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【2024年版】専門家がおすすめ!電気自動車(EV)ランキング

【2024年版】専門家がおすすめ!電気自動車(EV)ランキング
【2024年版】専門家がおすすめ!電気自動車(EV)ランキング

世界的な「EVシフト」が起きている中、日本でもさまざまな電気自動車が発売されています。しかしそれらの「バッテリーサイズ」や「航続距離」などはまちまちで、ボディサイズ的にも大きなものから軽自動車クラスのものまで、多種多様です。

この記事では、そんな状況下で「自分だけの電気自動車」はどのような基準で選べばいいのか?そもそもEVのメリットとデメリットは?おすすめモデルはぶっちゃけどれなの?――ということを、専門家がズバリ解説します。

  • 現在販売されている電気自動車(EV)のメリット・デメリットはコレだ
  • 国産電気自動車の人気トップ10を発表。1位は軽規格の日産「サクラ」
  • 輸入電気自動車ではテスラが人気だが、ボルボとフィアットも追随

電気自動車(EV)とは

電気自動車(EV)とは

電気自動車(EV=Electric Vehicle)とは、文字どおり「電気によって動く車」のことです。
普通の車(エンジン車)は、ガソリンや軽油などの燃料に空気を混ぜて圧縮した混合気というものをエンジンに送り込み、それを燃焼させた力によって、エンジンと車体とを動かします。
それに対して電気自動車は、バッテリーに蓄えられた電気によってモーターを動かし、そのモーターで車を駆動させます。つまり「エンジンもガソリンも使わない自動車」ということです。
モーターを動力源にする自動車の中で、外部充電式バッテリーに蓄えた電気を使用するタイプのものを厳密にはBEV(Battery Electric Vehicle)と呼びますが、一般的にはEV=BEVとして認識されています

イメージとしては、ガソリンタンクが「電池(駆動用バッテリー)」に置き換わり、エンジンは「モーター」になって、さらにガソリンや軽油は「電気」に代ったと考えるとわかりやすいでしょう。

そして電気自動車には「走行時にCO2を排出しない」「エネルギー効率が良いため経済性に優れる」「静かである」「エンジン車以上に力強い」「細かなコンピュータ制御を行いやすいため、乗り味などを自在に調整できる」等々の特徴があります。

電気自動車のメリット・デメリット

電気自動車のメリット・デメリットについて解説する項目の見出し画像

世界的に注目されている「電気自動車」ですので、そこには当然ながらさまざまなメリットが存在しますが、いくつかのデメリットももちろん存在します。それらを整理してお伝えします。

電気自動車に乗るメリット

電気自動車には、おもに下記のようなメリットがあります。

走行時にCO2を排出しない

エンジン車はガソリンや軽油を燃焼させなければ走らないため、必然的にCO2を発生させます。しかし電気自動車は、バッテリーに貯められた電気でモーターを動かしてタイヤを駆動させるため、走行時にはCO2が発生しません。

そのため電気自動車は「環境負荷の低減に貢献する」といわれています。環境意識が世界的に高まっている今、ここは他人事ではない「重要なメリット」といえます。ただし日本の電源構成は化石燃料(石油・石炭・天然ガス)を使用した火力発電の割合が2021年の段階で70%を超えていますので、その点を考えるとハイブリッド車との環境貢献の差は少ないという指摘もあります。

経済性に優れる

ガソリン車は、ガソリンの燃焼時に発生するエネルギーのうち約4割だけが、タイヤを動かすための力として使われています。それに対して電気自動車は、電気を動力に変えるときの効率が9割を超えているため「捨ててしまうエネルギー」が少なく、効率的にエネルギーを使えるのです。

さらに電気自動車は、減速時や下り坂などでモーターから電気を発生させ、その電気をバッテリーに貯えることが可能です(回生エネルギーと呼ばれます)。つまり電気自動車は電気を作り、その電気をまた走行に活用できる効率的な車なのです。

静粛性に優れる

電気自動車にはエンジンがないため、ガソリン車やディーゼル車のような「エンジンが燃焼する音」や「それに伴う振動」がなく、非常に静かに走行できます

そしてエンジン車は走行していない状態であっても(基本的には)アイドリングを行っているため、振動と騒音が発生します。しかし電気自動車に搭載されているモーターは、電力が供給されない限りは作動しないため、停車時は振動や騒音がいっさい発生しません。

レスポンスが良く、滑らかである

例えば発進するとき、ガソリン車は「アクセルを踏むと空気と燃料が混ざって燃焼し、ピストンが上下運動し、そしてクランクシャフトがエンジンの力を回転運動に変える」というややこしい手順が車の内部で行われているため、すぐには加速できません。
しかし電気自動車は電気信号で素早く電流制御が行われるため、レスポンスがきわめて良く、滑らかで力強い発進が可能になります。

走らないときでも「電源」として利用できる

電気自動車には大きなバッテリーが搭載されているため、蓄電池として活用することもできます。例えば太陽光パネルで作られた電気の余剰分を電気自動車に貯めれば、無駄のない電力利用が可能に。また夜間電力を電気自動車に貯めておけば、日中の家の電力を電気自動車からまかなうことも可能です。さらに、停電時には非常用電源としても活用できます。

電気自動車に乗るデメリット

一方で、電気自動車には下記のようなデメリットがあることも事実です。

充電に時間がかかる

ガソリンスタンドで燃料を満タンにするには3分もかかりませんが、電気自動車の充電には結構な時間がかかります。
自宅の充電設備(100Vまたは200V)でフル充電するには7時間から15時間程度が必要です。急速充電の場合は、80%の状態まで充電するのに20分から30分ほどで済みますが、それでも、エンジン車の給油(1~2分ぐらい)と比べれば「随分時間がかかる」ということになります。

