近年人気を集めているSUVは、どんな道路でも安定した走行性能やクールなデザインが魅力のボディタイプです。国産メーカーから多数のSUVが販売されているため、車種選びに迷う方も多いでしょう。
今回は、車選びの判断基準になる燃費でランクを分け、上位車種を紹介します。なお、ランキングでご紹介している燃費の数値はすべてWLTCモードの燃費となります。また、販売台数は一般社団法人日本自動車販売協会連合会の調査結果をもとに執筆しています。
- 2020年燃費が一番いいSUVはトヨタ「ヤリス クロス」
- 昨年販売台数1位のライズは燃費では12位にランクイン
- 2020年発売開始の車種も多くランクイン
1位はトヨタ「ヤリス クロス」、人気のコンパクトSUVトヨタ「ライズ」は13位にランクイン!
まずは1位から15位まで一挙にご紹介します。
順位 | 車種名 | 燃費※WLTCモード |
---|---|---|
1位 | トヨタ「ヤリス クロス」 | 30.8 km/L |
2位 | トヨタ「C-HR」 | 25.8 km/L |
3位 | スズキ「HUSTLER」 | 25.0 km/L |
4位 | レクサス「UX」 | 22.8 km/L |
5位 | トヨタ「ハリアー」 | 22.3 km/L |
6位 | トヨタ「RAV4 PHV」 | 22.2 km/L |
7位 | ニッサン「キックス」 | 21.6 km/L |
8位 | トヨタ「RAV4」 | 21.4 km/L |
9位 | ホンダ「CR-V EX・Masterpiece」 | 21.2 km/L |
10位 | ホンダ「ヴェゼル ハイブリッド」 | 21.0km/L |
11位 | マツダ「CX-3」 | 20.0 km/L |
12位 | トヨタ「ライズ」 ダイハツ「ロッキー」 | 18.6km/L |
13位 | ホンダ「ヴェゼル」 | 18.4km/L |
14位 | マツダ「CX8」 | 17.8km/L |
15位 | 三菱「アウトランダーPHEV」 | 16.4km/L |
1位はトヨタ「ヤリス クロス」で、燃費は30.8km/L。2020年9月現在のガソリン代が1Lにつき128円前後ですから、5,000円でおよそ1,203m走行できることとなります。
ランキング2位のトヨタ「C-HR」は、2019年の新車販売台数もSUVトップクラスで、根強い人気を誇ります。また、国産乗用車の全車種の中で2020年上半期の販売台数1位となったトヨタのコンパクトSUV、ライズは、燃費ランキングでは12位にランクインしています。
各車種の詳細については、以下をご覧ください。
1位:世界トップレベルの低燃費!トヨタ「ヤリス クロス」
車名をヴィッツから改め、2020年2月より発売されたトヨタのコンパクトSUVヤリス。2020年上半期にはすでに48,129台を売り上げており、人気の車種のひとつとなっています。
ヤリスは小型・軽量化を徹底しているのが特徴です。軽快な走りと、世界トップレベルの低燃費、双方の強みを持ち合わせています。
ヤリスの燃費は、ハイブリッドモデルのHYBRID X 1.5L・2WDが30.8km/L、HYBRID G 1.5L・2WDが30.2 km/L、HYBRID Z 1.5L・2WDが27.8km/Lと、いずれのグレードも優れた燃費性能となっています。実燃費の口コミサイト「e燃費」のデータによると、ヤリス クロスの実燃費は28.12km/Lです。
2位:2019年販売台数1位!トヨタ「C-HR」
2位には1位のヤリスと同じくトヨタのコンパクトSUVであるC-HRがランクイン。2020年上半期、すでに18,389台を売り上げている人気車種です。
C-HRはハイブリッドシステム全体の効率化によって、トップレベルの低燃費性能を実現。先進の燃料噴射システムを採用したことで、最適な燃料効率が実現されています。
C-HRの燃費はハイブリッド車の全グレードで25.8km/Lと、非常に優れています。ちなみに、ガソリン車の燃費はグレードによって異なり、14.9~15.4 km/Lです。e燃費のデータによると、C-HRの実燃費は21.49km/Lです。
3位:マイルドハイブリッドシステムを搭載したスズキ「HUSTLER」
3位にランクインしたのは、スズキのクロスオーバーSUV、HUSTLER。マイルドハイブリッドシステムを搭載しており、優れた燃費性能を実現しています。また、HUSTLERは熱効率向上技術を採用したエンジンも搭載。あらゆるシーンでエネルギーを無駄なく引き出す工夫が見える車種です。
HUSTLERの燃費は、HYBRID X、HYBRID G 2WD車で25.0km/Lとなっています。HYBRID Xターボ、HYBRID Gターボ 2WDは22.6 km/Lと、こちらも低燃費を実現しています。また、e燃費のデータによると、HUSTLERの実燃費は18.35km/Lです。
