ページトップへ戻る
キーワードから記事を探す
車種から記事を探す
ライターから記事を探す
寄稿記事
モータージャーナリスト
島崎七生人しまざきなおと

【2023年版】「かっこいいミニバン」ランキング&専門家おすすめ車種を徹底解説

いろいろなミニバンがあることを示した画像
いろいろなミニバンがあることを示した画像

日本の日常風景にすっかり溶け込んだミニバン。送迎やお買い物、週末のドライブや年末年始の帰省など幅広いシーンで大活躍しています。特に2021年から2022年にかけて、人気ミニバンがフルモデルチェンジを受けたことで、勢力図に変化が出てきました。そんなミニバンをサイズ別に3つのカテゴリーに分け、それぞれの中で「かっこいいミニバン」をモータージャーナリストの島崎七生人さんに選んでもらいました。さらに、中古車でしか手に入れることのできない、忘れがたきかっこいいミニバンも取り上げます。

  • ゆとり、快適性、装備の充実度などがトップクラス。ラージサイズミニバンなら「アルファード」が飛び抜けている
  • 王道のミドルサイズミニバンは実力車がすべて新型に移行、それぞれの個性が高まった
  • サクッと気軽にかっこよく乗りこなせるコンパクトミニバンは、デザインの方向性が変わった新型「シエンタ」の魅力が増した

かっこいいミニバンを3つのカテゴリーごとに紹介

ミニバンでレジャーを楽しんでいるイメージ画像

もしも世の中からミニバンが消えたら、相当多くのユーザーが困ることになるはずだ。ミニバンは、今や日本の多くのファミリーにとって必需品だからだ。週末のドライブや夏休み、年末年始の帰省はもちろん、毎日の食材やホームセンターへの買い物、お子様の塾の送迎など、実生活の中のありとあらゆる用途にミニバンが活躍している。コロナ禍の今は少し慎重な行動が求められてはいるものの、公共の交通機関を利用するリスクを考え、ミニバンがあるとなおさら心強い。

ではミニバン以外のクルマではダメなのか? もちろんそんなことはない。けれど例えばセダンやコンパクトカーではできないこととして、多人数乗車や、大きな荷物の積載、車中泊などが考えられる。すでにミニバンユーザーなら、そうした使い勝手のよさを知っていて重宝しているから、後戻りできない。それとやや高めの運転席からの見晴らしのよさは、慣れれば捨てられない。車庫入れ、バックなども今のクルマはカメラが充実しているから問題なしだ。

バックで車庫に入るミニバン

たとえ後席でお子様がゲームやスマホを思い思いにイジりながら乗っていたとしても、家族が時間を共有しながらいっしょに移動できること、ライフステージのある時期のことであるにしても、今の日本のファミリーにとってミニバンは風物詩ならぬ風物グルマというわけだ。

そんな生活の道具であり、日常風景に溶け込んだミニバンだからこそ、見た目にもこだわってほしいと筆者は切に願う次第である。今回はラージ、ミドル、コンパクトの3つのサイズ別に「かっこいい」ミニバンを紹介しよう。

カテゴリー1:ゆとり、快適性、装備の充実度などがトップクラス「ラージサイズミニバン」

ラージサイズのミニバンの画像

乗用車の中でもミニバンは居住空間の豊かさ、平たくいうと室内の広さにかけて、他のカテゴリーのクルマに対し圧倒的なアドバンテージをもつ。さらにその中でもラージサイズのモデルとなれば、ゆとり、快適性、装備の充実度などがトップクラスである点が魅力であり、実用車としてのかっこよさだ。単純に広さだけでいえばミドルサイズのミニバンでラージサイズに迫るスペースの確保を実現した車種もなくはない。が、余裕のある動力性能、乗り味など、走りの“質”の面でもオーナー、同乗者の満足度は高いはず。

そんなラージサイズのミニバンだが、現状の車種は?というと、実はホンダ「オデッセイ」が生産中止となるなどして、残された選択肢はいずれも貴重な存在だ。勢力図的には、直近でもトヨタ「アルファード」(と「ヴェルファイア」)が1番人気で、この車種でラージサイズのミニバン市場を背負っている……感すらある。そのほかこのクラスならではの4列シートを備えるトヨタ「グランエース」、国産車とは一味違う走り、使い勝手が堪能できる輸入ブランドもある。