外出先で充電場所を探すのが少したいへん

急速充電ができるスポットの数は拡大されていますが、ガソリンスタンドおよび給油機の数に比べると圧倒的に少ないため、外出先で充電場所を探すのに少々手間がかかります。また、充電スポットを利用するために「事前の登録」が必要、「充電スポットが見つかっても、先客が使用しているため待たされる」などといった“手間”もあります。

航続距離が短いモデルもある

大きなバッテリーを搭載している大型の高級EVでは一充電走行距離が500kmを超えるモデルもありますが、そういった電気自動車は非常に高額です。

そして比較的手頃な価格で買える電気自動車の一充電走行距離は100kmから200km程度だったりもします。自宅近所で乗る分にはそれでも何ら問題はありませんが、遠出をしたい場合には「バッテリー残量の心配と充電の苦労」が付きまとうことになります。

環境によってはバッテリーの残量や性能が低下する

電気自動車は、車を使用していないあいだも放電がされるため、バッテリー残量は徐々に減ってしまいます。また寒い場所など、環境によってはバッテリーの性能が低下することもあります。さらに、新しいうちはまったく問題ないのですが、かなり古くなってくると、バッテリー自体の性能が劣化していきます。

車両価格が高い

現在の電気自動車が駆動用バッテリーとして使っているリチウムイオン電池は原材料費とその割合が高く、リチウムやコバルトといった素材の相場が安くならない限り、コストを削るのは困難。そのため、どうしても電気自動車の車両価格は高額になります。

とはいえガソリン車との価格差を縮めるため、国や自治体はEVに対する「補助金」を支給しています。恒久的なものではありませんが、とりあえずは補助金を申請することで、車両価格の高さをある程度緩和することができます。

国産車の電気自動車 人気ランキング トップ10

これまで、電気自動車といえば「ハイブリッド車」が中心だった国産車ですが、最近は多種多様なEVも発売されています。2024年1月に発表された2023年の年間販売台数データをベースとする「人気ランキング」を見てみましょう。

第1位 日産「サクラ」

第1位 日産「サクラ」

2022年夏に登場した「軽の電気自動車」。2023年はBEV(Battery Electric Vehicle)のなかではぶっちぎりの3万7,140台を販売し、見事に電気自動車の人気ランキングNo.1となりました。

搭載されるリチウムイオンバッテリーの容量は20kWhと小さめで、一充電走行距離(1回の満充電で走れる距離)はWLTCモード180kmと、一般的なEVと比較すればやや短め。しかし、おもに「自宅近所での使用」を前提としている軽自動車であれば、このスペックでも十分以上です。そして身の丈に合ったバッテリーを採用したことで、軽自動車にとっては非常に重要な「車両価格を抑える」ということにも成功しています。

普通充電にかかる時間は約8時間で、急速充電では40分で約80%までの充電が可能。全車FFで、モーターの最高出力は「デイズ」のターボ車と同じ64psですが、最大トルクはデイズ ターボの約2倍という力強さ。バッテリーに蓄えた電気は家庭に給電することもでき、非常時には約1日分の電力をまかなうことができます。

ガソリンスタンドの数が減り続けている地方の人々にとっては「救世主」になりえる軽EVです。

第2位 日産「リーフ」

第2位 日産「リーフ」

日産「リーフ」は、初代モデルが2010年に登場した電気自動車の“老舗”。現在販売されている2代目リーフは2017年9月に登場し、その後マイナーチェンジを重ねながら、現在もEVとしては安定した人気を誇っています。

リチウムイオンバッテリーは40kWhと60kWhという2つのタイプが用意されており、40kWhバッテリー搭載車の一充電走行距離は322km、60kWhバッテリー搭載車は450kmと、いずれも十分な距離を走ることが可能です(※数値はいずれもWLTCモード)。急速充電に要する時間は40kWhバッテリーが約40分で、60kWhバッテリーは約60分です。

グレードは40kWh搭載車も60kWh搭載車(e+)もいくつかに分かれていますが、40kWh搭載車にはさまざまな専用チューンが施された「リーフNISMO」もラインナップ。こちらはスポーティーな意匠が採用されているだけでなく、サスペンションなどの味付けやドライブモードも独自のものとなっています。

2タイプのバッテリーを選択した上で「便利で一般的な使い方をしたい」というユーザーから、「電気自動車をある種のスポーツカーとしても使いたい」と考えるユーザーまで幅広く対応しているのが、EV界の老舗である日産 リーフという車です。

第3位 三菱「eKクロスEV」

第3位 三菱「eKクロスEV」

三菱「eKクロスEV」は、電気自動車人気ランキングNo.1となった日産「サクラ」とともに共同開発された実質的な兄弟車。メカニズムやボディ外寸はサクラと同じで、デザインは、ガソリン車のSUV風軽ハイトワゴンである三菱「eKクロス」と同じです。

こちらもサクラと同様に注目を集めており、当初の月販目標850台に対し、2022年7月初めの時点で約4,600台もの受注を集めました。そして2023年も1年間で7,021台を販売。日産 サクラに比べれば小さい数字ですが、三菱と日産のディーラー規模の違いを考えれば大健闘といえるでしょう。

先程申し上げたとおりメカニズムはサクラと同一で、20kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、一充電走行距離もサクラと同じくWLTCモードで180km。とはいえeKクロスEVは、サクラでは5万5,000円の注文装備となるAC200V充電ケーブルが、標準装備としてついているなど、ちょっとお買い得な点はあります。

