしっかりと仕事してくれるので、オンロードでの乗り味は非常にソフトでフラット。ムダな動きはまったくしませんでした。

第8位 トヨタ「シエンタハイブリッドZ」

第8位 トヨタ「シエンタハイブリッドZ」

2022年8月に登場したコンパクトミニバンのトヨタシエンタが乗り心地の良い車第8位となりました。現行型のシエンタは、車の骨格となるプラットフォームには、TNGAプラットフォームをベースに新設計。主要な骨格を連結させた環状骨格構造とし結合部の剛性を向上させています。軽量でありながらバランスの取れた高剛性ボディによって、上質な乗り心地と優れた操縦安定性を実現しています。さらに、車両の主要骨格に採用されている構造用接着剤およびルーフパネルに採用されているマスチックシーラーの一部を高減衰タイプとすることで、操縦安定性、乗り心地、静粛性を向上させました。また高剛性ボディに対して前後のサスペンションジオメトリーを最適化しています。フロントにマクファーソンストラット式、リアはトーションビーム式というオーソドックスなレイアウトながら、しなやかな動きと接地感あるフラットな走りを実現しています。

第8位 トヨタ「シエンタハイブリッドZ」

シエンタに搭載されているパワートレインは、排気量は先代モデルと同じ1.5Lエンジンですが、先代は4気筒だったのに対して、現行型は3気筒となりました。1気筒減ったデメリットとして振動や騒音が挙げられますが、現行型シエンタの対策は万全です。アクセルペダルを踏むと3気筒らしいキビキビとした軽快な加速性能を発揮する一方で、振動や騒音は非常に抑えられています。車高の高いシエンタですが、前後、左右の揺れも非常に抑えられていて、小さいお子さんなどが乗っていても安心できます。無駄な動きがなく、高い静粛性とスムーズで軽快な走りが特徴です。

第9位 日産「サクラ G」

第9位 日産「サクラ G」

2022年5月に登場した軽自動車のBEV、日産サクラが第9位となりました。「サクラ」は軽ハイトワゴンらしい広々とした快適な室内空間と使い勝手の良さに、BEVならではの滑らかで力強い走りと圧倒的な静粛性、良好な乗り心地を実現しています。サクラに搭載されている最高出力64ps、最大トルク195Nmを発生する新開発のEVシステムは、レイアウトの最適化によって、ガソリン車と同様の広々とした快適な室内空間とともに、低重心化と理想的な前56:後44という重量配分を実現し、優れた操縦安定性と良好な乗り心地を実現しています。満充電時の走行可能距離はWLTCモードで180kmと日常使いには十分な距離を達成。加えて、BEVらしい滑らかで力強い加速と圧倒的な静粛性を実現しています。

第9位 日産「サクラ G」2

重いバッテリーを床下にマウントし、低重心を実現しているので、非常に揺れの少ない走りがサクラの特徴です。また、加速時なども軽自動車では味わえないようなスムーズな加速性能を味わうことができるにもかかわらず、走行中の車内は高級セダンに匹敵するほどの会話明瞭度を実現しているのが魅力です。

第10位 ホンダ「N-WGNカスタムL・ターボ」

第10位 ホンダ「N-WGNカスタムL・ターボ」

2022年乗り心地の良い車第10位となったのは、軽自動車のホンダN-WGNです。2代目となる現行型ホンダN-WGNは2019年8月に登場。N-WGNは燃料タンクを前席下に収めるホンダ独自のセンタータンクレイアウトを採用し、広くてアレンジ可能な室内空間と使い勝手の良い荷室を可能としました。ラゲッジルームは備え付けのボードを使用すれば、荷室を上下2段に棲み分けることもでき、シーンに合わせたアレンジが可能となっています。2022年9月にN-WGNはマイナーチェンジを実施。内外装の変更に加えて、ホンダセンシングの新機能となる「急アクセル抑制機能」をホンダ車として初めて採用しました。万が一、アクセルブレーキとブレーキペダルを踏み間違えた際に加速を抑制し、警告音とディスプレー表示でドライバーに注意喚起を行います。