第1位 トヨタ「アルファード/ヴェルファイア」
他車を寄せ付けない威風堂々とした外観、ゴージャスな室内、装備

トヨタ「アルファード」の画像

3代目(ヴェルファイアは2代目)となる現行アルファード/ヴェルファイアの登場は2015年。よって2代目が7年のモデルライフだったことを考えれば、そろそろモデルチェンジと考えるのが自然か。ところが依然として人気は衰え知らずで、アルファードでいうと、2022年の乗用車販売台数中、何と10位に食い込む健闘ぶりを見せた。まさに名実ともに“キング・オブ・ミニバン”といったところ。

トヨタ「アルファード」の内装

威風堂々とした外観、ゴージャスな室内、装備がこのクルマのかっこよさであり、もはや他車を寄せ付けない感すらある。2.5ℓの4気筒ガソリン、3.5ℓのV6ガソリンのほか、ハイブリッド(2.5ℓ+モーター)は4WDのみの設定で用意される。

 

第2位 三菱「デリカD:5」
オンもオフも行ける、頼もしい存在

オフロードを走る三菱「デリカD:5」

「デリカD:5」の最初期型の登場は2007年だったから、すでに16年が経つ。もちろんこの間に改良が重ねられ、2019年には“ダイナミックシールド”と呼ばれる近年の三菱車に共通のフロントデザインが与えられ現在の姿になった。このクルマの息が長くいつまでも魅力を保っている理由は、SUVテイストを打ち出す唯一無二のかっこよさだから。それは前身のデリカスターワゴン、デリカスペースギア由来のものでもある。

三菱「デリカD:5」の内装

185mmの最低地上高の説得力もひとしお。駆動方式は油圧多板方式の4WD(2WDと、4WDはROCKモード付き)のみ、パワートレインも2.2ℓのディーゼル1択と、ある意味でわかりやすい。オンもオフも行ける、頼もしい存在である。

第3位 日産「エルグランド」
低重心、低全高のパッケージング

日産「エルグランド」の画像

もともとアメリカの大陸横断鉄道の先頭車両をイメージした初代「エルグランド」こそ、今に繋がる国産ラージサイズのミニバン市場の開拓“車”だった。現状では販売上ではトヨタ勢に水を開けられているが、だからといって3代目となる現行モデルに魅力がないのか?というと決してそんなことはない。要はアルファード/ヴェルファイアとは方向性の異なる、低重心、低全高のパッケージングで攻めている点がかっこよさだ。

日産「エルグランド」の内装

前席はステップなしで乗り込めるし、ルーフ高は抑え気味とはいえセカンド、サードシートの居住空間は十分な広さだし、快適なトランスポーターとしての役割を果たしてくれる。セダン感覚の安定感のある走りっぷりも特徴だ。

第4位 トヨタ「グランエース」
群を抜いたボディサイズでとにかく圧倒される存在感

夜の街を走るトヨタ「グランエース」

全長×全幅×全高=5300×1970×1990mm。国産ブランドのミニバンとしては群を抜いたボディサイズで、リアから見ると究極の四角さだったり……と、とにかく圧倒される存在感。海外向けの「ハイエース」がベースということでこのボディサイズなのであり、かっこよさである。ただしフロントマスクのデザインは、たとえばアルファード/ヴェルファイアよりもむしろプレーンで、高級感よりも道具感を打ち出している点は好感がもてる。

トヨタ「グランエース」の内装

広い室内で運転席が“ドア寄り”なのはかつてのグランビアを思い起こさせるが、8人乗りは何と2座席×4列という配列。一方で6人乗りは2人×3列で、2、3列はほぼ同等のエグゼクティブパワーシートを備える。

第5位 フォルクスワーゲン「シャラン」
道具としてのポテンシャルの高さ

フォルクスワーゲン「シャラン」の画像

輸入ブランドでは他にメルセデス・ベンツのVクラスもあるが、価格もプレミアムということで、ここではフォルクスワーゲンの「シャラン」を取り上げておきたい。シャランは現行型で2代目に当たり、初代はフォードとのコラボレーションから生まれたモデルだった。現在のモデルが最初に日本市場にお目見えしたのが2010年のことだが、小改良を経て今も通用していることでも、このクルマの道具としてのポテンシャルの高さは証明済み。