第4位 日産 「アリア」

第4位 日産 「アリア」

2023年の電気自動車販売台数ランキングでも大健闘したのがこちら、日本では2021年6月に予約受け付けが始まったSUVタイプの電気自動車、日産「アリア」です。

ボディサイズは全長4,595mm×全幅1,850mm×全高1,655mmで、エクステリアは日本の伝統的な組子パターンを再現したグリル部のパネルや、ブレード形状のアルミホイールなどが特徴的。インテリアも、新開発のEV専用プラットフォームの採用によりフラットで広々したフロアが実現しています。

日本仕様は容量66kWhのバッテリーを搭載した「B6」の2WDと4WD、そして91kWhのバッテリーを搭載した「B9」の2WDおよび4WDというラインナップですが、世界的な半導体不足などの影響により、直近ではB6の2WD車のみを公式サイトに掲載しています(※B6 2WDも2024年1月中旬現在、注文一時停止中)。

アリア B6 2WDが搭載する66kWhバッテリーの最高出力は218psで、WLTCモードでの一充電走行距離は470km。普通充電のほか、急速充電にも対応しています。

なお現在は販売されていませんが、91kWhの大容量バッテリーを搭載する「B9」の一充電走行距離は、2WD車では610kmにも達しています。

第5位 レクサス「RZ」

第5位 レクサス「RZ」

レクサス RZは、2023年3月に発売されたSUVタイプのレクサス製EV。BEV専用プラットフォーム「e-TNGA」で構築されるボディのサイズは全長4805mm×全幅1895mm×全高1635mmです。

上級グレードである「RZ450e」はフロントに最高出力204ps、リアに同109psの駆動用モーターを搭載する四輪駆動車。前後トルク配分は、車速やハンドルの舵角などにもとづき、100:0~0:100の間で自動的に制御されます。そして2023年11月には「RZ300e」というグレードも追加。こちらは最高出力203.9psの駆動用モーターをフロントに搭載する前輪駆動車です。WLTCモードによる一充電航続距離は、「RZ450e」が494kmで、「RZ300e」は599kmと発表されています。

レクサスならではの卓越した運動性能と高品位な内外装デザインがRZの大きな魅力ですが、それだけではなく「レクサス特有のもてなし」も、2023年3月に新登場したレクサス RZが確実に販売台数を伸ばした理由でしょう。RZの発売に伴い、レクサスディーラーではBEVオーナー専用サービス「LEXUS Electrified Program」が開始され、全国のレクサス店には50kW以上の急速充電器が設置されたほか、各店舗にそれぞれ1人以上の「BEVコンシェルジュ」を配置。EVユーザーに向けたサポートが行われています。

第6位 スバル「ソルテラ」

第5位 スバル「ソルテラ」

スバル「ソルテラ」は、スバルがトヨタと共同開発した新世代EV。後述するトヨタ「bZ4X」とは兄弟車の関係になります。

エクステリアでは、フロントマスクの中央に据えられたヘキサゴン(六角形)グリルが特徴で、張り出しを強調した前後フェンダーなどでSUVらしい力強さも表現されています。

車両骨格はスバルとトヨタが共同開発したEV専用プラットフォーム「e-Subaru Global Platform」で、駆動用バッテリーは71.4kWhという大容量。一充電走行距離は2WD車の場合で567km、4WD車はグレードにより487kmまたは542kmとなっています。

2WD車の場合、フロントに搭載されるモーターの最高出力は150ps。4WD車はフロントとリアにそれぞれ同80psの独立式モーターを搭載しています。

既存のスバル製SUVと同じく、悪条件下での走行をサポートするドライブモード切り替え機構「X-MODE」を搭載するほか、新機能として、悪路における自動での一定速走行を可能にする「グリップコントロール」も追加されています。

第7位 トヨタ「bZ4X」

第7位 トヨタ「bZ4X」

トヨタ「bZ4X(ビーズィーフォーエックス)」はトヨタとスバルが共同開発した、SUVタイプの電気自動車。

プラットフォームや基本的なメカニズムは兄弟車であるスバル「ソルテラ」と同じで、こちらもEV専用プラットフォームに71.4kWhの大容量駆動用バッテリーを搭載。一充電走行距離は2WDが559kmで、4WDが540km(いずれもWLTCモード)。2WD車の場合、フロントに搭載されるモーターの最高出力は150psで、4WD車はフロントとリアにそれぞれ同80psの独立式モーターを搭載するというのもソルテラと同一です。

ソルテラと異なるのはフロントグリルや前後のランプ類、ガーニッシュなどのデザイン的要素と、サスペンションのセッティングや回生ブレーキを調整するパドルスイッチの有無、ドライブモードなどです。

またbZ4Xは「リース販売のみで、個人のユーザーにはサブスクリプションサービス『KINTO』を通じて提供される」という販売方法を採用していましたが、2023年11月からはリースに加えて一般販売も開始されています。

第8位 ホンダ「ホンダe」

第8位 ホンダ「ホンダe」

「ホンダe」は2020年8月に発売された、都市部での利用を想定したコンパクトな電気自動車。販売台数はさほど多くはないのですが、往年のホンダ「シビック」を思わせるややレトロなデザインと、すこぶる小気味の良い走行フィーリングにより、車好きのあいだではなかなかの人気を誇っています。

ボディサイズは全長3,895mm×全幅1,750mm×全高1,510mmとコンパクトで、新開発のリアモーター・リアドライブのEV専用プラットフォームを採用。4.3mというきわめて小さい最小回転半径と、後輪駆動車ならではの快活な走りも魅力となっています。