4位:コンパクトサイズの人気車種、レクサス「UX」
レクサスのコンパクトSUV、UXは、レクサスシリーズの中でも高い人気を博しています。
レクサス「UX」はハイブリッドユニットの最適設計による小型化および軽量化、高効率化を進め、優れた燃費性能を実現。状況に応じて操縦安定性をアシストする電気式AWDシステム「E-Four」や、道路や運転を先読みする「先読みエコドライブ」といった機能も、燃費向上に貢献しています。
レクサスUXの燃費は、ハイブリッドシステム搭載のUX250Hが22.8km/Lです。また、e燃費のデータによると、実燃費は17.27km/Lとなっています。
5位:トヨタの大ヒットSUV!トヨタ「ハリアー」
トヨタの高級クロスオーバーSUVとして知られるハリアー。2019年には36,249台を売り上げました。
ハリアーは高い燃焼効率と高出力の両方を叶える2.5Lダイナミックフォースエンジンを搭載しています。さらに小型軽量化と低損失を追求したハイブリッドシステムを組み合わせ、動力性能と燃費性能、いずれも高いパフォーマンスを発揮します。
ハイブリッド車はいずれのグレードも22.3km/Lです。2WDの場合、市街地モードは19.5km/L、郊外モードでは25.1km/Lと、やや燃費に差が出ます。ちなみに、ガソリン車の場合はいずれのモデルも15.4km/Lとなります。
6位:RAV4からさらに進化を遂げたトヨタ「RAV4 PHV」
出典:トヨタ「RAV4 PHV」RAV4/RAV4 PHV魅力比較
2020年6月に発売がスタートした、トヨタ「RAV4 PHV」が6位にランクインしました。
RAV4の高性能パワートレインを搭載するだけでなく、大容量の新開発リチウムイオンバッテリーも採用することで、燃費性能の向上を実現しています。
この新プラグインハイブリッドシステムによってシステム最高出力を大幅に向上したRAV4 PHVは、パワフルな加速性能も実現しており、走行感を大事にするドライバーにはおすすめできる車種です。
RAV4 PHVの燃費は、いずれのグレードも22.2km/Lとなっています。他シーンでの燃費は公開されていません。
7位:ロングドライブも快適なニッサン「キックス」
7位にはニッサンの先進パワートレイン「e-POWER」を搭載したコンパクトSUV、キックスがランクインしました。「e-POWER」の魅力は強い加速性と静粛性で、まるで電気自動車のような走行を楽しめるところです。
キックスは、このe-POWERに加えてさまざまな燃費向上技術も取り入れて低燃費性能を実現し、2020年度の「燃費基準+50%達成車」にも選ばれています。日常的な走行からロングドライブまで、あらゆるシーンで快適なドライブをサポートしてくれるでしょう。
キックスの燃費は21.6km/Lです。市街地モードで26.8km/L、郊外モードで20.2km/Lと、いずれも良い数値を出しています。
8位:米国でも大ヒットしたトヨタ「RAV4」
6位にはRAV4 PHVがランクインしましたが、前身であるRAV4は8位にランクインしています。アメリカと日本で高い人気を獲得したRAV4は、2019年には53,965台を売り上げました。
RAV4は、前後輪に2WD走行時に後輪へ動力を伝達する駆動系を切り離し、動力の損失を大きく軽減させるディスコネクト機構を採用。ハイブリッドシステムと合わせて、燃費性能の向上を実現しています。
RAV4の燃費は、ハイブリッド車のX 2WDで21.4km/Lです。ガソリン車の場合は15.8km/Lとなるため、やはりハイブリッドシステムによる燃費性能への貢献度が大きいといえるでしょう。e燃費のデータによると、RAV4の実燃費は17.66km/Lです。
9位:モーターハイブリッドシステムが魅力のホンダ「CR-V EX・Masterpiece」
9位にランクインしたのは、ホンダのミドルクラスSUV、CR-V EX・Masterpiece。
モーターハイブリッドシステム「e:HEV」を搭載することで、滑らかな走行とパワフルな加速性能、優れた低燃費を実現しています。「e:HEV」はシーンに合わせて「EV DRIVE」、「HYBRID DRIVE」、「ENGINE DRIVE」の3つのモードへ切り替えが可能です。こうした機能によるアシストが、より燃費にいいドライブを支えてくれるでしょう。
同車種のハイブリッド車はFF/5人乗りで21.2km/L、4WD/5人乗りで20.2km/Lと、いずれのタイプも優れた燃費性能となっています。市街地モードは21.0km/L、郊外モードの場合は22.1 km/Lです。また、e燃費のデータによるとCR-V EX・Masterpieceの実燃費は17.90km/Lです。
10位:コンパクトながらアクティブな走行が可能!ホンダ「ヴェゼル ハイブリッド」
