登録車に軽自動車を加えた2019年の新車販売台数で国内シェアの約31%を占めているのがトヨタ。実に3台に1台がトヨタ車という状況です。コロナウイルス感染症拡大で新車販売台数が伸び悩む中でも2020年2月のヤリス、6月のハリアー、そして8月のヤリスクロスと続々と新型車を発表し、今年度の業績見直しを上方見直しするなど、はやくも立ち直りを見せています。ここでは現在新車販売台数でトップを独走するヤリスをはじめとしたトヨタのコンパクトカーの魅力について、自動車評論家の萩原文博さんのおすすめ度付きで紹介しましょう。
コンパクトカー販売台数ランキングのTOP10のうち5車種がトヨタ車
■2020年度上半期(4~9月)コンパクトカー販売台数ランキング(*軽自動車を除いた乗用車全体50位以内)
順位 | 車名 | ブランド名 | 台数 | 前年比 | ボディタイプ |
---|---|---|---|---|---|
1 | ヤリス | トヨタ | 79,400 | 20年2月発売 | コンパクト、SUV |
2 | フィット | ホンダ | 50,521 | 116.7 | コンパクト、SUV |
3 | ルーミー | トヨタ | 34,276 | 69.7 | コンパクト |
4 | ノート | 日産 | 31,085 | 52.3 | コンパクト |
5 | アクア | トヨタ | 24,168 | 47.2 | コンパクト |
6 | ソリオ | スズキ | 16,542 | 75.2 | コンパクト |
7 | タンク | トヨタ | 16,136 | 40.4 | コンパクト(20年9月生産中止) |
8 | パッソ | トヨタ | 15,103 | 74.4 | コンパクト |
9 | スイフト | スズキ | 12,640 | 75.7 | コンパクト |
10 | MAZDA2 | マツダ | 12,144 | 241.4 | コンパクト |
11 | トール | ダイハツ | 7,145 | 60.1 | コンパクト |
一般社団法人日本自動車販売協会連合会が発表した2020年度上半期(4月〜9月)の新車販売台数ランキングのコンパクトカーのランキングで、1位となったヤリスをはじめ、3位にルーミー、5位にアクア、7位にタンク(9月にルーミに統合)、8位にパッソと5台のトヨタ車がランクイン。実に売れているコンパクトカーの上位半数がトヨタ車ということになります。
ひと言でコンパクトカーといってもキャラクターは多彩です。ベーシックなハッチバック系はパッソ、ヤリス、カローラスポーツ(カルモの定義ではハッチバックに分類しますがメーカーはコンパクトカーとしているので今回の記事では含んで紹介します)。車高を高くし、広い室内空間を確保したハイトワゴン系にルーミー、ポルテ、スペイド。そしてハイブリッド専用車としてアクアとユーザーの使い方に合わせて選べるというのも人気の秘訣ではないでしょうか。
販売台数ランキング上位にホンダフィット、日産ノートがランクインしているようにハッチバック系コンパクトカーのセールスは熾烈を極めていますが、現在はヤリスファミリーがリードしています。ハイトワゴン系ではマイナーチェンジでタンクとモデル統合したルーミーが圧倒的なシェアを占め、ライバル車のスズキソリオの約2倍の台数となっています。ポルテ、スペイドは生産終了が近いと言われていますが、助手席側に採用したスライドドアや誰にでも優しいユニバーサルデザインを採用した使い勝手の良さが魅力です。
「トヨタのコンパクトカー7車種(ヤリス、アクア、ルーミー、パッソ、ポルテ、スペード、カローラスポーツ)」おすすめ度ランキング
「パッソ」(おすすめ度★★★)
●119.9万~190.3万円 ●全長3680 mm、全幅1665 mm、全高1525 mm
2016年に登場したパッソは、軽自動車を除いたトヨタのクルマの中で最も小さなボディサイズとなるベーシックカーです。スモールカー製造に長けたダイハツによって開発されており、良品ながら低価格に抑えているのが特徴です。スタンダードなXと上質感を追求したモーダの2モデルを用意。先進の安全装備も充実しており、ビギナーや高齢者ドライバーにピッタリです。
「ヤリス」(おすすめ度★★★★)
●139.5万~249.3万円 ●全長3940 mm、全幅1695 mm、全高1500 mm
これまではヴィッツと呼ばれていたコンパクトカーが2020年2月のフルモデルチェンジでグローバルモデルでも使用されているヤリスに名称が統一されました。同じコンパクトカーのフィットとは異なる方向性を見いだし、先代に比べるとパーソナル感が強まりました。その結果、リアの居住性やラゲージスペースが狭くなりましたが、コンパクトカーらしい軽快な走りに磨きを掛けています。
「アクア」(おすすめ度★★)
●181.3万~261.03万円 ●全長4050 mm、全幅1695 mm、全高1445 mm
アクアはハイブリッドコンパクトカーとして2011年に登場し、まもなく9年が経過するロングセラーモデルです。ハイブリッド車が少なかった時代は新車販売台数でトップにも輝きましたが、最近は下降気味です。しかし空力性能の高いスタイリッシュなボディとハイブリッドシステムよって高い走行性能と燃費性能を両立しているのは魅力です。
「カローラスポーツ」(おすすめ度★★★★)
●216.9万~284.1万円 ●全長4375 mm、全幅1790 mm、全高1460 mm
トヨタのクルマ構造改革である「TNGA」やコネクティッド機能を搭載し、新時代のカローラシリーズの先鋒として2018年6月にカローラスポーツは登場しました。ワイド&ローのフォルムによって高い走行性能を実現。搭載するパワートレインは1.8Lエンジンのハイブリッドと1.2Lターボの2種類で、ターボ車には6速MTも用意し、スポーティさを強調しています。
「ルーミー」(おすすめ度★★★★★)
●155.65万~204.6万円 ●全長3700 mm、全幅1670 mm、全高1735 mm
2016年11月にデビューしたルーミーはダイハツトールのOEM供給車です。1Lエンジンを搭載したハイトワゴンで、広い室内空間とリアに採用した両側スライドドアによる利便性が特徴です。デビュー時はタンクという兄弟車を用意していましたが、マイナーチェンジ時にルーミーに統一され、販売台数上位の常連になるヒットモデルです。
「ポルテ」(おすすめ度★★)
●186.23万~244.41万円 ●全長3995 mm、全幅1695mm、全高1690 mm
ポルテは2012年に登場したハイトワゴンです。左側に大きな電動スライドドアを採用し、助手席だけでなく、リアシートへのアクセスもラクラク可能。そしてどんな人でも使いやすいユニバーサルデザインを採用し高い利便性が特徴です。
「スペイド」(おすすめ度★★)
●186.23万~244.41万円 ●全長3995 mm、全幅1695mm、全高1690 mm
スペイドはポルテの兄弟車で、クールな外観デザインが特徴です。運転席側は2枚のヒンジドア。助手席側は1枚のスライドドアという左右非対称が特徴です。5ナンバーサイズのボディに高い利便性を詰め込んだハイトワゴンとなっています。
トヨタのコンパクトカーを選ぶ上で気になる3つの疑問にズバリ回答!