ラインナップはベースグレードと上級仕様「アドバンス」の2種類。リチウムイオンバッテリーの容量は両者とも35.5kWですが、モーターの最高出力は前者が136psであるのに対し、後者は154ps。WLTCモードの一充電走行距離はベースグレードが283km、アドバンスは259kmと、いずれも「都市部での利用を想定している」というだけあって短めですが、その分だけモーターやバッテリーなどを軽量なつくりにできるため、ホンダeの走行フィーリングはすこぶる良好です。

しかし残念ながら売れ行きは低迷し続け、2024年1月をもって生産終了に。生産分が売り切れ次第、販売終了となることが決定しています。

第9位 マツダ「MX-30 EV MODEL」

第9位 マツダ「MX-30 EV MODEL」

マツダ 「MX-30 EV MODEL」は、シンプルなスタイリングや観音開き式のドアなどが特徴のコンパクトクロスオーバー「MX-30」をベースに作られた電気自動車。EVの中でも通勤や買い物などのデイリーユースに最適化されたモデルで、リチウムイオンバッテリーの総電力量は35.5kWh。一充電走行距離は、「ホンダe アドバンス」とほぼ同等の256km(WLTCモード)となっています。

駆動方式は全車2WDで、フロントに搭載されるモーターの最高出力は145ps。充電は最大入力6.6kWまでの普通充電と、CHAdeMO規格の急速充電に対応しています。

MX-30 EV MODELは「ドライブフィールの良さ」も重視していて、マツダ得意の「G-ベクタリングコントロール プラス」についても、EV用に改良を加えた「エレクトリックG-ベクタリングコントロール プラス」として装備。またトランスミッションは搭載していませんが、ステアリングホイールにはパドルを装備しており、通常の「D」レンジから上に2段、下に2段の疑似的な変速が可能になっています。

モーターのトルクに同期したサウンドを発生するシステムを搭載している点と併せ、「走行フィールにこだわりたい方」に向いている都市型EVであるといえるでしょう。

第10位 トヨタ「C+pod」

第10位 トヨタ「C+pod」

トヨタ「C+pod(シーポッド)」は全長2,490mm×全幅1,290mm×全高1,550mmという、軽自動車よりもコンパクトな2人乗りの電気自動車。2020年12月から一部の法人ユーザーや自治体などを対象に販売されてきましたが、2021年12月からはすべての法人ユーザーや自治体、個人ユーザーに対しても販売が行われています。とはいえ販売形態は全車リースによる契約で、全国のトヨタ車両販売店のほか、レンタリース店でも取り扱っています。

後輪の車軸に搭載される駆動用モーターは最高出力12.5ps。最高速は60km/hに制限されているため高速道路には乗れませんが、この超小型EVで高速道路を走ろうと思う方もいないでしょうから、そこはまったく問題ありません。「あくまでもシティコミューターである」ということです。駆動用バッテリーの容量は9.06kWhで、一充電あたりの最大走行距離は150kmです。

普通充電で満充電にするまでの時間は200Vの場合で約5時間、100Vの場合で約16時間ですが、外出先で行う「急速充電」には対応していません。また2024年夏頃には生産終了となることが発表されています。

輸入車の電気自動車 人気ランキング トップ10

輸入車の電気自動車は車名別の販売台数が不明である場合が多いため、どうしても「推測を含む」にはなってしまうのですが、各種のデータを基にした人気ランキング トップ10を見てみましょう。

第1位 テスラ「モデル3」

第1位 テスラ「モデル3」

輸入EVの人気第1位はなんといってもコレ、テスラの「モデル3」です。
テスラは2003年にアメリカで創業されたクリーンエネルギー関連企業で、2008年からはイーロン・マスク氏がCEOを務めています。

テスラジャパンは大型セダンの「モデルS」やSUVの「モデルX」を日本市場に導入し、次いで2018年、比較的コンパクトな4ドア車「モデル3」を投入しました。

モデル3のボディサイズは全長4,694mm×全幅1,849mm×全高1,443mmと、「コンパクト」といってもまずまずのボリューム。導入当初の航続距離は「ミッドレンジバッテリー搭載モデル」が約418km、「ロングレンジバッテリー搭載モデル」と「パフォーマンスバッテリー搭載モデル」が約498kmと、いずれも十分。パフォーマンスバッテリー搭載モデルは0-100km/h加速3.3秒というかなりの俊足でもあります。

当初は比較的高額だったモデル3ですが、2021年2月に大幅値下げを断行。日産「リーフ」にも近い価格設定としたことで、輸入EVとしては爆発的なヒットを記録しました。

第2位 テスラ「モデルY」

第2位 テスラ「モデルY」

テスラ「モデルY」は2022年6月に注文受付開始となった、ミドルサイズでSUVタイプの電気自動車。グローバルで考えると「今、世界で一番売れているEV」でもあります。

シンプルでクーペ的なボディのサイズは全長4750mm×全幅1921mm×全高1624mmで、先に登場したSUVタイプのEV、テスラ「モデルX」よりもひとまわりコンパクトな(30cmほど短く8cmほどスリムで、5cmほど低い)寸法となっています。

現在販売されているのは計3グレードで、「パフォーマンス」は前後の車軸にモーターを1基ずつ搭載する四輪駆動車。WLTCモードにおける一充電航続距離は595kmです。比較的低価格な「RWD」はモーター1基を搭載する後輪駆動車で、こちらの一充電航続距離は507km。2023年4月に追加された「ロングレンジAWD」は文字通り、シリーズ最長となる605kmの一充電航続距離を誇る四輪駆動モデルです。