第10位 ホンダ「N-WGNカスタムL・ターボ」

試乗したN-WGNカスタムは、フロントグリルにメッキパーツを追加し、さらにスポーティ感を強調したモデル。15インチという軽自動車としては大径タイヤを装着していますが、路面からの衝撃は非常に抑えられており快適に走行できます。一番のポイントは、走行安定性の高さです。全高1,705mmという背の高いN-WGNですが、重心の高さを感じさせるような車の無駄な揺れが見事に抑えられているのが特徴で、軽自動車の中ではトップレベルの質感の高さです。これはドライバーだけでなく、乗員すべてに安心感を与えてくれるでしょう。

 

乗り心地の良い輸入車ランキング トップ10

国産車に続いて、今度は2022年に試乗した輸入車の中から乗り心地の良かったトップ10を紹介しましょう。2022年の約1年間でフルモデルチェンジした車種をはじめ、マイナーチェンジ、一部改良したモデルなど輸入車は約80台と国産車より多く試乗する機会がありました。輸入車はコンパクトカーからセダン、SUVそしてスポーツカーやBEVと国産車と比べると、さまざまなボディタイプそしてパワートレインがランクインしているのが特徴といえます。

第1位 BMW「840グランクーペエクスクルーシブMスポーツ」

第1位 BMW「840グランクーペエクスクルーシブMスポーツ」

2022年に乗った輸入車で乗り心地の良さ第1位となったのは、BMW「840グランクーペエクスクルーシブMスポーツ」です。現行型のBMW8シリーズは、2018年11月に日本市場に導入されたクーペ、4人乗りオープンカーのカブリオレそして4ドアクーペのグランクーペという3つのボディタイプを用意しています。8シリーズのボディは、内部構造部材にカーボン素材、ボディパネルにアルミ材等を効果的に使用することで、堅牢で高剛性なボディながらも車両重量が 2,000kg を切る軽量化を実現し、外観の優雅さからは想像し難いほどの走行性能を発揮します。

第1位 BMW「840グランクーペエクスクルーシブMスポーツ」2

さらに、オプション装備のアクティブ・サスペンション・システムに新たに電子制御のアクティブ・スタビライザーを装着したアダプティブ M サスペンション・プロフェッショナルに加え、M アクティブ・ディファレンシャルを装着し、コーナリング時の安定性と俊敏性を向上させているのが特徴です。840iグランクーペエクスクルーシブMスポーツに搭載されているエンジンは、最高出力319ps、最大トルク500Nmを発生する3L直列6気筒ターボ。この直列6気筒エンジンのスムーズな加速と、極上の乗り心地の良さが優雅さに満ちてきます。

第2位 レンジローバー「オートバイオグラフィーD300」

第2位 レンジローバー「オートバイオグラフィーD300」

2022年1月から受注を開始した現行型レンジローバーが、2022年乗り心地の良い輸入車第2位となりました。現行型レンジローバーは、内燃エンジン(ICE)、プラグイン・ハイブリッド(PHEV)、フルバッテリー電気自動車(BEV)など、あらゆるパワートレインに対応できるよう設計された、最新アーキテクチャーである完全新設計の「MLA-Flex(flexible Modular Longitudinal Architecture)」を採用し、比類なき走破性、機敏なハンドリング、最上級の洗練性を実現しています。

第2位 レンジローバー「オートバイオグラフィーD300」2

さらに路面状況を選ばず高い走行性能を発揮するレンジローバーのサスペンションには、先進のエアスプリングを使用し軽量でコンパクトな5リンク・リアアクスルをはじめ、ツインバルブモノチューブ・ダンパー、オールホイールステアリング、ダイナミックレスポンスプロなどを初めて採用し、ランドローバーの先駆的なインテグレーテッドシャシーコントロール(ICC)で制御し、「レンジローバー」ならではのオフロード走破能力と穏やかな乗り心地を実現しています。その乗り味はまるで魔法の絨毯に乗っているような感覚に襲われるほどソフトな極上な味付けとなっています。

第3位 マセラティ「MC20」

第3位 マセラティ「MC20」

イタリアの高級車ブランドである、マセラティが約40年振りに開発したミッドシップスポーツカーが、「MC20」です。跳ね上げ式のバタフライドアを採用したスポーツカーのMC20が、2022年乗り心地の良い輸入車の第3位です。MC20が採用しているカーボンモノコックボディは57種類のパーツで構成され、ボディを設計するのは、レーシングカーの設計におけるトップ企業であるダラーラ。そしてカーボンなどの部品を製造するのはイタリアの企業TTAアドラーにおいて製造されています。