フォルクスワーゲン「シャラン」の内装

全幅こそ1910mmだが、他のVW車同様に、サクッと乗りこなせるのは美点。安全運転支援関係の機能も備わる。2、3列シートがシッカリとしたサイズであったり、2列目以降を畳むと広大なさラゲッジルームが出現するなど実用性の高さがかっこよさ。

お得なクルマ情報が届く_リース&カルモの最新情報も!_LINEで受け取る

カテゴリー2:ミニバン選びの王道、実力車が揃って新型に「ミドルサイズミニバン」

レジャーで活躍するミドルサイズミニバンを表した画像

ミドルサイズのミニバンは、日本の多くのファミリーにとってもっともポピュラーな存在だろう。とりわけ小・中学生のお子様がいるようなライフステージのファミリーであれば、日常的な買い物やお子様の習い事への送迎、そして休日のドライブまで、家族全員の移動には欠かせないし、そういったあらゆる用途をスマートにかっこよくこなす。また、年末年始の帰省も家族全員が水入らずで1台のミニバンで出かけられ、お父さんが運転を頑張ってくれさえすれば(!)移動コストの節約にもなる。またその際、実家の両親を交えての外食……といった場合も、3列シートであれば家族+αでの移動が叶う。

2023年初頭段階でいえば、2022年中に国産3大ライバル車のトヨタノア/ヴォクシー、ホンダステップワゴン、そして日産セレナが相次いでモデルチェンジを果たしたばかり。最新スペックの各モデルが、予算や用途に合わせて選べる状況になっている。また2列シートながら同等クラスの輸入ブランドにも、用途に適うモデルが用意されている。

第1位 トヨタ「ノア/ヴォクシー」
これまでのヴォクシーに微妙に寄せたノア、こだわりのディテールで主張するヴォクシー

トヨタ「ノア」の画像

トヨタ「ヴォクシー」の画像

“アルヴェル”同様に“ノアヴォク”など短縮形の呼び名で通じる「ノア/ヴォクシー」は、2022年1月に現行型が登場。フロントマスクはこれまでのヴォクシーに微妙に寄せた(?)ノア、こだわりのディテールで主張するヴォクシーと、それぞれのかっこよさをもつ。全幅を1730mmにわずかだけ拡大し室内空間を拡大、ロングスライドが可能な2列目キャプテンシート(7名乗り)にはオットマンを設定するなど装備面でも充実。

乗降時にスライドドアに連動して展開/格納するステップも用意される。ハイブリッド車はモーター出力とバッテリー容量が拡大されより長くEV走行が可能に。全車速追従機能付きクルーズコントロール、ハンズオフ機能なども見逃せない。

 

第2位 日産「セレナ」
最新の日産車のモードをまとい、スッキリとした印象に生まれ変わった

夜の街を走る日産「セレナ」

2022年11月に6代目にモデルチェンジを果たしたばかりの「セレナ」。基本的には従来型の発展・進化型ではあるが、外観デザインは最新の日産車のモードを纏い、先代に比べスッキリとした印象に生まれ変わり、新たなかっこよさをアピールしている(AUTECHバージョンも用意がある)。インテリアも同様で、インパネは12.3インチのディスプレイを使った今風のものとなり、眼前がサッパリしたほか、シフトがユニークな横並びのボタン式に。

日産「セレナ」の内装

トップグレードのLUXIONが7名乗り、そのほかは8名乗りの設定だ。ラインナップは世代の進んだ1.4ℓ+モーターのe-POWERと、FFと4WDが設定される2ℓガソリンに大別され、さまざまなニーズに応えている。

第3位 ホンダ「ステップワゴン」
これぞステップワゴン!といえる道具感

ホンダ「ステップワゴン」の画像

ライバル車同士でいうと、2022年1月の「ノア/ヴォクシー」に次いで6月にフルモデルチェンジしたのがこの「ステップワゴン」。縦長のリアコンビランプはいかにも初代を思い出させるデザインだが、ノーズの形をシッカリと作り、いかにも箱形にしたスタイルは、これぞステップワゴン!といえる道具感があり、そこがかっこよさの秘訣だ。