テスラ「モデルY」は、斬新なデザインと強烈な動力性能、圧倒的なまでに高いボディの剛性感と、それに伴う高級感、さらには絶妙な充電サービスも付帯しているという、テスラならではの世界観がその全身に詰まっているEVですので、「テスラというブランド」がお好きな人であれば、このうえなく魅力的であると感じるでしょう。

第3位 ボルボ「XC40 Recharge」

第3位 ボルボ「XC40 Recharge」

北欧スウェーデンのメーカーであるボルボは2020年8月から、すべての日本仕様のパワーユニットを電動化してエンジン車を廃止。そして2022年5月には、人気のコンパクトSUV「XC40」をEV化したボルボ「XC40 Recharge」を発売しました。

2024年モデルのラインナップは「Recharge Plus Single Motor」と「Recharge Ultimate Single Motor」の2種類で、駆動用バッテリーとモーターのスペックはどちらも同じ。73kWhのバッテリーに最高出力238psのモーターを組み合わせた後輪駆動車で、一充電走行距離も両者ともWLTCモードで590kmと公表されています。

充電方法は、いわゆる普通充電と、最大出力150kWまでのCHAdeMO規格の急速充電に対応。ドライビングフィールは上々であり、スタイリッシュな内外装デザインでありながら、SUVとしての実用性も兼ね備えていることで、幅広い層から人気を集めています。

第4位 メルセデス・ベンツ「EQB」

第4位 メルセデス・ベンツ「EQB」

世界で最も古い自動車メーカーのひとつであるメルセデス・ベンツは今、「EQ」と名がつくさまざまなクラスの電気自動車をリリースしています。そしてメルセデス・ベンツ「EQB」は、電動SUVの第3弾モデルとして2022年7月に登場した比較的コンパクトな、しかし3列シート7人乗り仕様のキャビンを持ったSUVです。

駆動方式はFWDと4WDの2種類。FWD車である「EQB250」は前輪の車軸に最高出力190psのモーターを1基搭載し、4WDモデル「EQB350 4MATIC」は、前後の車軸にモーターを1基ずつ搭載。そのシステム最高出力は292psとなっています。

容量66.5kWhのリチウムイオンバッテリーは両モデルに共通で、WLTCモードでの一充電走行距離はEQB250が520kmで、EQB350 4MATICは468kmと、いずれも十分なもの。充電方法は6.0kWまでの普通充電(200V 30A)のほか、100kWまでの急速充電(CHAdeMO規格)にも対応。そしてメルセデス自慢の運転支援システムも、エンジン車と同様に、最新の仕様が全モデルに標準で装備されています。

第5位 メルセデス・ベンツ「EQA」

第5位 メルセデス・ベンツ「EQA」

メルセデス・ベンツ「EQA」は2021年4月に発売された、取り回しのしやすいボディサイズを特徴とするSUVタイプの電気自動車。メルセデス・ベンツのEVとしては「EQC」に次ぐ第2弾モデルとして上陸しました。

ボディサイズは全長4465mm×全幅1835mm×全高1625mmという程よいもので、
駆動方式はFWD(前輪駆動)。前輪の車軸に搭載される駆動用モーターは最高出力190psで、前後軸間のフロア下に搭載される駆動用バッテリーの容量は66.5kWh。比較的コンパクトなSUVではありますが、WLTCモードで422kmの一充電走行可能距離を実現しています。

メルセデス・ベンツ「EQA」は各種装備にも、EV専用車としての機能が追加されています。インフォテインメントシステム「Mercedes me connect」には充電ステーション情報の検索や、出発時刻およびプリエントリークライメートコントロール(スマホによるエアコンの遠隔操作)などの機能も装備。これはアプリで出発時刻(乗車予定時刻)を設定することで、事前にクライメートコントロール(エアコン)を作動させ、乗車時には車内が快適温度になるよう調整できるという装備です。さらにナビゲーションシステムには、マップデータから得た勾配情報や充電ステーションの位置情報、車両の充電状況や気温情報などを考慮し、どこで充電すべきかも含めた適切なルート案内を行う「Electric intelligenceナビゲーション」が採用されています。

第6位 プジョー「SUV e-2008」

第6位 プジョー「SUV e-2008」

エンジン車のプジョー「SUV 2008」は、全長4,305mm×全幅1,770mm×全高1,550mmの比較的コンパクトなフランス製SUV。そのSUV 2008と同時に上陸したのが、電気自動車版である「SUV e-2008」です。

パワーユニットは最高出力136psのモーターと容量50kWhのリチウムイオンバッテリー。デビュー当初の一充電走行距離は360kmでしたが、2022年4月以降のモデルは、ギア比の変更やヒートポンプの効率改善により380kmに伸びています(※いずれもWLTCモード)。

満充電までに要する時間は、コンセント型の普通充電で約18時間、6kW/200Vの普通充電で約9時間。CHAdeMO規格の急速充電器(50kW)を用いれば、約50分で80%まで電力量を回復できます。

いわゆる運転支援システムのたぐいは普通に充実しているプジョー SUV e-2008と、そのエンジン車であるSUV 2008ですが、電気自動車であるSUV e-2008には、スマートフォンを用いて車両の管理や空調の遠隔操作が可能な「eリモートコントロール」と呼ばれる機能が実装されています。

第7位 ボルボ「C40 Recharge」

第7位 ボルボ「C40 Recharge」

ボルボは2020年からすべてのパワーユニットを電動化し、「2030年には販売するすべての車両をEVにする」と宣言しています。そんなボルボのフルEV第1弾として2021年11月に上陸したのが、クロスオーバーSUVタイプのボルボ「C40 Recharge」です。