第3位 マセラティ「MC20」2

MC20のサスペンションは、前後ともにダブルウィッシュボーン式で、旋回時においてタイヤに安定した接地をもたらし、高い横加速度が保証され、あらゆる挙動ならびに速度域において思いどおりにコントロール可能なセミ・バーチャル式を採用しています。アミッドに搭載されるエンジンは「ネットゥーノ」と名付けられた新開発の3L V6ツインターボ。ドライサンプ式を採用し、最高出力630ps、最大トルク730Nmを発生。組み合わされるミッションは8速DCTで、最高速度は325km/h以上、0-100km/h加速は2.9秒以下というハイパフォーマンスを発揮します。見た目がアグレッシブなMC20ですが、乗り味はほかのスポーツカーと比べるとラグジュアリーな味付けとなっています。

第4位 メルセデス・AMG「E53 4マチック」

第4位 メルセデス・AMG「E53 4マチック」

第4位にランクインしたのが、メルセデス・AMG「E53 4マチック」です。現行型Eクラスは2016年7月に日本市場に導入され、2020年9月に大幅改良が行われています。E53 4マチックは、最高出力435ps、最大トルク520Nmを発生する3L直列6気筒ターボエンジンに最高出力22ps、最大トルク250Nmを発生する48V電気システム、さらに低回転で過給を行い、ターボラグを解消する「電動スーパーチャージャー」を装着したパワーユニットを搭載しています。

第4位 メルセデス・AMG「E53 4マチック」2

駆動方式には、パフォーマンス志向の四輪駆動システム「AMG 4MATIC+ 」を採用するなど走行性能を追求する一方、快適性能も維持し、トータルバランスに優れたモデルです。高いシャシー性能に加えて、乗り心地の良さを実現させているのが「AMG RIDE CONTROL+ サスペンション」です。これは、高いアジリティやニュートラルなコーナリング特性、優れたトラクションを可能にするシステムです。特にスポーティなスプリング/ダンパー設定と連続可変ダンパーの「ADS+(アダプティブダンピング システムプラス)」を採用したマルチチャンバー型エアサスペンションであり、卓越したドライビングダイナミクスと優れた快適性を同時に実現します。

第5位 アウディ「e-tron GTクワトロ」

第5位 アウディ「e-tron GTクワトロ」

2022年乗り心地の良い輸入車の第5位となったのが、アウディ「e-tron GTクワトロ」です。2021年5月に発表されたBEVのアウディe-tron GTクワトロは、前後のアクスルに配置された2つの電気モーターのシステム最大出力は、それぞれ350kW、最大トルクはそれぞれ640Nm。この強烈なパフォーマンスを完全に電子的に制御された四輪駆動システムであるエレクトリッククワトロが無駄な動きのないフラットな乗り心地を実現しています。

第5位 アウディ「e-tron GTクワトロ」2

シャシー性能ではオプション装備の、3チャンバー式エアサスペンションやオールホイールステアリングによってスポーティなドライビングと、快適な乗り心地を見事に両立しています。GTという名前のとおり、そのフラットで無駄な動きの少ない乗り心地は、どこまでも走って行けそうです。

第6位 ヒョンデ「アイオニック5ラウンジ」

第6位 ヒョンデ「アイオニック5ラウンジ」

2022年5月より、正式に販売開始したヒョンデのBEV、「アイオニック5」が第6位となりました。ヒョンデのBEVには初めて乗りましたが、色々な意味で衝撃を受けました。個性的なデザインも注目ですが、リアのラゲッジ下にモーターを搭載し、後輪を駆動させるパッケージも驚きました。しかも20インチという大径タイヤを装着しているにも関わらず、荒れた路面を走行しても、衝撃はほとんど感じません。サスペンションがしっかりと仕事をしていることがわかります。そして加速時やカーブを曲がる際にでも揺れが最小限に留められているので、非常に乗り心地も良いですし、乗員全員に安全を提供してくれます。アイオニック5の乗り味は欧州車に近く、安定感の高さが特徴です。