ホンダ「ステップワゴン」の内装

インテリアも、いたずらにデザインに走りすぎない水平基調のインパネに好感がもてるほか、3列目シートは手際よく床下に格納できる、これもステップワゴン方式。2ℓ+モーターのe:HEVと1.5ℓガソリンターボを用意する。

第4位 シトロエン「ベルランゴ」
プロユースの道具をプライベートな乗用車に使う

シトロエン「ベルランゴ」の画像

シトロエン「ベルランゴ」は、実は現行の3代目になり初めて正規輸入された。もともとルノー「カングー」と同様に“フルゴネット”と呼ばれるコマーシャルカーを乗用車に発展させたクルマだが、メッセンジャーバッグのようにプロユースの道具をプライベートな乗用車に使う……そんなかっこよさが持ち味といえる。

シトロエン「ベルランゴ」の内装

この記事では便宜上“ミドル”に分類しているが、実車は全幅が1850mmあり、かなりタップリとしたボディサイズ。であるが、見晴らしのいいシートに座り走らせてみれば、運転しやすく、何より懐の深いゆったりとした乗り味は日本車とは一線を画すものだ。3列シートも加わり、今まで以上にミニバンユーザーにとって気になる存在なのでは?

第5位 フォルクスワーゲン「ゴルフトゥーラン」
生活スタイルの中にかっこよく溶け込む多用途車

フォルクスワーゲン「ゴルフトゥーラン」の画像

車名どおりフォルクスワーゲン「ゴルフ」ファミリーの3列シート車。ミニバンというより、生活スタイルの中にかっこよく溶け込む多用途車といったほうがいいかもしれない。ボディサイズは全長が4535mm、全幅が1830mmと、シトロエン「ベルランゴ」より20mm幅が小さく、130mmだけ長い。が、その中で3列/7人乗りを可能にしたパッケージングに仕上げられている点がこのクルマのポイント。

フォルクスワーゲン「ゴルフトゥーラン」の内装

2列目シートは3脚個別になっており、シートアレンジも多彩だ。それとミニバンというよりもゴルフの感覚に近い運転感覚、安定感もこのクルマの大きな魅力で、高速走行はもちろん山道でも安心して走らせることができる。1.5ℓガソリンターボのほか、2ℓディーゼルターボが選べる。

カテゴリー3:サクッと気軽にかっこよく乗りこなすことができる「コンパクトミニバン」

コンパクトミニバンが街乗りに使いやすいことを表した画像

コンパクトサイズのミニバンは、とにかく使い勝手のよさが魅力のクラス。ミニバンのカテゴリーの中で価格、ランニングコストが小さく抑えられるだけでも賢い選択といえるし、2BOXのハッチバック車とほとんど同感覚で扱えるボディサイズはもちろん魅力。普段使いのクルマが乗りにくくては困るが、コンパクトサイズのミニバンなら、毎日のスーパーへの買い物にしても、サクッと気軽にかっこよく乗りこなすことができる。

また軽自動車からの乗り換えにもうってつけだ。大きいのは乗車定員が軽の4人から5人に増える点。イザという時にこれは助かる。軽自動車との比較では、エンジン排気量が大きくなる分の動力性能の余裕で、高速道路などの余裕が増すのもメリットになる。

ボディはコンパクトでも室内空間は最大限にとられ、シートアレンジ、機能も工夫があるから使い勝手もいい。ミラクルな(!?)3列シートはもちろん、2列シートでも、人も荷物も自在な乗り方(載せ方)ができる利便性の高さは、どのブランドのどの車種でも、このクラスの自慢のポイントだ。

第1位 トヨタ「シエンタ」
フランス、イタリアの多用途実用車のような洒落っ気

公園にとめられたトヨタ「シエンタ」

2022年8月に登場したばかりの「シエンタ」。街中でもよく見かけるようになったが、見れば見るほどチャーミングなクルマである。行間に思いを滲ませて言えば、モデルチェンジで見違えるように生まれ変わった外観は、フランス、イタリアの多用途実用車のような洒落っ気がかっこいい。一方で室内および実用性、機能性はトヨタの最小ミニバンらしく万全。

トヨタ「シエンタ」の内装

セカンドシートはスライド量が大きく自在な使い勝手だし、サードシートがあるのは便利で、未使用時はスッポリと床下に畳むことができる。走りはとくにハイブリッド車のスムースさ、力強さが印象に残る。最小回転半径は5mと先代より小さくなり、スマートな取り回しも実現している。