2019年にSUVの新車販売台数で1位に輝いたホンダ「ヴェゼル」は、街乗りからアウトドアまで、使い勝手のいいコンパクトSUV。ホンダ独自のハイブリッドシステム「SPORT HYBRID i-DCD」により、軽量でコンパクトながらも、低燃費で力強い走りが楽しめる車種となっています。また、ガソリン車とハイブリッド車の2タイプが用意されています。
気になるヴェゼルの燃費は、ハイブリッド車「HYBRID Honda SENSING」の場合21.0km/L、市街地モードでは18.2km/L、郊外モードでは22.0km/L(WLTCモード)です。e燃費の情報によると、ヴェゼル ハイブリッドの実燃費は17.71km/Lとなっていました。
11位:安全性と気品が人気のSUV!マツダ「CX-3」
11位にランクインしたのは、マツダのクロスオーバーSUV、CX-3。ヘッズアップコクピットや独自の視界性能でドライバーの安全な運転をサポートする機能性と、上質なインテリアが特徴です。
CX-3の燃費は、2WDで20.0 km/L。市街地モードは16.8 km/L、郊外モードは20.0 km/Lとなっています。また、4WDの場合は19.0 km/Lとなります。e燃費のデータによると、実燃費は18.42km/Lとなっています。
CX-3の燃費性能を支えるのが、マツダのクリーンディーゼルエンジンです。さらに瞬間再始動のアイドリングストップ機構「i-stop」など、燃費性能の向上に貢献するシステムが採用されています。
12位:広々とした空間を楽しめるコンパクトカー、トヨタ「ライズ」
国産乗用車のうち、2020年上半期の販売台数で1位となったトヨタのコンパクトSUV、ライズ。5ナンバーサイズでありながらコンパクトさを感じさせない堂々としたシルエットが特徴で、ゆとりあるインテリアデザインも魅力の一台です。
優れた燃費性能も人気の理由です。ライズは1.0Lターボエンジンを搭載しており、優れた燃費性能とパワフルな加速性を両立しています。ライズの燃費は、2WDで18.6km/L、4WDで17.4km/L。e燃費のデータによると、実燃費は14.39km/Lとなっています。
12位:安定感のある走りが魅力のダイハツ「ロッキー」
ダイハツのSUVからランクインしたのは、小型SUVのロッキーです。街中からアウトドアまで、幅広いシーンに対応した安定感ある走りが人気です。新開発CVTをはじめ、パワートレインも大幅に改良したことで、燃費性能と静粛性も向上しました。
ロッキーの燃費は、2WD車のいずれのタイプも18.6km/Lです。市街地モードは14.4 km/L、郊外モードは20.2 km/Lとなっています。また、e燃費のデータによると、実燃費は15.05km/Lです。
13位:ハイブリッド車に劣らぬ燃費性能!ホンダ「ヴェゼル」
11位にヴェゼル ハイブリッドがランクインしましたが、ガソリン車も燃費では負けていません。ガソリン車であるG Honda SENSINGの燃費は18.4km/Lと、ガソリン車のなかでも優秀な燃費となっています。また、e燃費のデータによると、実燃費は14.70km/Lです。
ガソリン車にはi-VTEC エンジンが、ガソリンターボ車にはVTEC TURBO エンジンが搭載されています。このi-VTEC エンジンは、ガソリン車でありながら18.4km/Lという低燃費に貢献しています。燃料をシリンダー内へ直接噴射することで効率的に大きなパワーを引き出し、パワフルな走行と優秀な燃費性能を両方叶えています。
14位:機能性抜群でバランスがいいSUV、マツダ「CX-8」
14位にランクインしたCX-8は洗練されたデザインと機能性を備えたバランスのいいSUVとして、マツダのラインナップでも人気車種となっています。
ガソリン、ガソリンターボ、クリーンディーゼルと3つのエンジンを設定しており、シーンに合わせて切り替えることが可能です。それぞれのエンジンを利用した際の燃費もチェックできるのがうれしいポイントです。
このクリーンディーゼルエンジンでの走行が15.8km/Lとなっており、今回のランクインにつながりました。ガソリン、ガソリンターボエンジンではそれぞれ12.0km/L、12.4km/Lとなっています。
15位:EV走行でも長距離ドライブができる三菱「アウトランダーPHEV」
アウトランダーPHEVは、EVとハイブリッドを選択して運転できるのが魅力の車種です。エアコンやモーターを省エネモードに切り替えるECOモードスイッチも搭載しており、省エネや環境に配慮した性能が魅力です。
このハイブリッドモードでの燃費が16.4km/Lとなっており、EV走行でも長距離走れるよう電気自動車ベースのPHEVシステムを採用しています。また、走行中、停車中いずれもエンジンの発電でバッテリーを充電できる仕様です。
JC08モードのみで比較できるSUV3車種の燃費は?