第7位 シトロエン「C5Xシャインパック」

第7位 シトロエン「C5Xシャインパック」

2022年8月に日本市場に導入されたシトロエン「C5X」が乗り心地の良い輸入車第7位となりました。C5 Xは、セダンのもつエレガンスとステーションワゴンの実用性、そしてSUVの力強さを組み合わせた独創的なデザインが特徴のフラッグシップモデルです。すべてのシートに快適な座り心地をもたらす、シトロエン独自のアドバンストコンフォートシートを採用。ベースに低反発効果のある高密度ウレタンを使用し、表層部に15mmの厚さでやわらかなスポンジを挟む手法を用いています。高密度で厚みのある構造が生み出す姿勢保持性とコンフォート性能は、長時間の移動でもリラックスでき、リビングルームでくつろいでいるかのような快適な座り心地を実現しています。

C5Xは“魔法の絨毯”と形容されるシトロエン独自のハイドロニューマチックサスペンションの伝統を引き継ぐ最新のシステム、プログレッシブ・ハイドローリック・クッション(PHC)を全車に標準装備。これは、ショックアブソーバー内にセカンダリーダンパーを組みこむことで、従来のシステムでは吸収しきれなかったショックを抑制し、フラットライドを実現しています。

第8位 DS「DS4リヴォリ」

第8位 DS「DS4リヴォリ」

乗り心地の良い輸入車の第8位は「DS4」です。2022年4月に導入されたDS4はフランス・パリで開催された「第37回国際自動車フェスティバル」において、「Most Beautiful Car of the Year」を受賞。”世界で最も美しい車”に選出されました。DS4はボディの骨格にEMP2(Efficient Modular Platform2)マルチエナジープラットフォームの進化版であるEMP2 V3という最新バージョンを 採用。DS 4 の開発に合わせて操縦安定性向上のための剛性強化や、CO2 削減を推進する軽量化を実現させています。そのため、通常のスポット溶接に加え構造用接着剤を多用。さらに新規部品をEMP2 V2 に対し約50%採用することで、乗り心地を向上させています。

DS4はDSアクティブスキャンサスペンションを採用しています。このシステムは、フロントガラスに装着されたカメラで前方の路面を常時ハイスピードスキャンし、これから通過する路⾯の凹凸を識別。4輪のショックアブソーバーの減衰⼒をリアルタイムで最適に電⼦制御し、常にフラットで快適な乗り⼼地と静粛性、さらに⾛⾏安定性をキープしてくれます。

第9位 フォルクスワーゲン「ゴルフTDIアクティブアドバンス」

第9位 フォルクスワーゲン「ゴルフTDIアクティブアドバンス」

欧州Cセグメントのベンチマークなのが、フォルクスワーゲン「ゴルフ」です。2021年6月に導入された、8代目となる現行モデルは電動化、デジタル化を導入。カテゴリーのリーダーとして大幅な進化を遂げています。現行型ゴルフに2O21年12月にディーゼルターボエンジンを搭載したTDIが追加されました。

搭載されているディーゼルターボエンジンは最新世代のもの。最高出力150ps、最大トルク360Nm、WLTCモード燃費で20.0km/Lという高出力・低燃費を2L直列4気筒ディーゼルターボエンジンは両立しています。このディーゼルエンジンには最新テクノロジーであるツインドージング(デュアル アドブルー噴射)システムを採用。ディーゼルエンジンの懸念材料である窒素酸化物(NOx)の排出量を抑えつつ、従来モデルより最大トルクを向上させているのが特徴。新世代2Lディーゼルエンジンはトルクの向上も感じますが、最も進化を感じたのはアクセルレスポンスの鋭さ。向上した静粛性との相乗効果で、ディーゼルエンジンと言われなければ、ガソリン車と勘違いするほどのシャープなレスポンスを味わえます。もちろん、コーナリング時のステアリングフィールやロール感も絶妙な味付け。特に目立つ電子制御システムは採用されていませんが、基本性能の高さがハッキリとわかり、さすがベンチマークといわれる実力車です。

第10位 ルノー「キャプチャーTECH HYBRID レザーパック」

第10位 ルノー「キャプチャーTECH HYBRID レザーパック」

2022年乗り心地の良い輸入車で第10位となったのが、ルノー「キャプチャーE-TECH HYBRID」です。2022年9月より販売開始したルノーキャプチャーE-TECH HYBRIDは、ルノーが独自に開発した軽量・コンパクト、ダイレクトかつスムーズなドライブフィールが特徴のハイブリッドシステムです。100%モーター駆動によるEVモードで発進し、スムーズかつダイレクトな変速で加速していきます。市街地での静かでスムーズな走りに加えて、郊外ではレスポンスの良い軽快な走りは、これまでのハイブリッド車のイメージを覆す走りです。それでも燃費性能はWLTCモードで22.8km/Lと輸入車SUVでナンバー1となっています。