第2位 ホンダ「フリード」
子離れ世代が乗りこなしてもかっこいい

街中を走るホンダ「フリード」

実は「フリード」は、2022年暦年(1〜12月)の国産ミニバン(3列シート車)で1番の販売台数を誇る人気車。現行モデルは2代目で登場は2016年のことだったが、初代が打ち出した“ちょうどいい”のコンセプトの踏襲が正しかったことが証明されたというべきか。2022年6月の一部改良では、運転席&助手席シートヒーターを始め標準装備も充実させている。

ホンダ「フリード」の内装

ミニバンというと子育てファミリー御用達……一般にはそんなイメージだが、このフリードに限っては、子離れ世代が乗りこなしてもかっこいい。コンパクトなボディが扱いやすく、走りにもストレスがないからだ。シリーズには3列シートの7人乗り、6人乗りのほか、2列/5人乗りのフリード+も設定。

第3位 スズキ「ソリオ」
後席のゆとりと快適性の高さなど合理的

スズキ「ソリオ」の画像

スズキ「バンディッド」の画像

パパイヤ鈴木ご本人も登場する小気味よい振り付けのTV-CMはいつ見ても楽しげだが(バンディッドは別のCMが用意されている)、まさに気軽に便利なクルマを使いこなしたい……そんなユーザーにピッタリなのが「ソリオ」だ。上級ミニバンのような余裕のある全高、便利なスライドドアなどをもちながら、全長×全幅=3790×1645mmと5ナンバーの中でもボディサイズはコンパクト。対して2列/5人乗りとした室内は、とくに後席のゆとりと快適性の高さなど合理的なところがかっこいい。

スズキ「ソリオ」の内装

当然ながらラゲッジルームも後席を前方スライド、または折り畳みにより使い方は自在で、かさ張る荷物や不意の買い物でも安心。2022年12月に5速AGS付きハイブリッドも登場。

第4位 ダイハツ「トール」
使い勝手のよさとコストパフォーマンスの高さ

街中を走るダイハツ「トール」

スズキソリオがハイブリッド車を含め1.2ℓの4気筒エンジンを搭載するのに対して、「トール」はターボもそれ以外もすべて1ℓの3気筒エンジンを搭載する。まさにコンパクトサイズのクルマの中でも、もっとも合理的というわけだ。とはいえ全長こそトールが85mm短いが、全幅は25mm広く、ホイールベースも10mmほど長く、トレッドも前/後で20mm/25mmワイドだ。

ダイハツ「トール」の内装

軽自動車を手がけるダイハツだけに、モノの考え方として5人乗車が可能な少しでも実用性の高いクルマにしたい……そんな設計意図がわかる。実車は後席の240mmスライドや片側フルフラット化など、使い勝手のよさを実現。コストパフォーマンスの高さはかっこよさのひとつ。

第5位 トヨタ「ルーミー」
手頃な価格設定で選びやすい

トヨタ「ルーミー」の画像

事実関係でいえばダイハツが開発、生産を行い、同社のトールのOEM車の位置づけなのがトヨタから発売されるこの「ルーミー」。ただし販売台数は圧倒的にルーミーが多く、2022年1〜12月の台数はトールの1万1527台に対しルーミーは10万9236台を記録、全銘柄中4位の成績を収めた。ラインナップは1ℓのターボとノンターボがあり、後者にはFFと4WDを設定。さらにいずれにも標準車と顔違いのカスタムが用意される。

トヨタ「ルーミー」の内装

手頃な価格設定で選びやすいところが賢くかっこいい。カスタム系には全車速追従機能付きアダプティブクルーズコントロールが標準だ。なおOEM車としてはもう1台、かつてのリッターカーの名が与えられたスバル・ジャスティがある。

 

サービスガイド(パンフレット)もございます

買うのとカーリースって何が違うの?なぜそんなに人気なの?といった疑問にお答えしています。また、大手カーリース各社との料金・サービス比較も掲載しています。ぜひご覧ください(郵送もダウンロードも可能です)。

