かつては若者のデートカーとして大人気だったクーペ。流麗なスタイルと低い着座位置、そして走りの良さが魅力のボディタイプです。最近では実用性に勝るSUVやミニバン、コンパクトカーなどに押されて、特に国産車では存在感がやや薄れていますが、それでもそのスポーティなスタイルはまさに「かっこいい」を体現しています。今回はそんな国産クーペをモータージャーナリストの島崎七生人さんにかっこいい順に選んでもらいました。
クーペはかっこいいクルマを代表するスタイルでありジャンルだ
クーペ。クルマ好きならそう発音しただけで胸にトキメキを覚えたりしないだろうか? 近年〝クーペのような〟と言われる4ドアも増えているが、それはとりも直さずクーペがかっこいいクルマを代表するスタイル、ジャンルだからだ。
ひと口にクーペといっても、その解釈は、スタイリッシュクーペ、スポーツクーペなどさまざまだ…と原稿を進めるつもりで改めて気付いたのは、今、国産クーペの主流は圧倒的にスポーツクーペが多いということ。スーパースポーツと呼べる領域のクルマはもちろん、もう少し量販モデルまで見渡しても、いわゆる〝走り〟にプライオリティを置いたホットなモデルがほとんどだ。ここ最近の乗用車の主流はSUVやミニバンであり、クーペは完全に少数派となっているのは事実。だが、それだけにクルマ好きにかっこいいと思わせる、コダワリ派のために用意されていることを明確にしたクルマが、今の国産クーペなのである。
1位「レクサスL C」優雅なスタイリイングは海外のライバルにヒケをとらない存在感
〝かっこいいクーペ〟のテーマに則したもっともかっこいいモデルがこのLCだ。レクサスを象徴する、とにかく優雅なスタイリングは、とにかく海外ブランドの同等ライバル車にまったくヒケをとらない存在感がある。
パワーユニットは5ℓのV8と3.5ℓのV6ハイブリッドが用意され、もちろんどちらも高性能だが、それを前面にアピールするタイプではないから涼しい顔で乗っていられるのもいい。けれど走らせている時の気持ちよさは格別なもので、上質なインテリアは、オーナーにとってはまさに〝もてなしの空間〟だ。価格に見合った満足感が得られる。
2位「トヨタスープラ」マッシブでロングノーズな王道のスポーツカー
日本ではセリカXXとして登場、エアロトップが設定されていた数えて3代目から北米市場と共通車名のスープラとなった。現行モデルはトヨタ社内のトレーニング用にも使われる先代の後を17年ぶりに受け継ぎ2019年に発売。BMW Z4はスープラと共同開発されたモデルだ。
マッシブなスタイルは先代(A80型)のイメージを連想させ、ロングノーズ、2シーター、FRと、クーペというよりスポーツカーの王道であるところがスープラの立ち位置。すでに6気筒の3ℓモデルがパワーアップ(340→387ps)するなど改良が入り、ファンの熱い思いに応えている。
3位「日産GT-R」今や洗練された究極のスポーツクーペ
1969年の初代スカイラインGT-R誕生から今年(2020年)で51年。1989年に当時の4WD技術(ATTESA E-TS)を盛り込み復活したBNR32型以降、33、34と続いた後、新世代の超高性能車として2007年に登場したのが現在のGT-R。
もはやただのクーペなどと言っている場合ではなく、世界的にも認められるスポーツカーであり、570ps(NISMOは600ps)を発揮する3.8ℓのV6ツインターボ(VR38DETT型)を搭載する。当初は「スゴイ」と思われたスタイリングも目が馴染んで(?)洗練されて見えるようになってきたし、性能も姿形も究極のスポーツクーペといえる。ちなみにブルーのボディ色は〝ワンガンブルー〟と呼ぶ。
4位「ホンダNSX」見るからにミッドシップスポーツ
1989年の初代の後継モデルとして2016年に登場したのが現在の2代目。初代以上に見るからに典型的なミッドシップスポーツ…といったスタイルだ。が、パワートレインはグッと現代的で、3.5ℓのV6ツインターボに前:2モーター/後:1モーターを組み合わせた〝スポーツハイブリッドSH-AWD〟を採用。
システム最高出力は581ps、最大トルク646Nmと強大な動力性能をもちながら、知的な制御でシレッと走らせられてしまうところが凄い。’18年のマイナーチェンジで乗り心地が洗練された。全幅は1940mmと大柄だが後方視界がよく、日常ユースもOKだ。