エクステリアのフォルムはコンパクトSUVの「XC40」に若干似ていますが、C40 Rechargeはクーペ的なルーフラインと、EVであることを強く主張する「グリルのないフロントマスク」が特徴です。

ボディサイズは全長4,440 mm×全幅1,875mm×全高1,595mmで、当初導入されたのは、前後の車軸に1基ずつモーターを搭載してシステム最高出力408psを発生する4WDモデル。駆動用リチウムイオンバッテリーの総電力量は78kWhで、一充電あたりの走行距離はWLTCモード値で約485kmでした。
2022年3月には、69kWのリチウムイオンバッテリーによって前輪のみに設置された最高出力231psのモーターを駆動させるFWDモデルを追加。そして2024年モデルは、最高出力238psのモーターと73kWhのバッテリーを組み合わせたシングルモーターの前輪駆動車2種類がラインナップされており、両者の一充電走行可能距離は590kmにまで延びています(※WLTCモード値)。

第8位 プジョー「e-208」

第8位 プジョー「e-208」

プジョー「e-208」は、ガソリン車であるプジョー「208」と同時に2020年7月に発売されたフランスのコンパクトEV。最新世代のプラットフォーム「CMP (Common Modular Platform) 」を採用した低くワイドなボディのサイズは全長4,095mm×全幅1,740mm×全高1,445mm。セイバー(サーベル)と呼ばれる牙のようなデイタイムランニングライトも、その個性的な外観を特徴付けています。

リチウムイオンバッテリーの容量は50kWhで、フロントに搭載されるモーターは最高出力136ps。一充電あたりの走行距離は当初380kmでしたが、2022年4月以降は395kmまで伸びています。Bセグメントのコンパクトカーとしては十分な数字だといえるでしょう。

そのほか、スマートフォンから充電操作ができる「リモートチャージング」や、遠隔で室内のエアコンディショニングを作動させることができる機能「プリコンディショニング」も、電気自動車であるプジョー e-208ならではの機能です。そして「ドライブモード」も3種類用意されていますが、さすがはモーター駆動だけあって、「ECO」モードであってもアクセルペダルを踏み込めば相当速く走ることができます。

第9位 BMW「iX」

第9位 BMW「iX」

航空機および自動車用の「エンジン製造」こそを得意としてきたドイツのBMWも今、パワーユニットの電動化を積極的に進めています。
そんなBMWの「iX」は、2021年11月に発売されたBMWのフラッグシップEV。次世代自動車にふさわしい内外装デザインに加え、最新の運転支援システムや通信システムを採用するピュアEVです。

専用開発されたボディは全長4,953mm×全幅1,967mm×全高1,695mmという堂々たるサイズ。インテリアも専用開発され、多くのボタン類が廃止されています。

パワーユニットは、前後に1基ずつモーターを搭載して四輪を駆動。エントリーグレードの「iX xDrive40」はシステム最高出力326psで、上級グレードの「iX xDrive50」は同523ps。一充電あたりの走行距離(WLTCモード値)は前者が455km、後者は650kmとなっています。

2022年にはハイパフォーマンス版である「BMW iX M60」を追加。iX M60は最高出力258psのモーターを前輪に、同489psのモーターを後輪に搭載する4WD車で、システム最高出力は619ps。0-100km/h加速はわずか3.8秒と発表されています。

このM60に限らずBMW「iX」は、さすがに新時代のフラッグシップBMWだけあって、全車圧倒的なパフォーマンスを発揮します。

第10位 フォルクスワーゲン「ID.4」

第10位 フォルクスワーゲン「ID.4」

エンジン車の世界的定番である「ゴルフ」で親しまれているフォルクスワーゲンも、電気自動車を積極的にリリースしています。
そしてフォルクスワーゲン「ID.4」は2022年11月に発売されたクロスオーバーSUVスタイルの電気自動車。

ボディサイズは全長4,585mm×全幅1,850mm×全高1,640mmという“ちょうどいい感じ”ですが、ロングホイールベースとショートオーバーハングにより広い室内空間を実現させています。

現在のラインナップは、52kWhのバッテリーと最高出力170psの駆動用モーターを搭載する「ライト」と、77kWhのバッテリーと204psのモーターを組み合わせた「プロ」の2タイプ。WLTCモードによる一充電走行距離は前者が435kmで、後者は618kmとなっています。

エクステリアも既存のフォルクスワーゲン車にはない力強さを表現し、未来感のあるインテリアデザインと、クラストップレベルとなる543~1575Lのラゲッジスペース容量などから人気を集めている模様。もちろんアダプティブクルーズコントロールやレーンキープアシスト、レーンチェンジアシスト、リアビューカメラ、アラウンドビューカメラ等々は全車標準装備です。

専門家がおすすめする電気自動車 ベスト3×2

ここでは、必ずしも世間的な人気とは直接リンクはしていない「専門家から見たおすすめEV」を、「近距離型電気自動車」と「中長距離型電気自動車」の2タイプに分けてご紹介します。

近距離型EV 第1位 日産「サクラ」

近距離型EV 第1位 日産「サクラ」

ガソリンスタンドに行くことなく自宅で充電し、自宅に比較的近いエリアでの用事を済ませるためにおもに使う――という目的で電気自動車を買うのであれば、これこそがベストでしょう。

