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花輪陽子はなわようこ

FPが語る!家計における車代の目安

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貯金ゼロでもマイカー持てる

家計収支の中で月収に対して自動車代の予算はいくらまでにすればいいのでしょうか。独身の場合は大部分を車にかけることも可能ですが、結婚をして子供ができると、住居費に教育費にと、必要な支出と貯金を先取りした後で残った予算から捻出することになります。1ヶ月の自動車費用の目安から無理のないカーライフスタイルを考えていきましょう。

家計の実態

総務省の家計調査(2017)によると、2人以上の世帯のうち勤労者世帯の交通・通信費の平均は4万9610円(うち自動車等関連費は2万5764円で内訳は自動車等購入7177円、自動車等維持1万8162円など)です。
子育て世代は住宅ローンを抱えていたり、子供の教育費にもお金がかかったりするので全てを自動車にかけることはできません。具体的には住居費の上限は世帯の手取り月収の30%、教育費は15%程度が目安です。

同調査によると、世帯収入は1か月53万3820円で、給料から税金や社会保険料などを引いた手取り月収は、1か月当たり約43万円になります。例えば、毎月の住宅ローンの返済と維持費(マンションの場合の管理費など)を合わせた住居費が約30%の約13万円、教育費が約15%程度の約6万5000円なら残るのは23万5000円です。

同調査によると、水道光熱費の平均は月2万1164円、食費は7万4584円と毎月かかる生活費に約10万円かかります。残りが約13万5000円です。この中から医療費や保険料、貯金、被服費や美容費、教養娯楽費などにもかけていかなければなりません。どれくらい現実的に自動車にかけられるのかを考えなければならないことが分かります。自動車にかけることができる1ヶ月の費用の目安は、1か月の世帯収入が53万3820円の平均的な世帯の場合でガソリン代や駐車場代も含めても月収の5〜6%程度、3万円程度までと分かるでしょう。

単身世帯の場合はどうでしょうか。収入は1か月31万7523円で、給料から税金や社会保険料などを引いた手取り月収は、1か月当たり約26万円になります。住居費が約30%の約9万5000円、水道光熱費の平均は9288円、食費の平均は4万2623円なら残りは約11万3000円です。例えば、月5万円を貯金に回すなら、残りは6万3000円です。この中から医療費や保険料、貯金、被服費や美容費、教養娯楽費などに回していかなければなりませんが、若い人の場合はそれほど医療費や保険料にはお金がかかりません。被服費や美容費、教養娯楽費にも興味がないという人は自動車にかける予算を増やしても問題ないでしょう。子供の教育費などがない分、単身だと生活に余裕が出てくるのです。

ちなみに単身世帯の交通・通信の平均は2万4113円でうち自動車等関連費は9286円です(内訳は自動車等購入676円、自動車等維持8498円など)です。

自動車にかけるお金

お金の専門家としては、目先の「欲しい」でクルマを選ぶのではなく、家計全体の中でどれくらいを自動車にかけることができるのかを考えてみることをおすすめします。毎月、住居費が30%、教育費に15%、食費はいくらなど自由に使えるお金が何%でその中で車にかけられるお金は月にいくら、という現実と向き合うことが大切です。車にかけられる予算と満足度から考えて、保有(一括で買うのか、残価設定ローンを利用するのか、フルローンにするのか)、レンタカー、カーシェア、カーリースなどコストと利便性でどれがよいのかといったことを考えるとよいですね。

新車の平均購入価格は約214万円(平成19年 乗用車市場動向調査 新車の平均購入価格 全国/一般社団法人日本自動車工業会)で7年乗車すると仮定すると、現金購入の場合でも1年あたりで約30.6万円(月2.55万円)のコストになることが分かります。また、1ヶ月あたりの自動車の維持費は平均1万1800円(2017年 全国カーライフ実態調査/ソニー損害保険株式会社)と、自動車を保有するには、毎月4万円弱かかるということになります。そのため、購入の場合は上記のファミリー世帯の家計の場合、軽自動車にするなどの工夫をしないと予算を守ることが難しくなります。

あるいは残価設定ローンを利用してメーカーが推奨している車種を選べば残価率(新車価格に占める残価の割合)も高くなり、毎月の返済額を抑える効果があります。ただし、基本的には3〜5年で車を乗り換えるというプランになります。自動車を気に入ったので買い取る場合は最終回にお金を用意しないとなりません。また、毎月の返済額以外にも税金や保険料などを支払う必要があるのは注意点です。

月々の予算をできるだけ抑えたいという人の場合、カーリースという選択肢もあります。自動車をリースする場合、車種や期間にもよりますが、1ヶ月の費用を1万4000円程度に抑えられる場合もあります。マイカーリースの場合は環境性能割、自動車税(種別割)や自賠責保険料なども毎月のリース料金に標準化されて含まれます。任意の自動車保険料、駐車場代、ガソリン代、車検代は含まれませんがその他の多くが込み込みで月額料金が定額なので家計管理をしやすくなります。

例えば、カーリースの費用に1万4000円、ガソリン代に6000円、駐車場代に1万円かかるなら、1ヶ月の自動車維持費は3万円と、予算内に自動車維持費を抑えることができると分かります。

  • 自動車維持費 3万円
  • カーリース 1万4000円
  • ガソリン代 6000円
  • 駐車場代 1万円

カーリースの注意点としては、自動車を気に入った場合、支払いを完了しても自分の所有物にはならないという点があります(リース契約にもよる)。しかし、時代の流れは所有から利用へとなっており、昭和的な「所有」という発想を変えれば、生活コストを大きく減らすことができるので定額払いでサービスが様々な分野で注目を浴びています。動画見放題、本読み放題、雑誌、ブランド品のレンタル、高級車のサプスクリプション制(定額払い)など。

所有にこだわらなければ、よりハイレベルな生活を送ることも可能になるのです。また、浮いたお金を運用することによってより効率よくお金を殖やすことも可能です。

毎月1万円を5%複利で運用すれば20年後に約364万円になります。月1万円を浮かすかどうかによって長期で考えると大きな差が出るのです。

目先の欲望に負けて欲しい車を所有することから、予算的に大丈夫な車を利用するという方法に変えれば、毎月の支払いにも無理がなく、老後まで計画的な人生プランを立てることが可能になるのです。

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よくある質問

Q:車にかけられるお金の目安は?

A:家計のうち、どれだけのお金を車に充てられるかは子育て世帯か単身世帯かによっても異なります。子育て世帯の場合、車にかけられる1ヵ月の費用の目安はガソリン代や駐車場代を含めて月収の5~6%程度が現実的です。

Q:お金の専門家がおすすめする車の持ち方は?

A:目先の欲望ではなく家計全体の中で、どの程度車にお金を割けるのかを冷静に考えてみましょう。その上で車にかける予算と満足度の兼ね合いを考慮し、所有、カーシェア、カーリースなどの方法からコストと利便性のバランスが取れたものを選択することをおすすめします。

Q:月々の予算をできるだけ抑えたい場合はどうしたらいい?

A:その場合はカーリースがいいでしょう。カーリースの場合は自動車税(種別割)や自動車重量税、自賠責保険料なども毎月のリース料金に含んだ上で、月額1万円台前半で利用できる場合もあります。

※記事の内容は2018年10月時点の情報で執筆しています。

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