5位「日産フェアレディZ」次期型登場間近でも古さを感じさせない
2019年に初代誕生から50周年を迎えたフェアレディZだが、先頃、次期型のプロトタイプ(7代目)が公表されたところ。しかし近く生産終了となるであろうZ34型・現行モデルがもはや古いのか?といえば、決してそんなことはない。
かつては2by2も存在したが、今は潔く2シーターのみの設定で、価格帯が幅広く、もっとも身近なベースグレードは400万円を切る設定だが、エンジンは全車とも3.7ℓのV6のNAというところもピュアだ。低くタイトなドライビングポジションもスポーツクーペならではだ。より性能を高め、専用パーツでかためたNISMOもある。
6位「レクサスRC/RC F」大人が似合う貴重なセダン派生クーペ
スカイラインクーペが今はないから、国産ブランドでは唯一のアッパーミドルクラスのクーペ。セダン(IS)から派生した車型という意味では昔ながらの成り立ちながら、単にドアの枚数を2枚にしただけではなく、スタイリングはまるごと専用にデザインされている。
基本は高性能なクーペだが、パワーユニットの設定が幅広く、2ℓターボ、2.5ℓ+モーター、3.5ℓのV6、そしてカーボンルックの別格、RC Fには5ℓのV8が搭載される。スープラが走りのイメージ直球勝負なのに対し、RC Fはともかく主力のRCは、大人のユーザーが似合うクーペだ。
7位「トヨタ86/スバルBRZ」手ごろなサイズと価格で楽しめる貴重なクーペ
86/BRZは、そう遠くない時期にフルモデルチェンジの運びとなる見通し(BRZはすでに次期型公表済み)だが、手ごろなサイズと価格で楽しめるFRスポーツクーペとして貴重な存在。もともと往年のレビン/トレノ(AE86)の位置付けを意識したモデルだったが、今ではFFを含めて見渡しても同クラスでは希有な存在。
86とBRZは、デビュー当時はかなり走りの味付けに違いが感じられたが、年を追うにつれ、その差が小さくなった点も見落とせない。それと何といっても、これから登場してくる次期モデルの仕上がりぶりが楽しみではある。
クーペは自身の体験、記憶の中で〝絵になるクルマ〟
時代性を反映して、絶滅危惧種同然というか、現状の国産クーペはとても貴重な存在になっていることを実感する。とはいえ、かつてはクーペが時代の主役、憧れだった頃があった。80年代、ソアラ、プレリュード、シルビアなど〝デートカー〟などと称され、時代からももてはやされ、人気を博したモデルたちがあった。
もっと遡れば、昭和40年代、ファミリーカーが普及し始めると、今度は〝家のクルマ〟であるセダンに対し〝自分のクルマ〟であることを主張できるクーペが次々と誕生、クーペが一躍、かっこいい存在になった。何を隠そう、そういう時代をリアルタイムで過ごした筆者は、最初の自分のクルマから何台ものクーペを乗り継ぎ、2ドアの前席優先のパーソナルなムードを、隣に友人(まあ、一般的に言うところのガールフレンドである)を乗せて楽しんだものだ。シートを倒して後席に人を乗せるのは本当にエマージェンシー、通常は後席はコートやジャケット、バッグの置き場所に使う。2ドアのクーペには、そんな風に3人目からの乗員をそれとなく拒否できる雰囲気があった。
クルマとしてのスペックも大事だが、それ以上に、行きたい場所までのドライブの時間をいかに楽しませてくれるか。何も自分のクルマのスペックがDOHCやダブルウイッシュボーンでなくても、クーペは自身の体験、記憶の中で〝絵になるクルマ〟であればよかったのである。
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*調査方法:インターネット調査 調査期間:2021年2月12日~15日 調査概要:カーリース10社を対象にしたイメージ調査 調査対象:男女、全国、18~69 歳、運転免許保有、(1)(2)週1回以上運転するファイナンシャルプランナー176s、(3)カーディーラー勤務者297s 調査実施:株式会社ショッパーズアイ 比較対象企業:「カーリース」Google 検索9社(2021年1月29日10 時時点) 広告、まとめサイトなどを除く
※記事の内容は2021年1月時点の情報で制作しています。