ここまでは、実燃費に最も近い燃費測定方法である「WLTCモード」で比較したランキングをご紹介しました。
しかし、国産メーカーSUVの中には、WLTCモード以前の測定方法であるJC08モードで燃費を測定し、その情報を公開している車種もあります。
そこで、JC08モードで燃費を公開している国産SUVの車種についてもご紹介します。WLTCモードよりも実燃費との差は開いてしまいますが、気になる車種がある場合はチェックしてみてください。
10年連続国内SUV販売台数No.1!ニッサン「エクストレイル」
ニッサンが2000年から販売するエクストレイルは、発売翌年の2001年から2010年まで10年連続で国内SUV販売台数1位を獲得した大人気の車種です。2020年上半期も11,163台を売り上げており、衰えることのない人気を誇ります。
エクストレイルの燃費は16.4km/Lで、e燃費のデータによると実燃費は13.48km/Lとなっています。
市街地から雪山まで走り抜ける!スズキ「SX4 S-CROSS」
スズキ「SX4 S-CROSS」は4WD車の新世代四輪制御システム「ALLGRIP」によって、ラフロードや雪山もパワフルに走り抜けることができる車種です。十分な収納スペースがあることから、アウトドアを楽しむ方にも人気があります。一方、都会的なデザインやラグジュアリーな内装は快適な日々のドライブを楽しませてくれるでしょう。
SX4 S-CROSSの燃費は 16.2km/L。また、e燃費のデータによると、実燃費は14.49km/Lです。
スタイリッシュなデザインと質の高い走りを併せ持つ 三菱「アウトランダー」
三菱のミドルサイズSUVであるアウトランダーは、6速スポーツモードCVTの動力性能と燃費性能の向上に成功。スタイリッシュなフォルムで、ダイナミックながらも洗練された走行を実現しています。
アウトランダーの燃費は16.0 km/Lで、e燃費のデータによると、実燃費は10.34km/Lとなっています。
ライフスタイルに合う低燃費SUVを探してみましょう!
快適な走りを求める方から人気を集めるSUVですが、最近では燃費性能においても優秀な車種が多くなっています。
燃費性能と併せて、独自のエコシステムやサポート機能を見比べれば、自分に合ったSUVが見つかるはずです。また、アウトドアや雪道など自身が走る可能性のあるシーンや、デザインの傾向などもふまえてそれぞれの車種を検討してみてください。
よくある質問
Q1:2020年、一番燃費のいいSUVは?
A:2020年2月より発売されたトヨタのコンパクトSUV、ヤリス クロスです。WLTCモードで計測した燃費は30.8km/Lです。
Q2:JC08モードで計測した燃費が一番いいSUVは?
A:ニッサンが2000年から販売するエクストレイルです。燃費は16.4km/Lとなっています。エクストレイルは10年連続国内SUV販売台数1位に輝いた車種でもあります。
Q3:燃費がいいSUVの走行感は?
A:それぞれの車種では、燃費性能向上に加え、安定した走りや快適な走行を実現するためのエンジンや機能が搭載されています。低燃費のSUVも、シーンに応じて快適なドライブを楽しむことが期待できるでしょう。
※記事の内容は2020年10月時点の情報で制作しています。