軽自動車イーターのパッソから欧州Cセグメントのカローラスポーツまで幅広いラインアップを誇るトヨタのコンパクトカー。気になる3つの部分について考えてみました。
疑問1:カローラスポーツはVWゴルフやマツダ3より良いのか?
全長4375mmのカローラスポーツはヨーロッパではファミリーカーとして使用される欧州Cセグメントという人気カテゴリーに区分されます。このカテゴリーのベンチマークはVWゴルフとなり、日本車ではマツダ3も含まれます。
カローラスポーツはベンチマークのVWゴルフより良いのかということですが、日本市場で販売されているゴルフ7というモデルには肩を並べるところまで進化したかもしれません。しかし、ゴルフはすでに次世代のゴルフ8が登場しており、このモデルが日本市場に導入されれば、縮まった差は確実に広がってしまうでしょう。同じ国産車のマツダ3と比較するとハイブリッド車ではかなり接近した実力と言えます。ただ、マツダ3のほうが走りはしなやかでドライバーとクルマの一体感は味わえると思います。しかしカローラスポーツほどの燃費性能は達成していませんので、ユーザーが何をプライオリティに選ぶのかによって変わるのではないでしょうか。
疑問2:ヤリスとアクアはどちらを選ぶべきか?
ヤリスとアクアのどちらを選ぶべきか。2011年に登場したアクアと2020年に登場したヤリスとでは、クルマの基礎となる部分からまったく異なっています。その結果走行性能だけでなく、安全性能も比較できないほど進化しています。
価格帯はアクアのほうが高額となっていますが、価格が安いヤリスでもそのパフォーマンスは発揮できます。唯一アクアがヤリスを上回るのは室内空間の広さじゃないでしょうか。燃費性能と室内空間にこだわる人はアクアを選んだほうが良いとは思います。
疑問3:ルーミーはスズキソリオより良いのか?
マイナーチェンジを行い、タンクを廃止してルーミーに1本化された結果、新車販売台数上位にランクインしたルーミー。同じセグメントのソリオとの違いは気になるところです。
そのライバルであるソリオですが、2020年12月4日にフルモデルチェンジされました。そもそもルーミーとソリオの実力は伯仲しており、搭載するパワートレインが1L/1Lターボのルーミーと1.2Lマイルドハイブリッドが中心のソリオという違いがポイントでした。トヨタの販売力によって販売台数が多いということあり、フルモデルチェンジして世代交代が行われるソリオを見てみないとどちらが良いのかという判断はできません。
ユーザーの使い方に合わせて選べるトヨタのコンパクトカー
トヨタは現在、販売チャンネルの一元化に向けてモデルの統廃合を進めています。ルーミーの台頭によってポルテ、スペイドはまもなく生産終了となり新車購入はできなくなりますし、アクアも次期モデルが登場するかわかりません。それでもヤリス、ルーミーというヒットモデルがありますので、ユーザーは自分の使い方に合わせて選べるのも強みといえるでしょう。
<ここからは編集部からのお知らせです>
買うよりおトクにコンパクトカーに乗る方法
ここまで紹介してきたトヨタのコンパクトカーの中には、ハイブリッドなどをチョイスすると200万円を超えるような車種もありました。しかしそんなハイブリッドコンパクトカーでもカーリースを利用することで、購入する場合よりもお得に乗れることがあります。
カーリースとは、自分が選んだ車に毎月定額の料金を支払って乗るもので、車の「サブスクリプションサービス」とも言われるています。
カーリースなら、初期費用が不要な上に、残価設定によって車両価格が抑えられるので、カーローンの想定よりも価格の高い車に手が届くことも。カーリースを検討するなら、業界最安水準の料金でサービスが充実している「おトクにマイカー 定額カルモくん」がおすすめです。
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*調査方法:インターネット調査 調査期間:2021年2月12日~15日 調査概要:カーリース10社を対象にしたイメージ調査 調査対象:男女、全国、18~69 歳、運転免許保有、(1)(2)週1回以上運転するファイナンシャルプランナー176s、(3)カーディーラー勤務者297s 調査実施:株式会社ショッパーズアイ 比較対象企業:「カーリース」Google 検索9社(2021年1月29日10 時時点) 広告、まとめサイトなどを除く
※記事の内容は2020年12月時点の情報で制作しています。