サービスガイド

定額カルモくんの資料を見る

番外:中古車で狙いたい、忘れ得ぬかっこいいミニバンたち

ミニバンに限らず、中古車を選ぶ理由のひとつにあるのが、もう新車では手に入らないけれどどうしても乗りたかった車種に探せば出会える……という考えかた。たとえばモデルチェンジでボディサイズが拡大した現行モデルよりも“先代”のほうが自分には扱いやすい、スタイルが好みだった……といったケースなどがそう。また、モデルチェンジどころか1世代で終わってしまった、すでに生産終了となってしまったといった車種なら、当然ながら新車ではもう乗れないが中古車なら見つけることができる。輸入車などで、太古の年式とはいわないまでも、個性的で気に入っていたが(大抵は日本での販売が伸び悩んで)早々にカタログ落ちしてしまった車種など、そのクルマに恋い焦がれていたユーザーが中古車で見つけられたら歓びもひとしおのはずだ。

また当然ながら中古車は一般に新車と比べて車両価格が抑えられているから手を出しやすい。とくにミニバンの場合、自分は実用主義だから別に人気車でなくても気にならない、自分なりにかっこよく乗り潰すつもりだ……というなら、リーズナブルな中古車は狙い目だ。

第1位 トヨタ「エスティマ(3代目)」
ひと目でエスティマとわかるコンセプト

トヨタ「エスティマ」の画像

あおりを食って……というといささか言葉がぞんざいだが、SUVのムーブメントに圧されて消えていったミニバンは少なくない。「エスティマ」もその中の1台。初代はもともと北米向けミニバンとして開発され、“天才タマゴ”を名乗るユニークなモノフォルムが異彩を放った。

トヨタ「エスティマ」の画像

ひと目でエスティマとわかるそのかっこいいコンセプトは後の2世代にも受け継がれ、3世代目は2006年から2020年にかけて販売されたロングセラーモデル。2代目アルファードと基本を共用するだけに、ゆとりのある室内空間が魅力で、初期モデルには3.5ℓのV6搭載車もあった。ハイブリッド車はE-Fourと呼ばれる、後輪をモーター駆動とした電気式4WDを採用していた。

第2位 マツダ「プレマシー(3代目)」
ミニバンというよりワゴン感覚の颯爽とした走り

街中を走るマツダ「プレマシー」

ミニバンというと、やはり重視されるのは室内の広さや使い勝手のよさだろう。そういう要件を踏まえつつ、現在の国産車から消えて久しいのが、全長4500〜4600mm台、全高1600mm前後で3列シート、スライドドア付きの非ハイト系ミニバン。マツダでいうとプレマシーがそうだったが、このクルマは国産ミニバンとしては珍しく“MAZDA 5”として欧州市場でも展開された。

マツダ「プレマシー」の画像

そのためもあり、シーンを問わず安心感の高い走りが実現され、ミニバンというよりワゴン感覚の颯爽とした走りがかっこよかった。実用性ではカラクリシートと呼ばれた2座と3座に変幻する2列目シートや、後席を倒すと床面がフラットなまま拡大できるラゲッジルームなどが特徴。

第3位 ホンダ「エディックス」
3人がけ×2列というユニークなシート配列

ホンダ「エディックス」の画像

「エディックス」の新車が市販されていたのは2004年から2009年にかけてのこと。このクルマのかっこよさは、3人がけ×2列という他車にはない実にユニークなシート配列を実現していた点。輸入車であればフィアット「ムルティプラ」に同様の事例があったが、エディックスの場合は、前後中央席を大きく後方にスライドさせシートの並びを上から見てV字型にした状態での使用が各席左右同士の干渉が避けられ“推し”としていた。

ホンダ「エディックス」の内装

当時の「シビック」(7代目)をベースに、1795mmの全幅と4300mm程度の全長というスタイルは、ウエッジを効かせたなかなかスタイリッシュで個性的なものだったが、残念ながらモデルチェンジされることなく1世代限りとなった。

第4位 ルノー「カングー」
とことんシンプルな道具感

疾走するルノー「カングー」

ルノー「カングー」は、言ってみれば、飾らず虚勢を張らず、とことんシンプルな道具感が使って心地よく、その様がかっこいいクルマ、である。商用&ビジネスユース車を出自としていることもこのクルマのキャラクターを決定づけており、とくに2002年登場の初代は、コンパクトで扱いやすいことから通な愛好家から今でも愛されている。