一充電あたりの走行距離はWLTCモードで180kmに過ぎませんが、「軽自動車で遠出をする」という機会はあまりないでしょうから、このぐらいで普通に十分でしょう。そして航続距離は短めでOKとなれば20kWhという小さめな(安価な)リチウムイオンバッテリーを使えますので、結果として車両価格も239万9,100円からと、電気自動車としてはきわめてリーズナブル。

それでいてエクステリアおよびインテリアのデザインはなかなかハイセンスで、走行フィールも上々。現状の日本では、これと、兄弟車である三菱「eKクロスEV」こそが「電気自動車のあるべき姿」だといえます。

近距離型EV 第2位 ホンダ「ホンダe」

近距離型EV 第2位 ホンダ「ホンダe」

遠出をするのではなく、おもに近場で乗るために電気自動車を買うのであれば、これもまたすばらしい選択肢です。

コンパクトなサイズではありますが、軽自動車規格である日産「サクラ」と比べれば、走行フィールや安定感、力強さなどは(当たり前ですが)格段に上で、内外装のデザインも非常に秀逸。そして後輪駆動車特有のメリットとして「やたらと小回りが利く(最小回転半径が小さい)」という美点も持ち合わせています。

一充電走行距離は上級グレードのアドバンスでも259kmと短めではあるのですが、「街乗り専用の、便利でおしゃれないい車」として考えるのであれば、これ以上の選択肢はなかなかありません。残念ながら2024年1月中に生産終了となりましたが、気になる方は最後の生産分か、中古車をチェックしてみてください。

近距離型EV 第3位 フィアット「500e」

近距離型EV 第3位 フィアット「500e」

やや値が張る「ホンダeアドバンス」よりさらに少し高額になってしまうのですが、そこが許容できるのであればこちらフィアット「500e」も、「街乗り専用の、便利でおしゃれないい車」としてはすばらしい選択肢です。

一充電走行距離は335kmとホンダeアドバンスより若干長めで、人間の目を思わせるようなヘッドランプを中心とするエクステリアデザインも秀逸。ホイールベースが短い車としては乗り心地も上々ですし、モーター駆動車ならではの加速は「元気いっぱい!」というニュアンスです。

ホンダeの場合と同様に、「多少高額でも構わないので、“素敵なモノ”を日常に取り入れたい」と考える方であれば、すばらしい近距離専用自動車であると感じられるでしょう。

中長距離型EV 第1位 日産「アリア」

中長距離型EV 第1位 日産「アリア」

急速充電スポットの数や、急速充電にかかる時間の長さなどを考えると、現状の日本では日産「サクラ」のような「近距離型EV」のほうが便利に使えるはずです。しかし、もしもこれまでのエンジン車に代わる存在=中長距離走行も十分こなせるEVを求めるとしたら、日産「アリア」が好バランスな選択肢であるといえるでしょう。

66kWhのバッテリーを搭載する2WD車「B6」でも一充電走行距離は470km(WLTCモード)と十分で、このぐらいあれば、休日にちょっとした遠出をする程度であれば自宅でフル充電しておくだけで往復が可能。そして高速安定性や乗り味は上々で、車内も十分に広く、デザインも先進的で美しい――ということで、ガソリンエンジンを使っている中型クロスオーバーSUVの代わりは十分に務めることが可能です。

中長距離型EV 第2位 スバル「ソルテラ」

中長距離型EV 第2位 スバル「ソルテラ」

スバルのクロスオーバーSUVタイプの電気自動車である「ソルテラ」も、日産「アリア」と概ね同じような意味で「ガソリンエンジンを使っている中型クロスオーバーSUVの代わり」を務めることが可能な1台です。

重量がある上級グレードの一充電走行距離は487kmですが、ベーシックな「ET-SS」というグレードであれば2WD車の場合で567km、4WD車でも542kmと、日産 アリア以上の航続距離をマークできます(※数字はいずれもWLTCモード)。

そして高速道路などを長距離走る際に重要となる「安定感」「安心感」のようなものも十分以上で、荷室高を2段階で調節できる可変フロアボードを採用したカーゴルームの使い勝手も上々。内装デザインには高級感もありますので、「所有する歓び」のようなものも感じられるはずです。

中長距離型EV 第3位 テスラ「モデル3」

中長距離型EV 第3位 テスラ「モデル3」

現状とてもよく売れている電気自動車であるテスラ「モデル3」も、当然ながら「ガソリンエンジンを使っている車の代わり」を務めることができる車であり、実際、東京都内などではかなり多くのユーザーがコレをごく普通に使っています。

最新モデルの一充電走行距離は、最もベーシックな「RWD」でも573kmもあり、「ロングレンジAWD」であれば706km。そして大幅値下げをして車両価格も手頃になったということで――やはり「売れてるだけのことはある」というのが、テスラ「モデル3」という電気自動車なのです。

電気自動車の適切な選び方と注意点

電気自動車(EV)と一口にいっても、それぞれの個性や性能は本当にさまざまであるため、なかなか一般化はできません。

しかしそれでも、数ある電気自動車をいくつかのタイプに分けることはできますので、選ぶ際には「自分が電気自動車に求めている内容」と、「その電気自動車のタイプ」とが合致しているかどうかを見極める必要があります

●タイプA:近距離スペシャル
航続距離が短めに設定されている代わりに安価であったり、あるいは軽量で俊敏だったりというのがこのタイプ。家族用ミニバンなどほかにもクルマがある方や、ガソリンスタンドの数が減少する一方の地方に住んでいる方、もっぱら近所の買い物や送迎用という都市部に住んでいる方には向きますが、そうでない方にとっては不便な側面もあります。