キャプチャーE-TECH HYBRIDのサスペンション形式はフロントがストラット式、リアがトーションビーム式とシンプルでコストを抑えた仕様となっていますが、味付けが抜群でコンパクトカーとは思えないほど安定感の高いフラットな乗り心地を実現しています。ハイブリッドシステムによるスムーズな加速との相乗効果で、滑るように加速するのが特徴です。

ほかにもある!専門家がおすすめする乗り心地の良い車

2022年は、英国の高級車ブランドであるベントレーのフルラインアップに試乗する機会がありました。中でも最高出力635psを発生する6L W12エンジンを搭載したコンチネンタルGTスピードは速度感覚が鈍くなるほどの絶品の乗り味でした。本来はこのような車をピックアップしたいところですが、今回ここでオススメする車は、スポーティでダイナミックな走行性能が魅力にもかかわらず、しなやかな乗り味でいつまでも、どこまでも乗っていきたくなるような乗り心地を実現しているスポーツモデルを2車種紹介します。

スポーツモデルながら乗り心地の良い車
「アルピナB5」

スポーツモデルながら乗り心地の良い車 「アルピナB5」

BMWをベースに走行性能を高めたモデルといえば、Mシリーズとアルピナです。Mシリーズがサーキット走行を視野に入れたハードなセッティングとなっています。一方のアルピナはロングドライブを快適に移動できる高いグランドツーリング性能が特徴です。最高出力621ps、最大トルク800Nmまで向上させた4.4LV8ビ・ターボを搭載。これほどのハイパワーエンジンを搭載しながら、乗り味はジェントルそのもの。路面から衝撃は感じさせるものの、収束が早く、嫌な感触は残りません。20インチという大径タイヤを装着しているものの、硬さを感じることはなく、リムジンという名前に相応しい乗り心地となっています。

スポーツモデルで乗り心地の良い、しかし中古車でしか買えない車
日産「GT-R T-specプレミアムエディション」

日産「GT-R T-specプレミアムエディション」

2022年モデルに設定された特別仕様車の「GT-R プレミアムエディション Tスペック」です。T-スペックは“Trend Maker”そして“Traction Master”が由来となっています。GT-R プレミアムエディション Tスペックは、特別装備として、専用のカーボンセラミックブレーキをはじめ、樹脂製に対して重量が約半分となるカーボン製リアスポイラー、専用セッティングのサスペンションそして専用開発されたブロンズ塗装されたレイズ製アルミ鍛造ホイールを装着。さらに外観では、専用拡幅フロントフェンダー(後部アウトレットダクト付)、専用拡幅フロントプロテクターそして前後にT-Specのバッジが貼られている。そしてエンジンカバーも専用のアイテムに変更されています。

インテリアでは、センターコンソールにT-Specのバッジが貼られているのをはじめ、専用キッキングプレート、ルーフの刺繍。加えて、専用内装色のコーディネートが施された専用インテリアとなっています。GT-R プレミアムエディション Tスペックに乗って感じるのは、静粛性の高さ。そして、最もスゴイ!と感じたのは滑らかな乗り味。20インチという大径タイヤを装着したハイパフォーマンススポーツカーなのですが、神経質な部分はまったくありません。高速道路での身のこなしの鋭さと安定感はさすがです。しかも素晴らしいのは、路面が荒れていても安定感はスポイルされないこと。路面の荒れた一般道でも安定感は抜群で、気持ち良くアクセルを踏み操ることができました。

乗り心地の良い車の選び方

大径ホイールではない偏平率の高いタイヤを装着しているグレードを狙う

先ほども紹介しましたが、一般的に乗り心地の良い車というのは、強固なボディの骨格を採用し、サスペンションやタイヤがしっかりと仕事をしています。サスペンションやタイヤがしっかりと仕事することで、路面からの入力をいなしたり、車の揺れを抑えてくれたりするのです。サスペンション形式はさまざまありますが、特にリアはマルチリンクやダブルウィッシュボーンのように左右独立しているタイプとトーションビームのように左右が固定されているタイプがあります。コスト面で有利なのはトーションビームのような左右固定式ですが、これが左右独立に比べて乗り心地が悪いとは限りません。乗り心地の良し悪しは最後に評価をする人の味付けで大きく変わります。

