定額カルモくん契約者のKさん。東京近郊でありながら、あえて駅の近くではない「車が必要な地域」を生活の場として選び、カーライフを楽しんでいます。
根っからの車好きで、還暦を過ぎた今、半世紀以上にわたる趣味を謳歌するために選んだ相棒は、HONDA「S660」でした。
「最後の新車になるかもしれない」だからこそ妥協したくなかったというKさんの愛車への思いを聞きました。
かつて車は夢のまた夢だった
Kさんと車の歴史を語るには、長い年月を遡らなければなりません。昭和40年(1965年)。Kさんは東京都江東区で両親といわゆる長屋で暮らしていたといいます。
Kさん:あのころの日本は高度成長期の真っただ中で。とにかく貧富の差が激しかった。うちはとても車なんて持てないけど、近くの青果工場の社長なんかは、ポルシェに乗ってた。911 カレラ。当時だって、350、400万円ぐらいかな。その隣の企業の社長は丸目2灯のマスタング。それも140~150万円くらいだったかな。
その頃のK少年にしてみれば、車というのは夢のまた夢。何かを成し遂げた人だけが手に入れられる成功の証しと感じていたのだとか。
そんなKさんは、18歳になってようやく夢を実現します。
Kさん:18、19歳の時です。車が好きだった僕は日産マンになった。それで最初に乗ったのが日産の「チェリーF-II」でした。日産自動車の初任給が一般よりも2割高だったから新車で買うことができたんです。 それを3年くらい乗って、ひと目ぼれして中古のC-130ローレルのセダンに乗り換えた。2ドアのSGXのグリルを4ドアにつけて。あとは、コードアンテナ。その当時、無線が流行ってて。3メートルぐらいのものをビヨンビヨンいわせながら走ってました。当時はまだトルコンが普及していない時代で。MT6速で重いんだ、クラッチが。
――18歳で車という夢を手に入れられて、そのあと3年で高級車というワンランク上の車を手に入れて。早めに来るところまで来ちゃった感じですね。
Kさん:いや、乗れば乗るほどまた欲しくなるんですよね。それで、次に乗ったのが430。セドリックのマスコットとグリルを自分で換えました。
――「自分で換えた」というのは、やはり仕事をしていたからできたのですかね?
Kさん:そうそう、やり方わかるから。車は日産だろうが、なんだろうが、車いじってきた人間だから大体わかるんです。セドリックの後に乗ったシボレーカマロ Z28もホイールやらなんやらいじりましたね。
――カマロですか。それはおいくつの時ですか?
Kさん:ちょうど26歳の時です。
カマロの次にKさんは日産のパルサーに乗ります。そしてホンダのトゥデイ、トヨタのカローラと乗り換え、再び輸入車のBMWを購入しました。このBMWもホイールを17インチに換え、さらにフロントのグリルカバー、サイドウィンカーもパーツを変更しています。Kさんが愛車をいじるのには、自分だけのオリジナル、人と違うことに対するこだわりが背景にあるようです。
そこから、スバルのインプレッサ、スズキのアルト、ダイハツのミラと生活に合わせて車を乗り換えたKさん。軽自動車から高級車、輸入車まで、10数台に及ぶ車に乗ってきましたが、そのどれもが文字どおりの愛車だったとKさんは言います。
そして2年前、61歳の時に出会ったのが現在の相棒です。
いろいろ乗り倒した結果、選んだ相棒がS660
――S660を選んだ理由は?
Kさん:S660は2015年に発売されて以来、一切、フルモデルチェンジをしていないんですよ。モデルが変わらないということは、永遠に残る。残る=旧車、絶版になるんですよ、絶対に。なので、僕はこれにした。しかも軽自動車だし。維持費が安いですから。燃費も良いし。
――これまで、いろいろな車に乗ってみて、維持費というのは、やっぱり重要ですか?
Kさん:重要ですね。だから、カマロに乗っているときはたいへんだった。リッター走っても、6キロぐらいですから。 車の楽しみと、日常のあいだで一番良いものを選ぶ。維持費の上に好きなフォルムを乗っける。そんな感じです。
――維持費は考えつつ、妥協はしたくないということですね。
Kさん:そうですね。還暦過ぎたし、そろそろ自分の趣味、好きな車に乗りたいと。もし、一人暮らしじゃなかったら、猛反対される車でしょうね。2人しか乗れないじゃんって。実質1人じゃんて。
――今回も車をいろいろといじってらっしゃいますよね?
Kさん:今回は中から攻めようと。Amazonとかでもかなりパーツが出てるし。それで、スポーツモードのスイッチを入れると、インパネが赤くなるんですよ。これは絶対にインナーは赤にしろと言っているんだなと。そこからすべて赤で統一。
シートから細かいパーツまでシルバーと赤、黒の色のバランスが渋い
――ここまでいろいろな車に乗ってきて、どんな車が自分に合う車だと思いますか?
Kさん:やっぱり速い車ですよね。加速。信号待ちで、スタート。そして、周りから目立つ。これでしょうね。とにかく人間が目立つから。声でかいし、顔でかい、態度もでかい。あと、もう一個ある。図々しいね(笑)。
最後の新車、方法はある、夢は叶う。
――カーリースという仕組みは知っていたのですか?
Kさん:インプレッサがディーラーのリースだったから、もう12年前には利用してましたね。
――最初は違和感とか怪しさはありませんでしたか?
Kさん:全然感じなかったですね。ちゃんと説明も受けたし。
――今回、S660を購入することは考えなかったのですか?
Kさん:購入は考えていなかった。リースはいろいろなプランがあるけど、税金も何も全部コミコミじゃないですか。一定の月額が決まってるので支払額が変わることがないから安心ですよね。あと僕の場合は、ローン審査は難しいと思ってたから、逆に、よく通ったなと思ってます。
――ちょっと難しいかなと考えられていた?
Kさん:いろいろあって何回か試したけどやっぱり無理で。でも、カルモさんに相談したら、一応やってみましょうよと言われて、じゃあダメ元で、みたいな。そしたら、通ったのでびっくりしました。え、ほんとですか?って電話して。じゃあぜひぜひお願いしますと言って、現在に至ります。新車に乗れてるのはカルモさんのおかげですよ。
――3年ぶりの新車になるわけですが、乗っていて、一番楽しいのはいつですか?
Kさん:やっぱり、アクセルを離したときのターボのシュポシュポ音ですね。
――これまでを振り返って、車というのは、Kさんにとってどのような存在でしょうか?
Kさん:やっぱり、パートナー、相棒だよね。時折言うことを聞かない、なかなかわがままな相棒ですけど。だからしっかりかわいがってあげないと。そして、どうせ走るなら目立って走ろうと。目立つためには何をするかというと、自ずと出てくるんです。こーして、あーしてとか。車が訴えかけてくる。ここを変えたらもっとかっこいいとか。そう?とか話しながらさ。
※記事の内容は2022年4月時点の情報で制作しています。