●タイプB:中長距離向けEV
概ね50kWh以上のバッテリーを積む、一充電走行距離が約450kmを超えるタイプ。一般的なエンジン車の代わりとして使えますが、近距離だけで使うにはオーバースペックで、車両価格も高額。そして車両重量も重めです。

●タイプC:最新超高性能タイプ
とにかく超高性能で、いわゆる「新しいモノ」として世間から注目を浴びるタイプ。乗り味や性能はすばらしいですが、ほとんどの人間にとってはオーバースペックです。

上記の「タイプ」は基本的にはカタログ等を見れば一目瞭然なはずですが、中にはグラデーション的に混ざり合っている部分もあるため、購入時はそのEVの“本質”を見間違えないようにしてください。

またWLTCモードによる「一充電走行距離」の数字は、実際の使用時にそっくりそのまま当てはまるというものではありません。実際はさまざまな条件により、WLTCモード値の8掛けぐらいである場合が多いものです。そこを十分踏まえた上で、自身の使用環境や使用目的と、その電気自動車の航続距離がマッチしているかどうかを確認してください。

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電気自動車(EV)についてのよくある質問

電気自動車(EV)についてのよくある質問について解説する項目の見出し画像

電気自動車(EV)についてよくある質問とその回答をまとめました。

世界で一番売れている、日本で一番売れている電気自動車は?

今、日本で一番売れている電気自動車は、日産が2022年6月に発売した「サクラ」という軽自動車規格のEVです。その一方で世界に目を向けてみると、今一番売れている電気自動車はテスラの「モデルY」という、ミドルサイズのSUVタイプです。

電気自動車とガソリン車はどちらがお得?

一概にはいえない問題です。「ベーシックで格安なガソリン車」と「ハイグレードな電気自動車」を比べれば、トータルコストはガソリン車のほうが低くなるでしょう。しかし同程度のグレード同士で比べた場合は「乗り方・使い方(どのぐらいの距離を、どんな頻度で走るのか? など)によってケース・バイ・ケース」というのが答えになります。

テスラはどこの車での何がいいの?

テスラは、アメリカ人の実業家であるイーロン・マスク氏が創業したアメリカの会社です。そもそも車としての出来が良く、デザイン性が高いことに加え、「独自規格の充電がラク」「ソフトウェアが定期的にアップデートされる」など、従来型の車にはない新しい付加価値も感じられることから、絶大な人気を集めています。

電気自動車は何キロ走れますか?

満充電してから走りきれる距離(一充電走行可能距離)は車種によって大きく異なりますが、概ね200~600kmというのがカタログ上の値です。しかし実際の航続可能距離は暖房の使い方などによって変わるため、実際に走れる距離は「カタログ値の7~8掛け」といったところでしょう。

世界一安全な電気自動車は?

高性能・高価格な電気自動車であれば、どんなモデルでも安全装備は充実していますし、「走行中の足回りなどを細かく調整できる」というのもEVの特徴ですので、「ほとんどのEVは安全性が高い」といえます。その中でも強いて“世界一”を決めるとしたら、「安全性を最優先する」というコンセプトで開発され、2023年11月に世界初公開されたボルボ「EM90」になるのかもしれません。

電気自動車の寿命は何年?

電気自動車の寿命は、積んでいる駆動用バッテリーの寿命でほぼ決まります。一般的には「8年または16万km」といわれていますが、リチウムイオン電池は時間経過に加え、充電回数などによっても劣化度合いは違ってきます。

日本でガソリン車はいつまで乗れる?

日本政府は「2050年に自動車の生産、利用、廃棄を通じたCO2ゼロを目指す」という目標を掲げています。これが達成された場合は、私たちがガソリン車に乗れるのは2050年までとなりますが、本当に達成されるかどうかは未知数ですし、少なくともあと26年間はガソリン車に乗ることができるでしょう。

電気自動車の今後はどうなる?

一時は「2030年頃にはほぼすべての自動車がEVになる」とも騒がれましたが、実際の世界はそのペースでは動いておらず、ガソリン車やハイブリッド車の価値も見直されています。今後どうなるかははっきりしませんが、おそらくは2030年以降、ゆっくりとしたペースでEVへの代替が世界的に進んでいくはずです。

街中のEV充電器が普及しない理由は?

日本における街なかのEV充電器の数は、地図会社「ゼンリン」の調べによれば、ここ5年ほどはほとんど増えていません。新設されている充電スポットも多いのですが、絶対数が増えない理由には「施設の維持にコストがかかるから」「老朽化」などで廃止となる充電スポットもあるからです。

EV補助金とは何ですか?

カーボンニュートラルの実現に向け、EVの購入には公的な補助金が適用されます。国の「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」は、2023年度の場合で最大85万円(軽EVは最大55万円)でした。このほか、各地方自治体もEV購入に関する補助金を設定しています。両者を併せて上手にご活用ください。

【まとめ】電気自動車(EV)は「これからのスタンダード」になりうる存在

現状は、特に日本ではおもにインフラに関係する諸問題が残されている電気自動車ではあります。しかし今後はEVが主流になるというか、今まさに海外の一部ではEVこそが主流になり始めています。
そしてその波は今後、十中八九は日本にも押し寄せるはずです。

電気自動車を購入するのは、その波が押し寄せてからでも遅くはありませんが、現状すでに日産「サクラ」などの、価格も性能もきわめて現実的な電気自動車は誕生しています。

そういったモデルを今のうちに購入し、補助金も活用しながら「経済的でクリーンなカーライフを楽しむ」というのは決して悪い話ではありません。近距離型のEVには特に、今のうちから積極的に注目しておくべきかと思われます。

※この記事は2024年1月時点の情報で制作しています

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