その基本を踏まえた上で、乗り心地の良い車を選ぶ際にはまず普段購入する車に何人乗るのかというのがポイントといえます。軽自動車であれば4人ですが、それでもリアに頻繁に大人が乗るのか、子供が乗るのかによっても選択肢が変わってきます。またミニバンなどでは見た目重視のエアロ系グレードを選べば大径ホイールを装着することで乗り心地は悪くなる傾向となります。これは乗り心地にかぎりませんが、自分が車をどのように使うのかという目的が定まらなければ車選びは上手く行かないことが多いです。乗り心地の良い車というのはセカンドシートやサードシートに大切にしている家族を乗せることを一番に考えた車選びのポイントとなるのです。

一般的には重心が低い車のほうが乗り心地は良くなる

最近は広い室内空間が魅力のミニバンやSUVが人気です。こういった車は車高が高かったり、最低地上高を高くしたりしているので、重心が高くなります。重心が高くなると車の揺れが発生しやすく、また大きくなる傾向があります。これまで高級車とされていたのは、4ドアセダンです。車の定番といえる形ですが、4ドアセダンが高級車といわれていたのは、重心が低く乗り心地が良かったからです。

また、欧州では人気の4ドアセダンをベースとしたステーションワゴンも重心が低く、セダンに準じた走行安定性の高さを実現しています。最近では、さまざまな技術の進歩によってミニバンやSUVでも乗り心地は良くなっていますが、重心の低いセダンやステーションワゴンにはまだかなわないといえます。したがって車酔いしやすいペットと一緒に出掛ける人は、大きなゲージなども積みやすいステーションワゴンがオススメです。

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乗り心地の良さを決めるのはテストドライバー、重心が低く高偏平タイヤが有利

乗り心地の良さを決めるのはテストドライバー、重心が低く高偏平タイヤが有利

GT-RやフェアレディZなどを手掛けた日産のテストドライバー・加藤 博義さんは「現代の名工」を2003年に受賞した

乗り心地の良い車は、サスペンションの形状ではなく、その味付けをするテストドライバーの評価能力によって決まります。そして基本的にはセダンやステーションワゴンのように車の重心が低い車のほうが、ミニバンやSUVのように重心が高い車に比べると無駄な動きが少なく、乗り心地が良くなります。軽自動車で人気のカスタム系は見栄えの良い低偏平率のタイヤを装着していますが、乗り心地を求めるのであれば、高偏平のタイヤを装着した標準車のほうが有利といえます。

LINEでクイズキャンペーン 第4弾

よくある質問

Q1:乗り心地の良い車はどんなものがある?

A:高級セダンと呼ばれるロールスロイスやメルセデス・ベンツSクラスには及ばないものの、国産車にも乗り心地の良い車は多数あります。日産「エクストレイル」、トヨタ「ハリアー」などはその最右翼です。ミニバンでもトヨタ「ヴォクシー」、ホンダ「ステップワゴン」、小さな車でもトヨタ「シエンタ」、日産「サクラ」、ホンダ「N-WGN」などはおすすめできます。

Q2:構造が複雑なダブルウィッシュボーンやマルチリンクのほうが乗り心地は良い?

A:コストの高いダブルウィッシュボーン式やマルチリンク式のサスペンションを採用していても、しっかりと仕事させられるようにセッティングできなければ、宝の持ち腐れです。サスペンションに仕事させるようにセッティングするのは、人の能力です。この人次第で、サスペンションの形状にかかわらず乗り心地は良くも悪くもなります。

Q3:買った車の乗り心地を良くするためには何をすれば?

A:「新車なのに乗り心地が悪い」という場合は、まずタイヤのエアチェックを行うのがいいでしょう。それでも納得がいかなときは、タイヤを交換しましょう。それでも、しっくりこないときはショックアブソーバーやブッシュといったサスペンションの消耗品を交換しましょう。その際は、アライメントの調整も行った方がいいでしょう。

※この記事は2022年12月時点の情報で制作しています

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