ルノー「カングー」の画像

一方で2009年から日本市場にも導入された2代目は、ボディサイズの拡大に当初は賛否があったものの、やはり唯一無二の存在として人気を博すこととなったのはご承知のとおり。専用のボディ色を纏った限定車もこれまでに数多くリリースされている。シッカリ、ホッコリとした乗り味もならではだ。

第5位  シトロエン「C4ピカソ(グランドC4スペースツアラー)」
ホッコリとした面持ちにさせてくれる乗り味

シトロエン「C4ピカソ」の画像

実態は3列シート/7人乗りのMPV、ピープルムーバー。少しややこしいが導入当初は2列/5人乗りのショートボディがあったためこちらを「C4ピカソ」、7人乗りを「グランドC4ピカソ」と呼んだが、後に5人乗りがカタログ落ちし、残った7人乗りの車名のピカソがスペースツアラーとやや凡庸な車名になった。

シトロエン「C4ピカソ」の内装

いずれにしてもこのクルマは個性的なスタイルもさることながら、とにかく神経を逆撫でされないホッコリとした面持ちにさせてくれる乗り味がかっこよさのポイントというべきか。7席がすべて独立したシートの座り心地が秀逸なのもシトロエンらしいところ。最終型は2ℓのディーゼルターボを搭載、これもまた思い通りの加・減速が味わえた。

お得なクルマ情報が届く_リース&カルモの最新情報も!_LINEで受け取る

移動しながらリラックスして過ごせる場所、それがミニバンのかっこよさだ

コロナ禍を経験して見直されたのが、自家用車での移動だった。電車、バス、あるいは空路などのいわゆる公共の交通機関は、否応なしに不特定多数の人と接しながら利用することになり、一定の感染対策を心がけていながらも、“エビデンス”のあるなしに関わらず、ひと頃よりもヒステリックな捉え方はされなくなったとはいえ、心配は心配だ。

その点、自家用車であれば、家族以外の見ず知らずの第三者と接することなく自宅から目的地間での移動が可能になる。もともと自家用車の利点、メリットはドアtoドアでどこへでも行けることだったが、コロナ禍でそのメリットが見直された。たとえば目的地が郊外のキャンプ場であれば人が密になる心配が少なく、注意深く出かけるにしても敷居は低い。

そんな流れの中でミニバンの価値が再認識されるのは当然の成り行きだ。というよりも、ことトランスポーター、ピープルムーバーとして、ミニバンはもともとどのカテゴリーのクルマよりもポテンシャルが高い。しかも多くの快適なクルマがある中でもミニバンのゆとりの大きな室内空間は、明らかに他のカテゴリーのクルマに対して一頭地を抜いた存在。少し前に筆者は、とあるメーカーのとある1BOXタイプのクルマのCMで“第三の部屋”と言っているのを聞き、そのメーカーのエンジニアに「自宅に居場所がなくなったお父さん向けですか?」と減らず口を叩いて相手を困らせてしまったが、ミニバンの室内とは、文字通り、もうひとつのマイホーム、リビングルームとして移動しながらリラックスして過ごせる場所なのである。それは、他のカテゴリーのクルマではちょっとまねのできないかっこよさだ。

よくある質問

Q1:ラージサイズミニバンでかっこいい車種を教えてください

A:他車を寄せ付けない威風堂々とした外観、ゴージャスな室内、装備のトヨタ「アルファード/ヴェルファイア」、SUV+ミニバンという唯一のコンセプトの三菱「デリカD:5」がかっこいいのではないでしょうか

Q2:ミドルサイズミニバンのかっこいい車種はどれですか?

A:全体的に旧ヴォクシー寄りになった「トヨタノア/ヴォクシー」、最新の日産デザインによってスマートになった「セレナ」、「らしさ」を取り戻したホンダ「ステップワゴン」などがかっこいいと思います

Q3:コンパクトなミニバンでかっこいいのはどの車種でしょうか?

A:イタリアやフランスの実用車然としたトヨタ「シエンタ」、子離れ世代にも似合うホンダ「フリード」、合理性が光るスズ「キソリオ」などがおすすめです

※この記事は2023年1月時点の情報で制作しています

関連記事
カーリースお役立ち記事
車種から記事を探す
人気記事ランキング
注目のキーワード
閉じる

お得なクルマ情報が届く_リース&カルモの最新情報も!_LINEで受け取る